東方銃傭兵(仮)   作:Arvin

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待たせたな!(殴

はい、皆様お待たせしました。
今作は紅魔郷EX辺りのお話し。
本当だったら森近さん宅やらなんやら行かせたかったのに気がついたらこの様でした。
しかも纏め切れなかったので上下版と言う…俺ぇ…

まぁお待ちになられた方もそうでない方も、どうぞゆっくりしていってね!


第三話 作戦code「紅魔(スカーレット)」ー後日談(上)ー

ーー異変から数日ーー

 

はい、どうも。アーヴィン・ギルベルトです。

今は博霊神社……ではなく、紅魔館で門番をしています。

……絶賛睡魔の強襲に耐えきれず夢の世界に連れて行かれそうな赤毛のチャイニーな美人の隣で。

 

「寝るな。」

「みぎゃ!」

 

腰から抜いたナイフをお舟を漕いでいる横っ面に投げつける。

勿論ヒット。……え、やり方が酷い?

其処はメイド長に許可を貰っているし、かれこれ五回目だし。

 

「痛たた……全く、チョットは加減して起こしてくださいよ~……」

 

彼女が『妖怪』なので、こんな切れ味だけのナイフは余り意味がない。

 

彼女は『紅 美鈴(ホン メイリン)』。その中華帽(?)とチャイナ服から分かるとおりの中国の妖怪だ。

……しかし、彼女の原型…元となる妖怪は本人にも分からないらしい。

手渡されたナイフをホルスターにしまう。

 

「はぁ…俺の仕事はこの館の門番とその門番仲間のお前の監視だ。『起こす際には遠慮なく』って咲夜に言われてるしな。」

「そうですが~……アーヴィンさんの、咲夜さんみたいに初動の気配が無いんで避けれないんですよぉ……」

 

彼女の能力は『気を操る程度の能力』。

彼女曰わく「並大抵の一撃なら避け切れる自信があります!」とのこと。

んじゃぁと気配最大カットでナイフを投擲したら見事眉間に的中。

「あら……」と咲夜は軽く驚き「そんな……私、人間以下?」とうなだれる美鈴。

種明かしをしたら安堵の表情で「よかった…捨てられない……」と安心している様を見て言い辛い心境になった。

 

まぁそんな事はさておき。

俺が何故、此処…紅魔館にいると言うと、簡単に言えば『雇われた』からだ。

二日前の夜。博霊神社で卵掛け御飯に醤油かそのままかで霊夢と論争を繰り広げていた時に此処の当主、レミリア・スカーレットが従者を連れて現れた。

目的は俺個人の依頼。

内容は「一週間程の紅魔館の護衛」との事。

しかし、文字通りの『人外魔境』である紅魔館が今更、力の乏しい人間を雇う理由が解らない。

その辺を問い質しても聞いてくれなかったが、まぁ報酬が良さげだったので引き受けた。

……更に言えば、職場は美人が三人、美女が二人、可愛らしい妖精が沢山と目にも優しいって言う下心あってのものもあるがな。

以上説明終わり。

 

本日はその二日目と言った所。

 

「つかお前……よく寝るね、ホント。」

「いや~、夏の陽気って眠くなりません?」

「……だから妖精にイビられるんだよ。」

「うぐっ!」

 

またうなだれる美鈴。

……ヤバい、楽しい。

俺にはSっ気なんてないと思っていたんだが…。

両手をついて落ち込む美鈴をウリウリと弄っていると自分の能力が警鐘を鳴らす。

 

「……美鈴、今日お嬢様にお目通しする予定の客は?」

「…っ!……いや、いない筈です。」

 

美鈴も遅れて気づく。

……『お嬢様』に関しては突っ込むな。咲夜に脅されてるんだよ。

 

「この気配は………魔理沙かな?」

『なら落としなさい。』

「「うお!」」

 

いきなりの念話にビビる門番二人。

声の主はこの紅魔館の動かない図書館もとい紫もや……七曜の魔女の『パチェリー・ノーリッジ』。

紅魔館の図書室(図書館と言ってイイ程の貯書料だが)の司書でありお嬢様の親友らしい。

 

『いい加減アレには私の本を盗られ過ぎてお灸を据えなきゃと思っていたし……丁度いいわ。』

「いいんですか?パチェリー様……数少ない娯らk」

『咲夜に言って一週間飯抜きにするわよ?』

「さーガンバッチャイマスカナー?」

 

腕を回しアップを始める美鈴。やはり妖怪でも断食は辛いらしい。

 

『何をしているの?貴方もよ?アーヴィン。』

「いや~美鈴がでるみたいだし俺出る事なくね?」

『そう……貴方も断食g』

「ヨーシオニイサンガンバッチャウヨー?」

 

マガジンを入れ、レバーを引き初弾を装填。

得体の知れないやる気に動かされ迎撃準備を整える。

 

『それでいいわ……あっ、魔理沙を通したら減棒ね。』

「労基に訴えてやる!」

『……貴方ホントにドイツ人?』

「知らん!育ちはドイツだがな!」

 

HK416を構える。

この距離だとダットサイトは使えない……と言っても魔法の身体強化覚えてからはレティクルなんて灯していないが。

ダットサイトの筒越に魔理沙を視界に収める。

魔理沙には悪いが……俺の給金の為に落ちて貰おう。

 

「……AMEN(エイメン)。」

 

無神論者だが、落ち行くモノに相応しい言葉を投げかけながら、トリガーを引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~魔理沙視点~

 

「んんんんん~んんん~ん~んんんん~♪」

 

私はある歌を口ずさみながら空を行く。

目的は最近知った紅魔館……の図書館にある魔術本だ。

最近、独学の魔術研磨にも限界を感じていた昨今、まさに渡りに舟の如く此処の本の存在を知った。

種類はルーンや五行思想、ブードゥーやら東方の呪いまで。正に完全網羅と言える程。

最近仲良くなったパチェリーは勝手に持って行くなと五月蠅いが…良いじゃないか、どうせ私みたいな半端者の魔術師の寿命とパチェリーのような『本当の魔法使い』の寿命とじゃ天地の開きがある。死ぬまで借りた所でせいぜい100年あるかないかなのだから存分に借りさせて欲しい。

 

「おっ見えてきた。」

 

思考に没頭していればいつの間にか紅魔館。

何時も門番に邪魔されて手間取るが、手間取るだけで結局は通れてしまう。

さて、開幕ぶっ放でもしようかね~と自身の唯一の武装にして掛け替えのない相棒である八卦炉を取り出す。

 

 

ゾクリッ……と悪寒が背中を舐める。

 

 

すぐさま箒を中心に横一回転。

悪寒の一拍後に、一瞬前まで頭のあった箇所に見覚えのある弾幕弾。

 

「(あっぶな! この弾幕弾はアーヴィンのヤツか!)…こんっの……やってくれるじゃないか!」

 

自分の事(開幕ぶっ放)を棚に上げ悪態をつく。

 

「いいぜ…そんなに開幕ぶっ放の見本がみたいなら魅せてやるぜ!」

 

グルンと回って身体を元に戻すと同時に八卦炉に魔力を送り込む。

八卦炉に送り込まれた魔力はソレの中で決められたら回路を伝い循環、増幅される。

今までの鍛錬のお陰で魔力充填まで二秒掛からない。

 

「行っくぜ~……恋符、『マスタースパーク』!!」

 

充填させた魔力を解放、現世に光の洪水を顕現させる。

ソレは一筋の、しかし極太の光条となり真っ直ぐに突き進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~アーヴィン視点~

 

「(くっそ……第一射、失敗…)…っ!美鈴、目一杯左右に散れ!来るぞ!」

「はっはい!」

 

俺は左に、美鈴は右に走る。

一拍後に迫るは魔理沙の十八番にして必殺技、『恋符「マスタースパーク」』だ。

極太の光条が紅魔館の門にぶち当たる。

更にそれを右、美鈴が逃げた方向へ薙払う。

ウワーッと美鈴の断末魔が聞こえた。

まぁ本来はやはりお遊び用の弾幕弾だ。門を破壊するにも、人体を破壊するにも至らない……しかし。

 

「(うわぁ……門焦げちゃったよ…咲夜になんて説明しよう……)」

 

なんて事はこの際頭の片隅に追いやる。

さて、現在の現状整理。

俺…弾、ナイフ、USPにHK416も健在。

空は飛べない。射程は約五百で、多分成功率は40%……仕留めきれず位置ばれからのマスタースパークの可能性大。よって遠~中距離は却下。

となると必然的に中近~至近距離戦闘が望ましい。

 

相手戦略……魔理沙、戦闘性格は率直。搦め手は得意ではないがその場その場の判断を順応性の高いカンでかいくぐる為、ごり押しでも高い戦闘力を誇る。

基本兵装は八卦炉による魔術ブーストを基本とした光~熱系魔術。更に炸裂式の魔術品数点。

得意技は先程の『恋符「マスタースパーク」』。更にマスタースパークを後方に撃ちながら突進+置き土産で弾幕弾をバラまく『彗星「ブレイジングスター」』。

 

ふむ。なら…………新技の実験台になって貰おう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~魔理沙視点~

 

「さぁ~……て?アイツはどこかねぇ~?」

 

私は当たりをふわふわ浮きながらアーヴィンを探す。

私の放ったマスタースパークは手応えは合ったものの、被弾していたのは門番の方だった。

アーヴィンの方は未だ森の中で健在。

息を潜め此方の隙を窺っている事だろう。

 

「物騒な傭兵出ておいで~…出ないと目玉を抉り出し~…と。」

 

なんて小歌を奏でてはいるものの、内心では神経を張り詰めっ放しである。

 

原因はアーヴィンの魔力系列による。

アーヴィンの弾幕弾は、事前に溜めて置いた魔力を……え~と…あさるとらいふる?だっけか?…の劇鉄によって起動。弾幕弾を射出する形式なのだが、劇鉄によっての起動以前の魔力流動(…あれだ、体の中の魔力や霊力の流れだと思ってくれ)が皆無なのだ。

詰まる所、ノーモーションで弾幕弾を放っているのだ。

基本的に弾幕ごっこを嗜む私や霊夢は魔力や霊力を一度体内で練り込んだり八卦炉などに流し込んで増幅したりする為、弾幕弾発射の為にワンアクション必要なのだが、アーヴィンはそのワンアクションを既に済ませている為に弾幕弾発射の所謂『ラグ』がないのだ。

このラグがあれば、その際に起こる魔力流動で位置が分かるのだが前述通りにそのラグが無いので探しようがないのだ。

 

だから、私はアイツの弾幕を避ける時はほぼカンで避けている。

ぶっちゃけアイツの弾幕は普通の人間である私には速すぎて、目に追えないのだ。

いつか来た文屋の自称幻想郷最速の鴉天狗を涙目にさせたのは記憶に新しい。

と、記憶に耽っていたのが仇になったか。

 

魔力流動を探知したが反応が遅れてしまった。

 

規模は中程、発信源は…足元ぉ!?

直ぐに離脱を試みたが、箒を反転させるのと目の前に魔力の塊が踊り出るのは同時だった。

 

「やっば!?」

 

即席の魔力壁を展開、それと同時に目の前の魔力塊が炸裂。

被弾はしなかったモノの、爆風に煽られ箒から落とされてしまう。

 

「うわあああぁぁぁぁあああ!」

 

私はそのまま重力に従い落ちるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

………幸い、下が森で枝がクッションになり無傷で降りれた。

 

「……ふぃ~…一時はどうなるかと思ったぜ……」

 

しかし、状況は対アーヴィン戦ではおよそ考え得る悪条件が揃っていた。

見通しの悪い森、箒は手元になく用意していた魔術品は三分の二程着地で壊れてしまった。

魔力で箒を手元に引き寄せる事は出来るがそんな真似をしたら間違い無く頭をぶち抜かれる。

最悪の状況に置かれ周りを忙しなく見回していると。

 

「義賊『迷い森のロビン・フッド』。」

 

そんなスペルカード宣言(死刑宣告)を聞いた。

 

声の音源は…後ろか!

 

一気に後ろに振り向くと、約10M付近からかなりの速度で走りよる人影。

おそらくはアーヴィンだろう。だが、この距離なら!

 

「これでも食らうんだぜ!」

 

最後の一品である魔術品を惜しげもなくアーヴィンに投げつける。

それはアーヴィンの足元に落ちると瓶が破裂。中に内包されていた弾幕弾が炸裂すると言う、アーヴィンの使う『クレイモア・4』と同じタイプの魔術品なのだ。

魔術品は放物線を描き、アーヴィンの足元に落ちた。

小気味良い炸裂音が響く。しかし。

 

手応えが、無い。

 

そう直感した直後に、何かを蹴りつける音が複数回。

自分を中心に回る音の正体に嫌な汗が噴き出す。

 

「(アイツ、木を蹴りつけて横っ飛びで回避したのか!?)」

 

しかもそのままピンボールのように跳ね回りながら此方に接近、背面取りって……人間技じゃねぇぜ!?

悪態をつきながら思考を回す。

アイツは効率主義だ。近距離で仕留めに来るならドコからが効率が良い?

勿論正面は悪手だ。裏の裏なら分かるがまだそんなのを斯く必要はない。

なら一番反応が遅い場所、其処から一気に来るはず…なら!

身体を背後へ向ける。

其処にはちょうど最後の木を蹴りつける瞬間のアーヴィンが。

手には弾幕弾判定の魔力を纏ったナイフ。

 

「(っこの際…出し惜しみは無しだ!)」

 

私は新作にして秘蔵っ子のスペルカードを取り出す。

ぶっちゃけ対コイツ用に編み出したと言っても過言じゃないこのカード。

 

「秘剣『ムーンライトオブアゾット』!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~アーヴィン視点~

 

作戦は概ね思い通りに進んだ。

気配遮断で空中に浮く魔理沙の真下に行き、更に気配遮断を強化して『クレイモア・4』を時間を掛けバレないように精製。

瞬間的に膂力を強化。『クレイモア・4』を投げつけ魔理沙をあわよくば撃墜、無理なら地表に落とすなり箒から落ちるなりの悪条件を強制付与。

撃墜はしなかったものの、地表落下+箒紛失となかなかの戦果。

此処で俺は魔理沙の後ろへ気配遮断を使って回り込む。『スペルカード宣言が聞こえる位置』に向かう為に。

……本来、スペルカードとはただの宣言に過ぎず発動出来るモノは個人の魔力や妖力、霊力の瞬間魔力総量等に比例するのだが……俺はまだ一年にも満たない新米魔術師に過ぎない。

やろうとすれば出来なくはないが、無理が過ぎれば魔力の暴走等余り宜しくない事が高確率で起きてしまう。

 

詰まる所、俺はまだ『スペルカードを使えない』のだ。

 

其処で霊夢や魔理沙に協力を請い、完成したのがこのカード。

このスペルカードに予め魔力を込めておき、使用時に起動の為の魔力を流し込む事で俺には出来ないような弾幕を放つ事が出来る。つまり魔術品と同じ扱いになるのだ。

 

しかしコレにもやはり弱点が在る。

一度使用すればそのカードの魔力が切れてしまう為、再使用にはまた新たに魔力を込めなければならない。

モノにも寄るが、最低限でも1日中魔力を込めなければならないのだ。

連戦などには不向きなのである。

 

一応、普通のスペルカードも所持しており、今から使う反射神経、身体性能強化型の変則スペルカード、「義賊『迷い森のロビン・フッド』」がソレに当たるが、ソレだけでも身体への負担が大きい。魔理沙のマスタースパークとか真似したら死ぬんじゃないかな?俺。

 

と言う訳で、俺がスペルカードを使うにはある程度の条件が要るのだ。

一つは必殺を高確率で見込める場合。

二つはソレを使わないと切り抜け切れない場面に陥った場合。

2つ目はその事態に陥った時点で遊びなら負けを認めるのだがね。

 

おっと、話が逸れたな。

さて、何故わざわざスペルカード宣言の距離まで近づいたかと問われれば、一つは先程のスペルカードでごり押すため。

もう一つは、射撃だと魔理沙に避けられる可能性を否定しきれないからだ。

……おい其処、お前元傭兵だろ?当てろよとか言わない。

だって魔理沙も霊夢も10M圏内でもHK416のフルオート避けきるんだぜ?(一応弾幕戦用にデチューンは掛かっているが)やってらんねぇよクソッタレ。

まぁ中~遠距離でパスパス撃ち合うよりもコッチ(近~至近距離)の方が楽しいから良いけど。

 

さて、そろそろ仕掛けますかね。

 

俺はHK416をスリング越に背中に背負い、ナイフとスペルカードを取り出し。

 

宣言した。

 

「義賊『迷い森のロビン・フッド』」

 

心音が一つ所か三段階程すっ飛ばして跳ね上がる。

同時に視界が鮮明かつ緩慢に見える。

スペルカードを仕舞いながら全力で最短距離を駆ける。

しかし魔理沙も只ではやられる気は無いらしい。

何回か見た事のある青い瓶が虚空を翔る。

しかし、遅い。

俺は手近にある木を蹴り無理やり方向転換。

右に跳び、更に目の前に迫る木を蹴りつけピンボールのように跳ね回りながら気配遮断。

最大にはカット出来ないが、ミスディレクションの役割は十二分に果たす筈。

そのまま三回程曲がった所で魔理沙の頭上を通り背面へ向かうと同時にナイフへ弾幕判定の魔力を流す。

魔理沙は俺を見失った筈。コレでーー

 

と思いきや、魔理沙は体を反転。此方を視界に捉えた。

 

「(読まれた!?………知らん、突っ込め!)」

 

どうせ魔理沙には至近距離に対応するスペルカードや弾幕弾はないのだ。

いつもの補助弾幕弾を放つ子機も居ない。

とれる。

 

最後の木を蹴りつけ魔理沙に突っ込む。

しかし魔理沙のアクションはスペルカード宣言だった。

 

「秘剣『ムーンライトオブアゾット』!!」

 

宣言と同時に八卦炉が唸る。

八卦路の魔力発射口からマスタースパークには劣るがそれでも太い光条が伸び、収束し。

 

それはまるで剣のように、俺のナイフを受け止めた。

 

「うぐっ!」

「なんだと!?」

 

魔理沙は俺を受け止めた時の衝撃に呻き、俺は必殺を期したナイフを止められた事に驚く。

 

そのまま俺は着地。鍔迫り合いに。

 

「………まさか、そんな、スペルカードが、あったなんて、な!?」

「おう…完全、新作…霊、夢にも、見せてない、オリ、ジナル、スペルだぜ!」

 

ガチガチと競り合い、呼吸も変則的なものに成るため会話が途切れ途切れに。

いつの間にか雨が降り始めていたのか、雫が魔理沙のムーンライトオブアゾットに当たる度に蒸発する。

成る程、本来無造作に放つマスタースパークを収束、循環させることで質量を持つまでに、刀身と言えるまでに練り上げたのか。

いやぁ勉強になる。しかし魔理沙よ。

 

「一つ、教訓を、教えて、やるよ。」

 

体を確かめる。まだスペルカードの状態付与は残ってるな。

 

「なんだ…ぜ?……っ!?」

「体格差のある人間にはその分の膂力差が在る事をよぉ!!」

 

一気に鍔迫り合いのまま魔理沙を押し込み、手近な木に叩き付ける。

 

「がっ…!!」

「我ながら大人気なさすぎだとは思うが…」

 

左手でナイフを押し込みながら右手でUSPを引き抜く。

 

「コレも給料の為だ。落ちてくれ。」

 

USPを魔理沙の腹に押し付け、引き金を絞ーーー

ーーーる一瞬前に派手な爆発音が響いた。

 

「……なんだ?」

 

爆発音は紅魔館から。

へんな妖怪に侵入された?

いや、紅魔館入口から約500mに感覚共有用の魔術品を設置してあるから俺に気付かれず侵入する事は不可能だし、美鈴が……アイツは今弾幕の判定で一回休みだったな。

じゃあ爆発音の理由はなんだ?と思考にふけること五秒。嫌な答えを思いつく。

 

「……まさか…暴走?」

 

そう、フランの暴走だ。

今日は偶然にも満月。妖怪と云うのは月の影響を受け易いモノが多いがその最たるモノが吸血鬼だ。

狼男みたいに満月の夜に理性が消し飛ぶのと同じモノなのかも知れない。

今紅魔館にいるメンツは図書館のパチュリーに……

 

「……最悪だ……」

 

そう言えば本日はお嬢様と咲夜は霊夢の家に行って留守にしていた。

戦力三分の二減とか洒落じゃねぇ。実質戦えるのパチュリーだけじゃねぇか!

更に俺と美鈴…は今使えない。あと他の戦力は……いるじゃないか、目の前に。

 

「……魔理沙、どうせ暇だろ?手伝えよ。」

「いや~今日は用事を思い出しちまってよ~……今日はお暇」

「させねぇよ?」

 

魔理沙の首根っこを掴む。ぐわしっと。

 

「ほら協力してくれたら図書館の本については俺が話を着けてやるから。」

「え~……労働と報酬が釣り合わない気がするんだぜ……因みになにするんだぜ?」

「なに、ただの異変解決にして……」

 

 

 

「西洋版、鬼退治だよ。」




お疲れ様でした。
ダメだ……ペースが上がらん。
月一更新が限界の自分には一週間に何回も更新する書き手が化物に見えてくる始末。

と、言う訳にて、また1ヶ月待っていてくだ……いやヤッパ(殴

今回のスペルカード説明
「義賊『迷い森のロビン・フッド』」

アーヴィンのスペルカードの一枚。
しかしスペルカードと言っても大量の弾幕弾を放つと主人公が死ぬので、このスペルカードは反射神経、身体性能強化だけである。
脳の身体に対するリミッターの認識を下げ、身体を魔術的に保護、更に血流促進等の様々な手を使い使用者の身体能力を強化する。

種類的にはフランの『フォーオブアカインド』の通常弾幕+砲台追加のような形に。(通常弾幕+ボス移動速度上昇)


「秘剣『ムーンライトオブアゾット』」

霧雨 魔理沙のスペルカード(オリジナル)
作中での説明の通り、無造作に放つマスタースパークを収束、循環させてブレードのように振り回す。
イメージはフランの「禁忌『レーヴァテイン』」。
因みに距離は1.5mから10mまで伸縮自在。
由来はとある錬金術師が持っていた剣から。柄元には賢者の石が埋め込まれていたとか。
へ、ムーンライトの由来?………す、スターダストがあるんだからムーンライトだってあっても良いじゃないか!べっ別にフロムの、ACのMOON LIGHTなんて参考にしてないんだからね!
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