東方半獣録   作:幻想郷のオリオン座

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魔理沙邸の来客達

「いやぁ、やっぱり外の世界ってのは面白いな。

 私も外の世界に飛んでみたかったぜ」

「そんなにですか? でも、大事な友人が出来たのは嬉しかったです」

「菫子と蓮子とメリーか、私も合ってみたいぜ」

「はい、優しい人です。魔理沙さんにも1度あわせたいです」

「その時が来たら、よろしく頼むぜ」

「はい! いつになるか分かりませんが」

 

そんな会話をしていると、家の扉をノックする音が聞えた

 

「何だ? 私の家に来客とは珍しいな」

「そうなんですか?」

「まぁな、普段は誰も来ないぜ?

 そこで寝てる3人も来ないしな」

 

フランお嬢様とルーミアさんと成美さんは私のお話に飽きてしまったのか

結構前に眠ってしまっていた。

だから、ずっと話を聞いてくれていたのは魔理沙さんだけだった。

 

「まぁいいや、面倒な奴なら吹っ飛ばすだけだぜ。

 と言う訳で、誰だ? 今は来客中だぜ」

「あら、あなたの家に来客とは珍しい…ん? これまた意外な来客ね」

「私からして見れば、お前が私の家に来た方が意外だぜ。

 私の事、嫌ってると思っていたがな」

「一応ね、で、そこの妖獣は? 私、初めて見るんだけど」

 

扉の向こうにいたのは、綺麗な金髪で、まるで人形のような姿をしている少女が立っていた。

瞳の色は金色で、青のワンピース見たいなノースリーブにロングスカートを履いていた。

肩にはケープのようなものを羽織っていて、頭にはヘアバンドみたいな赤いリボンが巻かれてた。

手には1冊の魔導書をもっていて、何故かリボンで縛って鍵がかけてあった。

…グリモワール、僅かに見えた英文字はそう書いてあるように見えた。

 

「妖獣じゃないぜ、確か半獣だったはずだ」

「半獣…案外珍しいわね」

「そうか? 結構居ると思うが?」

「よ、よろしくお願いします」

「よろしく、私はアリス。アリス・マーガトロイド。

 一応、魔法使いよ。よろしくね」

「あ、自己紹介ありがとうございます。えっと、私はフィルです。

 最近、幻想郷にやって来た半獣です」

「最近…なる程ね、結構力があるのに私が知らないのも頷けるわね」

「何だ? お前、こいつの実力分かるんだな」

「まぁ…見た感じはそこまでだけど、何か隙が無いしね。

 まるで、色々な目を持ってるように感じるわ」

「どう言う意味ですか?」

「いえ、曖昧な感想よ。何となく、としか言えないわ」

「まぁ、こいつがただ者じゃないのは間違いないぜ?

 何せ、紫が気に掛けるレベルだからな」

「結構世話焼きなのね、幻想郷の賢者も」

「わ、私なんて強くありませんよ」

「……本気で言ってるの?」

「本気だろうなぁ」

 

うぅ、ほ、褒められるのはやっぱり恥ずかしい…

 

「ま、新参だしね。この幻想郷では大分珍しい性格でも不思議ないか」

「ここの連中は自信過剰が多いからな」

「えぇ、あなたを含めて」

「だな、お前を含めて」

 

…あれ? もしかしてこの2人、仲悪いんじゃ!?

何でお互い臨戦態勢!? と言うか、アリスさんの周りに居る人形さん何!?

 

「その…喧嘩は」

「あら、喧嘩じゃなくて挨拶よ?」

「あぁ、挨拶だ」

「挨拶なら、お互い武器を構えないで欲しいんですけど?」

「何、マスパはただの挨拶だぜ」

「あの超火力レーザーが挨拶とか冗談じゃありませんよ」

「…ま、この子に免じて、今回は許してあげるわ」

「やっぱり嫌ってるな。一緒に異変解決した仲じゃないか」

「あれは仕方なかったからよ、あなた以外に候補が居ればそっちを選んだわ」

「交流がないのが仇になったな」

「まぁ、終わった話だし、別に気にはしないけどね。

 で? 今日はまたどうしてこんなにお客さんが多いわけ?」

「知るかよ、私が知りたいほどだぜ。普段は誰も来ないのにな」

「あら、あなたも1人なの?」

「私の場合は、自分からどっか行くのが多いからな」

 

魔理沙さんは行動派って雰囲気あるもんね。

でも、大体が博麗神社に居る様な気はするけど。

 

「あ、あの…えっと…」

「何?」

「実はさっきので気になったんですけど…その、可愛いお人形は?」

「あら、上海が気になったの? 私が魔法で操ってる人形よ」

「へぇ、可愛いですね!」

「私の自信作よ、武器を持たせば戦闘用変えられるし、爆発もするし」

「爆発!?」

「後、最近はゴリアテを優先的に作りたいんだけど、中々ね」

「その…色々と凄まじいんですけど、お人形を作ってるんですか?」

「えぇ、私は人形を作るのが得意でね」

「じゃあ、わ、私にお人形の作り方を教えて欲しいです!」

「何? そう言うのに興味あるの?」

「はい!」

 

あんなに可愛いお人形を作れる様になったら、フランお嬢様喜ぶだろうなぁ!

 

「人形作りなんて、かなり面倒だと思うぜ? それより、魔法研究の方が」

「あなたの意見はどうでも良いのよ。まぁ、良いわよ。多少は教えてあげる」

「何だ? 随分と面倒見が良いな、お前らしくもない」

「得意分野で教えを請われるのは素直に嬉しいしね。

 可愛いと褒められたのも、私は嬉しかったし」

「ふーん…じゃあ、私も横で見ておこうかな」

「何でここで教えると思ってるの? 私の家よ」

「馬鹿言うなよ、私の家では既にこいつの連れが寝てるんだぜ?

 私の家以外で教えられると思うか?」

「……そう言えば、そこで寝てる吸血鬼と人食い妖怪、後地蔵…

 何か、凄まじいメンバーだけど、彼女が連れてたのね」

「正確にはフランが連れてたんだがな、フィルも連れられてた立場だろ」

「はい、一緒に来ました」

「……はぁ、なら仕方ないわね。ここで教えてあげる。

 流石に道具は無いから、口頭でしか教えられないけど」

「大丈夫です!」

「分かった」

 

私は、アリスさんに色々と人形作りのコツを教えて貰った。

人形を作るときのコツって沢山あるんだね。

でも、流石に爆発させるための方法とかは教えて貰いたくはなかったなぁ。


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