『翁餅』表記を『翁飴』表記に訂正しました。
新潟の皆様、長らく気づかず大変申し訳ありませんでした。
サブタイトルを直していませんでした。
重ね重ね申し訳ございません(二〇一九〇八二四)。
越後の国に
翁飴と呼ばれる名菓あり
餅のごとき歯応えにして
餅にあらず
これまさに
知る人ぞ知る旨き菓子也
越後商人が六門島(ろくもんとう)へやって来て、翁飴(おきなあめ)ゆう菓子を格安で販売してくれた。
ありがてえことじゃ。
米をつこうてねえのに、もちもちしていてうめえがな。
越後産の米もたんまり持ってきてくれた。
甥っ子の新一を御輿に担いだ大和さんたちが、わっしょいわっしょいしとる。
よほど嬉しいんじゃなあ。
岡山県南部の笠岡諸島にあるこの島の、東側に作られた人工島の扇島(みしま)。
そこに設けられた商館で、ワシは越後の精力的なおっさん系あきんどと話をする。
「気候も雰囲気もここ岡山県と我が新潟県とでは、まるで違いますねえ。」
「西国の瀬戸内海と北陸の日本海じゃ、いろいろと違うじゃろうしのう。」
「新潟は米どころ酒どころとして全国的に知られていますが、菓子の観点でも趣深いものを多数有する県なんですよ。」
「ほほう。」
「日本三名菓のひとつの越乃雪、それから笹だんごにゆべしに翁あめ。天神菓子に柿の種、玉うさぎ、粉菓子、おこしがた。新潟県民は商売下手が多いですし、私もそうではありますがこちらの皆様とご縁を持ちたいものです。」
ようゆうわ。
越後商人と言えば、戦国時代に武田晴信公へ塩を売った話が有名じゃのう。
長尾景虎公の采配じゃったんじゃろうか?
北条氏康公も立腹したことじゃろうなあ。
小田原と言えば提灯に蒲鉾に外郎(ういろう)が有名じゃが、名古屋や山口の外郎もええなあ。
あのもちもちした食感はええもんじゃわ。
今度山口まで行って、外郎を買(こ)うてけえろうか。
名菓の亀の甲せんべいも土産にええなあ。
みんなも喜ぶじゃろうて。
越後の海産物に艦娘のみんなが欣喜雀躍としとったのは、とってもよかった。
瀬戸内の海の幸もぼっけえうめえが、全然違う海の幸もええもんじゃけえな。
なんだか、甲賀の娘さんたちと伊賀の娘さんたちの機嫌が大変悪そうに見える。
別に越後を取り立てて誉めとる訳でもねえんじゃが、危機感があるんじゃろう。
甲賀伊賀のお菓子とかお茶とか焼き物とか酒も大変よいのだと、娘さんたちから強く訴えられた。
難しいのう。
その越後商人からは佐渡島の北雪ゆう酒を貰ったけえ、大淀さんたちや甲賀伊賀の娘さんたちと共にちょっとした内輪の酒宴を行った。
親睦会みてえなもんかの。
一本じゃ足らんじゃろうから、近隣諸国である備前備中作州備後安芸讃岐の日本酒も用意する。
おお、この佐渡の酒はええ味じゃが。
風雪に耐える味わいゆう感じかのう。
「一番! 大淀! 脱ぎます!」
は?
え?
ちょっ!
大淀さん!
脱いだらおえん!
なにしょん、あんたは?
「だいじょーぶですよう。提督はいっつもいっつも、この体を隅から隅までじっくりご覧になっておられるじゃありませんか。」
「な、な、なにをようるんかな、大淀さんは。こげな席で服を脱いだらおえんじゃろうが。」
「あらあら、どうして脱いだらダメなんですか、提督。」
「鳳翔さんまでなんで脱いどん? そげなんおえんわ!」
「甲賀者代表として、絶対に負けてはいられません!」
「伊賀者としてもこの戦、負ける訳には参りません!」
「あんたらも悪酔いしとるが! 脱いだらおえんわ!」
翌朝、北上さんや吹雪ちゃんを含む子たちから酒くさいと全員怒られた。
その上、酒好きな子たちから呑ませて欲しかったとしんみり言われ、残った分を全部取られてしもうた。
その次の日。
富山県の薬売りと山梨県の行商人が、六門島へやって来た。
もらいもんじゃけどと翁飴を新潟の村上茶と一緒に出したら、なんか知らんけど微妙な顔をされた。
でっち羊羹の方がよかったじゃろうか?