完璧男と美少女   作:sylvi

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65話  決勝戦 〈1〉 柳の作戦

『決勝 1組VS2組』

 

初めての特別試験の1番を決める戦いが今、始まる。

 

 

 

 

 

 

 

「みんな、集まってくれないか?」

 

橋本がみんなを呼び掛ける。

次第にクラスメートたちは橋本の元へ集まった。

 

「1組がリーダーを決めている間、勝つための作戦を何か考えようかと思って」

 

今回俺たちは鬼だ。リーダーを決める必要はない。

 

 

(作戦か。柳がリーダーをするのはほぼ間違いないだろう。)

 

「ねえねえ零君」

「ん? 何だ?」

 

マイエンジェルが小声で話しかけてきた。

 

「なんか作戦ないの?」

「特にないな。2日間ひたすら走ってリーダーを見つけるしかないな」

「そっかあ。勝てるかなぁ」

「勝つしかないだろ。あの自信たっぷりの顔を変えてやりたいだろ?」

「うん。頑張ろうね!」

「ああ」

 

 

 

「僕は2、3人のグループをたくさん作り島中散らばるのがいいと思うんだ」

「まあそれが一番いいだろうな」

「流石橋本だぜ!」

「じゃあそれでいこうぜ!」

 

(どうやら作戦は決まったようだな)

 

 

 

「じゃあみんな、グループを作って」

 

 

 

 

 

 

しばらくしてグループは完成した。

 

 

 

 

 

 

 

「まさかこうなるとはな」

「ふふ、私は嬉しいけどね」

 

桐生零&柊愛菜

 

 

「やる気でてきたよ」

「今までやる気なかったの!?」

「今までより更にやる気でてきたよ」

「それは良かった」

 

 

 

 

 

「それでは、試験を開始します! 2組の生徒は1組の生徒が逃げた15分後に開始します」

 

 

そして1組の生徒たちは森へと消えた。

 

 

 

 

 

 

 

15分後

「それでは、試験開始!!」

 

 

 

「おら行くぜえ!!」

開始早々龍也が突撃していた。

 

 

(グループの仲間も連れて行ってやれよ...)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「桐生君。貴方に私の居場所が分かりますかね? ふふ。楽しみですよ」

 

 

「柳さん、本当にこの作戦でいけるの?」

クラスメイトの矢島君が不安そうに話しかけてきた。

 

「問題ありません。4組のときにも使った作戦じゃないですか」

「そ、そうだけど...」

「ルールに反してはいません。現に初戦後に注意されることもなかったですしね」

「それにしてもよく思いついたよね。()()()()()()()()なんて」

 

そう。柳の作戦の一つは私物の持ち込みだ。

鬼ごっこのルールの連絡には私物の持ち込み禁止とは書いてはいなかった。そして、試験開始前に持ち物チェックはされなかった。私物の持ち込み自体は単純なことなのだが誰も持ち込みありということには気づかない。退学のことで頭がいっぱいなのだろう。

 

 

「ふふ。竜崎君に見つからないように隠せたのはラッキーでした。おかげでこの戦いでも使えますから」

「最初の試合でリーダー決めの時4組の生徒に見つからないように持っていたのは苦労したけどね」

「ふふ。この試合も勝ちましょう」

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合開始から既に15分が経過していた。

 

 

「とりあえず、リーダー表示までは何もできない。食料調達が優先だな」

 

愛菜を連れて森へ入るとするか。

 

 

 

 

 

 

同時刻

 

「橋本〜どうするんだよ〜」

「とりあえず食料調達をしよう」

「まったく、風間は呑気で羨ましいよ」

 

橋本&龍也&吉川聖(よしかわせい)のグループだ。

 

 

 

 

(桐生君、僕は君なら必ず勝利に導いてくれると信じているよ!)


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