東方銃傭兵(仮)   作:Arvin

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第四話 作戦code「紅魔(スカーレット)」ー後日談(下)ー

 

 

 

 

 

 

 

 

~アーヴィン視点~

 

「ほら、キビキビ歩け。」

「そんな急がなくてもどーせパチュリーが実験失敗しただけだぜ?」

 

魔理沙を後ろからUSPでせっ突きながら紅魔館の廊下を行く。

近づくにつれ能力を伝う嫌な悪寒を押し隠しながら。

目的地である図書館。其処から発せられる遭遇したら逃げを選択するような濃密な妖気と狂気を。

 

「……パチュリー、聞こえるか?」

 

俺は前もって渡されていた無線替わりの結晶に話し掛ける。

前回は無線シカトを恐れたパチュリーが直接脳内に念話を飛ばしてきたが一応の正当な連絡手段は在るのだ。

しかし無線のような役割がある半面、俺の言葉が周りに聞こえる事を危惧し余り大声は出せない。

 

…俺が念話使えたら話は別なんですけどね。

 

しかし、無線結晶(今命名)に反応がない。

……いよいよもって嫌な予想の的中か?

 

「……パチュリー?……死んだか?」

『生きてるわよ。』

 

返答が返ってきた。「脳内」に。

 

「……現状を詳しく頼む。」

『そうね…概ね貴方のお察しの通り、フランが暴走したわ。私の方で抑えようとしたのだけど予想以上の暴れん坊に私もギブアップよ。今は貴方の言う無線結晶を壊され手傷を負い行動不能。とりあえず外に雨を降らせて図書館で隠れてるわ。』

 

予想通りの最悪な状況に眩暈に似た頭痛が過ぎる。

 

「ふむ……了解。パチュリー、図書館に隠れられるって事はまだ本棚で見通しが悪い状態か?」

『えぇ、中心部は薙倒されたけどまだ見通しは悪いわ……何するつもり?』

「何って…此方で抑えるしかあるまい。あの暴れん坊娘をな。」

『……魔術をかじった程度の人間風情に手に負える相手だと思って言ってる?』

「まぁモノはやりようだ……魔理沙、回復系魔術は使えるか?」

 

此処で連れてきた魔理沙に話をふる。

 

「うぇ、私!?……私はちょっと無理かなぁって……」

「パチュリー、お前は?」

『貴方達半人前と一緒にしないで、専門外だけど一応人並み以上には扱えるわ。』

「じゃぁちょっと嫌な質問。高ランクの回復能力を持つヤツに対する致命傷からの蘇生は可能か?」

『……モノにも寄るけど『吸血鬼レベル』なら可能よ。』

 

よし、大雑把だがコマは揃ったな。

 

「よし…ならなんとかなるな……魅せてやるよ魔法使い。」

 

俺は相手には見えていないだろう魔法使いに目掛けて笑みを浮かべる。

 

「元民間軍事企業……時には汚れ仕事も請け負った人間風情の『殺し方』をな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ……毎度思うんだがその笑い止めた方がいいぜ?まるっきり悪役だぜ。」

『全く同意見ね。』

「……ほっとけ。んじゃ作戦を説明するぞー。」

 

カッコ良く決めさせてくれよ。頼むから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~魔理沙視点~

 

「うぅ、まさか貧乏くじを引き当てるなんて……ついてないんだぜ…」

 

私は今、紅魔館内の図書館入口にいる。

いつもなら此処には魔術本を盗みに入るかパチュリーを弄……話し相手になるくらいしか来ない。

 

「お邪魔しま~す……」

 

扉をこっそり開け放ち、中の反応を探る。

……どうやら入ったら即終了(人生)って事は無さそうだ。

そのまま中央に向かって歩を進める。

中央を覗き込むに適した場所を見つけ、帽子を取ってから覗き込む。

其処には本棚の残骸の山に佇む異形の翼を備えた少女が一人。

 

(パチュリーの言った通りだな……)

 

頭を引っ込め借りた時計を見やる。

時計は丁度約束の時間を指していた。

 

(そろそろだな……いくぜ!)

 

そして私は本棚の影をでる。

大袈裟に、見つかる事を望んで。

更に声を掛ける。

 

「フランドー「お姉さん、誰?」

 

その言葉を聞いた瞬間、『頭を握り潰される』。

いや、正確には脳が勝手にその事態を想像しただけだ。

手先が震える。しかし足から崩れ落ちなかった自分を褒め称えてやりたい。

それ程までの濃密な殺気。それによる否が応でも突きつけられた実力差。

脳が想像したイメージは明確な予測。

目の前の相手を敵に回した際の出来事を勝手に想像しただけだった。

 

「……へぇ、ネズミなら今ので卒倒してるのに。」

「……そうかい…」

 

実際はかなり限界に近いだがな。

もし私が目の前の女の子を討伐しろって言われたら全力で意識を投げていた。

私が倒れなかったのは、この事態を予測していたのと、私の役割が『弾幕戦になった際のプレイヤー』だからだ。

作戦はこうだ。私がまず出向き、フランに弾幕戦を挑む。乗ってきたらそのままフランの気の済むままに付き合う。無理なら私撤退後、フランに二人が挑む。て具合だ。

 

「……貴方は確か…魔理沙だっけ?」

「…あぁ、普通の魔法使い。霧雨魔理沙とは私のことだぜ?」

 

胸を張りながら自慢げに親指を当てる。勿論虚勢だ。

 

「へぇ、それじゃあ魔理沙…一緒に遊びましょ?」

 

片手を掲げると、その掌に虚空から取り出された長めの杖が握られる。

相手さん、殺るバリバリ。

 

「弾幕だな、良いぜ……幾ら出す?私は高いぜ?」

 

思考を弾幕に引き寄せるように誘導してみる。

 

「うーん…コイン一枚!」

 

ポケットからコインを取り出し、弄ぶフラン。

 

「おいおい……コイン一枚じゃ人命も買えないぜ?」

 

軽口を叩きながら箒を握り直し、後ろ手で八卦炉を掴む。

フランは弄んでいたコインを親指で弾きーーー空中で勝手に爆ぜた。

 

「っ!?」

「あなたが、コンティニュー出来ないのさ!」

 

そしてフランが飛び立とうとした瞬間。

 

閉幕は突然に、文字通り斜め上から降りてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

聞き覚えのある鉄同士の擦れるような音が2つ木霊した。

 

「「……え?」」

 

呟きは私とフランのもの。

理由は突如フランの足元と膝元に咲いた赤い花。

いや、正確には『傷口』だ。

……あの傷口には見覚えがあった。

 

「魔理沙!見るな!!」

 

崩れ落ちるフランを見ていたせいか、フランの数秒後の姿を知っている為か。

 

私はその声に反応出来なかった。

 

膝から崩れ落ち、正座みたいな格好になるフラン。

 

次いで、重なる同じ音。

 

それは攻撃を受けた動揺で動けないフランの首を吹き飛ばした。

 

撒き散らされる血液。

 

撃たれた反動で、フランだったモノは強制的に倒される。

 

「パチュリー!治療を!急げ!!」

「分かってるわよ!」

 

指示を出しながら物影から出てくる二人。

 

「パチュリー!用意するモンは!」

「コッチで用意してあるわよ!素人は黙ってて!!」

 

押し退けられて後退したアイツは、煙草を取り出しながら私に近づいてくる。

 

「……イヤなモンを見せたな。」

「……んでだよ……」

「……すまん、この方法なら、お前はきっと反対すると思ったんだ。」

「……なんで、任せてくれなかったんだよ……」

 

そうだ、弾幕戦になったら私に一任する約束だった筈だ。

私はアーヴィンに掴みかかる。

 

「こんなやり方じゃなくとも他にやりようが「なかったんだよ!!」っ!」

 

アーヴィンは私に掴まれたそのままで言葉を紡ぐ。

 

「……いいか、妖怪の類は、人と獣を足したような存在だ。中には理性的なヤツがいるが、それでも自身の中に抑えがたい本能を宿している。それこそ人間の欲求以上のだ。

レミリアに聞いたが、そんな中でもフランは『破壊衝動』が人並み外れて大きかったんだ。しかも壊してしまうモノは軒並みフランのお気に入りのモノだったらしい。つまりは『愛おしいと思ったモノ』を壊してしまうんだ。

わかるか?始める前は理性的でも、弾幕戦をこなす内にお前を気に入りはじめたら?子供の駄々のように『何処にも行かせない』って思い始めたら?……間違い無くフランは弾幕シカトで暴走する。それこそ自身の能力を使ってでもだ。」

 

一息つくアーヴィンに私は問い詰めた。

 

「弾幕戦なら自信があった!フランの攻撃を避け続けられる自信ならあった……っ!」

 

言葉を搾りだしていたらアーヴィンに胸倉を掴まれ手近の本棚に押し付けられ物理的に言葉が詰まった。

 

「ならお前はフランのスペルカードの内容を全て!委細全てを!完璧に!そらんじれる程熟知しているのか!」

「っ…!?」

 

アーヴィンと顔が合う。

その顔はいつもの軽薄な表情では無く、まるで痛みを堪えているような顔だった。

煙草なんて既に口元から離れ床に落ちている。

 

「フランの能力は視界内全てを破壊できる能力だ!視界に入った瞬間御陀仏なんだぞ!そんな反則地味た能力プラス本来人間は逆立ちしたって適わないスペックの吸血鬼相手に殺し合いになった際どうやって勝つのか説明して貰おうか!!」

 

言葉が出なかった。

発言を論破出来ないとかじゃなく、本棚に押し付けられて物理的にでもなく。

ただ、アーヴィンの感情に圧されて、言葉を紡げなかった。

詰まる所、彼は私を心配してくれているのだ。

ソレが、その感情が。痛いほど伝わる。

肩で息をしながら、それでもアーヴィンは続けた。

 

「世の中に100%なんて無い!フランが弾幕中に能力を行使する可能性だってお前が詰まらないミスをする可能性だって100%無いなんて誰にもいえないんだ!!………そうなる前にフランを行動不能に持ち込みたかった。しかし、マトモに動けるのは俺とお前だけ…門番はノビてるしパチュリーは怪我で弾幕戦は無謀。だから、俺に出来る最善、最速での解決を望んで実行した……それだけだ。」

 

アーヴィンはそう言って胸倉を放し、顔を背けた。

 

「……悪い、感情的になって。」

「いや……私も、ちょっと混乱してた……ごめん。」

 

気まずい空気が流れる。

 

「終わった?」

「「うわっ!?」」

 

それはパチュリーに話しかけられ二人してコントのように飛び上がるまで続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~アーヴィン視点~

 

「フランの容態は?」

「……流石吸血鬼、てトコね。コッチは傷口塞いだだけだって言うのに、気付いたら撒き散らした分の血液とか諸々を体内で生成しちゃって…もう平時の睡眠と同じレベルよ。」

 

パチュリーの肩越しにフランを見やるとふぴゅー……と可愛らしい寝息を立てている。

 

「それにしても………どうしてわざわざ血を流させたの?魔理沙の言う通り弾幕戦ですむならそれでいいじゃない。」

「……理由は2つだ、一つは先程の魔理沙にも言った通りの未来そのものを潰す事で不測の事態そのモノを無くす為。もう一つは……そうだな…例えば過度に血を流した時、思考が靄にかけられたらみたいに朦朧とするときがあるだろ?」

 

二人に話をふる。

 

「あぁ、箒から落ちて色々折れた時はそんな感じだったな。」

「召喚を間違えて変なの呼び出しちゃって一日中精気吸われた時と同じ感覚?」

「後者はともかく前者がまさにソレだ。イメージとしてはパニクる相手に平手打ちして正気に戻すようなもんなだな。相手が人間なら普通に殴り合うんだが今回ばかりは無理がある。だから出鼻を挫く形で瞬間的に血液をさっ引いて気絶させたんだよ。……まぁ、こんなん人間にやったら間違い無くショック死だがな。…さて。」

 

俺はフランに近づき、お姫様抱っこで持ち上げる。

 

「こんなトコで寝かすのも気が引けるし、とりあえず布団で寝かすか。フランの部屋…は無理か。どうせぶっ壊れてんだろうし……んじゃレミリアの部屋でいっか。あのシスコンお嬢様なら寧ろ喜びそうだし。」

「そうね…私は小悪魔達を回復させるわ。埃っぽい所は遠慮したいしね。魔理沙ーーー」

 

本来ならこれでお仕舞い……の筈だった。

 

「ん、んん……」

「ん、起きたか。」

 

コイツが目覚めなければ。

 

「う~…アーヴィン……」

「どうした?」

 

 

「………美味しそー……」

 

 

瞬間、感じる本日最大級の悪寒。

フランに視線を落とせばなんとまぁ恍惚とした表情ですこと………じゃねぇ!

コイツ、まだ『暴走状態から解けてない』!

俺は素早くフランから離れようと支えていた両手を離す。

しかしいつの間にか首に回されたフランの両手に離れる事はおろか重心の移動で前のめりになってしまう。『フランの牙が首筋に届く程』に。

 

「まずっ……ぐっ!?」

「あ~~む。」

 

首筋に鋭い痛み。

やばい。噛まれた。

『血を吸う鬼』。そんなモノに血を与えたらどうなるか。

そんなモノ、正に火を見るより明らかだ。

タダで飲まれてなるものかと俺はUSPを抜く。

其処で、俺の身体は『異変』を感じる。

 

「うぐっ……お……がっ……!?」

「んく、んく、んく……ぷはぁ。……ねぇ、『気持ちいい?』」

 

そう、フランに血を吸われてから、身体が思考停止レベルの『快楽』に襲われているのだ。

ソレは自分で慰める快楽の比にならない程。

もはや精神汚染の類に等しい。

今は魔術を習っているお陰で常時精神保護術が掛かっている状態だから良いものの、こんなの真に受けたら確実に堕ちる。

 

「フラ……ン…止……め……」

「だ~め。血が足りないのはアーヴィンのせいでしょ?だから責任はアーヴィンが取らないと♪」

 

くっそ可愛いなクソッタレが!

など文法的にも思考的にも怪しい文句を垂れつつ手から離れかけたUSPを握り直しフランに突きつけーーー

 

「だから~だーめ♪」

 

ーーー前に手首を抑えられた。

振り解こうともがくが快楽の毒のせいで力が入らない。

まぁ吸血鬼の腕力に適うかどうかは微妙だが。

 

てかヤバい。本格的に血を吸われ過ぎたか快楽が強過ぎるかで意識が朦朧としてきた。

後ろから声が聞こえる。

大方魔理沙辺りが異変に気付いて騒いでんだろ。

 

駄目だ、思考がまとまんねぇ。

視界もぼやけて来た。

 

あ~……すまん、あとは、たのんーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………知らない天井……て訳じゃなさそうだな。」

 

気がついたら、俺は仕事中(紅魔館の護衛)に与えられた一室に寝ていた。

首には包帯が巻かれ、服はズボンと上着のインナー以外脱がされて、装備は壁と机の上に置いてあった。

 

「……どうやら、天国じゃ無さそうだ。」

 

身体を起こすとまだ劣情がくすぶっているのか、身体が熱い。

ソレを魔術で押し込め、とりあえずは動ける状態に。

ベッドに胡座をかき、関節を延ばしながら身体の物理的損傷箇所を確かめていると、不意に部屋の扉が開いた。

 

「……せめて個人の部屋に入る前はノックをしなさいって習わなかったか?レミリア嬢?」

「……呆れた。もう起きてるだなんて……」

 

失礼な。身体の丈夫さだって取り柄の内だし、丈夫じゃなかったら軍事に携われるものか。

まぁフランに噛まれた時の劣情を魔術で押し込めなかったらレミリアに襲いかかって逆に消し炭にされただろうが。

 

「まぁいいか。聞きたかった事があるしな。」

 

とりあえずスペルカード能力行使の際の筋肉痛以外の物理的損傷のなかった身体を起こしテーブルに畳まれた上着を羽織る。

 

「まず一つ目は『今回の事件の顛末』を教えてくれ。」

「えぇ。結局お前が倒れると同時に私達が到着。血を吸った所でたかだか一介の魔術師程度の血じゃ回復量は知れてるわ。結局難なく私と霊夢でフランの狂気のみ押し込めて大団円。めでたしめでたし。」

 

俺が倒れた直後って事は魔理沙達も無事か。

内心胸をなで下ろしながら質問を続ける。

 

「ふう……んじゃ本命。……今回の騒動、『起きる事を知ってた』だろ?能力かなんかで。」

「……えぇ。知ってたわ。」

「……なら何故、一般人に等しい俺をこの騒動に当てた?下手したら壁役にすらなれない人間を。」

「…ハッ、一般人?お前が?寝言は寝て言いなさい。……フランを一時的にでも戦闘不能に陥れたお前を一般人と呼ぶには抵抗がありすぎるわ。」

「ソレは結果に過ぎない。やり方もスペル・ルールガン無視の不意打ちの物理行使だ。それだけじゃ理由になりえない。」

「……夢を、見たわ。」

 

手近の壁に寄りかかって、レミリアは語る。

 

「……フランの暴走する夢。しかし結末は、今日と違う紅魔館(私達)を皆殺しの上での封印……その夢には、お前がいなかったわ。だから、お前をこの事象に介入させて未来の確変を望んだ。……結果はこの通り…………あと、あの子に相応しいかどうかのテストもかねてたわね。」

「……テスト?」

 

思わず口を挟んだ俺。

なんだよテストって。警備員でも増やすのか?

そんな考えが頭をよぎる中、レミリアが俺の質問に答える。

 

「なにって……『あの子の婿になるテスト』よ?」

 

………俺の予想の斜め四十五度を音速ですっ飛んだ答えだが。

 

「……はぁ?」

「うん、腕前は語るに及ばず。顔も良いし度胸もある。『フランの暴走を抑える』って最大難関も八割クリアーしてるし、問題無いわね。」

「おいバカちょっと待てマジで待って待って下さいお嬢様!」

 

眩暈を抑えながら片手を突き出しまくしたてる。

 

「勝手に婚約相手を決めるな!大体いつ了承した!?独裁権を俺にまで行使するんじゃねぇ!!」

「……え?嫌なの?」

「嫌も糞もねぇ!年が違うわ種族が違うわ寿命が違うわ問題しかねぇわ!!大体フランみても欲情しねぇし!!」

 

この一言が拙かった。

急激にレミリアの妖気が身体から漏れ出す程に充満する。

 

「……ほう?私の妹が可愛くないと?」

「何でガチ切れしてんだよ!その溢れ出す妖気をしまえ!手に妖力溜めんな!!」

「そうねそうね、私の可憐な妹に欲情すら湧かない欠陥品はサッサと処分するに限るわね。」

「だーかーら!話を聞けっつってんだろシスコン吸血鬼がぁぁぁあああ!」

「しょうがないわね。辞世の句くらいは読ませてあげるわ。」

 

殺処分決定とか怖すぎるわ。

 

「大体、年が違うっつってんだろ?俺は22歳。あの子は良くて4~5歳だろ?そんなn」

「何言ってるの?フランは今年で495歳よ?」

「ほら見ろ495歳なんて結構って年じゃ……495歳?」

「……いつ吸血鬼の『実年齢と外見が一緒』だなんて言ったのよ。因みに私は今年で500歳よ。」

 

……空いた口が塞がらんとはこの事か。

何とか口を閉じ、溜め息混じりに会話を続ける。

 

「……だからって言っても外見が幼い子供のソレなのは変わらないだろ?恋愛感情なんて言うなれば繁殖機能の延長に過ぎないんだし、俺は幼女趣味なんて無いからアイツを可愛いとは思うが欲しいだなんて思わないよ。まぁ、翌日に外見が急成長するってんなら話は変わるがな。」

 

寧ろ美鈴とか咲夜ならバッチこいなんだが。

レミリアも観念してくれたのか溜め息を尽きながら肩を落とす。

 

「……まぁそこまで言うなら良いわ。」

「それは結構……さて。」

 

手元に寄せていたUSPをホルスターから抜き弾幕弾用マガジンを差込みスライドを引く。

そのまま弾幕弾をドアに向けて発砲した。

ドアに弾が当たると電撃の弾ける音と『きゃっ!』と可愛い声が複数。

 

「……俺に対して盗み聞きとは…覚悟は出来ているんだろうな?」

「……主に対してその狼藉……解っているわよね?」

 

俺はそのままHK416を手に取り、マガジンを差し込む。

扉の向こうでは『だから辞めようって言ったじゃない!』『私のせいかよ!?お前だってノリノリだったじゃないか!』『は、早く逃げましょう!ね!?』と……もう能力を使うまでもなく声質で誰が誰だかわかってしまうほど大声で喋られても……。

 

「レミリア、指示(order)を。」

「……指示はただ一つ(only one)……見敵必殺(search & destory)。以上(over)。」

 

チャージハンドルを引き初弾を装填。

セーフティーも勿論外す。

 

「…了解、我が主。(Yes my load)」

 

俺がその後、ドアを蹴破り三人を相手に大立ち回りを繰り広げた話はまた今度と言うことで。




はい、お疲れ様でした。

何時も通りの遅刻でございます。<(_ _)>
今回は対フラン(?)戦ということでいかがでしたでしょうか?
こんな月1ですら更新出来ない作者ですが、何卒、宜しく御願いします。
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