東方銃傭兵(仮)   作:Arvin

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お久しぶりです。作者です。

今回は妖々夢編。しかし、作者の都合上ちょっと短めです。

それでは、どうぞ……の前に前話に入手した殺人傘の弾幕戦用スペックを。

SPAS12
弾性能
装弾数……8
威力……強
射程……短
速射……中
形状……半球型に広がる10発程度の強威力弾。
    しかし『ショットガン』の性質上なのか飛距離は拳銃より短い。
備考……傘のような骨組みと皮(黒色)がついており元々防弾仕様だった。
    主人公が更に改良を加え防刃、防弾幕弾と幅広い防御を誇る。

以上です。

それでは本編をどうぞ。



第六話 作戦code『桜霊(ゴースト)』~捜査~

季節は流れ、秋を過ぎ冬を越し。春を迎えていた。

……暦上では。

 

 

「~~~~~っだぁぁああああ!!毎日毎日雪雪雪雪!!もう見飽きたわクソッタレが!!!」

 

そう。今は五月……なのだが未だ冬真っ盛り並みの雪が降る寒さ。

俺はいい加減飽きた雪掻きの作業を行っていた。

つか四月で雪が降る時点で異変だろうが。動けよ駄巫女。

 

「もおおぉぉぉダメだ、やってられねぇ!あの糞巫女叩き起こして異変解決させてやる!」

 

思い立ったが吉日。早速装備を確認。

HK416と傘擬きのSPAS12を手早く点検する。

 

「……よし。動作不備は無し。」

 

後は押し入れに入れて置いた魔具『パンドラ』を引っ張り出し、HK416とSPAS12を放り込みぱっと見トランクのパンドラを閉める。

 

「……傘(SPAS)はさして行くか。」

 

どうせなら仮初めの役割を果たして貰おうと、魔力を込めSPAS12に変化させる。

 

この身元不明の魔具(俺は便宜上パンドラと呼んでいる)……変化に魔力を多分に使うこと以外に解った事と言えば『弾幕弾や魔力弾は再装填不要+魔力を込めれば幾らでも射出可能』だと言うくらいだ。

まぁ正直ショットガンのシェル(弾)なんてアサルトライフルの5.56mm以上に使われないから幻想郷側にはそうそう落ちてこないので助かっている。

まぁ出来れば対空装備のスティンガーとか対戦車用のRPGー7とか落ちてくれば万々歳な訳だが流石にそれは高望みか。

 

「さて、行くかな………嗚呼、雪が嫌いになりそうだ。」

 

12月辺りから雪が降り始め、現在まで晴れの日はあれど雪が完全に溶けた試しが無い。

いい加減、『雪景色中毒』にでもなりそうだ。

 

服装を整え、いざという時の為にチェストリグを着け実弾の入ったマガジンをチェストリグのマグポーチに差せるだけ差す。

USPをCQBホルスター毎ベルトに差し大小のナイフと左手の仕込みナイフを確認。

 

「おし。行くか。」

 

こうして俺は不貞巫女を叩き起こす為に出発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後。

 

「うへえぇぇ……寒ぃ。寒過ぎる……」

 

雪道を大股で踏破し、冬ならば当然の愚痴を春に吐きながら、博霊神社に向かって歩を進める。

 

「靴もそろそろ限界っぽいし……せめて空を飛べたらなぁ……ぁあ?」

 

何時もの白黒(魔理沙)と紅白(霊夢)を思いながら頭上を仰ぐと其処には噂の片割れ。普通の白黒魔法使いが丁度此方に向かって来ていた。

 

「お~~~い!魔~~~理沙~~~!!」

 

大手に傘を振り存在をアピール。

向こうも此方に気付いたらしく、降りてきた。

 

「おぉ、アーヴィンじゃないか。どうしたんだ……ってこの方角なら聞くのも野望だな。」

「あぁ、例の腑抜け巫女のケツをひっぱたいて異変解決に送り出したいんだが……その様子なら聞くのも野暮だな。」

 

一応話を聞いた所……アホらしいから三行に纏めると。

 

・異変解決に行けと急かす。

・「異変かどうかは私が決める」

・平行線で魔理沙が投げる。

 

以上。……あんの駄目巫女……。

 

「仕方無い。俺とお前で異変解決するしかないな。んであの駄目巫女を泣かす。いや、博霊から追い出してやる!」

「それは無理として…まぁ私達がサクッと異変を解決すれば流石の霊夢も謝る位はするだろうぜ。」

 

そうと決まればサクッと解決!……したいのは山々だが。

 

「なんか心辺りある?」

「うんにゃ。チルノや雪女とかに会ったけど、どれも違うな。」

 

ふむ。この『春の来ない異変』に相応しい氷精やらが違うとなると……

 

「……アレ?魔理沙、何だソレ。」

「ん?なんだよ藪から棒に。」

「いや、お前の周りになんか別の気配が……何だコレ?」

 

今気付いたが、魔理沙の周りに別の気配を感じる。

ソレはとても暖かく、とても馴染み深く。

 

「ーーーーソレは『春の欠片』。今回の首謀者が集めている『春そのもの』よ。」

「………居るのは知ってたが、出来れば姿をお見せ願いますかな?『七色の人形使い』さん。」

 

後ろ振り向けば、ソコには少女が立っていた。

背は標準的。金髪のショートに青い瞳はお土産の人形を連想する程マッチしている。

ノースリーブのような青のワンピースにケープを羽織り、腰には縛られた本が一冊引っ掛けられている。

彼女こそは七色の人形使いにして俺と魔理沙の師匠を勤めるパチュリーと同じ『本物の魔法使い』。

 

「……私はアリス・マーガt」

「アリスじゃないか。どうした?何時も引きこもってるのに。」

 

……魔理沙ぁ、言わせてやれよ。名前くらい。アリスも威厳タップリに出て来たのにバランス崩して今じゃ威厳の欠片もありゃしない。

 

彼女はアリス・マーガトロイド。先程も言った通り俺達の師匠にして自身も人形魔法を研究中の魔法使いだ。

 

「んで?実際問題、どうしてアリスが外にいる?雪掻きやら炊事洗濯その他諸々自身の人形にヤらせてるんじゃ外に出る意味は無いだろ。」

「……ドイツモコイツモ……んん! いや、面白そうな研究対象が見つかったモノだからちょっと足を運んで居るのよ。」

「まさか……コレか?」

 

俺は魔理沙の周りを指差す。

 

「そう、その春の欠片。出来れば穏便に受け取りたいのだけど……」

「だってよ魔理沙。」

「断るんだぜ!欲しけりゃ奪ってみな!」

 

デスヨネー!お前ならそう言うと思った。

溜め息混じりに手に持った傘SPASの安全装置を外す。

 

「あら、貴方もやる気?」

「いや、実際あんまヤりたくはないんだが……」

 

スライドを引き、初弾を送り込む。

 

「サッサとこの異変を解決したいんでね、唯一の手掛かりを持って行かれる訳にゃいかんのさ。」

「そういう事なんだぜ。寧ろソッチのなけなしの春を頂くぜ!アリス!!」

「…そっちがその気なら仕方無いわね…」

 

仕方無いなぁ…みたいな事抜かしながら続々と弾幕戦闘用人形を召還していくアリス。

セリフと行動が噛み合ってませんよー!

 

「ルールはどうするんだ?」

「2対1だし、アリスは残機2で俺らは1。手早く終わりたいし、スペカは各二枚で良いだろ。」

「異論は無いわ。」

「さて、大変気乗りしないが。」

 

良いながらUSPの弾倉から一発の弾を取り出す。

 

「始めますか!」

 

ソレを指で思いっきり弾く。

 

弧を描き落ちてくる弾丸。

 

 

「(魔力強化は……腕部と脚部でいいか!)」

俺は魔力で腕部と脚部を強化しながら前屈みに。

 

「さて、いっくぜー…」

魔理沙は箒に跨がり詠唱を開始。

 

 

「武器を持て!」

少し離れたアリスは10体前後の人形に囲まれながら一言の命令の後、一斉に武装する人形達。

 

 

そして。

 

ついに弾丸が雪の地に落ちる。

 

 

「Go!」

 

俺はスタートダッシュで一気にアリスに迫る。

しかし流石に開幕ダッシュは読まれたか。

 

「無駄よ!」

 

剣や槍を持つ人形達に弾幕を張らせながら盾を持った人形がアリスを守るように集結する。

まぁいつもなら引かざるを得ない訳だが。

 

俺は傘(SPAS)を開き前に翳す。

そしてそのまま『弾幕を掻き分けて』進んだ。

 

「なっ!」

「のぉぉおおおぁぁああ!!」

 

実はこの傘(SPAS)、皮の部分に魔術処理を施してあり、普通の威力の弾幕弾なら弾く事が出来るのだ。

まぁ弾幕弾接触の反動は来るから腕部の筋力強化しないと簡単に物量で押し込まれるんだが。

 

更に押し込みながらSPASの引き金を引く。

 

ハンドガンともアサルトライフルとも違った銃声を響かせながらアリスの人形達を掻き分ける。

 

「くっ……それなら!行軍(march)!!」

 

アリスの号令後、攻撃側の人形達が盾を持った人形の後ろに隠れ盾と盾の隙間から槍を突き出す。

 

「前進(advance)!!」

 

そしてそのまま前進……ってマジか!

幾ら魔術処理+防刃加工してても槍までは防げねぇよ!!

 

「アーヴィン!どけぇぇぇえええ!!」

 

突如、響く声。

俺は直感に従い、傘を閉じて力の限り横に飛ぶ。

ギリギリ見えたのは、アリスの驚いている顔と。

 

「恋符!『マスタァァァスパアアアアァァク』!!」

 

全てを飲み込む極光の光だった。

ソレは実際に人形達を飲み込み。人形の主すら飲み込まんと迫る。

しかし。

 

 

「第一制限、解除。」

 

 

突如、アリスの前に緋い魔法陣が出現。

マスタースパークはそれに遮られてしまった。

 

「なんだ…ありゃ……」

 

アリスは確かに人形魔術の他にも多彩な魔術を収めているし、『七色の人形使い』の七色はその多彩な魔術を意味している。

しかし、ソレは所謂『様々な属性』を差しているだけに過ぎない。

パチュリーですら魔術には七曜、七属性を基準としているし、アリスの人形魔術も『木属性』と『金属性』を使用しているのだ。

属性の依代無しに、無詠唱で。尚且つ出力で言えば紛いなりにも村一つを焼き払う魔理沙の『マスタースパーク』を受け止める魔術なんて……

 

思考しているうちにとうとう魔理沙のマスタースパークがスペルアウト、時間切れになった。

 

光が晴れ、マスタースパークで巻き上げられた雪が辺り一面に霧のように舞う。

 

「……第一制限、封印。」

「っ!!」

 

雪の霧の中。

一瞬だけアリスの瞳が、『金色』に光って見えた気がした。

しかし再び視認すれば、アリスの瞳はいつもの青色だった。

 

 

「……『コレ』を使うなんてね……いいわ、私の負けよ。」

 

 

「「……え?」」

 

2人して間の抜けた声をだす。

 

「えぇ、先程ので本来なら一機消し飛んでたし。私も疲れちゃったわ。」

 

巻き上げた雪を払いながら気怠そうに嘯くアリス。

 

「……何よ?なんか文句あるの?」

「いや、ほぼ無傷で終われるならそれに越したことは無いが……」

「まぁ温室系魔術師には外に出ただけで苦行なんだろうぜ。」

「私は都会派魔法使いよ。野良魔法使いさん?」

「あぁ?田舎にようこそだぜぇ?」

「安い挑発に乗るな。」

「あべし。」

 

魔理沙に突っ込みを入れながら魔理沙の『春の欠片』を自分の手に少量移す。

 

「ほら、引いてくれた礼だ。」

「あら。…いいの?」

「なに、俺のじゃねぇし…渡すと言っても少量だ。後は研究で増やすなり何なりしてくれ。」

 

アリスは手に移した春を受け取る。

 

「そう……じゃ私は困らないから今回の異変のヒントを上げるわ。」

「おや?いつもはテメェで考えろを地でいくアリスさんが。珍しいんだぜ。」

「……魔理沙、もう魔導書貸さないわよ?」

「スミマセンデシタ。」

 

片言だなぁ。俺でももうちょい誠意込めるぞ?

……偽物だがな。

 

「んん!……今回の異変はその『春の欠片』が誰かに盗まれて起きた事件よ。そしてそれは『今でも奪われ続けている。』……ヒントは此処までよ。後は自分で探しなさい。」

「……十分だ。ありがとうな、アリス。」

「全く……どこぞの野良猫もこの位素直だと嬉しいのだけど。」

「……誰の事だぜ?」

「いや別に、独り言よ。」

 

そう言い残し、彼女は去っていった。

 

「……さて、コレからどうしたものか……」

「魔理沙、ちょっと失礼。」

「ん?……のぁ!?」

 

魔理沙の目の前に手を翳す俺。

目的は、魔理沙の持っている『春の欠片』の気配をしっかり覚える為だ。

 

「…………よし。」

 

あらかた覚えた俺は自身の能力、『気配を操る程度の能力』を全力行使。春の欠片の流れを追ってみた。

 

「……上空……いや、もっと上の……屋敷?…いや違っ………っ!!?」

 

途端、膝から崩れ落ちる。

上空の更に上、薄暗い空に長い階段。

その先にある屋敷の敷居内にある大きな桜の樹。

 

ソレを観た瞬間。ソレに生気を吸い取られたのだ。

 

「お、おい?アーヴィン!?」

「大丈夫だ。問題無い……」

 

気配で探ってこの始末。間近には寄りたくない。

最悪、俺らだけでは役不足かも知れない。

しかし。

 

「……魔理沙。目的地が解った、直ぐに行くぞ。」

「お、おう……でもお前は大丈夫なのか?顔色悪いぞ。」

「……大丈夫だ。差し障りは無い。」

 

実際、生気を抜かれ始めた瞬間に切ったのに割と吸われているから万全とは言えない。

だが直感が告げている。

 

「この異変、嫌な予感がする……割と洒落にならない…な。」

 

 

俺は遙か上空の目的地、『冥界』を見上げながらそう言った。




アリスはラスボス。(確定)

さて、冗談はさておき。今回はアリスさんに頑張って貰いました。(戦闘は一瞬でしたが)
次回は三妖精と御庭番まで行きたいです。
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