継承の鋼   作:アザロフ

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「エピローグ」

「木曾。そろそろ時間だ」

 

「もうそんなか。じゃあ行って来る」

 

 剣造に促され、木曾は執務室を後にした。

 廊下を歩き、外へと出ていく。まだ午前中であるため陽は上がっている最中だ。

 春先なことから人ならばまだ肌寒い季節だろうかと、確認するように外套を翻す。その際腰にある刀剣がカチャリと音を奏でた。

 伊勢がMIAとなってから七年の月日が流れた。

 今尚深海棲艦との戦争に終わりは見えない。

 戦争があるならば当然力も必要であり、そのため木曾は鍛えに鍛え続けた。改二と呼ばれる状態まで成長するほどに。

 帽子や眼帯、制服はやや見た目に変化はあるも大きくは代わり映えがしない。その分外套や艦装。そして腰の左右にある二本の刀剣は完全に異質なものとして浮き彫りとなる。

 サーベルの方は改二となった時に付いてきたものだが、もう一本の日本刀は違う。これはかつて野太刀の状態だったものを打刀のサイズで調整してもらった明丸。つまり伊勢の物を改造してもらったのだ。

 その鋼を一撫でしてから工廠へと足を踏み入れる。

 

「そういえば今日は木曾が出迎えするんだっけ」

 

「折角久々の大型建造が成功したわけだしな」

 

 工廠の奥にある重厚な扉の前に待っていたのは明石一人。他の艦娘は顔合わせのため、全員執務室で待機中である。

 所謂おつかいを木曾は自分で買って出たのである。

 

「そろそろだよな?」

 

「えーっとちょっと待ってね。こーら、お仕事の時間だよ」

 

 足下をチョロチョロと動き回っていた妖精を一喝。敬礼をしてから幾つかの妖精が横一列に並び、プラカードのような物を掲げてみせる。

 そこにはゼロが六個並んでいた。

 

「おっと、丁度終わったところか」

 

 建造の終了を報せる時間が表示されており、数秒遅れ、誰の手も借りずに重厚な扉が緩やかに開かれていく。

 中には蒸気が溜まっていたのか、隙間から視界を奪うほど溢れ出し、姿より先に声が木曾達へと届いた。

 

「私は大和型戦艦二番艦、武蔵だ。お前達がこの鎮守府の先達者か。これから宜しく頼むぞ」

 

 やや上から目線な物言いに遅れ、姿が見えてくる。

 浅黒い肌にフレームの細いメガネ。首元に菊の紋を引っ提げ、胸元はサラシを巻いただけというかなりラフな格好。スカートもかなり短いが、その背中に抱えている砲は紛うことなき四十六センチ三連装砲。大和型が最初から装備している主砲だった。

 

「こちらこそ歓迎するぞ武蔵。ところでお前は強さにどこまで興味がある」

 

 早速試しに質問を投げかけるが、

 

「艦娘である以上強さに興味が無いものなどいないだろう」

 

 予想以上に臼杵鎮守府に馴染みやすそうな性格にほくそ笑む。

 

「なら喜べ武蔵。この鎮守府は他からはこう呼ばれている」

 

 一度間を置き、今度は武蔵の目をしっかりと見定めて挑戦的に笑む。

 そして教えるように、宣言するように自分達が回りから受けている評価を言い放つ。

 

「無敵艦隊とな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       続「継承の鋼2~空っぽの弾薬庫~」

 

 

木曾「武蔵、お前は強くなる」

 

 

鳳翔「さぁ、お行きなさい。空はあなた達のものですよ」

 

 

北上「はいはいどうどう」

 

 

伊勢「私のことはさんとかつけなくていいよ~。そのまま呼び捨てで呼んで」

 

 

不知火「北上さんに手を出したら殺しますよ」

 

 

龍鳳「このお酒、美味しいですよ。ご一緒にどうですか?」

 

 

大和「武蔵。貴女と戦場を共にする日が来るとは思いもしませんでした」

 

 

長門「武蔵いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

 

 

武蔵「私は大和型戦艦二番艦、武蔵だ。沈みたい奴から前へ出ろぉ!」

 

 

 

 

 

 

                               to be continued

 




この度は継承の鋼を読んで頂き有難う御座います。

続編はありますが一先ずは「継承の鋼」の完結に伴い感想などお待ちしております。
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