英雄と共に   作:マスターM

8 / 16
修行

「ひーひー・・・・・・」

イッセーは現在尋常じゃない量の荷物を背負って歩いていた。

朝にグレモリーがイッセーと弓弦の家を訪れ修行をしに行くと言い、現在山登り中である。

 

「部長、山菜を摘んできました。夜の食材にしましょう」

そう言いながら、涼しい顔で木場がイッセーの横を通り過ぎていく。木場も巨大なリュックを背負っていた。

 

「・・・・・・お先に」

更にイッセーの横を、イッセー以上の荷物を背負った塔城が通り過ぎていく。

 

「なんか久々に筋トレをするな」

 

「ユズル1つ聞きますが、魔力強化してますか?」

 

「してないぞ。知らない内に筋肉もついていたみたいだ」

更にイッセーの横を、弓弦が塔城の倍の荷物を背負ってその上にソファーを置き、そこにアルトリア達女性陣達が座っていた。

 

「おい坊主もうへばったのか?あのちっこい嬢ちゃんに負けてるぞ?」

イッセーに声を掛けたのはクー・フーリンだった。その背中には狩ったと思うイノシシを担いでいた。

 

「そうは言っても・・・」

 

「なら走れるようにしてやる。おーいバーサーカー坊主が走れるように後ろから追いかけてやれー!!」

 

「■■■■■ーーー!」

 

「ぎゃああああああ!!」

イッセーは呂布に追われながら一気に山道を駆け上って行く。

 

 

 

目的地の木造の別荘はグレモリー家の所有物で、普段は魔力で風景に隠れ、人前には現れない仕組みだそうだ。

全員一端ジャージに着替え、リビングで弓弦のサーヴァントの自己紹介が始まった。

 

「サーヴァントセイバーだ」

 

「同じくセイバーです」

 

「余もセイバーだ」

 

「私もセイバーです」

上から、セイバー・オルタ、リリィ、ネロ、沖田が自己紹介した。

 

「セイバーばかりでどう呼べばいいのよ・・・」

グレモリーがため息をつきながらそう言った。

 

「では私のことは青セイバーで」

 

「黒セイバー」

 

「白セイバー」

 

「余は赤もしくは深紅のセイバーと呼ぶがいい」

 

「沖田さんの事は桜セイバーで」

 

「沖田もう真名言ったじゃん・・・」

 

「あ!?で、では改めまして。サーヴァントセイバー、真名沖田総司」

 

「あの新撰組の一番隊隊長!?」

 

「師匠!?」

木場の師匠はリアスの兄、魔王サーゼクスの『騎士(ナイト)』の沖田総司なので木場は動揺した。

 

「恐らく平行世界の同一人物の別人だと思う。俺の方は死んで英霊となっているからな」

 

「はいそうです。よろしくお願いグハッ!!」

挨拶しようとしたら吐血して倒れた。

 

「あーもう、ジャンヌ沖田寝かしといて」

 

「はい。大丈夫ですか沖田さん?」

沖田はジャンヌに連れられ部屋に運ばれた。

 

「気を取り直して次」

 

「サーヴァントキャスター、真名玉藻の前です。リアスさんとアーシアさんにはこの前お会いしましたので、他の方々よろしくお願いします」

 

「・・・日本三大妖怪」

塔城がボソッと言った。

 

「同じくキャスター、真名諸葛孔明だ」

 

「三国志の天才軍師!!」

 

「■■■■■ーーー!」

 

「バーサーカー、真名呂布奉先だ。狂化によって会話は出来ないが、こちらの言葉は理解出来ている」

 

「三国志最強の武将!!」

 

「サーヴァントランサー、真名カルナ」

 

「インドの施しの英雄!!」

 

「サーヴァントアヴェンジャー、真名ジャンヌ・ダルク・オルタ」

 

「ジャンヌ・オルタは簡単に言うとジャンヌの闇化だな」

 

「それって青セイバー達も同じってこと?」

 

「まぁそう思っていい」

 

「最後は私だな。サーヴァントアーチャー、真名エミヤだ。私は正義の味方の成れの果ての存在だ。詳しくは聞かないでくれたまえ」

 

「え、ええ分かったわ。皆もいいかしら?」

 

『はい』

 

「それじゃ修行を始めましょうか」

 

レッスン1 木場との剣術修行

 

 

初日はサーヴァント組は不参加で、イッセー達の現状の実力を見極める事になった。

最初はイッセーが木場と打ち合っていたが、剣に素人のイッセーはあっけなく木場に負けた。

 

「次ユズル!!」

 

「ユズル負けたら承知しませんよ!!」

 

「負けたら余達の特別特訓だ!!」

 

「あ、あははは…全力でやらせていただきます!!」

アルトリア達セイバー組からの圧力で、弓弦は敬礼しながら言った。

 

「って事で木場、本気で相手頼むわ」

 

「うん。僕も君とは本気で戦ってみたかったんだ」

そう言い木場は自身の神器『 魔剣創造(ソード・バース)』で魔剣を2振り創って構えた。弓弦は干将・莫耶を構えた。

 

「じゃ、行くよ」

そう言い木場は『騎士(ナイト)』の特性である速さを活かして、正面から魔剣をクロスに振り下ろした。弓弦も魔力で脚力を強化して干将・莫耶で木場の魔剣を受け止めた。この間ほんの数秒。

 

「驚いたよ、まさか僕と同じスピード、いや、僕を上回るスピードを出すなんて」

 

「その割には余裕だな?」

 

「僕も行くよ」

木場は辺り一帯に魔剣を創造し弓弦に斬りかかった。

 

「じゃ俺も」

 

━体は剣で出来ている

 

━血潮は鉄で、心は硝子

 

━幾たびの戦場を越えて不敗

 

━ただ一度の敗走もなく、ただ一度の勝利もなく

 

━ただの一度も理解されない

 

━故に、我が生涯に意味はなく

 

━この体は無限の剣で出来ていた

詠唱が終わると、果てなき荒野に無数の剣が突き刺さっており巨大な歯車が回っている風景となった。

 

「神器!?」

 

「いや、あれは宝具『無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)』だ。弓弦とエミヤの固有結界だ。弓弦は俺達の宝具を使用できるんだ」

 

「因みにあの結界内は剣を形成する要素が満たされており、武器や防具を複製してストック出来る」

 

「そう、あの結界宝具はこの陰気アーチャーの宝具だ。弓弦は兎も角、本人と同じで趣味が悪いぜ」

 

「君に言われたくないね」

 

「お、やんのか?」

 

「やめなさい!」

クー・フーリンとエミヤが一発即発の中、アルトリアが止めに入った。

そんな中結界内では木場と弓弦が魔剣、剣を創造し激しく打ち合ったが、最後に弓弦が木場の魔剣も複製した事に木場が動揺し、その隙に弓弦は木場の首と胸に剣を突きつけ、弓弦の勝利で終わった。

 

レッスン2 姫島との魔力修行

 

「魔力は体全体を覆うオーラから流れるように集めるのです。意識を集中させて、魔力の波動を感じるのですよ」

 

「ぐぬぬぬぬ・・・集中!」

 

「出来ました!」

姫島の説明を聞き、イッセーは必死に魔力を集めようとしたが一向に集まらず、逆にアーシアは緑色の淡い魔力を作り出していた。

イッセーは弓弦の方はどうなっているか見てみると・・・

 

「ん?どうしたイッセー?」

右手の各指から青、赤、黒、白、ピンクの魔力の球体を作っていた。

 

「あらあら。神上君は凄いですわ。一つ一つ膨大な魔力ですわ。それを5つ同時とは」

 

「5つだけじゃないですよ」

そう言うと弓弦は、一端右手の魔力を消し、再び魔力を集めた。すると今度は先の5つと紫、緑、黄色、茶色、オレンジ色の5つ計10の魔力の塊を出した。

 

「凄いですわ。これ程の魔力はグレイフィアさんと同等ですわ」

 

「まぁ当然ですわね」

 

「タマモどういう事かしら?」

 

「私達サーヴァントを使役するには、マスターの魔力が必要不可欠なのです。大抵の魔術師は1騎。例外で2騎以上ですが。ご主人様は現に15騎のサーヴントを使役しています。まぁ日常なら問題はないのですが、戦闘になれば厳しくなりますが」

 

「まぁ後は自分で魔力の上限を上げる魔術も作ったからな」

 

「そうなの?」

 

「はい。最初の時なんか青セイバー1騎だけでも1日持たなかったです」

 

「弓弦!その魔術教えてくれ!!俺も魔力を上げたい!!」

 

「オススメは出来ないぞ?」

 

「どうしてだよ!?」

 

「んー見せた方がいいか」

そう言い弓弦は魔力の上限を上げる魔術の陣を書き詠唱した。詠唱が終わった直後、弓弦が吐血し体中から血が流れ始めた。イッセー達は駆け寄ろうとしたが、弓弦とアルトリアに止められた。5分程すると魔術陣が消えた。

 

「はぁはぁはぁ・・・これを5日連続で行う事によって魔力の上限を上げるんだ。発動中に触れるとその者にも術がかかる」

 

「まさかユズルはそれを・・・」

 

「はい。最初の頃は二週間に一回してました。イッセーこれでもやるか?」

 

「いいや遠慮しておく!」

 

「アーシア!すぐユズルの治療を!!」

 

「は、はい!」

アーシアの神器によって弓弦の傷は治され、次のレッスンに入った。

 

レッスン3 塔城との組手

 

「ぬががあああああ」ドゴッ!

イッセーは塔城のパンチで吹き飛ばされ、十度目の巨木との熱い抱擁に成功していた。

 

「・・・・・・弱っ」

ぼそりと痛烈な言葉がイッセーの胸に刺さった。

 

「ユズルはどうする?」

 

「もう大丈夫なのでやります」

そう言い弓弦はファイティングポーズをとり、塔城も構えた。そしてお互いに同時に走りパンチを繰り出した。

 

「うおお!?物凄い力だな、 『戦車』(ルーク)の特性か?」

 

「はい。神上先輩は魔力強化ですね?」

 

「まぁそうだな、続けるか」

 

「・・・・・・はい」

弓弦の問いかけに頷き、イッセーの体力が回復するまで組手を続けた。

 

レッスン4 グレモリーと

 

グレモリーの修行は徹底した体力づくりだった。険しい山道を背中に縄で巻き付けた岩を背負って何十往復をし、その後岩を乗せての腕立て三百回をイッセーは行った。因みに弓弦は準備運動程だなと言い、その後サーヴァント達と一対一の勝負を行った。これを見たグレモリー達は、勝負ではなく殺し合いではないかと思った。

 

 

 

「うおおおお!美味ぇぇぇ!マジで美味い!」

夕食のテーブルには豪華な食事が盛られていた。木場が採って来た山菜はお浸しにされており、イノシシの肉料理、川で釣った魚、他にも各種色とりどりの料理がずらりと並んでいた。

 

「これ全て朱乃さんが作ったんですか?」

 

「私が作ったのは少しですよ。殆どがエミヤさんが作ってくれました」

 

「気に入ってもらえて何よりだ。おかわりはまだあるから遠慮しないでくれ」

 

「おかわり!」

 

「・・・君はもう少し抑えたらどうかね」

おかわりを要求したのはアルトリアで、エミヤは苦笑して言った。

 

 

 

「さて、ユズル。今日一日修行してみてどうだったかしら?率直な感想を聞きたいわ」

夕食後のお茶を飲んだ後、グレモリーが弓弦に今日の修行を聞いてきた。

 

「まず木場から。スピードは速いが動きが教科書通りと言う感じだな。格下が相手なら通用するが、同格格上なら逆手に取られるだろう」

 

「それと彼は目に頼り過ぎのフシがあります」

弓弦に付け加えるようにアルトリアが言った。

 

「明日から木場にはセイバー達と戦ってもらい、スピードを活かしつつ縦横無尽の動きを習得してもらおうと思う」

 

「佑斗はそれでいいかしら?」

 

「はい」

 

「次に塔城には呂布とクーを相手してもらう。呂布とは組手を、クーとは長物の相手の懐に入って攻撃出来るようにするためだ」

 

「・・・分かりました」

 

「姫島先輩には術の強化と新たな術を習得してもらいます。アーシアも防御用の術を覚えてもらう。タマモ色々と教えて」

 

「分かりましたわご主人様。朱乃さん、アーシアさん宜しくお願い致します」

 

「こちらこそよろしくお願いします」

 

「私もよろしくお願いします」

 

「部長は孔明に人の動かし方を学んでください」

 

「ええ、分かったわ」

 

「そして最後にイッセーには残りの全員で体力作りだ。その神器は持ち主の身体能力が重要だからな」

 

「分かってる。俺が一番弱いからな」

 

「こんな感じで纏めたがいいか?」

 

「ええ。それぞれの課題を的確に指摘し、それを補うようサーヴァントを采配する、貴方の意見には脱帽よ」

翌日の方針を決めて修行一日目が終了した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。