生徒会室
中には二人の男女がいる。
「清条、俺に生徒会長の座をよこせ」
「嫌よ。貴方も随分しつこいのね。暁君」
生徒会長 清条命
生徒会副会長 暁憲伸
二人の生徒会の人間が、互いを睨み合っている。
その光景は、まさしく犬猿の仲といったところだ。
「俺が生徒会長になったほうがこの学校を面白い方向へもっていけるぜ?」
「貴方が会長になれば退学者が増えるだけでしょ」
「そこが面白いんじゃねえか」
「何にも面白くないわ」
命が呆れたように言うと
「今までの学校が甘すぎたんだよ。中々退学者もださねえ」
暁はこの学校に呆れたように言った。
「特別試験で退学者が出るかもしれないでしょ?」
「だが今の一年は特別試験の結果がどうだろうと退学にならねえような成績だぜ?」
「何で貴方はそんなに退学者にこだわるの?」
待ってましたと言わんばかりに、暁が笑う。
「スリルある学校生活の方が面白いだろ? この学校に入学したからもう安心。なんて思ってるやつらが突然退学になったら面白いだろ。要は俺が楽しめたらいい」
「自己中だね」
「ああ。自己中だ」
「嫌われるよ?」
「生憎と俺のこの性格を知るのはお前だけなんでね」
「バラしてあげよっか?」
「そんなことしたらお前のお気に入りの桐生零が病院送りだぜ?」
暁が両手で握りこぶしを作り言った。
「零君は暁君なんかには負けないよ」
「何故言い切れる?」
「確かに貴方は空手と柔道をしている。けど、上には上がいる。ただそれだけのことよ」
「面白いことを言う。じゃあ桐生零に喧嘩で勝ったら会長の座をくれよ」
「それは無理。私の勝手で零君を巻き込みたくないから」
「じゃあ俺が桐生をボコってお前と付き合うようにしてやる」
「え?」
唐突すぎた言葉に命が驚く
「そしたら会長の座をくれよ」
「...無理。彼を巻き込まないで!」
「どうするかは俺が決める。お前は桐生と付き合えるかもしれないんだから黙って祈ってろよ」
「止めて...」
「じゃあな」
暁は生徒会室から出ていった。
「止めてよ...」
その小さな声は、決して届くことは無かった。
「おお、おおおおお!!」
訓練所と書かれた部屋では、一人の少年が立っている。
「.....」
少年は目を細め、周りに倒れている男たちを一瞥した。
男たちは苦しそうな顔をしている。
全身に痣だらけだ。
「遂に、遂にやったぞ! 零と同等か、それ以上の人間が、誕生した!」
部屋の外から、ガラス越しに中を見ている老人が一人。
桐生元帥。
「こっちへおいで」
元帥はその少年を手招きした。
「...」
少年は老人の方へ駆け寄り、礼をした。
「いい子じゃのう。お前にはある男を儂の元へ連れてきてほしい」
「...わかり、ました」
「まだいいからのう。そのうち頼むぞーーーゼロ」
「はい」
ゼロ、と呼ばれた少年は、その場を去って行った。
その光景を、物陰から見ている者が一人。
「ありゃりゃ、あれは厄介だなぁ。何とかして零に報告しとかねえと」
赤い髪、口元を黒のマフラーで覆った男。
「さてさてさーて、忙しいな」
男は静かに去って行った。
黒いマフラーをなびかせて。
新キャラ二人!!
次回、遂に特別試験の内容が!?