「簡単すぎる」
竜咲との密会が終わり、俺は現在自室で宿題の最中だ。
(でもまあこの学校の上位組でも完全に正解するのは無理かな)
宿題はかなりの量で、やってやれるか!と言いたいほど。
1年でこの量だと2年は地獄かもな
そんなことを思っていると
プルルル
コールが部屋に鳴り響く。
「え?」
スマホの画面を見て少し驚いた。
とにかく電話に出る。
「おはようございます命さん」
『おはよう零君。』
そう。俺に電話をしたのは、3学期から生徒会長となる清条命だ。
そしてちゃっかり名前呼びだが、スルーしてみた。
「どうしたんですか? 急に電話してきて」
『ええと…今電話してて大丈夫かな?』
「はい、大丈夫です」
『私が前に言ったこと覚えてる?』
「前に言ったこと?」
『竜咲君の部屋の場所を教える代わりに、何でも一つ言うことを聞くこと』
「ああ、あれですか」
命さんは正確にはまだ生徒会長では無い。けれど、俺のためにわざわざ先生に頼んで生徒の部屋の場所が分かるパソコンで調べてくれたのだ。
『まったく、大変だったんだから。上目遣いをしたくらいには』
「ありがとうございました。おかげさまで助かりましたよ」
『じゃあ言うこと聞いてよ?』
「いいですよ」
『結婚しーーー』
「それは無理です」
俺は最後まで言わせなかった。
「てか、まだ諦めてなかったんですか?」
「諦めたらそこで試合終了だからね」
どっかで聞いたような台詞だ……
「それ以外なら何でも」
『じゃあ付き合おう?』
「俺をからかってます?」
『ふふ、冗談だって。ごめんごめん』
「どうせもう決まってるんでしょう?」
『うん……デートしてくれないかな?』
「はい?」
今何て?
『だ~か~ら~、デート!!』
「う!?」
あまりの声の大きなにスマホを耳から離す。
てか先輩ってこんなキャラだっけ?
なんか変わった気がする。
でもデートかぁ
愛菜と最近したし、もうすぐのクリスマスにもするんだよな~。
最近デート多くね?
『ダメ、かな?』
でも、先輩も俺なんかのためにわざわざ竜咲の部屋調べてくれたからな。
「いいですよ?」
『そっかあ…………え? ええ!?』
何を驚いているんだこの人は。
『いいの!?』
「自分がしてくれって言ったでしょうが」
『だって本当にOKしてくれると思わなかったしさ』
「先輩も頑張ってくれたので俺で良ければデートしましょう」
『でも、その……柊さんには……』
「心配しなくてもあいつには黙っときます」
『でも隠し通せるの?』
「もしもの時は、クリスマスデートいっぱい甘えていいから許してくれと言います」
『クリスマスデートするんだ』
「はい。冬休み入ってすぐ約束しましたから」
『早すぎでしょ……』
「とにかく、デートの場所はどこにするんですか?」
『東京都内の最大級の水族館』
「どこですか?」
『ビッグマリンワールドだよ!』
知らない。
「それは楽しみです。いつにします?」
『明日は大丈夫?』
「ええ」
『じゃあ明日の昼頃に零君の部屋行っていいかな?』
「はい」
『うん。それじゃまた明日~』
「はい」
プツリ
ビッグマリンワールドか……
水族館デートとか愛菜としたくらいか。懐かしいな。
とりあえず宿題しようかな