風邪かな……
俺にかかってきた一通の電話
携帯の画面には『柊愛菜』という文字
俺はすぐさま電話にでる
零「どうした愛菜?」
愛菜「零君。今大丈夫?」
零「ああ。」
愛菜「そっか。良かった。」
零「何かあったのか?」
愛菜「いや、そういうのじゃないんだ。………一週間後空いてる?」
一週間後…俺が寮に戻る予定の日だ
零「ああ。」
愛菜「一週間後の夏祭り、一緒に行ってほしいの!」
零(確か都内に一週間後夏祭りするとこあったな。)
愛菜「ごめん…迷惑だったよね…。急に誘ってさ。」
俺がすぐ返事しなかったため、愛菜は不安そうな声を出す。
零「いや、迷惑じゃない。いいよ、行こう。」
愛菜「ほんと!?やったあ!!」
すごく喜んでくれた。良かった良かった。
愛菜「待ち合わせとか時間とか後で連絡するね!」
零「ああ。頼む。」
零「夏祭りか…。」
人生で一度も行ったことが無い
どういうものか分からない
それも自分の気になる女の子と二人でなんて
(ま、何とかなるか。……それに、もしかしたら愛菜の可愛らしいであろう浴衣姿が拝めるかもしれないし。)
零「楽しみだ。」
今日は色々あったが、頭の中は愛菜との夏祭りデートのことでいっぱいな零だった。
零「はあぁ…。」
目が覚める
自宅生活二日目だ
特にやることも無い
零(飯食べたら課題でもするか。)
朱里「あ、零!おはよ!」
零「おはよ。」
朱里「今日はいつにも増して暗いね。」
零「ほっとけ。俺はいつも暗い。」
事実、俺はずっとこんな感じだ。
朱里「今日何するの?」
零「課題。」
朱里「私が手伝ってあげようか?」
零「いいから仕事しろよ。」
朱里「今日はオフ。」
零「今日も、だろ?」
朱里「正解!」
世界の歌姫さんなんだからちゃんと歌ってほしいものだ
零(ここはこうだな……。)
俺は今、課題を神速に終わらせている。
こんな簡単な問題が課題とは。
多かった課題は1日で半分終わった
明日も頑張れば残りの夏休みは遊んで終われる
零「疲れた~。」
窓から外を見ると、外は真っ暗だ
(勉強はもう疲れたし、コンビニでも行くか。)
「いらっしゃいませ!」
店員が笑顔を向ける
零(久しぶりに来たな。アイスでも買うか。)
「176円になります!」
なんとも微妙な数字
俺は迷わず百円玉を二枚渡す
「ありがとうございました!」
さて、食うか。
そう思えるはずだった
「離して!警察呼ぶよ!」
「いいじゃねえか。一緒に遊ぼうぜ。最高の気分を味あわせてやれるぜ?」
「行こうぜ?へへっ。」
二人組の男が女の子をナンパしている
一人が腕を掴んでいて、一人は眺めている。
(コンビニの近くで堂々とナンパか。この暑さで狂ったか?…面倒だが行くか。)
「君可愛い。それに胸もでかいし。」
腕を掴んでいる男が、腕を掴んでいない方の手で女の子の胸に手を近づけていく
胸まであと数センチ
「やめて……。」
零「おい、嫌がってるだろ。彼女を放せ。」
俺は男の腕を掴み、胸から遠ざける。
ナンパから助けるなんて、愛菜の時以来だな。
「…ちっ、わかったよ。」
男は女の子から手を放す
それを確認し、俺も放す。
刹那、男の裏拳が俺に向けられる。
零(……。)
俺は後方に下がり、避ける。
男は追撃のように回し蹴りをしてくる
俺はそれも避ける
「いい動きじゃん。高校生か?」
零「ああ。」
「へへ。面白れえ。いくぜ!」
男が殴ってくる
もうお前の技自慢はいいよ
俺は拳を避け、殴ってきた方の腕と胸ぐらを掴み、男を投げ飛ばす。
「がはっ…」
「おい、大丈夫か!?」
先程まで眺めていたもう一人の男が、心配し、投げ飛ばされた男に近づく。
零「死なないよう加減はしたつもりだ。」
「そうか。…行こうぜ。」
「ぐ…お前、次は倒す。」
男達は去っていった
もう二度と関わりたく無いのでリベンジマッチは他をあたってほしい
「あの……。」
零「ん?ああ、大丈夫だった?」
「はい!ありがとうございました!」
女の子は笑顔で礼を言う
零(よく見たら、なかなか可愛いな。)
黒髪ロング、大きな瞳、優しい雰囲気を晒している。愛菜とはまた別の意味で魅力的だ。美少女だ。
零「それじゃ。」
「あ、あの!名前教えて下さい!」
もう会うことも無いと思うが……
零「桐生零。」
「桐生……零。」
零「何か?」
「い、いえ。あの…高校生、ですよね?」
零「ああ。高1。」
「そうですか…。年上と思ってました。」
零「そういうあなたは?」
「あ、私は高校2年生です。」
零「タメ口すいませんでした……。」
「いいえ、お気になさらず。」
零「…はい。」
「あの!質問答えてくださってありがとうございました!それでは!」
先輩は走り去っていった
この人とは二度と会わないと思っていた
先のことを言うならば、また会うのだ。
但し、それはまた別のお話だ。
零「あ……。」
俺の手元に残るのは、袋の中で液体となったアイスのみだった。
新キャラ出すぎ笑