ダンジョンに凄腕シェフがいるのは間違っているだろうか 作:無痛
ちょっとでもいい作品を書けるように出直してきました。
ここはとあるレストランのディナーの厨房
Aコース4名様入りましたっっ!!
おい!手長エビは!!
メインまだですか!!
フライパン洗っとけ!!
毎日が戦場と化す厨房で一人、慌てることなく冷静に周りに的確な指示を出す者がおり、
そうすることで混乱しかけていた厨房が統率
されると完璧な料理を作り出していた。
「2、6、7番 前菜出来たよ。1番のメインはあと25秒で出来る。4番の手長エビ、塩足りないぞ。3、5番は盛り付けに入れ。」
「「 ウィ!!シェフッ!! 」」
厨房で調理をする者、ホールで接客する者はその者に絶対的な信頼を寄せておりそれによりこの店は成り立っている。
シェフ!パスタ仕上げお願いします!!
「分かった、、、ん、出来たぞ」
シェフ!ペーストどうですか!!
「ペロッ....あと少し煮詰めろ」
シェフ!メインできましたか!!
「今出来たぞ、持っていけ」
一人の天才シェフが、毎日その腕を振るい料理を食べる者達を魅了し人々に感動を与えて今夜のディナーも、、
ホールにて...
あふぅんっ!!
ふ...ふわふわだよ〜〜〜♡
辛いっ!旨い!!!!
止まんないっ‼︎‼︎
評判に違わぬ味だっ!!
大盛況であった。が、料理を食べるお客の全員が満足し太鼓判を押している中で納得していなかったのは天才シェフである紅ただ一人であった。。。
盛り上がって来たディナーも夜も遅くなるとお客が満足して帰っていきお店が静かになると、スタッフがオープンからクローズの看板に変えて後片付けを全員でし、全て片付け終わるとホールにスタッフを全員集めて宴会を開くよう紅は指示をした。
するとスタッフ全員が何事だとザワつきながらも集まった。。。
「みんなお疲れ様!!全員に酒は行き渡ったな??よし、乾杯!!」
乾杯!!
そうして、酒の場が賑やかになりスタッフ全員が楽しく飲み食いをしていたがあっという間に時間が過ぎお開きになろうとしていた時だった。
「今日、みんなに集まって貰ったのはお願いがあるからだ....俺を、オラリオに行かせてくれ!頼む!」
紅は、昔から世界で唯一の迷宮都市で冒険者になるのが夢であった。しかし、現在は総シェフであり自分が抜けてしまうのと店が成り立たないのは分かっていた...しかし、自分の心を押し殺して店で働いていたがとうとう気持ちを抑えきれなくなってしまったのだ。
シェフ....もう我慢しないで下さいよ。俺たちずっと知ってましたよ、シェフがオラリオに行きたがってた事。。。
俺たちはシェフと仕事をするのは生き甲斐って言っても過言じゃないくらいだったけどさ
シェフが自分の気持ちを抑えたのを知ったときにシェフをオラリオに行かせてやりたいって思ったよ。
私たちはシェフのおかげで技術をつける事が出来たし他の店に行ってその技術を見せつけてやりますよ!だから私たちのことは大丈夫ですからシェフのずっと行きたかったオラリオに是非行って下さい!!
「お前ら....ありがとう...うぅぅ...」
泣かないで下さいよ...せっかく泣かないように我慢したのに...うわぁぁぁん泣
俺ももっと紅シェフと働きたかったよぉ泣
ぼっんどにおぜわになりまじだぁぁ!!泣き
こうしてスタッフ全員と紅は今までの店で体験した思い出話をし、笑って話し合ったが最後は涙を流しながら別れを惜しんだのであった。。そうして、気付くと外は暗かったはずがいつのまにか窓から日が差しこんでおり、
スタッフ達は旅支度の出来た紅に心からの感謝の言葉を送り、盛大に見送ったのだった。
「みんなありがとう...俺はオラリオに行ってもっと腕を磨いてくるから!!」
紅は、スタッフや店に別れを告げると元気よく飛び出して行っただった。
「ふぅぅぅ...ようやく着いたあぁぁ。。えーと、冒険者になるのにはギルドに行かなきゃダメなんだっけ」
紅は何日かかけてオラリオを目指してようやく着いた。
ギルドに冒険者登録をしに行くためにバベルを目的に歩いているとある匂いを嗅ぎつけその店の前で足を止めた。
「豊饒の女主人...か?この匂いは野菜のブロードだな、ただ火加減が少し強いのか苦味が滲み出そうだな...」
すると紅はいきなりまだ開店もしていない店にいきなり入ると猫耳の女の子や銀髪の女の子が声をかけてきた
「まだお店は準備中ニャー!」
「すいません、もう少しで開店なのでお待ち頂けませんか?」
「あぁ、すまん。ちょっとこの店のシェフに用があってね...」
紅は厨房に勝手に入るとそこでブロードを作る体格のいい女性がいた。
「いきなり厨房にどかどか入って来るなんていい度胸じゃないか」
「あぁ、それはすまない。だが一言どうしても言いたい事があってな。ブロードを作っているんだろうが火加減が強すぎる。野菜から苦味が出てしまうぞ。強火じゃなく弱火から中火くらいまで下げた方がいいぞ。それじゃあな。」
「待ちな。そんな偉そうに言っておいてはいさよならなんて変だろう??最後まで調理しとくれよ」
「いいのか??もしかしたら店の味を変えることになるぞ??」
「それが出来るなら大したもんさ。やってみなよ、ただし...ミスしたら分かってるだろうね??」
「あぁ、ミスしたらなんでも受け入れてやるよ。じゃあ始めるぞ」
紅は自分のカバンからコックコート、帽子、包丁など自分専用の調理器具を取り出して
いつもやっているルーティーンとしてある言葉を発し、調理に掛かった。
「Cominciamo!!!」
(ペロっ....香味野菜が少ないな....塩味が強いのは冒険者に合わせてか。パセリ、ニンニク、ネギ、生姜を入れて...弱火でじわじわと煮込む。...よし、完成だ。)
「味見してみろ。」
「あいよ。ペロ....!?!?!?!?(なんだいこのブロードは!美味すぎて意識が飛び...そう...だよ....)ほわああぁぁ...」
「ミアお母さーん??すごいいい匂いがするけど新作かニャ..?..!?お前何したにゃ!ミアお母さんが蕩けきってるニャ!?」
豊饒の女主人のスタッフ達が慌てて厨房に集まってみるとそこで目にしたのは膝を地面に落として蕩けきっているミアお母さんの姿だった。
「あなたミアお母さんに何をしたのですか!!」
一人のスタッフがそう聞くと紅は...
「俺が手を加えたブロードの味見をしたらこうなったぞ...お前たちも味見してみるか?」
そう言うとスタッフ達全員がブロードの味見をすると、まるで片想いの相手に会ってしまったかのように顔が赤くなりミアお母さんと同じ様に蕩けきってしまったのだ。
「じゃあ俺もう行くわ。厨房に勝手に入って悪かったな。」
紅は、豊饒の女主人を後にしてギルドへと向かったのだった。その後、紅が手を加えたブロードを使った料理がオラリオで人気を呼び
豊饒の女主人はいつもの何倍もお客が来たのだった。