ダンジョンに凄腕シェフがいるのは間違っているだろうか 作:無痛
「せやからうちのファミリアに入らへんかって事!冗談なんかじゃないで!」
「いきなり過ぎて話についていけないんだが...というかあんたが誘っても主神が断るかもしれないだろ」
「ぷふっ、それはありえへんで!絶対断るなんてないわ〜とりあえず朝飯食べたら早速ホームに行くから準備してな〜 あ、ご飯おかわり」
「どこからそんな自信出てくるんだよ....おかわりね、ちょっと待ってろ」
そして、朝飯を食べて一息ついてから言われた通りに荷物をまとめて支度をし赤髪に道案内をされて付いて行くととんでもないほど豪華な城のような屋敷にたどり着いた。
「ここがうちのホーム、『黄昏の館』や!
どうや?かっこええやろ??中も凄いんやぞ〜??」
「....。厨房を見せてくれないか??」
「やっぱな!兄ちゃんならそう言うと思ったで(^ ^)こっちや。」
そうして、一階の大きくて広い食堂のある部屋の奥の扉を開けると魔石製の巨大冷蔵庫や魔石製のコンロが12口もあり床が石畳みの広々とした厨房があった。
「良い厨房じゃないか。コンロもこれだけあれば一度に多くの料理をする事が出来るし、
腕がなるってものだ。」
「そやろ??今日からこのファミリアが兄ちゃんの家やで!!あ、そういや名前聞いてへんかったな」
「あぁ、俺は紅という。一端の料理人だったが冒険者を目指してオラリオに来たんだ。ファミリアに入れてくれるなら俺はこのファミリアに尽くすとするよ。ところで、そろそろこのファミリアは何というファミリアか教えてくれないか??」
「紅か...うちと相性が良さそうな名前やなぁ
あ、そういえばそうやったやったな(^ ^)うちはロキっつー神や。
つまりこのファミリアの主神って事や...ここまで言えば分かるやろ??」
「....マジか」
紅は、こうしてロキファミリアの一員になる事となった。急に入ったファミリアがまさかの都市最大規模のファミリアである事など考えもしなかったのだが...呆気に取られていると金髪で小柄な体格の男性が声を掛けて来た。
「ロキ、こんな所に居たのかい?...彼はお客様かな?僕は、ロキファミリア 団長
フィン ディムナという者だ、よろしく頼む」
「お、フィン!丁度今から声を掛けに行こう思っとったとこや!こいつは紅っちゅうねん、うちが気に入ったからファミリアに入団させよう思っとるやつや!」
「それは急だね...気に入ったということは何かお目にかかるものでもあったのかな?」
「んっふっふ。ちょっと待っててや、何で気に入ったのか教えたるから」
そうして、ロキはフィンを食堂の椅子に座らせ紅にある指示を出した。
「紅、フィンに今まで食べたことの無いような絶品を一品作って認めてもらいや。」
「いわゆる入団試験みたいなものか。
試験内容が料理とはな...少し待ってろ。」
(さて、何を作ろうかな。どうせなら好物がいいか...)
「すいません、フィンさんの好物は何でしょう?何でもいいので教えて下さい。」
「いきなりだね、、、僕は野菜全般かな、それなら何でもいいかな。」
「(野菜か。)分かりました。少々お待ち下さいね。」
(さて、準備はこれくらいにして....と)
「Cominciamo」
厨房に入り、自前のコックコートと包丁を準備すると紅のルーティーンである言葉を口にし調理を開始した。
(オリーブオイルでニンニク、みじん切りの玉ねぎを炒め...)ジュゥゥゥッ
(そして塩、胡椒、潰したトマト、バジル、を入れて煮込む...)コトコト
(ズッキーニ、ナス、パプリカをスライス..) トトトトトトトッッッ
(特製トマトソースの上に野菜を並べ...)
シュパパッ
(オーブンで一気にアッチェンデレッ!!)
「野菜のラタトゥイユです。ごゆっくりどうぞ。」
「ロキに気に入られたのは料理の事かい??」
「そや、料理を食べてみればすぐに分かるで!あ!そのラタトゥイユ少しくれ!」
「それじゃあ頂くとするよ...!?」バクバクバクッ
「フ、フィン!!残しといてや!!勢いよく食べすぎやぞ!!」
「お味の方はどうですか?」
「......ハッ!あれ、僕のラタトゥイユは??」
「フィンさんが全部勢いよく食べてましたよ...」
「うちも食べたかったあぁぁ...」
「僕ももう一度食べたいな...君の料理はクセになるよ...」
そして、紅は(仮)入団試験に合格しファミリアに入団するとすぐに自分の能力を発揮した...
Aランチセット40人前!!スクランブルエッグ甘さ控え目が8皿でっっ
Cランチセット24人前!!ハンバーグのソースをデミグラスから赤ワインソースに16皿変更っっ!!
Dランチセット37人前!!チーズリゾットのペッパーを11皿強めにお願いします!!
「あいよ。Cランチ15分待ってくれ。」
紅は、ロキファミリアが今まで10人ほどで交代制で食事を作っていたものを一人で作ると言い出しその日からランチとディナーの時間にセットやコースを設定し今までの食事内容をガラリと変えたのだ。
初めは、そんなことは不可能だとファミリア内で笑う者たちがいたのだが紅は軽々と料理をし、更にその味はファミリア全員が食した事のない魅惑の味だった。そんな料理を馬鹿にする者は今となってはロキファミリアには誰一人として居ない。