ダンジョンに凄腕シェフがいるのは間違っているだろうか 作:無痛
ミノタウロスとの遭遇や遠征から帰還しているアイズ達と合流した事もあり、紅は今日の探索を終えてホームへと帰る事にした。
ダンジョンを出てメインストリートを進み
ロキファミリアのホームである黄昏の館に
着くと、正門の前にロキが立っており帰って来る眷族達に、
「みんなお帰りや〜!!今日はホームで紅の美味いメシ食って明日は豊穣の女主人でとことん酒を飲むで!!宴や〜〜!!!」
よっしゃ〜〜!!
疲れたぁ〜、お風呂ー!
眠い....
メシだメシだー!
豚骨醤油だぞ!!
そして、紅は一人厨房に向かった。
いつものようにコックコートに着替えて夕食の支度をする為に入ると何故か自分が使わないはずのスパイスの香りが微かにし驚き留まった。
(何故シナモンの香りがしている。俺はシナモンなんてここに来て一度も使って居ないぞ。)
ガバッ!!
「ん??うぐっ!?」
すると、背後から急に何者かが紅に抱きついて来るやいなや紅の口に何かを突っ込まれた。それを咀嚼するとサクサクッと軽い食感でりんごやラズベリーなど様々なフルーツや生地の焼けた香ばしい匂いが鼻腔に広がり
紅は...
サクサク「美味いな。フルーツを一度赤ワインで煮込んでいるのか。香りがいい。他にも生地がこんなにもサクサクとした軽い食感とは流石だな。調理器具の癖を分かった上で、調理することが出来ている。色も艶もバッチリだ。ただ惜しい点は一つ。強力粉と薄力粉を1:1の割合で混ぜているようだがきっちりと計りの目盛りは0. 1gまで確認したか??それまで出来ているならもっといいパイが作れたぞ。菓子作りは、目分量で作るものじゃないからな。さてと、ところでお前は誰だ?」
「やはり、、、私はまだまだ貴方には遠く及ばないようですね、、、申し遅れました!私、柚と申します!紅様に憧れて後を追っていたらロキ様に声をかけて頂き入団することになりました!あと!私を貴方の弟子にして下さいっ」ニコッ
柚は、紅の営業していたお店のファンであった。働きたいとも思っていたのだが、面接をしてもらった時はまだ自分自身が幼く断られてしまったのだ。しかし、諦められずに自分自身で製菓の類いの調理を必死に勉強して数年が経ち、紅の店に面接を受けに行ったのだ。
しかし、その時には店が閉店しており途方に暮れていると偶然その店で働いていたスタッフとすれ違い紅がどこにいるのか聞き出す事に成功し後を追うようにしてオラリオに向かった。
だが紅が、どのファミリアにいるのかなど全く情報も掴めず一週間が経ちある日酒場で
いつものように情報を集めていると酒にベロベロに酔った赤色の髪の人が柚に近寄ると激しくスキンタッチをして来た。そのあと、赤髪は自分の名前をロキと名乗ると柚の経緯の話を聞きたいと言うので仕方なく話すと...
「なんや、柚ちゃん紅に会いたかったんか〜、ならウチの子になればいつでも会えるでぇ〜」
「え!シェフが貴女のファミリアにいるのですか!?というか私をファミリアに入団させてくれるのですか??」
「おるで〜!あと、柚ちゃん可愛いしウチのホームで飯作ってくれるんなら大歓迎や!」
「やります!なんでもしますので是非お願いします!!」
「決まりやな(^^)ほな、早速ホームまで案内するわ〜」
そうして、柚はロキが承諾しファミリアに入る事になりロキについて行くとホームのどこに何の部屋があるのかなども案内してもらいそして、最後に厨房を案内してもらった時にロキが紅の話を始めた...
「あいつはな〜、初日からファミリアの厨房を一人で仕切るとか言っててな?
給仕係もいんのにそれも要らんとも言っとったんや。
だから、最初はみんな反対したんやで?絶対ファミリア全員の飯を一人で作るなんて無理やって....でもな?まさかの一人で全員分の飯を作ってしもうて、そりゃ驚いたんよ。
その後も団員全員に朝昼晩と三食しっかりしたもん作ってくれるし、それもめちゃくちゃ美味いもんをな。
だけどそろそろ助手をつけた方がいいなと思っとったのよ、紅も冒険者やりにオラリオに来とるってうちに言うもんやからホームで団員全員の飯を作るのとダンジョンに探索するのを両立させるのも限界があると思ってな??そんな所に柚たんが来てくれたから安心したわ。
柚たん、紅の負担をちょっとでも軽くしてくれ....」
「そうだったんですか....分かりました!!
私の憧れである紅シェフを全身全霊で支えたいと思います!!あと、ロキ様のお願いなら仕方ありません!!」
(私がどこまで手伝えるか分からないけど、目の前でシェフの技術を見れるならやらない訳にはいきませんからね!)
そのような出来事があり、今に至る....
「弟子....か、いいぞ。ただし、俺の指導は厳しいが大丈夫か?止めるなら今のうちだぞ?」
「覚悟の上です!!どんな事でもやりますのでお願いします!!」
「分かった。それじゃあ、一からみっちり鍛えてやるからそのつもりでな。
さっそくだが
夕食の準備をするからあそこにまとめてある根菜類を全部洗っといてくれ。
それと、塩とミルの中に入ってる黒胡椒を補充。
それとオーブンを4つほど200℃に予熱しといて。
あとニンニクを10個、皮を剥いてくれ。」
「....え、え、え??は、はい!分かりました!!」
余談だが、その日の夕食で柚は厨房で紅に怒られまくり、必死に山のように重なった皿を洗っていたがアイズ、ベートがおかわりをしまくり洗っても洗っても増えるという地獄のような惨劇を2時間も繰り返し涙目になっていたのだった....
投稿するペースを少し遅くします...