東方半獣録   作:幻想郷のオリオン座

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長い夜の散歩

夜の散歩は長くなる。竹林を巡ったときもそうだった。

でも、今回はメンバーが凄く特殊な感じ。

フランお嬢様にルーミアさんだからね。

普段だったらレミリアお嬢様も一緒だけど、今回はいない。

 

「凄く新鮮ね、こんなメンバーで散歩って」

「そうですね」

「私も、大体チルノ達と一緒だから新鮮なのだ。

 あー、私としては、2人も私達のメンバーに入れたいのだ!」

「メンバーって?」

「チルノ、リグル、ミスティア、大ちゃん、私のメンバーだな」

「あ、あの時の人達ですか? チルノさんは分かりますけど名乗られましたし」

「髪の毛が緑で触覚があるのがリグルで、ピンク髪で帽子を被ってたのがミスチー

 緑髪でサイドテールだったのが大ちゃんだよ」

 

その人達がルーミアさんと仲がいい人達なんだね。

いや、人なのかな? 人じゃないよね?

 

「種族は何なの?」

「チルノと大ちゃんは妖精、ミスチーは夜雀、リグルは蛍の妖怪なのだ」

「全員雑魚じゃん」

「フランお嬢様…」

「まぁ、雑魚だけどな-、力はあまり無い妖怪だし。

 チルノは私達の協力あっても、フィルに手も足も出なかったし。

 ハッキリ言って、私達が全員で2人に挑んでも軽く全滅させられると思う」

「そ、そんな事は」

「謙遜するよね、フィルって…私達姉妹と同時に交戦できて勝てるのに」

「え? だったら、紅魔館で1番強いのって、フィルだったりするの?」

「お姉様なら否定するかもだけど、私だったら否定しないよ」

「そんなに強くありませんって…私」

 

でも、褒められるのは何だか嬉しいけど…でも、お嬢様達よりも強いってなると

嬉しいよりも、恐縮とか、そっちの方が凄く強いよ。

 

「あなたが強くないなら、何が強いなのよ…でも、その話は良いわ

 多分、フィルは何を言っても否定するもん。それがフィルだし」

「あ、あはは…恐縮過ぎて否定しまくりますよ」

「で、のんびり歩いていたら、人里まで来ちゃったわけだけど」

「入るわけにはいきませんよ、流石に夜だし」

「フィルだけなら入れるかもだけど、私達2人がいたら無理だろうね」

 

人食い妖怪のルーミアさんに吸血鬼のフランお嬢様。

流石にこの2人が入っちゃったら、人里の人達が怯えちゃうからね。

食べるつもりは無いと言っても、絶対に信じて貰えないだろうし。

 

「うーん、だったら次は何処に行こうかしら」

「結構歩きましたよね」

「でも、私はまだまだ歩き足りなくてね、散歩は長くても問題無いのよ。

 夜風に当るのって、凄く気持ちが良いからね」

「散歩しすぎて日が明けちゃったらどうするんですか?」

「た、確かにそれは不味いわね…その時はフィルが何とかして」

「えぇ…咲夜さんならまだしも、私には無理ですよ…」

 

咲夜さんなら時間を止めてる間にフランお嬢様を紅魔館へ運べるけど。

 

「いやほら、日傘で私を守ってって意味」

「あ、日傘あるんですね」

「いや、無いわよ?」

「え!?」

「何処かで傘を借りましょう」

「何処で借りるんですか…」

「うーん…何か大きい場所とか? 起きてそうな場所。

 霊夢の所とか」

「こんな時間に私達が行ったら多分退治されますよ…」

「そ、それは恐いなー…」

「フィルがいれば楽勝でしょ、巫女程度」

「無理無理無理! 無理です! 絶対無理!」

 

霊夢さん本当に強いからなぁ…絶対に勝ち目がないよ。

 

「ふーん…まぁ良いわ、夜が明けてから考えれば良いのよ」

「もしかして、夜が明けるまで散歩をするつもりですか?」

「勿論」

 

凄く長い間、散歩をする事になりそうだなぁ。

えっと、月の位置から考えて…今の時間は…どれ位だろうか。

そうだなぁ…多分、午前3時くらいかな。

まだ散歩を始めて1時間程度なんだ。

 

まぁ、正確には分からないけどね。

蓮子さんの物真似をした感じでしかないし。

そもそも、外の世界と幻想郷内で同じとは限らないしね。

 

「時間とか分からないから、ちょっと困るけどね」

「午前3時です」

「なんで分かるの?」

「外の世界で知り合った人の物真似をしました」

「外の世界…そんな能力がある奴が居るのね」

「はい! 超能力を使える人もいました!」

「幻想郷でも超能力とか普通だと思うけどね。

 と言うか、こっちからして見れば、それってただの能力だし」

 

幻想郷で能力を使える人って沢山いるし…こっちだとあの力はただの能力?

結構、色々な事が出来るけど超能力ではなく能力…やっぱり凄いんだなぁ

幻想郷って…皆凄く強いし、色々な事出来るし、空飛べるし。

 

「さて、それじゃあ、次の目的地へ向うわよ」

「次は何処に行くんですか?」

「魔理沙に会いに行く。確か魔法の森だったっけ」

「魔理沙さん…絶対寝てますよ?」

「寝てたら起すから良いよ」

 

凄く迷惑な押しかけって感じがする…

 

「フランお嬢様、絶対迷惑ですので止めてください」

「魔理沙なら別に怒らないと思うけど」

 

どうなのかな? あまり魔理沙さんと交流があるわけじゃないし何ともだけど。

 

「まぁ行こうよ魔理沙の家!」

「うぅ…どうなっても知りませんよ? 

 怒られてマスタースパークが飛んで来ても」

「避ければ良いから平気よ」

「私は絶対に当る気がするのだー」

「そもそも、屋内で使ったら、魔理沙さんの家が吹き飛びますね」

 

考えてみれば、使ってくるはずが無かったよ。

家が滅茶苦茶になっちゃうもんね…でも、寝起きの状態だったら

使ってきそうで恐いけど…でも、多分大丈夫だと思って

私達は魔法の森に向い、魔理沙さんの家を探すことにした。

 

月明かりも入ってこない、森の中。

幽霊とか妖怪が出て来そうな気もするけど、考えてみれば

私の周りには幽霊よりも恐ろしい人達が2人居るんだった。

 

幽霊や妖怪を倒しちゃいそうな2人が…でも、やっぱり幽霊は恐いよ…

あ、そう言えば2人は妖怪だった…あ、私もか、あはは…


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