完璧男と美少女   作:sylvi

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3章 特別試験の始まり
53話 冬明けの3学期


ジリリリと、目覚まし時計が俺を起こす。

目を覚まし、窓の外を見る。

校舎に向かって歩いている生徒がちらほらと見えた。

「スノウデイ、と名付けるか」

外の生徒たちは、自分たちの頭上に降り続ける雪を気にせずまっすぐと目的地へと歩いている。

 

「俺も準備をして行くか」

 

そう、今日から3学期の始まり。

1年生最後の学期なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちーす」

「あけおめ〜。彼女できたか?」

「俺今年大吉だった! 凄えだろ!!」

 

 

クラスは相変わらず元気で個性豊かなメンツ。

 

 

 

「おはよう」

その一言で、クラスの男子どもの目が声の方へと向く。

 

 

「おはよう」

 

俺は声の主ーーー柊愛菜へと挨拶をし返す。

 

 

 

「柊さんと桐生君ってどこまでいったのかなぁ」

「も、もしかしてCまでいっちゃったのかな!?」

「でも桐生君が柊さんの部屋に行くの見たって人がいるらしいよ?」

 

 

おいおい、なんて事言ってくれるんだ。

部屋に行っただけだぞ? いかがわしい事なんてしてねえって。

 

 

 

「異性の部屋に行くのはルール違反じゃないし、絶対にしちゃってるよねぇ」 

「かもぉ」

 

 

 

無視しよう。

 

 

 

「なんか凄い言われちゃってるね」

「ほっとこう」

「うん」

 

 

 

 

 

「おっしゃお前ら席座れ〜」

 

久々の皐月先生。

 

 

 

 

 

 

「お前ら、あけおめ!」

 

「「あけましておめでとうございます!」」

 

「今日は掃除やって、始業式して終わりだからな〜」

 

 

さて、掃除場所へ行こうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相変わらずだるい」

俺は今、箒を両手で握り廊下を掃除している。

場所はクラスから少し離れた人気のない廊下。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、お前桐生零だろ?」

突然話しかけられ、後ろを振り向くと、知らない男がいた。

 

「どちら様ですか?」

「ああ、悪い。自己紹介がまだだったな。俺の名前は暁憲伸(あかつきけんしん)。2年1組であり、生徒会で副会長をやってる」

「そんな副会長さんが俺になんの用ですか?」

そう聞くと、暁さんはニヤリと笑った。目は笑っていないが。

 

 

「俺さ、生徒会長になりたいんだよね」

「無理でしょう」

 

この学校の生徒会長は命さんだ。何を言ってるんだこの方は。

 

 

「それがよ、生徒会長は自分で辞めて、他の人に譲ることができるらしい」

「じゃあ譲ってくださいと言えばいいでしょう。俺には何も関係ないでしょう」

「それが関係あるんだよなあ」

 

暁さんは笑みを消し、俺を見た。 

 

「清条がお前のことを気に入ってるってのを聞いたもんだからよ」

 

まあ一緒にいたところを誰かに見られた可能性はある。

だが、気に入ってるとはそれだけでは分からない。

「気に入ってるというのは誰が言ってたんです?」

「清条」

「え?」

 

今なんて?

清、条?

 

「え? 命さん本人がですか?」

「ああ」

「具体的に言ってください」

「桐生零が付き合ってくれるなら譲ってあげる、と言っていた」

 

まじかよ。てか譲ってとは一応言ったんだな。

てか命さんのことだから俺が自分と付き合ってくれるとは思っていないだろう。つまり生徒会長の座は譲る気はないということだ。

 

「先輩諦めましょう」

「そうだな...」

 

諦めてくれるのか?素直だな。

 

「じゃあ...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「1年の3学期の特別試験の内容を教えてやるって言ったら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

特別、試験?

 

 

「この学校はな、地獄だぜ?」

「どういうことですか?」

「こんな入試もそこまで難しくない学校でよ、みんなが将来ハッピーエンドを迎えられると思っているのか?」

「...」

俺は何も返事をできない。 

それは、この男の言っていることが嘘に聞こえないし、興味があるからだ。

実際、中間テストなどは難しく、赤点者が出てもおかしくない。

赤点を1回でも取ると留年する。

留年を2回、もしくは3年間の中で欠点を2回取ると退学だしな。

(欠点はその学期毎に中間、期末の2テストの点を足し、平常点を足し、その数値に二分の一を掛けて50点以下だったな。)

 

 

 

「特別試験はな、クラス対抗でやる。順位が悪いクラスはそのクラスの生徒全員の平常点が下がる」

「なっ!?」

「つまりよ、馬鹿なやつは平常点がマイナスになる可能性もある」

「...」

なるほど。普通に勉強していればテストで赤点、欠点は取らない。

特別な試験で根こそぎ点を引くしかないということか。

 

「どうする桐生? お前の友達が3学期にクラスからいなくなるかもしれないんだぜ? ここで試験内容を聞き、攻略法、作戦を考えた方がいいだろ?」

「...それでも、命さんと付き合うことはできません」

「柊愛菜がそんなに大事か」

「はい」

「そうか、だが俺は生徒会長に必ずなる。そんでこの甘い学校を変える」

「と言うと?」

「強者のみが残る学校にする。雑魚はいらねえ」

 

 

随分と言うものだ。

 

「今までの学校は面白くねえんだよ。月4万もあげてよぉ。これからは金の増減もルールに入れていきたいぜ」

「そういうのは、生徒会長になってから言ってくださいよ」

「ははっ、そうだな....桐生」

「何です?」

「俺の暇つぶし相手にもなってくれよ? 学年が違っても、特別試験では戦うかもしれないからな」

 

つまり、特別試験は学年単位で行うのも存在するのか。

 

「俺は基本、目立ちたくないんで」

「ははっ、そうかよ。じゃな」

俺に背中を向け、暁憲伸は去って行った。

 

 

 

 

「特別、試験か」

 

 

 

 

 

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