完璧男と美少女   作:sylvi

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戦闘が多めです


38話 竜咲帝の決意

「零……君……」

私は体中から力が抜け、その場にしゃがみこんでしまう。

 

「胸騒ぎがして来てみたら、これはひどいな」

俺は男を放し、愛菜に近づく。

龍也、松田、西宮はロープで縛られている。

 

 

「おやおやこれはこれは桐生零。何か用かな?」

余裕の笑みの竜咲

 

「彼氏が彼女を助けるのは当たり前だろ?」

 

「こいつはもう精神ズタズタだ。あと一歩で俺に告白してたぜ?」

「それで?」

「お前は目障りだ。ぶっ壊す」

「ボス、もう俺らの勝ちっすよ!」

「なんせ9人いるっすからね!」

 

「零、柊さんを連れて逃げろ! そんで学校側にこのことを報告するんだ!」

龍也が必死に言うが、多分無駄だ。

 

「無駄だぜ? 屋上の監視カメラはスプレー吹っ掛けて見えないようにしてるし、お前らの顔に目立った傷は無い。腹にあざができてても俺らがやった証拠になんねえぜ?」

 

その通りだ。

 

 

「く…零、俺のことほっといて行け!」

「そうだ行け!」

「うるせえ。やれ」

「はい」

 

「ぐ…う」

「が……」

龍也と松田は蹴られ、遂に気絶する。

 

「大丈夫だ、心配するな」

俺は、聞こえていないと分かっていつつも声をかける。

 

「クク、そうだ。お前はこれからボコられるんだから少しでも無様な姿を愛菜に見せる方法でも考えてろ」

 

「ボコる、か」

「怖いか? そうだよなあ。でも安心しろ。お前が学校生活送りたく無くなるまでボコってやっから」

 

愛菜はじっとこちらを見ている

「確かに力でねじ伏せるのは最も相手を屈することができる」

 

「で? それがなんだよ?」

竜咲が疑問を抱く

 

「ここにいる9人じゃ俺を屈することができない」

 

「……クククク、ハハハハハハ!それじゃ見せてもらおうか! やれ!」

竜咲の指示のもと、一人の男がこちらに近づいてくる。

大きな体だ。俺より背もある。

 

「いくぞ」

律儀にも戦い宣言する

 

「ああ」

答えてやると

 

 

 

「おらあ!!」

大きな拳を突き出してくる

 

高校生ともなれば、殴るスピード、パワーは凄まじい。しかし、人間は殴る時に必ず一度腕を引く。その隙に一気に詰め寄ることもできるのだ。

だがあえてしない。

戦いに置いて相手がどれだけの力を持っているかを知るのは基本中の基本

 

俺は殴ってきた拳を右手で受け止める

 

「なっ!?」

 

自慢のスピードパンチを受け止められ驚いたのか、一度距離をとる。

 

「ふ!」

また俺に詰め寄り、連続パンチをする。

ある程度力量が分かったところで、俺は相手のパンチを左手で横に弾き、そのまま腹に右手で殴る。

 

「ぐ……」

うずくまりしゃがみこんだところをすかさず顔面キック。

男は倒れた。まず一人。

 

 

 

「おおおお!!」

今度は後ろから、これまた巨体の男が腕を振り回す。

まずは拳を受け止める。

腕がじんじんする。さっきから受け止めているのでダメージが蓄積する。

「流石に痛いな」

「う!う!う!」

連続パンチ。こいつらは連続にすればいいと思っているのか。

だが、連続パンチということは、下ががら空きということ。

俺は右足で男の股間を蹴る

 

「~~~~!!」

声にならないくらい効いたのか、倒れる。そして保険に顔を一蹴りしておく。

動かなくなったので、戦闘リタイア。

これで二人。

 

「いくぜ!」

「おうよ!」

今度は二人で攻めてくる

俺の左右に別れた。挟み撃ち作戦か。

「おらよ!」

「ひゃはあ!」

二人が同時に俺の顔めがけパンチする

防ぐ方法は何個かあったが、俺は一番体力を消費しない方法を選んだ。

それはーーーしゃがむことだ

二人同時に顔に向かってパンチしてくる。それじゃあ俺が退けばどうなる?

 

「が!?」

「ぎょ!?」

 

そりゃお互いの顔を殴るよな。

全力パンチだし急に俺が退いても止まらない。

二人とも頬を触っていた。

俺は片方のやつの腹を蹴る

「が!?」

そしてそのまま回転し、後ろのもう一人を左手の裏拳ではたく。

二人が崩れ落ちていくのを確認した。

これで四人。

 

 

 

「あ、あいつやべえよ……」

一人の男がびびる

 

「いいから行け」

竜咲は命令する

「う…うう」

びびりながらも俺の方へやってきた

 

「ううう…」

単純なストレートパンチ

普通に避けられる

俺は避けた後、膝で腹を蹴ってやる。

「う…が…」

これであと四人

 

 

「よーしお前ら、三人同時に行け。殺す気でな」

竜咲の命令で三人が俺の方へ

 

「おら!」

殴ってくる。それを受け止める。

すると、もう一人も殴ってくる。

それも受け止める。

「食らえや!」

三人目が俺の後ろから飛び蹴りしてきた。なるほど、両手を塞がせたのか。

だが、甘い。

俺は受け止めている両手を前に押し出す。これにより、二人は後ろに退けぞる。

その隙に後ろに向き、飛び蹴りを避け、そいつの首を掴み、コンクリートに叩きつける。

 

「があ!?」

目を見開き、気絶する。

そしてまた後ろに向く。

 

 

「おおお!!」

一人が走ってくる。

「よっ、と」

俺は避け、足を絡ませる。

「何っ!?」

大いに転んでくれた。なんか転ばすの楽しいわ。

そして腹を蹴る

 

「がは……」

 

あと二人か

 

「死ねぇ!!」

殴ってくる

俺はしゃがみ、腹をワンパンチ。

男は倒れた。

 

 

 

 

 

「まさか8人退けるなんてな。バレーだけじゃなく暴力も一級品とはな」

 

 

「こい、竜咲。お前だけ逃げる、なんてのはしないよな?」

 

「ったりめえだろ。俺は敗北を知らねえ。」

「何を言っている?」

「俺はな、喧嘩はあんま負けたことねえ。負けても必ず勝利の秘策を考え、勝ってきた。最終的には全てが俺にひれ伏せた! だから、逃げるなんてのは知らねえ。俺は戦い続ける」

「そうか」

 

しばしの沈黙の後、動き出す。

 

「いくぜ!」

 

竜咲はパンチをするが、

俺はかわす。

 

「おらおらこいよ!」

煽ってくるが、俺は挑発には乗らない。

 

竜咲のパンチをかわし、カウンターとして脇腹を殴る。

 

「ぐ!…へへ、面白れえなあ」

 

何を言っているんだろう

こんなつまらない事したって何の意味もない

 

「お前はそんな強いのになんで独裁政権をしない? いいぜぇ支配ってのはよぉ」

「生憎と俺は平穏主義なんでな」

「へ、そうかよ!」

竜咲は俺の両肩を掴み、膝で腹を蹴る。

 

「零君!?」

愛菜が叫んで言うが、心配ない。

 

「どうだ? 怖いか?」

「別に、ただ痛みがあるだけだ」

「そうかよ!」

竜咲は更に腹を蹴るつもりだが、もういいよ。

俺は蹴りを左手で防ぎ、右手で竜咲の頭を俺の膝の方へ寄せ、蹴る。

 

「が……!?」

竜咲はその場に倒れる

俺はしゃがみこみ、竜咲の顔を殴り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待たせたな」

俺は愛菜の方へ歩く

「零……君…」

愛菜は、俺の胸に崩れ落ちる様に抱きついてきた。

「怖かった……怖かったよぉ」

「もう大丈夫だ。安心しろ」

頭をポンポンと叩いてやる

「私、風間君達の為とは言え、竜咲君に付き合ってって言いかけたの。ごめん」

「それで、愛菜は竜咲と付き合うのか?」

「ううん、君じゃなきゃ嫌」

「なら気にするな」

「……ありがと」

 

さて、後の問題を解決するか。

 

 

「桐生、終わったんだな?」

「はい」

さっそうと現れたのは、皐月先生。

「え!? 先生なんでここに!?」

「そりゃあ桐生に、こいつら連れてけって言われたからな」

そう言い龍也と松田を持つ

「龍也と松田と西宮が竜咲に連れて行かれるのを見た生徒がいたらしいからもしやと思い先生にはずっと屋上入り口で壁に隠れてもらっていたんだ」

「そゆこと。あ、西宮は柊が連れて行ってくれ。俺もう持てないから」

「あ、はい!」

私は西宮さんを頑張って連れていく

「あ、零君はどうするの?」

「俺は用があるからまだ残る。先帰っててくれ」

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~桐生あんな強かったんだな~。9対1だったしな」

「はい! 本当に頼りになります」

「このこと学校にバレないようにしてくれるかな、桐生は」

「きっと大丈夫です。零君は、完璧男ですから!」

「はは、期待しとく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は竜咲の顔を叩き、起こす。

 

「ぐ……桐生」

「ようやく目が覚めたか」

「何だよ。まだやんのか?」

「いいや、俺達の間で決着はついた。これ以上やっても無駄だ」

「けっ、分かってるよ」

「それで、今回のことなんだが、どうするつもりだ?」

「別に誰にもバレてねえし気にすんなよ」

「その顔の跡とかだよ」

「お前が言うか? クク、お前にやられたって言えば俺の勝ちだな」

「止めておけ。こっちにも愛菜含め四人証言者がいる」

「クク、そうだな。……ふう」

竜咲は笑みを消し、真顔になる

「どうした?」

「暴力は俺の専売特許だと思ってたが、これじゃもう無理だな」

「いや、中々の勝負だったぞ?」

「嘘はいい。俺は分かっていた。お前に余裕があったことくらい」

 

そう言われると否定できない

 

「……さて、ケジメをつけるか」

「何するんだ?」

「別に何もしねえ。俺の戦いを終わらせるだけだ」

「何でだ?」

「支配が許されるのは最強無敗の間だけだ」

「そうか」

 

「おいお前ら起きろ!」

竜咲の叫びで、男子たちは目を覚ます。

 

「今回のことは4組内の喧嘩ってことにするぞ! 桐生一人に負けたんだ、言い訳すんなよ!」

 

「「はい」」

 

「それと、現時刻をもって、俺は独裁政権を放棄する」

 

「え!?」

「竜咲さん何言ってるんすか!?」

「俺竜咲さんいないとダメっすよ!」

 

「ったくうるせえよ」

そう言いつつも笑う竜咲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の戦いは、もう終わったんだよ」

そう言い残し、竜咲は屋上から去って行った。

 

 

 

 

 

あの後龍也達にこっぴどく質問された。先生達が来て止めてくれたと言っておいた。

 

俺と愛菜は少なくとも1年の間では付き合っていることは知られている。それなのに今の時期告白なんて怪しいと思った俺は帰るのを止め校舎へ向かった。すると龍也達が竜咲に連れて行かれるのを見たと言う生徒がいたらしく、もしや愛菜も向かったのかと思った。

目立たない屋上へ向かうだろうと予想できていた。まさか喧嘩することになるとはな。今日は疲れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何日か経ち、1年4組 竜咲帝が、独裁者では無くなったことが、学校中で噂となった。

 




次回は終業式かな?
竜咲を倒しましたが、彼の出番はまだ終わりにはしないつもりです!

それでは次回お会いしましょう!!
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