ーーーここは地獄だ。あたり一面は血の海だ。この地獄を作り出した怪物がここに、それは中身のない鎧だった。かつては、銀に美しく輝く鎧だったのだろうが、その面影はなくその鎧は錆びや血で全身を汚していた。その怪物は1メートルを越える大剣を振り回し、周りにいる軍服を着た人々を2つに斬り裂いてゆく。
ーーある者は頭から真っ二つに斬り、
ーーある者は胴から斬り捨て、
ーーある者はその豪腕で頭を握り潰される
皆が臓物や脳漿を撒き散らし死んでいく。
どれもひどい断末魔を上げ死んでいく。
ここは地獄だった。
この地獄に1人の青年が現れる。その青年は周りの物と同様に、軍服を着てマントを羽織って刀を腰に差している。
ここに来た時には生きている人間は、青年意外1人も居らず、怪物は不気味に浮かぶ眼でこちら睨んでいる。
青年は赤く殺気の灯る目にらむ。
両者が構える。
怪物は、大剣を掲げ腰を落とし半身になって構える。
青年は腰を落とし鞘を左手で持ち右手は地面つけ獣のように構える。
両者動き始める。速さは互角、先に仕掛けるのは怪物の方で大剣を両手に持ち音速で大剣を振り、目の前にいる青年の首を狙う。青年は下に潜りこみそれをかわす。
「フッ」
そしてその勢いのまま居合い斬りで左腕を斬り落とす。
怪物からは、斬った所から黒いもやが溢れだす。
怪物は隻腕のまま大剣を頭、腰、腕、と高速で振り回し青年に斬り掛かる。
常人では目で追えないそれを、青年はで目で追い右に左にと避けていく。
「フッ」
そして怪物よりも速く刀を振り回し斬り刻んでいく。
右肩、左腿、胸、と次々に刀で斬り刻む。
怪物からは、斬れた所から黒いもやが溢れだしていくたび弱っていく。
最後の振り絞り青年を頭から斬ろう大剣を振り下ろすが、青年はそれを右に避け、胴から真っ二つにする。
怪物から黒いもやが勢いよく溢れてくる。それもやがて止まりガシャと音をだしながら鎧は倒れる。
怪物と青年の戦いは青年が勝利をする。
「ふぅ」
と息を吐き、刀を鞘に納め、戻ろうと振り返った所で、
ーー世界に穴が空いた
穴から青年を捕らえようとたくさんの手が伸びる。
青年は刀を素早く抜き、自分に向かって来る手に斬り掛かるが、刀は手を通り抜け空振りになる。
手は青年を捕らえ、穴に引きずり込む。抵抗するが意味がなく、そのまま引きずり込まれる。青年を取り込んだ穴は、ズ、ズと塞いで行き消えていく。
この日、世界から1人の青年が消える。
青年が目にしたものは街だった。
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