東方半獣録   作:幻想郷のオリオン座

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温泉へ

ルーミアさん達を連れて、私達は温泉へ移動した。

 

「やっと着きましたね」

「空を飛べれば大分楽なんだけどね」

「ご、ごめんなさい…」

「お? もしかしてフィルって飛べないの!?」

「あ、はい、飛べません」

「じゃあ、あたいの方が凄いんだね!」

「そうですね」

「と言うか、空を飛べない方が珍しいと思うけどね」

「私も飛べるよ-?」

「わ、私も…」

「うぅ…」

「でも本当、実力は飛び抜けてるのに空を飛べないって…ある意味凄いわね」

「空を飛ばなくても実力のある妖怪と渡り合えるって確かに相当ですよね」

 

うぅ、空が飛べればなぁ…そう言えば、まだ飛べたりするのかな?

 

「……あ」

「ちょっとフィル! 普通に飛んでるじゃないの!」

「なー! 嘘付いたなぁ!」

「い、いや! ふ、普段は飛べないんですけど!」

「いつの間にか飛べるようになってたの?」

「あ、いや、永琳さんからお薬を貰って、それを飲んだら少し飛べるように…」

「なん! 私の苦労を返しなさい!」

「ご、ごめんなさーい! わ、忘れてたんです! 

 いつの間にか幻想郷に戻って、それでキョトンとしてて!」

「私は楽しかったよ」

「私はしんどいわよ! このこの!」

「あぁ! ゆ、揺すらないでください-!」

「まぁまぁ、お嬢様、お散歩も楽しいですよ?」

「えぇ、お嬢様は運動不足ですし丁度良いでしょう」

「な! 運動不足なのは私じゃ無くパチェでしょ!?」

「普段は動けないわ、今日は喘息が少しマシだから良かったけど」

「あなたは飛んで移動してたからね」

「ならレミィも少し飛んで移動すれば良かったのよ。

 わざわざ自分で歩いて一緒に移動したのはあなたでしょうに」

「く! い、痛いところを…」

「とにかく急いで温泉に行こうよ!」

「はぁ、そうね」

「うぅ、ごめんなさい…」

 

空を飛べるようになったの忘れてた…この薬、ずっと飛べるのかな?

もし飛べるなら、私も空を飛んで移動できるように…

でも、もしかしたら1日だけの効果とかかも知れないし

明日、目が覚めたら試してみようかな。

 

「…ようこそいらっしゃい」

「げ! 八雲紫!」

「そんな嫌そうな反応しないでよ、傷付くわ」

「あんたみたいな鋼のメンタルが傷付くわけないでしょうが」

「ま、あなたよりは精神力はありますわ」

「な!」

「まぁまぁ、紫、いきなり喧嘩は無いでしょう?」

「あ、幽々子さんも」

「なんで私まで…うぅ」

「妖夢、何をそんなに怯えているの? と言うか、誰に怯えてるの?」

「知ってるくせに……」

「ご、ごめんなさい…」

「何があったの?」

「少し暴走したときに…」

「暴走? 何よそれ」

「妖夢が馬鹿な事をしたから一時期彼女の迷いを断ち切ったのよ」

「どうなったの?」

「瞬殺♪」

「止めてください!」

「え? でも今は…」

「何とか私と藍で抑えたの」

「……八雲紫とその式…あなた達が2人で抑えるほどなの?

 式の方だけで普通は抑えられそうな物を」

「あらあら、月の賢者が頼る程よ? 彼女は」

「…そう、フィル」

「ひゃい!」

「な、そ、そんなに驚かなくても」

「い、いえ、すみません」

「あなた、前から気にはなってたけど…本当にどうなってるの?」

「いえ、何も覚えてません…」

「自覚の無い強者は恐ろしいわよ?

 それにしても、なんで吸血鬼のペットなのかしらね。

 私の式神にならない?」

「ふぃ、フィルは私のペットよ! う、奪おうというなら紅魔館総出で守るわ!」

「お、お嬢様…」

「あらあら、それは残念ね」

「…く、本気を出せば私達くらいは容易でしょうに…」

 

お嬢様は小声でそう呟いた、やっぱり紫さんを警戒してるみたい。

 

「まぁ、それは別に良いわよ、冗談よ。

 フィルをあなたから奪えるとは思ってませんわ。

 私は強引に誰かの意思を奪うのは好んでませんしね」

「何だかんだで紫は紫ね」

「…所で、あの…フィルさん」

「はい」

「その服、どうしたんですか?」

「あ、この服は外の世界に飛ばされたときに

 そこで出会った人達と一緒に買った…あ、あぁ! ふ、服に穴が!」

「はぁ、大きな穴ね」

「うぅ…折角買って貰ったのに…」

「問題は何でお腹にそんな大穴が開いてるかね」

「全く覚えてません」

「…想像はつくけど、問題は…」

「まぁまぁ、難しい話は後で良いわ、今は温泉よ~」

「それもそうね、しかし随分な大所帯で来たわね。

 あなた達は分かるけど、そこの妖怪と妖精は何?」

「偶然であったから攫ってきたわ」

「不味いのだ…私達がここにいるのは不味い気がするのだ」

「なんで?」

「わ、分かるでしょ!? だ、だって、げ、幻想郷の賢者さんと

 レミリアさん達だよ!? 格が違うもん!」

「うん! やっぱりあたいが最強ね!」

「違うよぉ!」

「ま、賑やかなのは良い事だし、私は別に否定しないわ。

 それに、橙の相手になってくれそうだしね」

「はい!」

「あ、橙さんも来たんですね」

「私も居るぞ」

「藍さんも!」

「ふふ、これは相当な大所帯になるわね~、貸し切りだったかしら」

「違うと思うけど、ま、大丈夫でしょう」

 

かなりの人数になったけど、私達はすぐに温泉へ向った。

 

「……うぅ…私の服…」

「あまり落ち込まないの、後で私が縫ってあげるから」

「本当ですか!?」

「えぇ、手先は器用よ、伊達にメイドはやってないわ。

 結構服がボロボロになるし、基礎スキルよ」

「あ、ありがとうございます!」

「そんなに大事なの? その服」

「はい!」

「ふーん……」

「レミィ、そんな妬ましそうに」

「してないわ!」

「まぁまぁ、早く入りましょう」

「そ、そうね…」

 

私達は服を脱いで、タオルも巻いて温泉の扉を開けた。

 

「ん? 今日は貸し切りだと思ったけどお客が来るとはね」

「ま、温泉って結構需要あるからな、今までがレアだったんだぜ」

「あら、霊夢達も来てたのね」

「……また随分と珍しすぎる組み合わせだぜ…」

「レミリア達と紫達…それに幽々子達…こりゃ凄いわね」

「で、場違いな奴が3人、どうして一緒に来たんだ?」

「攫ったの!」

「人を攫うはずの妖怪を攫うとは、また妙な事をするわね」

「これが温泉! あたいが1番だ!」

「もうすでに私達が入ってるから1番じゃ無いぜ。

 それにだ、湯船に入る前にお湯で身体を流すのが礼儀だぜ?」

「そうなの? じゃあ! あ、あっつぅ!」

「はは! そりゃ氷精にはキツいぜ!」

「うぅ…でも、これであたいは湯船に入る!」

「馬鹿! 飛び込むな!」

「いやっふー!」

 

チルノさんが湯船に飛び込んだ…と、同時に。

 

「あっつぅううう!」

「ったく、お湯が掛ったじゃないの!」

「温泉…めちゃ熱い!」

「氷精にはキツいだろうね」

「く、でもあたいは入る!」

「やっぱりあいつを連れてきたのは失敗だったでしょう」

「チルノ-、ぬるま湯があるのだー、そっちで」

「そうなの!? じゃあ、あたいはそっちだ!」

「あっさり諦めたわね、珍しい」

「熱いのは苦手なんだろう、ま、湯船が冷えないから私はこれが良いぜ」

「ま、そうね、それじゃ、のんびりしましょうか」

「はい!」

 

やっぱり沢山で入った方が温泉は楽しいかも!

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