この世界がループしていることを俺は知っている 作:超高校級の切望
「すごい! 僕らが乗っても沈まない!」
ピー助の背に乗り、スネ夫がはしゃぐ。
子供とだけとは言え、それなりに余裕を持って背に座れる大きさに、背中を出し続ける浮遊能力………。
ところでドラえもんってロボットらしいけどどれぐらいの重さなのだろう。
「首をまっすぐ持ち上げてるなあ」
首長竜って、水面より上に首を持ち上げられないんじゃなかったか?
「あ、あれ!」
その声に振り返れば、やはり21世紀では浮いてる理由がわからない未来の飛行機械。時空警察………タイムパトロールの船らしい。
手を振ると敬礼して去っていった。
そのまま暫くして砂浜が見えた。その上には空間そのものに空いた四角い穴。タイムマシンの入り口だ。
座標が近付き時間移動装置が起動したのだろう。
彼処がのび太の家の二階………未来ではここは少し沈むのだろう。そして、つまりここは日本。
少し離れた場所で幾つもの影が水面に上がる。
「ピィー!」
「ピー!」
フタバスズキリュウの群。その鳴き声にピー助が返答すれば彼等も再び鳴く。歓迎しているのだろうか?
「ピー助、ここがお前の故郷なんだよ」
ピー助は彼へと向かい歩いていく。
「これからお前は、いろんなものを見て、いろんなものを知って……もっと、もっと、大きくなるんだよ。僕、僕も……」
途中まで海に足を沈めながらついていったのび太は、足を止める。
「頑張るからね!!」
振り返り走り出す。ピー助がハッと振り返る。
「元気でな!」
「皆、乗って!」
ドラえもんの言葉に涙を流すスネ夫達もタイムマシンに乗り込む。ついてこようとするピー助に、のび太は来るなと叫んだ。
「出して! 早く! 急いで!!」
タイムマシンが空高く登る。仲間に囲まれたピー助が叫ぶ。
「元気でやれよ!」
「あばよ!」
「さよなら!」
「ピー助! さよ〜なら〜!!」
その言葉を最後に、タイムマシンは白亜紀から現代への時間渡航を始めた。時空間に入るまで、ピー助の鳴き声はずっと続いていた。
それから数日後。
「…………なんだこれ?」
「ひみつ道具カタログ。白亜紀で結構落としたからね……タイムパトロールが、恐竜ハンター逮捕の一助になったからって、無料で補填してくれるんだ」
のび太の家に遊びに来たマワリはドラえもんが己のひみつ道具と見比べながらチェックしていく本を一冊借りる。
この本の量、ひみつ道具とは一体どれだけあるのか。丁度いいから使えそうなの覚えておこう。
「……ドラえもん、この『フリダシニモドル』の1年分使ったことあるか?」
「フリダシニモドル? ああ、1回だけ、ジャイアンが誕生日を祝ってもらえる人間になるって…………ええと、これは、あるな」
一回だけなら違うか。
「今回みたいなことはよくあるのか?」
「まさかあ。でも、確かにちょっとした冒険は毎年してるかもね」
「…………ふーん…………なあドラえもん、この『E•S•P訓練ボックス』と『ニンニン修行セット』って持ってる?」
「これ?」
「どら焼き上げるから、貸してくれ。あと、『入り込み鏡』とこの『三倍時計ペタンコ』」
次回、魔界大冒険編始動!
E•S•P訓練ボックス
ニンニン修行セット
2つの共通点は、どちらも訓練道具なので手元にひみつ道具がなくても問題ない(ミズグモの術を覗く)ということ