結果。これは樹ちゃんなのか...?少なくとも中一ではない気がする。
ま、まぁ喜んで頂ければ幸いです。前回の樹ifは読まなくてもある程度は大丈夫だと思います。
追記。書くの忘れてた。今日は三人の友奈役である照井春佳さんの誕生日です!おめでとうございます!友奈ちゃんは出てこないけど!(似たようなことを前も言った気がする)
下から本文です。
「ぁ...あぁ...」
水音が響く。別に辺りが水浸しなわけでも雨が降ってるわけでもない。なんなら俺のすぐ近くにいる彼女はこの音が聞こえていない。
何故なら_______彼女の口が、俺の耳を覆っているからだ。
「好きですよぉ。椿さん♪」
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時は遡り、昨日。進級した俺達と同様に、樹も一つあがって中学生になった。勿論勇者部に所属。五人になったということで、少し大規模に幼稚園で人形劇をしようとなった。
「結構買い込んだなー」
舞台セットの為の道具、人形を形作る為の布等、両手にはぎっしり荷物が入っている。
「すいません、椿さん...」
「いいんだよ。こうした方がバランス取りやすいし」
同伴する樹には小物を入れた小さい袋しか持たせていない。二つも下の妹のような存在に任せるつもりは全くなかったが、壊れやすいものだけ大事に持ってもらった。
(男子って自分が思ってるより雑らしいからな...)
他のメンバーは別の用事で、樹と二人きり。土曜である今日は買い物。明日は自由休みでそれから放課後で作ろうという魂胆だ。
「楽しみだな...」
「そうですね」
荷物は今度俺が部室まで持っていくことになっていた。
「ここまででいいよ。ありがとう」
「いえ!折角なので中まで持っていきます」
「んー...わかった」
実は今、俺の家は誰もいない。両親は二人とも仕事だったり友達と遊ぶとかで月曜まで帰ってこないのを昨日聞いた。
(無人の家に美少女を入れ込む...ま、すぐ帰すしいいか)
なんなら送っていくまである。思えばこの時点で少し違和感はあったのだ。休日なのに誰もいないことに関して指摘しない樹が。
「ここが椿さんのリビング...」
「あれ?通したの初めてだっけ?」
「はい!なんだか感動です!」
「そうか...?まぁ、荷物そこに置いたら帰らせるからな」
「えー」
「もう日も暮れる。風に怒られるのは俺なんだから頼むぜ...」
「それなら平気です!お姉ちゃんには遅くなるって伝えてますから!」
「...」
風がそれを納得したのか微妙だったが、飲み物くらいは出すべきだろうと思い、冷蔵庫にあったみかんジュースを提供する。
「どうぞ」
「いただきまーす」
ついこの間まで小学生だった彼女は、あどけさなが残りながら少しずつ姉に似てきている。
(風と同年齢だったら、樹の方がやるときはやりそうだ...)
みかんジュースを飲みながら、そんな彼女に声をかけた。
「樹ー、それ飲んだら...?」
視界がぐらつく。地震でも起きたかと思えば、視界に映る樹は済まし顔だ。
(俺、なにが、どうなって...)
「ん...」
気づいたら、自分のベッドで寝ていた__________手と足が、縛られていたけど。
(...!?どうなってんだこれ!?)
後ろで組まされた手も、足首で固定されている足も、動かしても全くほどけない。強力な縄かと思えば、痛くもなかった。
(銀!おい銀!どうなってんだ!?何があった!?)
(...椿。大人しくしておけ)
(!?)
(そうすれば可愛い樹ちゃんからご褒美が貰えるぞ...はにゃぁ...)
(おい銀!? )
「...目が覚めたんですね」
「お、お前...!」
暗い部屋で顔までは見えないが、その声ではっきりわかった。
「樹...お前がやったのか」
「ごめんなさい椿さん。でもこんなチャンス滅多にないと思って...先輩のみかんジュースにお薬を入れました」
「いつの間に...」
「ぼーっとしてた先輩のコップと薬を入れた私のコップを交換するの、バレるんじゃないかとゾクゾクしてました。それに...もう一人の椿さんも、静かにしてもらえましたし」
(銀の存在に気づいて!?)
確かに勘がよければ気づけるくらいの生活態度だったかもしれないが、こうまで確信を持って言われるとは思わなかった。樹の前でかいたことのない冷や汗が流れる。
「古風ですけど、こんなので催眠もかけられましたし...」
「えー...」
見せられた糸つき五円玉。樹の言う通りならこれで銀は洗脳されたのだ。
突然の事態過ぎて混乱しながら、なんとか思考を回転させる。
「というか、なんでこんなこと...もう夜だし、風が心配するだろ」
「...大丈夫ですよ。神様も味方してくれたみたいで外は大雨。お姉ちゃんには椿さんの家で泊まると伝えましたから。もう一人の椿さんのお墨付きで」
「っ!」
その顔が見えて、目を見開いた。樹は__________目の光がなかったのだ。きらきらしていた目は、濁ったどぶのように変わっている。
「でも...椿さん。なんで始めに気にするのがお姉ちゃんなんですか?私が目の前にいるのに......」
なにか、彼女の不都合なことを言えば大変なことになる。そんな直感が黙らせることもせず口を開かせた。
「い、いや...樹のことを気にしての発言なんだが。こんな遅くに帰ったら危ないだろ」
「いいんですよぉ...さっきも言った通り、こんなチャンスは滅多にない。だから帰るつもりなんかなかったんです...ご両親がいなくて、椿さんともう一つ上の関係にいける大チャンス...」
「一つどころか三つくらい進んでそうだが...」
具体的に行き着く先は容疑者と被害者である。まさか自室で拉致監禁まがいなことをされるとは露ほど思わなかった。
「な、なんだってこんなこと...」
「気づかないんですか?私が椿さんのこと大好きってことですよ」
「っ...」
こんな状況なのに顔が赤くなる。
「顔赤くしてくれた...嬉しいなぁ」
「この縄もほどいてくれると凄く嬉しいんだけどな」
「ダメです。椿さんは優しいからこんなことしても、ここで止まればきっと許してくれる。でもそれじゃあダメなんです。もっと私をぐちゃぐちゃにして、たくさん感じて、感じさせて欲しいんです」
(く、狂ってる...)
俺はこの子とそれなりに長い付き合いをしながら、本質をなにもわかってなかったのだ。
「でも、椿さんからはなにもしてきません...だから、私がやるしかないんです」
「...樹の気持ちはわかった。だがこんなことはやめよう?俺は、樹とこうやって進んでいくのは嫌だな...」
「大丈夫ですよ。全部私に任せてくれればいいんですから」
そして、本能が逃げろと言い続けてる中で、遅まきながら脳が理解した。
俺に選択権など、始めからないのだ__________
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虚ろになっているだろう目が、あれから半日以上経ったことを示す時計が見える。
「...ぅ、ぁ」
体中に樹のマークが刻まれ、強烈な彼女の残り香が常に脳を刺激する。
今樹は、トイレに行っていた。
目に入ったスマホへ手を伸ばす。もう手足の縄もない。いつからかそれは外されていた。
ここで、風に連絡すれば、きっと駆けつけてくれる。「助けて」の「た」だけ送っても十分だろう。それなら彼女が来る前にできる。この光景を見られることになっても________
「......」
だが、俺の手は伸びなかった。力尽きた様にベッドに置かれるだけ。
既に、俺は_______
「椿さーん」
「っ!!」
「大人しく待っててくれたんですね...ご褒美にっ......」
俺に抵抗の意志がないから、彼女も縄を外したのだろう。こうしてキスされて、流し込まれた液体を躊躇いなく飲み込む俺になってしまったのだから。
「持ってた中で一番効く薬です。私も飲んじゃった...」
「ぁ、ぁぁぁ...」
「さ...椿さん」
_______彼女抜きでは、生きられなくなっていた。