東方銃傭兵(仮)   作:Arvin

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どうも、未だしぶとく生存しています作者です。
最近、どうも小説ネタの電波を受信し過ぎたり待ち望んだACVDをやり込んだりリアルで死にかけたり(主に兵糧と成績)……遅くなったのもソレが原因です。
えっ?待ってる人なんか居ない?……デスヨネー  _| ̄|○


第二話 作戦code「紅魔(スカーレット)」~交戦~

「ふっ!」

「はっ!」

 

此処は紅魔館の最奥…詰まり玉座に向かう為の廊下。

そこには多数の武装した妖精メイドと。

 

「ぜい!」

「しっ!」

 

その長たる十六夜咲夜とこの俺、アーヴィン・ギルベルトが互いの急所を狙いナイフを閃かせ合っていた。

 

ガギィン!と金属同士の衝突し、擦れる音が響くのはもう何度目か。

 

「うっらぁ!」

「いやぁあ!」

 

互いの放つ一撃が互いにかすり、バランスを崩すも互いに同じことなので一拍のちに身を引く。

先程からコレの繰り返しだった。

 

「ぜぇ……ぜぇ……いい加減、当たってくんねぇかな……?」

「それは……はぁ……はぁ……コッチの、台詞よ……」

 

互いに斬って斬られて避けて避けられて。

かれこれ10分程は斬りあっていた俺達。

気づけばギャラリーも増ええも知れぬ緊張感に包まれている。

………俺が勝っても負けても結末が変わらなそうで怖い。

 

「……いくわよ?」

「……お先に。」

 

彼女………十六夜咲夜の近接格闘は目測で測った通り、なかなかの腕前だった。

近接での相手のナイフの持ち方の確認、互いの足の位置、間合いに相手の視線や構えからの戦闘思考、予測に迎撃。どれをとっても一級品。

それに加えて、彼女の投擲術と手品とも言うべきナイフの取り出し方。

あれのおかげで此方は中距離からの攻撃を甘んじて受ける羽目になる。

更にもうかれこれ20本近いナイフを投げつけられたがまだナイフの予備はあるわよと言わんばかり。

もうなんと言うか……投げたと思って踏み込んだら既にナイフを構えてたり、気がついたら三本位を片手に持って投擲するし。

 

そろそろ奥の手…使うか。

 

「はっ!」

 

今度は両手合わせて六本の投擲。

それを左にステップのように飛んで回避。

 

「(ナイフ残数が切れるまで待つ?…幾ら所持してるともしれん相手にコレは悪手……なら。)」

 

左足着地と同時に踏ん張り右手のナイフを振りかぶる。

 

「(いくぜメイド長……凌ぎ切れたらお前の勝ちだ!)……ぜぇらぁ!」

 

その少し大きめのナイフを目の前の敵に投擲した。

 

 

 

 

 

 

~咲夜side~

 

今晩は皆さん。十六夜咲夜で御座います。

普段は此処、紅魔館でメイド長を務めております。

現在は、自分の任された持ち場の守衛をしておりまして、博霊の巫女の関係者と思わしきこの男、アーヴィン・ギルベルトと格闘戦をしております。

この男……ナメてかかったつもりはありませんが、それを差し引いても…強い。

距離を潰す踏み込みのタイミング、速さにナイフに拘らない格闘戦。

更に此方の奇襲にすら反応、迎撃する反射神経高さと視野の広さ。

至近距離で此方の後ろ手で投げたナイフを弾いた時は悪態が口をついて出たものです。

 

「……いくわよ?」

 

両手の袖に隠したナイフを+二本取り出し計片手に三本取り出す。

 

「……お先に。」

 

ナイフは22本消費して現在手元含め8本……ちょっといつもの調子で投げすぎたかしら?

しかし今更投げる本数を減らして、ナイフの残量を勘ぐられても困る。

潮時…ね。

 

「はっ!」

 

六本を同時に投擲。

崩れた所に奇襲を……

 

「……ぜぇらぁ!」

「なっ……!?」

 

投擲。彼は右手の少し大きめのナイフを此方に回転させ投げて来たのだ。

不意を突かれた一撃。

回避は不可。此方は前進しようと前屈みで重心は前のめり。下手に回避すればバランスを崩し、それを彼は見逃さないでしょう。

此方は手ぶら……いや、袖に隠したナイフを取り出せば弾く事は出来るが、威力が計れない以上接触は宜しくありません。

なら……ナイフが残り1本となってしまうので気乗りはしませんが仕方ありません。

 

「ふっ!」

 

左袖から取り出したナイフを飛んできたナイフに投げつけ、相殺させる。

キィイン!と軽い接触音。

 

「(障害を排除。後は踏み込むだけ…)」

「く……おぉお!!」

「っ!しまっ……」

 

此方が相殺するのを見越したような…いや、元から突っ込んでくる予定だったのでしょう。

弾けたナイフをかいくぐるように踏み込んだ彼に主導権を握られてしまう。

彼は低い踏み込みから伸び上がるように上体を起こし、渾身の一撃の為の捻りを上体に加える。

現状は最悪。後手後手すぎる。

 

「(まだ……まだです!)」

 

彼の得物だって残り一つ。

それさえ防げれば、まだ挽回は効く。

 

「うぅっらぁ!」

 

身体の捻りを解き放ち左手を突き出される。

軌道はパンチと同じ……突きか!

私は右手を開き、突きの軌道上に載せる。

最悪、右手が不随になるだろうが。

 

「(私の右手をくれてやる……しかし!)」

 

自分の左手に最後のナイフを取り出す。

 

「(貴方の命を貰うわよ!)」

 

加速された彼のナイフが私に迫る。

それを右手で受けようと身構えて。

 

自らの失策を悟った。

 

「(ナイフが…無い!?)」

 

そう。彼が左手に手にしていたナイフが消失していた。左手は『必殺(切り札)』ではなく、『ただのパンチ(捨て札)』だったのだ。

なら、『彼のナイフ(切り札)』は何処へ消えた?

 

「(マズい……思考を回せ、考えを止めるな!)」

 

彼の拳を右手で受けながら自らの記憶を辿る。

彼が身体を捻る所までは確かに在った。

しかし受けてみればただの捨て札。

考えられる空白は一つ。

 

「(…っ身体を捻った時、右手に持ち替えたのか!?)」

 

身体を最大まで捻った時、確かに彼の左手は視界から消えた。

恐らく、左手を突き出すと同時にナイフを離し、身体を返した際に右手が来る位置にナイフを放ったのだろう。

 

なら次の彼の行動は?

 

その思考まで至った瞬間、私の左下側……そう、彼の右手側が動き始めた。

恐らく、持ち替えた右手のナイフを私に突き込む為に。

 

私の左手のナイフは順手持ち……防御には向かない!

 

「(……結局、左手不随ですか!)」

 

私はともかく彼の一撃を凌ぐ為に左手を上げる。

 

「(間にっ………合って!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左手に衝撃が走る。

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……凌いだ……わよ……!」

 

走った衝撃は痛みではなく圧迫。

私の左腕は彼の右手首に接触していた。

彼のナイフは片刃で私の左腕を引き斬る事は出来ない。

結局、私は彼の猛攻を凌いだのだ。

依然、押し相撲の形になって不利が続くが、拾った幸運を無駄にする気は……

 

「…いやぁ、あれを防ぐのか……」

 

目の前の彼が独り言を漏らす。

彼に言葉を返そうと彼を表情を覗いた瞬間。

 

「…だけどな?まだ終わりじゃないんだよ……これが。」

 

彼の悪人が浮かべそうな笑顔を見て怖気が走る。

ーーー此処から早く離脱しろーーー

そう本能が警鐘を鳴らすと同時に、彼は何も持っていない左手を動かす。

丁度、手を逸らす形に。

『手首と私の首が直線上に繋がる』様に。

その瞬間、彼の左手首付近から自分の服の袖を破り一本の刃が飛び出て来た。

それは吸い込まれる様に私の首にーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~アーヴィンside~~

 

 

 

「……チェックメイト。なんつって。」

「……なんのつもり?」

 

左腕に仕込んだ仕込み刃は、結局彼女の喉元を抉らず、その一歩手前で止まっていた。

 

「戦闘不能一歩手前。それも勝敗条件だったろ?あと、美人を殺すのは気が引けるし、死人出すと紫さんうるせーだろうし。」

 

建前と本音を入り交えて理由を話す。

いやぁ、もといた世界だと知り合いは野郎しかいなかったので美人とは仲良くなっておきたい。

霊夢?魔理沙?……あれだ。あれは美少女であって……まぁ十年後が楽しみではあるが。

さてそんな事は放り投げ、現実に意識を戻す……と、なぜかメイド長さんはトリップしていた。

一応、まだ喉元に仕込み刃を構えたままである。

 

「……お~い、メイド長さ~ん?」

「美じっ………っんん!……しかし、戦闘不能一歩手前なのは明らか……分かりましたわ、負けを認めます。」

 

おぉう、見事な話題転換。

まぁ言質は取ったんで手首で操作して仕込み刃をしまう。

 

「しかし仕込み刃なんて……ズルいわよ?」

「身体中にナイフ仕込んでるアンタにだけは言われたくないな。」

「ごもっとも……貴方達、道を開けなさい。」

 

十六夜さんはそう言って臨戦体制の武装メイド妖精達を窘めた。

……マジで有り難い。

 

「サンキュ……あ~…メイド長と十六夜さん。どっちで呼ばれたい?」

 

武装を拾い、装着しながら名前の呼び方を聞く。

 

「メイド長って……咲夜でいいわ、アーヴィン?」

「……そりゃどうも……あっ最後に1つだけ。……なんで弾斬れたの?」

「あぁ、それはね……」

 

パチン!と指を鳴らす音が響く。

 

その瞬間、視界が少しブレた。

 

そして気がつくと、咲夜が散々投げ散らかしたナイフが跡形も無く消えていたのだ。

後ろを向けば、ナイフを一本しか持っていなかった咲夜が三本のナイフを弄んでいた。

 

「(なんだ?視界がブレたと思ったらナイフが一本残らず回収されていた……何を言って……あぁ、そういう事…)……時間の操作か?」

「御明察。私の能力は『時を操る程度の能力』。投げたナイフの回収をするも空間を間延びさせるのも……」

 

もう一度指を鳴らされる。

視界がまた少しブレた後、

 

「……一瞬で背後に回り喉をかき切るのもお手の物よ。」

 

背後から咲夜の声と喉元に当てられたナイフに少なからず驚く。

……顔には出さんが。

 

「……こりゃ能力無しでよかったな…」

 

なければ一瞬で……良ければ抵抗出来ず組み伏せられ、悪ければ反応すら出来ず喉元をかき切られていただろう。

 

「……意外と驚かないものね……私からも一つ……どうやって私達に見つからず此処まで入り込めたの?基本的にメイド達が行き来してるから必ず目に付くはずなのだけれど。」

 

「あぁ、お前と同じ能力だよ。『気配を操る程度の能力』……俺が本気を出せばーーー」

 

言いながら、能力で気配最大カット。

この状態まで行くと目の前1mでさえ俺を注視出来なくなる。

しかし物理的に見えなくなるのではなく、『俺を「人、アーヴィン」と認識出来なくする』程度であり、有り体に言えばただの『置物』と認識されるのだ。

俺が視界から『消えて』一同が驚く中、先程の意趣返しの様に、自分のナイフを咲夜の首元に構える。

そして気配遮断を解除しながら問い掛ける。

 

「ど~こみてるのやら?」

「「「「っ!?」」」」

 

その台詞に妖精メイド達が一斉に武器を構える。

いやっちょっ!?

 

「……っふぅ、とんだ意趣返しね?」

「やられたら度合いを考えてやり返すのが信条でね。」

 

ナイフを下ろし、鞘に収める。

「さてさて……そろそろ此処のご主人様にお会いしますか……咲夜、此処を真っ直ぐ行けばお嬢様とやらに会えるんだろ?」

「……えぇ、でもちゃんと」

「分かってる。ちゃんと弾幕で語り合うよ。」

 

そう言いながら、俺は廊下を歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~五分後、咲夜視点~~

 

「あっ……」

 

唐突にあることを思い出す。

此処の住民には周知の事だが、新参者の彼が知らない事。

 

……この廊下を行けばレミリアお嬢様の待つ謁見の間に着く。

しかし其処に至るにはその手前の二又の通路を右に行かなければならない。

左に行けば間違いなく『彼は死ぬ』。

 

「っ……ふぅ、今日はお客様の多い日ね…」

 

本当は時を止めてでも彼を追いたいのだが。

流石に日に二回も侵入者を許せばお嬢様の従者たる私の立場が無い。

 

「(……右の通路を選んでよね……)…掃除の邪魔をする……貴方は何者?」

 

私は彼を思いながら、侵入者その2の『紅白』に話し掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーアーヴィンsideー

 

「……どっちだ?」

 

俺は今、2つに別れた廊下の前にいる。

咲夜には『この先』としか聞いてないからどちらとも言えない上に。

 

「……気配探ったらどこぞの紫色と劣らない気配を感じるし……どっち曲がってもボス戦なのがなぁ…」

 

正確には紫の方が上だが、ただの魔術の使える人間に比べたら『此方を一方的に殺せるレベル』であるのは変わらない。

 

「う~ん…コインでも投げるか。」

 

服の小物入れポケットから友人から貰ったコインを取り出す。

 

「表なら右、裏なら左………っと!」

 

表には十字架、裏には祈る手が彫られたそれを握った手の親指に乗せ、弾く。

両手の手の甲と平で受け止め、手の平を開けて確認する。

 

手の甲に乗るコインはーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………扉だな。」

 

手の甲に乗るコインは裏だった。

そのまま左の廊下を足音立てず進み、螺旋階段を下りてたどり着いたのは頑丈な扉。

 

(………こりゃ引いたのはラスボスじゃなくて切り札(裏ボス)だったらしい。)

 

こんな地下に幽閉まがいに閉じ込められているんだ。どちらかと言えば『黒幕の用意した最終兵器』と言えるだろう。きっと。

 

能力で気配を探ればしっかり感じる馬鹿げた妖力。

 

(……よし、鍵が開いてなければ戻ろう。)

 

そう決心し、扉に手を掛ける。

音をたてないようにゆっくりドアノブを回し、扉を押す。

 

(簡単に開くじゃないですかーやだー!……じゃねぇよ!戸締まりしっかりしようぜマジで!!)

 

仕方なく、思考を切り替え扉をゆっくり開く。

 

一人分の隙間を作って、入り込む。

回転受け身で飛び込みながら体制を立て直しながらHK416を構える。

 

(敵影無し。いるとしたら……っーーー)

 

なんと前時代的な事か。

部屋を見渡して目の前5~6mに巨大な棺桶が。

 

(コレって……アレだよな?)

 

吸血鬼。

尋常じゃない膂力。

蝙蝠やネズミやらに変幻自在にして特殊な条件下でなければ死なない不死の躯。

血を吸う牙。

そして……『ベッドであり原点でもある棺桶』。

詰まる所。

 

人の手に余る化物。

 

(……今回の黒幕って……吸血鬼?)

 

あっ無理だわ。

俺はサクッと逃げるために踵を返ーーー

 

「貴方はだぁれ?」

 

ーーーしきる前に首根っこを掴まれた。

 

部屋の蝋燭が一斉点火すると同時に声の聞こえた背後にHK416の銃口を向ける。

しかし誰もいない。

いや、そんな筈は無い。

現に気配探知で探った時のあのアホみたいな妖気は目の前からしている。

 

ギィッ……と重苦しい音が響く。

番式だったのか。棺桶を開く音だ。

そしてムクリと起き上がる人影。

ナイトキャップらしきモノをかぶり、金髪をサイドテールに纏めた少女が其処にいた。

 

「……私を呼んだかしら?」

 

小首を傾げながら問う少女。

しかし俺の身体は最大限の警告を発していた。

ーーー逃げろ。アレの前に居たら遅かれ早かれ、死ぬぞ。ーーー

妖気を抑える術を知らないのか、はたまた寝室に勝手に侵入された事に苛ついているのか、ーーー表情から読み取るに前者だろうーーー彼女は自らの妖気を隠そうともしないで撒き散らす。

……まるで無尽蔵の泉のごとく湧き出る濃密な妖気は一般人なら五分もいれば発狂してしまうだろう。

一応謝罪の弁を唱えながらごく自然に部屋を出ようと試みる。

 

「……いや、呼んでないから寝てて大丈夫だ。淑女の寝室に侵入した無礼はまた今度…と言う事でお暇ーーー」

 

そう言いながらドアノブに手を掛ける為に意識を後ろに一瞬回した瞬間。

 

「あら、貴方ってもしかして……男の人間?」

 

棺桶で座っていた彼女が、俺が意識を後ろに回した一瞬の内に目の前に来ていた。

思考が一瞬ショート仕掛けるのを理性を持って押し留める。

 

「(いや今座ってただろお前!?あの体制からどうやって…いや、それよりも…どうする?答え方を間違えりゃ間違い無くバッドエンドだ……落ち着け……一旦相手にペースを委ねるか…)…あぁ…君の言う通り、俺は人間だ。」

 

内心で冷や汗が滝の様に流れる。

目の前数cmに迫られている以上下手に攻勢行動をとれば、一瞬で跡形もなく消し飛ばされるか…吸血鬼なら血を吸われるか。

………よくよく考えたら俺経験無ぇ!格好の的じゃん!

なんて事を考える事、約0.1秒。

 

「やっぱり!私、『チャンとした』男を見たこと無かったの!嬉しいわ!」

 

なんて天使の笑顔ではしゃぐ金髪吸血っ娘。

……チャンとしてない人間ってどんなの?なんて絶対に聞かないからな?

 

「そっか……そりゃ光栄だ。俺はアーヴィン。アーヴィン・ギルベルトだ。」

「私はフラン。フランドール・スカーレットよ。よろしくね、アーヴィン♪」

 

金髪吸血っ娘改めフランちゃんはとてもハイテンションだ。

……多分年相応の幼さを見るに今、理由を付けて此処からとんずらするのはよろしくない。

感情の儘に暴走されたら文字通り手に負えないからだ。

 

(……ふぅ…暫くは付き合うか……)

 

それが今一番の最良の行動だと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~青年少女、雑談中~

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ、つまりフランちゃんは自分の能力のせいで感情を抑えるのが苦手で、此処に閉じ込められたのか…」

「うん、ちょっとした事でも簡単にタガが外れちゃうもんだから生まれて直ぐに此処に押し込められちゃって…」

 

どうやらこのフランちゃん。自らの能力、『ありとあらゆる物を破壊する程度の能力』なんて反則的な能力を授かったのだが、ソレが原因なのか、感情が不安定になる時がまちまち在るらしい。

ソレが原因で現在までこの地下室で幽閉生活を送っていたとか。

勿論、使用人の許可を得れば館限定だが歩き回れるらしいが。

 

「……うだ~!モヤモヤする!アーヴィン、遊ぼうよ!」

 

腰掛けていた棺桶から立ち上がり遊びを提案する。

 

「遊びか……あっやべ。」

 

此処に来た理由を思い出し腕時計に目をやる。

 

「(うあっちゃ~……三十分過ぎてるよ……)…フランちゃん、お兄さんはちょっと用事があって此処に来たんだがまだその人と会ってないんだ。遊ぶのは今度な?」

「えぇぇぇえ~!?やだやだ~!アーヴィンと遊びた~いぃ~!!」

 

うん普通に可愛いな。妹的な意味で。

しかしそう言う訳にも行かず、せめて異変の継続、その有無を知りたい。

 

「(どうしたモンか……そうだ…)仕方ない、それじゃ遊ぶか。」

「え!?本当?」

「おう。今を行く最先端の遊びを教えてやる……のは良いんだが、ちょっと狭いな…今は夜だ。外に出よう。」

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

~青年少女、移動中~

 

 

 

 

 

 

 

ーーー紅魔館 中庭ーーー

 

 

「よし、ルールはこうだ。

その1、互いに非殺傷の妖力弾や魔力弾を打ち合う。

その2、互いにそれを避けあって先に決めておいた回数被弾した方が負け。

能力は使って良いんだけどフランちゃんの場合、対戦相手(俺)に使ったらダメだから…能力は使用禁止でいいや。

弾は弾幕張ろうが基本的に何でもあり。しかし絶対に避けられない壁みたいな弾幕とか音速超えた狙撃とかもなし。

残機は2つ。他に質問はあるかな?」

「特に無いで~す!」

 

俺達は今、紅魔館の中庭にいる。

異変?とっくに霊夢が終わらせてました。

一番拙かったのがフランちゃんを地下室から引っ張り出した時に「手を繋ごう!」てフランに言われ手を繋いでたらこの館の主にして頭首のレミリア・スカーレットに殺されかけた事だ。

もう赤い槍やら赤十字に貼り付けられかけて死ぬかと。

騒ぎを聞きつけた霊夢が開幕ぶっ放(スペカ夢想封印)で事無きを得たが。

そのお嬢様は今はふてくされながら紅魔館の住人+異変解決組と一緒にテラスで紅茶を呑んで此方の遊戯を見ていた。

 

「よし、はじめるか……おーい、誰か合図してくれー!」

 

テラスに向かって声を張り上げる。

答えたのは魔理沙。

 

「いくぜー!」

 

言うなり星形の開幕用特大星形弾を放つ。

緩いスピードで上がったそれは庭の真ん中まで行くと大きな音を立てて破裂した。

 

それと同時に弾幕弾を装填済みのHK416を構え、トリガーを絞る。

五発の高速弾はフランの正中線目掛けて飛んでいき。

その瞬間、フランが『消えた』。

いや、正確には『横っ飛びで回避した』だけなのだが、余りに吸血鬼の身体能力が出鱈目な性で目に追えないのだ。

 

「びっくりしたー…次はぁ……」

「(クソッタレ……速過ぎんだろっ……!)」

 

内心で悪態をつきながら再び照準をフランに合わせる。

妖力を溜め、弾幕弾を練り上げるフラン。

射撃での阻止は……間に合わない!

 

「コッチのぉ、ばん!!」

 

赤色の弾幕弾がばらまかれる。

一気に発生したソレは一瞬にしてフランの姿を隠す。

 

「(ちっ…撃てない!……強化、脚部!)」

 

一度下がり、気配探知で弾幕の威力と拡散状態、射手の位置を測る。

 

「(威力は特大…射手の位置は変わらず……弾幕範囲は全方位……しかし、上空には放たず!)」

 

ソレを認識するや否や左手に「クレイモア・4」を生成、投擲する。

狙いは勿論フランの頭上。

 

「fire!」

 

ヒット範囲にクレイモア・4が入った瞬間に音声と指を鳴らす動作入力で起爆……する筈だったのだが。

聞こえて来たのは爆発特有の破裂音ではなく筆舌し難い嫌な音。

 

「(起爆しない…!?)」

 

いや、即席で単純とはいえ単純故に不発にはなりづらい。

なら……妨害(キャンセル)された?

 

「ふぅ…危なかった~」

 

弾幕が止み、フランを視界に収める。

彼女は右手を突き出し握り締めるような格好をしている。

 

「(まさか……『破壊した』?)」

 

彼女の能力、『ありとあらゆるモノを破壊する程度の能力』。

 

その詳しい発動条件は知らないがイメージならフランから聞いた事がある。

 

曰わく、『キュッとして、ドカーン』。

 

なかなかにふざけた説明としか思えないが……ここで幾つかの仮説を立てよう。

 

一つ、『有効範囲は視界内、目視出来るもの全て。』

一つ、『破壊には、イメージ通りに何かをキュッと握り締めなければならない。』

 

この2つの仮説が当たって入れば現状況に納得が行く。

……おおよそだが、フランは視界の端に映った即席爆弾を吸血鬼の馬鹿げたスペックによってか単なるカンか、一瞬で危険物とみなし…能力を爆弾に向かって行使したのだ。

能力行使も、俺(対戦相手)ではなくちゃんと爆弾のみ。

いやぁ、吸血鬼すげぇ。

 

「(こりゃ本気でやんないと……)」

 

改めてHK416を構え直し、走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中経過は省くが、一応2対1で辛勝したのを明記しておく。

 

 

 




……はい、すみません最後が中途半端に終わってしまいました。
文才が圧倒的に足りなすぎて泣けてくる今日この頃。
……やっぱやるもんじゃないね、キャラじゃ無いことは。
だがしかし続けてみせる!(誰特)
この後は後日談をやってから妖々夢遍へ。
ご期待下s……適度に期待してください。
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