この世界がループしていることを俺は知っている 作:超高校級の切望
この世界が繰り返していることを俺は知っている。もう35年ほどになるか。
繰り返す日常に刺激を求め、俺は様々なことをやった。ある一年では学校をさぼり格闘家に弟子入りし、ある一年ではたまたま知り合った怪盗に弟子入りし、ある一年では剣道家に、ある一年では学士号持ちに、ある一年ではホストに、ある一年ではある一年ではある一年ではある一年ではある一年では。
繰り返しの一年で変化が一つ起きた。
同クラスの何名かの声が変わったのだ。その中で特に怪しいのが野比のび太。親はいったいどんな恨みがあって我が子にこんな名を付けたのか不明だが、彼の家には銅鑼右衛門とかいう狸の神らしき存在が居るらしい。
未来のロボットだっけ?忘れた。
そうだ、忘れていた。未来からのロボットにしろ狸の神にしろ、一番怪しいじゃないか何故気づかなかった。
しかし明確な証拠がない。状況証拠だけでは犯人を暴けないというのは何ループ目かの師匠である眼鏡をかけた小学生初等部の師匠の言葉だ。
「というわけで夜まで張り付いてみたものの、そもそもその銅鑼右衛門に会った方が早くないか?」
まあ相手は不可思議な道具を扱い野比にジャイアンとの喧嘩を勝利させたりジャイアンの歌をやめさせようとしたかと思えば無理矢理チケットをかわせたりする思考がさっぱり解らん謎の存在だ。警戒してた方がいいだろう。
「………ん?」
と、その時、人目を忍ぶように野比が現れた。何かを持ち走っている。滅茶苦茶遅いが。
後付けると池のある公園に着いた。こんな所で何をする気だ?
「おーい!ピー助ー!」
ピー助?なんだその変な名前は。この辺りに鳥でも放し飼いしてるのか?と、その時……
「ピューイ!」
「…………は?」
恐竜が現れた。正確には魚竜。首長の水生生物だ。太古の………
ふーん、あれオレンジだったのか。そして背中に変な模様会ったのか。驚き桃の木……さて、現実逃避はそろそろやめよう。やはり野比、正確には野比のところの狸は時間に干渉する力を持っているようだ。出なければこのご時世に恐竜が現れるはずがない。
「よしよし、良い子にしてたかい?」
「ぴゅい!」
「動くな」
「………へ?」
持ってきたサバイバルナイフの刃を当て制止を要求する。ピタリと動きが止まった。恐怖で硬直しているようだ。素人か?
「だ、誰!?黒マスクの仲間!?」
「あ?」
黒マスク?なんだそりゃ。と、その時俺は敵意に気づきその場から飛び退く。俺の居た場所を空気の固まりが通り抜ける。
風の谷に行った時学んだ風とは違うな。あれは渦を巻いてた。どっちかつーとその昔王子の体を狙い国から追い出された魔女の子孫を自称する師匠の使ってた魔法に似てる気がする。
「……おまえか」
「のび太君!大丈夫かい!?」
「ドラえもーん!」