芹ちゃん殿ビヨンドにも出るよね?
王子さまとお姫さまが二人っきりでひとつの部屋にいる。なにも起こらないわけがない!
でも総士じゃないけど総士だからなぁ。ぶっちゃけ第二の一騎枠になってきてる?
先輩が調べた限りだと、この世界の竜宮島は、あたしの知る本来辿る未来を進んでいた。
犠牲を払いながら勝ち取った未来。
でも。砕け散ったミールの欠片がアザゼル型となって人を襲うようになる。
北極のミールとの決戦を終えてまだ3ヶ月の竜宮島。総士先輩も、アザゼル型のことは伝えていたけれど、それが砕け散ったミールの欠片から生まれることは告げていない。でないとまだ北極の決戦を終えていないあたしたちが何故アザゼル型と戦ったのかという矛盾が生じてしまうから。
必要以上に島の人たちとの接触をしない様にか、あたしも総士先輩も、その行動範囲はアルヴィスの居住区周りだけになっている。行動時間も、午前中は自由でも午後は外出を控える様に言われている。
時間的に、こっちの世界のあたしたちと鉢合わせしない様に考えられているみたい。
でも、朝イチであたしは織姫ちゃんに毎朝言葉を掛けに行っていた。ここでも鉢合わせしない様に気をつける。
部屋から殆ど出ることもないから、自分が別世界の竜宮島にいるなんて実感が湧かない。
戦い以外で役に立てない今のあたし。
来主くん達がやって来るまでは2年も先のこと。だからこっちの世界でフェストゥムと戦うことはないかもしれない。
ひょっとしたらすぐに総士先輩が元の世界に帰る方法を見つけてくれるかもしれない。でも、もしそうじゃない時。あたしは、人を相手に戦えるのだろうか。
たぶん、戦える、と思う。
島に悪意を持って攻めてくる人間が相手なら、戦えると思う。戦わなくちゃならないときはきっと来る。
「織姫ちゃん…」
あたしの記憶にある未来は、ずっと織姫ちゃんと一緒に居るために、ツヴォルフの中で眠りについたところまで。
それはあたしがした約束じゃない。でも、あたしも織姫ちゃんは大好きだから、同じ事をすると思う。
総士先輩が居なくても、あたしの傍には必ず乙姫ちゃんか織姫ちゃんが居た。だから怖くなかった。寂しくもなかった。
でも今は、誰もいない。
総士先輩は出来る事も多いから毎日部屋を空けている。あたしには出来ない事をして、島の人たちに受け入れて貰おうとしている。
あたしなら何が出来るのか考えて。でも答えが出てこない。今のあたしには、本当に戦うしか取り柄がない。
「人には不得意な物もある。焦ることはない」
「でも…」
湯船に浸かりながら、背中を預ける総士先輩の言葉に、あたしは素直に納得が出来なかった。せめて何か手伝える事はないのかと考えても、なにも湧いてこない。
改めて考えると、あたしは総士先輩に甘えてばかりだ。
「そう自分を追い詰めるな。僕としては君が居てくれるだけでも意味がある」
「あたしが、ですか…?」
顔を上げて、総士先輩に振り向くと、先輩は少しだけ申し訳なさそうな顔を浮かべていた。
「僕ひとりでは、別世界からやって来たという確証には弱かっただろう」
この世界の竜宮島では、総士先輩はフェストゥムの側にいる。本来の総士先輩が帰って来たかもしれないとみんなに思わせてしまうかもしれない。或いはフェストゥム側のスパイと思わせてしまうかもしれない。総士先輩はそう言った。
本当だったら今はまだ普通のファフナーパイロットの候補生だったあたしがここにいるから、総士先輩とあたしが別世界からやって来た人間という事実により説得力を持たせる事が出来る。
乙姫ちゃんも織姫ちゃんも居なくて不安を感じてばかりのあたしとは違って、総士先輩は凄い。
「僕ひとりでなら、黙々と帰るための術を探していた。目的を果たすためならばそれでも構わないだろう」
「そんなこと…、ないと思いますけど」
記憶にある総士先輩よりも、総士先輩は乙姫ちゃんとの時間を大切にしている。織姫ちゃんとの時間を大切にしている。
どっちの総士先輩も乙姫ちゃんを大切にしているのはわかる。ただ総士先輩がちょっと過保護になっていて、乙姫ちゃんも普通に総士先輩に甘えるようになって、普通の兄妹になろうとしているだけ。
それ以上に自分に素直な織姫ちゃんの影に隠れているけれど、たぶん総士先輩と乙姫ちゃんの間にはあたしたちが踏み入れられない絆がある。
だからこっちの世界の乙姫ちゃんに言ったように、乙姫ちゃんが危ないときは総士先輩も戦っていると思う。
あたしも、たぶん同じだと思う。でも、あたしだけだったら、心細くてダメだったと思う。こうして総士先輩が居てくれるから、あたしも普段通りでいられるんだと思う。
「あたしが一緒でも、迷惑じゃないですか?」
「僕の事を知っているのは、この世界では立上だけだ。心強いと思っている」
「そうですか…」
総士先輩からそんなことを言われて、気持ちが楽になった。なにも出来ないあたしでも、一緒に居ても良いんだって、そう思えるから。
背中を預けていた格好から、向き合う形に身体を動かして、総士先輩の背中に腕を回して、胸に耳を当てる様に身体を預ける。
「暖かいですね」
「風呂の中だからな」
「違いますよ…」
「そうか」
最近。総士先輩の胸の中は織姫ちゃんに占領されちゃっていたから、久し振りに総士先輩の胸の中に居る。とっても落ち着けて、総士先輩と二人きりの今を、不謹慎だけどもう少し感じたいと思っているあたしは悪い子だ。
なのに総士先輩は優しく頭を撫でてくれる。それが気持ちよくて、うとうとして眠くなってくる。
「寝るならそろそろ出るぞ」
「もう少し。このままが良いです」
「…10分だけだ」
「はい…」
総士先輩が望むなら、あたしはなんでもする。
今だけは、一騎先輩でも、乙姫ちゃんでも、織姫ちゃんでもない。あたしが総士先輩の願いを叶えられるんだ。
だから代わりに今だけは、いつも以上に総士先輩を独り占めにしたい。一緒に居ても良いのなら、どこまでも一緒に行きます。
「もう少し、ぎゅって、してくれますか…?」
「最近は落ち着いたと思っていたのだがな」
「織姫ちゃんが居ましたから、あたし我慢してたんですよ? 褒めてくださいよ」
「どう褒めれば良い」
「もっと甘やかして欲しいです」
「難易度の高い要求だな」
それでも受け入れてくれる総士先輩だから、あたしもすべてを任せられる。きっと、一騎先輩も同じなのかもしれない。
◇◇◇◇◇
あたしも総士先輩に着いて部屋から出るようになった。
総士先輩が外に居る間にしていた事は、ファフナーの整備だった。
北極の決戦でボロボロになった先輩たちのファフナーを直したり、こっちの世界のあたしたちが乗るファフナーの整備をしたり。総士先輩はどこに居ても総士先輩なんだなって思った。
「先輩。この機体…」
「道生さんの乗っていたマークアインだ。今は前線を退き、空席になっている」
ショットガン・ホーンと大型スラスター、イージスを装備されているグレーのノートゥング・モデル。そのセッティングはあたしのファフナーのセッティングだった。
「面白い装備だなぁ」
「小楯さん」
マークアインに装備が搭載されていく中で、小楯さんがやって来てマークアインを見上げた。
「立上の適性に合わせた装備です。頭部の装備はこちらの彼女にも必要になるでしょう。これがその仕様書です」
小楯さんにタブレットを渡しながら説明する総士先輩。目を通しながら一目あたしに視線を送る小楯さん。やっぱり頭で攻撃するのって、変ですかね。
でも戦ってる時はそんなことを気にしていられなくて、気づいたら頭から敵に突っ込んでる事が多くて。変性意識で、あたしはそんな風になっちゃうから気をつけたくても気をつけられない。
それが変わったのはアルゴノート・モデルに乗ってから。
SDPを使えるようになって、フェストゥムをたくさん同化したくなった。フェストゥムに食欲が湧くなんてどうかしてる。でも、乙姫ちゃんも織姫ちゃんも、総士先輩も、そんなあたしを変わらずに受け入れてくれる。だからあたしは怖くなかった。
「次の訓練で出てもらうことになる。出来るか?」
「やります。総士先輩が望むなら、あたしが」
「わかった。だが無理はするな。僕たちの島に帰るためにも」
「わかっています」
それでも、必要ならあたしは無理をするかもしれない。島を守るために。
マークアインの整備を終えたあと、総士先輩はマークザインを見上げていた。
マークザインの中にはマークニヒトが封じられている。
前までのあたしならなにも感じなかったのかもしれない。でも、今のあたしにならわかる。マークザインの中になにかが居る。
「……居るんですよね。この中に」
「ああ。だが、僕にはどうすることも出来ない」
傍に居るだけでも胸が苦しくなってくる。これが憎しみと虚無によって生まれたマークニヒトの気配。
「大丈夫、ですよね」
「今は、な。だがいずれは外に出てくる」
それは未来で訪れること。でも、マークニヒトがなければ、未来にたどり着けない。
「……辛いですよね。未来の為に、なにも出来ないなんて」
「だが出来ることはある」
そう言った総士先輩の横顔を見ても、あたしには先輩が何を考えているのかはわからなかった。
北極の決戦を終えて3ヶ月。この時期に実機での、この世界のあたしたちの訓練がある。
本来辿る未来なら、2年の間は平和でいられたからあたしたちも平和に暮らしていられたのに。
「準備は良いな? 立上」
「は、はい。…大丈夫です」
訓練を前に、あたしと総士先輩はこっちの世界のあたしたちと顔を合わせることになった。
でも自分と顔を合わせるのなんてなんだか緊張する。こっちの世界の総士先輩はいなくなってるから余計に顔を会わせ辛いと思うのに堂々としてる。
「不安なら、僕の手を握っていると良い」
「はい…。そうします」
総士先輩と手を繋いで、ちょっとだけ緊張が和らぐ。
「大丈夫かね?」
「は、はい! すみません」
真壁司令にも気遣われて、申し訳なくて、恥ずかしくなって総士先輩の背中に隠れながらブルクに入る。
総士先輩の肩越しに、こっちの世界のファフナーパイロットたちを見る。近藤先輩に遠見先輩、カノン先輩。要先輩もシナジェティック・スーツを着ている。そして先輩たちに向かい合っているこっちの世界のあたしたちの姿もあった。
真壁司令がブルクにやって来る事なんてないからみんな驚いている。
「驚かせてすまない。皆に本日から共に島を守る仲間を紹介するために来た」
真壁司令が横にずれると、みんな目を見開いた。
「紹介に預かった。皆城総士だ」
「ほ、ほんとに、皆城君?」
「い、いつ帰って来たんだよお前…!」
総士先輩が自己紹介をすると、遠見先輩と近藤先輩が幽霊でも見る様に総士先輩を見る。
「彼は我々の知る皆城総士ではない。フロンティア船団と同じく、別の世界からやって来た」
「べ、別の世界から…?」
カノン先輩がみんなの思っているだろうことを口にする。そう思われても仕方がない。いきなり信じるのも難しい話だと思う。
「こちらの世界での皆城総士については僕も聞いている。戸惑いもあるだろう。受け入れろとも言わない。だが有事の際には共に戦う事を了解して欲しい」
そう言うと、総士先輩が横にずれる。いやまだあたし気構えが出来てないんですけど!?
総士先輩は面影があるからみんな一目で誰かわかるけど、あたしの場合は変わりすぎて誰だかわからないだろう。実際みんな誰だって顔をしてる。サッと総士先輩の影に隠れる。
「どうしたんだ?」
「なんか楽しんでませんか?」
「さてな」
絶対楽しんでる。顔がニヤけてるもん。総士先輩の鬼! 悪魔!
ダメだ。ファフナーに乗っている時の総士先輩は鬼だし悪魔だから貶しても効果がない。
「……立上芹です。よろしくお願いします」
総士先輩の背中から顔を出して挨拶をすると、みんな目を見開いた。ちょっと驚き過ぎじゃないかな。
「え? うそ、あたし!?」
自分を指差して驚いているこっちのあたし。
「なんか、全然面影なくてビックリしたって言うか」
「別世界の自分と一緒に戦うなんてマンガみてーだな! そっちの世界のおれとかどんななんだろ? なぁ、芹、教えてくれよ!」
「か、変わってないよ。ていうか、あたしが変わりすぎというか……」
「こちらの立上は事情があってこの姿だが、君たちと同い年だ」
「同い年!? なにがあったらそんなボンッキュッボンッになるんですか!?」
あたしが同い年と知って一番驚いてるのは里奈だった。
「今でだってこんなおっきいのにぃっ」
「ひゃあっ!? なにすんのよっ、里奈!」
向こうのあたしの胸を背後から鷲掴みにしながらこっちを睨んでくる里奈。その視線から逃げるように総士先輩の影に隠れる。
「皆城君も雰囲気が違うよね」
遠見先輩の言葉で、視線があたしから総士先輩に移る。里奈はあたしに肘鉄を受けていた。
「話してもあまり楽しい出来事ではないが、こちらも色々あった。そして僕たちもそこにいる事を選んだ結果だ」
「そうなんだ。なんだか不思議だね。でも皆城君は皆城君なんだね」
「どういう意味だ?」
「芹ちゃんを守ってる。あたしたちを守るみたいに。だから皆城君は変わらないんだって思ったの」
鋭い洞察力を持つ遠見先輩は、総士先輩が本来の総士先輩とは違う事を見抜いているらしい。確かに総士先輩は本来の総士先輩よりも軟らかい人だ。それが親しみ易くてあたしは好きだけど、総士先輩は本来の総士先輩よりも痛みに弱いことを気にしてる節もある。辛いときはあたしに甘えてくれても良いのになぁ。
「パイロットを守るのは僕の仕事だ。だが立上にはプライベードでも世話になっている。僕個人の意思でも、彼女を守ることに疑問はない」
「……やっぱり、あたしたちの知る皆城君とはちょっと違うかも」
「そうなのか? 事実を口にしたまでだが」
そこで首を傾げちゃう辺りが先輩ですよね。でも恥ずかしいけど、ちょっと嬉しかった。
「と、とりあえずアレよ。総士が居るんだったら、指揮は任せても良いんじゃないの?」
要先輩がそう言ったものの、総士先輩は首を振って指揮権の受け取りを拒否した。
「いや。有事の際は僕もファフナーで出ることになる」
「ファフナーに乗れんのか!?」
総士先輩の受け答えに、近藤先輩が驚いた。割りと早い段階からファフナーに乗って戦っていたから忘れそうになるけど、本来の総士先輩はファフナーに乗れなかったんだよね。こっちの世界の総士先輩もそうだったみたいだから、近藤先輩が驚くのもわかる。
「ああ。それにいつ僕たちももとの世界に帰るかわからない。ファフナー部隊の指揮は剣司が中心となって進めると良い。遠見とカノンでサポートしてやってくれ」
「ちょっと総士。なんでアタシにはなにもないのよ」
「要は遊撃戦力として専念した方が良いからだ。経験のない空戦中に指揮が出来るか?」
「ぐっ。やっぱりアンタは総士だわ。そう言われちゃ言い返せないっての」
世界は違っても、根本的に先輩たちも人が変わっている様子もなくて良かった。やり辛さはあるかもしれないけれど、なんとかやっていけると思う。
「話したいことはまだあるだろうが、予定時刻だ。各員ファフナーへ搭乗。訓練を始めてくれ」
「「「「「了解!」」」」」
真壁司令が纏めてくれて、漸く視線から解放された。
実際のファフナーに乗るのは初めての後輩組に、近藤先輩が中心になって訓練を始めていく。こっちの世界のマークツヴォルフには総士先輩が作っていたショットガン・ホーンが装備されている。そして変性意識の所為でマークアハトに頭から突っ込んでいくマークツヴォルフを見ながら、あたしはマークアインに乗って軽く機体の動きを確かめた。
マークアインもマークツヴォルフと同型で、総士先輩がセッティングしてくれたからか動きに違和感を感じなかった。
「っ、なに? 誰か居るの…?」
誰かに呼ばれた気がした。その声は来主くんの声だった。
ここにいる。確かにそう聞こえて、灯台の方を見ると、灯台の上に来主くんが居た。
「来主くん…?」
近づこうと機体を向けた時だった。
フェストゥムが沿岸部に現れた。
そして海面を割ってマークゼクスが飛び立った。
「マークゼクス!? 羽佐間先輩?」
マークゼクスの識別コードが出るとクロッシングが行われた。
『僕だ。立上』
「総士先輩?」
マークゼクスに乗っていたのは総士先輩だった。でも姿がアルヴィスの制服のままだった。スーツ無しで、ファフナーに乗っているってこと?
『こちらの羽佐間が来る前に拝借した』
「怒られても知りませんよ?」
『謝罪はあとでしておく。ファーストエンゲージ、良いな?』
「良いんですか?」
あたしも総士先輩も、普通のフェストゥムが相手なら負けるような事はない。訓練中のあたしたちを抱えていても、先輩たちなら余裕だと思う。なによりフェストゥムと戦う経験を積ませる為に良い機会だと思うけど。
『突然の奇襲で島民の避難はこれからだ。それに先程僕は声を聞いた』
「来主くんの声…」
総士先輩も聞いていた。来主くんの声と一緒にフェストゥムがやって来た。
そこから考えた事が、総士先輩の考えと同じものだった。
「でも、まだ3ヶ月ですよ!?」
『現実を受け止めろ。被害が出る前に島を守るんだ』
「っ、了解!」
フェストゥムに一番近いのはあたしのマークアインだ。あたしが行かなきゃ、島の誰かがいなくなる。
直ぐ様機体を駆けつけさせる。
住宅地に入ってくるグレンデル型を踏みつけ、装備してきたレヴィンソードを構える。
「はああああああっ」
突進する勢いで降り下ろしたレヴィンソードで、グレンデル型を生むアルヘノテルス型を切り裂く。
空かさずコアを掴み取った。
「ちょうだい。あなたの
手が結晶に包まれる。
この島にはゴルディアス結晶はまだない。だからSDPも使えない。
でも、だったらあたしが直接同化すれば良い。総士先輩が生身でフェストゥムの力を使うように。
結晶が腕を覆っていく。あたしを逆に同化しようとしている。存在と無の綱引き。
でも、アザゼル型に比べればどうってこともない。
「んっ…。ごちそうさま…」
結晶が弾けて、
レヴィンソードを別のアルヘノテルス型に投げつける。
『あなたは…そこにいますか?』
スフィンクス型が問い掛けてくる。
「あたしは、ここにいるよ」
ショットガン・ホーンを展開。スラスター全開で、あたしを見下ろすスフィンクス型の胸に飛び込む。
「だからもっとちょうだい。あなたたちの生命を…」
ショットガン・ホーンの突き刺さったスフィンクス型を同化しながら、レヴィンソードを突き刺したアルヘノテルス型も同化する。
結晶に包まれたアルヘノテルス型を通して、島の市街地を結晶が覆っていく。そしてグレンデル型だけを同化して、すべての結晶が弾ける。
「さぁ。次にあたしに食べられたいのはだれ…?」
まだまだあたしはたくさん食べたい。フェストゥムたちを睨みながら、あたしは口許に笑みを浮かべながらそう口走っていた。
to be continued…