最後まで二人のことを見届けてあげてください!!
俺たちはたこ焼きを食べた後も色んな店を回っていた
零「次はどこ行く?」
愛菜「んーどうしよ…あ。」
零「ん?」
愛菜が急に立ち止まる
その視線の先には、射的の屋台がある。
零「もしかして、何か欲しい景品があるのか?」
愛菜「…うん。あの猫のぬいぐるみが可愛いなって思って。」
零「じゃ、やってみるか。」
愛菜「え?」
俺は愛菜の手を引き、射的の屋台へと向かう。
「いらっしゃい。挑戦するなら200円で五発まで撃てる。」
零「します。」
そう言い200円渡す
「まいど。」
そう言い射的用の銃を渡してくる
愛菜「零君ほんとにやるの?」
零「ああ。それにもうお金払ったしな。」
「お客さん、彼女の前で良いところ見せようってか?いいね!」
何故か煽ってくる
零「まあ、そんなところです。」
「だったら頑張りなよ?あの一番距離離れてるやつ撃ち抜けたら北海道ペア旅行券だ。ただしまだ誰も撃ち抜けてないけどな。」
そりゃそうだ。あれすごく距離離れてるし。
「へへっ。」
凄いニヤニヤしてる…だが、今回はそんなものを狙っているんじゃ無い。
北海道なんて利人に頼めば永久旅行できる。俺が今狙うべきは……
スパーッン!
零「景品が猫のぬいぐるみの的だ。」
「お、とりあえず猫のぬいぐるみの景品ゲットだな。」
愛菜「零君凄い!」
零「もういいよ。一回だけでいい。」
「え?いいのかい?あと四回あるぞ?」
零「ええ。猫のぬいぐるみください。」
「はいよ。」
よし、目的の物ゲット。
「あんたなら旅行券も撃ち抜けそうなのになぁ。」
全く、せっかく人が黙っていてやってるのにわざわざその事を言うとは。
俺は小声で言う
零「さっきの一発でわかった。あれ、ぎり届かない距離に置いているだろ?」
「っ!?……何の事だ?」
零「しらばっくれても無駄だ。さっき猫のぬいぐるみの景品の的当てたときのスピードと威力でわかったんだ。絶対届かないしもし届いても的を倒せないってな。」
「……あんた、何者だい?」
零「ただ祭りを楽しむ者、とでも言っておく。」
「誰かに言うつもりかい?」
零「いいや、俺はあんたのことなんてどうでもいい。好きにすればいい。」
「クク、ありがたい。」
零「俺としても猫のぬいぐるみを景品にしてくれてありがたいからな。」
「早く行ってやんな。彼女待ってるぜ?」
後ろを向くと愛菜が首をかしげている。うん可愛い。
零「ああ。」
愛菜「何話してたの?」
零「ぬいぐるみを景品にしてくれてありがとうってな。」
嘘ではない。事実だ。
愛菜「そ、そっか。」
零「ほら。これ欲しかったんだろ?」
ぬいぐるみを差し出す
愛菜「ありがとう!すっごく可愛い。」
愛菜はぬいぐるみを抱き締める
そのまま俺も抱き締めたい
零「嬉しそうで何より。」
愛菜「絶対大切にする!」
笑顔で言ってくる
零(破壊力が日に日に増してるような……)
その後も屋台を回った
零「ふぅ、結構食べたな。」
愛菜「そうだね。どこかで休憩する?」
零「そうだな。あ、あそこのベンチ空いてる。」
愛菜「行こ?」
零「ああ。」
零「……」
愛菜「……」
ベンチに座ると、唐突に沈黙が続く。
零(やばい、気まずい。ここは俺か何か喋った方がいいのか?)
そんなことを思っていると、愛菜の方から喋りだした。
愛菜「ねえ零君。」
零「ん?」
愛菜「これは嘘じゃ無いから。聞いてね。」
零「あ、ああ。」
愛菜「私、君のことが好きなの。」
零「え……」
一瞬俺の思考が停止する
零(え?愛菜が俺のこと……好き?夢じゃ、無いよな?)
愛菜は俺の方を向く
愛菜「私は君のことが好きなの!大好きなの!どうしようもないくらい好きで好きで、君のこと考えなかった日は無いの。」
零「愛菜……」
愛菜「初めて君がナンパから助けてくれたとき…ううん、中学3年の全国大会のとき、君のバレーを見たときから一目惚れしてるの!」
愛菜の目から雫が落ちて行く
零(中学は違うからともかく、高校入ってこんなに一緒にいるのに俺は気づけて無かったのか……けど!)
零「俺もお前のことは大好きだ。」
愛菜「零、君……」
今この瞬間は他のことなんてどうでもいい。籠のことも、他の人間のことも。今は目の前のこの少女のことだけを考えていればいい。
零「俺は幼い頃から愛菜や龍也のような普通の人間の普通の生活を送っていなかった。ただ完璧な人間になるため色々させられていた。」
愛菜「……。」
愛菜は黙って聞いていた
こんな俺のつまらない話を聞いてくれるなんて本当にいい子だ
零「無機質な空間で育った俺は欲が無かった。学校に行っても何も思わなかった。けど、俺は高校で変わろうと思った。そんな時出会ったのが愛菜だ。」
愛菜「零君……。」
零「初めはナンパされ困ってそうだったから助けただけ。だが、お前と話をするうちに柊愛菜という一人の人間に興味を持った。お前に惹かれていった。お前無しじゃいられなくなった。だから……」
俺はまっすぐに告げる
零「俺と、付き合ってください。」
これは俺の本心だ
嘘など1%も無い
愛菜「もう、ずるいよ……。」
愛菜の目から再び雫が垂れていく
愛菜「好きな人から言われて、断れるわけ無いよ。」
零「愛菜……。」
愛菜「私も、君と…零君と付き合いたい。」
零「じゃあ、今から恋人同士だな。」
愛菜「うん……ひっく、う、うええん!!」
零「愛菜!?ど、どうしたんだよ!?」
愛菜「だってぇ…ぐすん、れいぐんと、お付き合いでぎるなんてぇ、夢みだいなんだもん!!」
零「嬉し泣きか。」
愛菜「うん……。」
零「泣いて喜ぶ女の子も悪くないが、俺はどっちかと言うと素敵な笑顔な女の子の顔が見たい。」
愛菜「じゃあ、抱いてキスして。」
零「え!?」
突然ハードル上がりすぎだろ!?
愛菜「してくれたら、もう泣かないから。」
零「……。」
もうやるしかないな
俺は愛菜の背中に手を回し、ゆっくりとこちらに近づける。
愛菜「ん……」
俺達は、恋人としての初めてのキスをする。
暫くキスをし続け、やがて息が切れそうなのか愛菜の方から離れる。
その顔は、もう泣き顔ではない。
すっきりとしていて、まっすぐな瞳。
そして俺がずっと待っている最高の『笑顔』で、
愛菜「零君、ありがとう。私今凄く幸せだよ!!」
俺は今日という日を生涯忘れることは無いだろう。
零「俺も、凄く幸せだ。」
そして俺も、人生初の満面の笑みで彼女に言い返した。
いかがでしたでしょうか?
次回からは2学期偏です!
どんなことが待ち受けているのでしょうか!?
お楽しみに!