東方半獣録   作:幻想郷のオリオン座

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掃除を教えて

うぅ、お、お嬢様達にお掃除を教えることになるなんて。

き、緊張するな…大丈夫かな…ちゃんと教えられるかな…

いや、弱気になったら駄目だ! 私! 大丈夫だって信じるんだ!

 

そうだよ、レミリアお嬢様も咲夜さんも私がお掃除上手くなったって

確かに言ってたもん! だから自信を持とう!

大丈夫、色々とやって来たんだし誰かに何かを教えることは出来る!

 

それにしてもレミリアお嬢様のお部屋で練習とは聞いたけど

お嬢様達遅いなぁ…ちょっと待っててと言われて待ってるけど

何処に行ったんだろう…何か用事でもあったのかな。

 

「フィル、お待たせ」

「いえ、全然待ってま、ってわぁ!」

「何よ、そんなに驚いて」

 

お嬢様達がメイド服を身につけてらっしゃる…何故!?

と言うか、レミリアお嬢様とフランお嬢様のサイズに合うメイド服なんてあったの!?

お、落ち着こう私、ちょっと今日はテンパっちゃってるだけだ。

冷静に対処するんだ、そうだよ、冷静に考えれば

掃除をするのにドレスなんて汚れちゃって大変だからね。

 

「お姉様、ちょっと私のメイド服小さいかも」

「そう? 私はピッタリよ?」

「え? そのメイド服咲夜さんが仕立ててくれたんじゃ無いんですか?

 咲夜さんなら、サイズピッタリの物を作ってくれると思うんですが」

「咲夜にそんな時間は取らせてないわ」

「じゃあ、どうして…メイド服なんてそんな簡単に」

「あるわよ、そこら辺にほら」

 

お嬢様がいつも通りの表情で指を指した場所には

ぜ、全裸で倒れているメイド妖精さん2人の姿があった。

 

「ちょちょ! 裸なんですけど!? 風邪引きますよ風邪!」

「妖精が風邪引くわけ無いでしょ?」

「もしかして、無理矢理奪ったとか…」

「どうせこいつらが着てても意味ないし」

「せめて何か着せてあげてください!」

 

とりあえず下着を取ってきて、2人のメイド妖精さんに着せた。

ふぅ…非常に危ない姿だったよ…

 

「もぅ、あれは酷いと思いますよ」

「いやどうせ妖精なんて誰も相手しないでしょ」

「妖精さんが悪い男の人に襲われたらどうするんですか!?」

「いやここは紅魔館の中よ?」

「それでもあれは可哀想ですよ!」

「仕事をしない方が悪いのよ」

 

それでもこれは酷いと思うけどなぁ…

 

「と、とりあえずメイド妖精さんはこれで良いとして…

 お掃除をお教えします」

「えぇ、頼むわよ」

「いえーい! やるわよ!」

 

フランお嬢様がすぐに箒を取り出した。

やる気が凄いよね、そんなに楽しみだったんだ。

 

「ま、たまにはこう言うのも面白いって感じよね」

 

レミリアお嬢様も少し微笑みながら箒を取り出した。

どうやら、お二人とも凄く楽しみにしている見たい。

うぅ、しっかりとお教えしないと…が、頑張るぞ!

 

「それでは、お掃除をお教えしますね」

「うん!」

「まず箒の持ち方なんですが、あまり力を込めて持たずに

 軽く手に取り、足下をゆっくりと掃いてくださいね。

 ここは室内なので、力強く箒で掃いてしまうと埃が舞ってしまいます。

 その埃が別の家具へ乗ってしまってより汚くなってしまうので

 埃が舞ってしまわないように、優しくソフトに掃いていくのが基本で」

 

そこまで言った直後くらいに、木がへし折れる音が聞えた。

何でこのタイミングでバキって音がするのかな?

 

「フィルー、優しく持つって難しい-」

「ふ、フランお嬢様…」

 

音の正体はフランお嬢様だった。

流石はフランお嬢様、箒をあっさりと握力だけで折るなんて。

うぅ、だから優しくって言ったんだけどなぁ。

 

ちょっと力を込めちゃうと簡単に折れるんだね、箒って。

もう少し頑丈であって欲しいんだけど、吸血鬼だからね。

あの箒は人間用…吸血鬼が使おうとすれば簡単に折れちゃうよ。

 

「フランは相変わらず加減が下手ね」

「だって、ちょっと力を入れちゃうと折れるんだもん」

「人間用ですからね」

「あ、フィルも折ったことあるの?」

「えっと…私は半分人間なので折ったことは無いです」

「なーんだ」

 

そもそも力を込めて箒を持とうとしたことは無いんだけどね。

でもどうだろう、私が力を込めても簡単に折れるのかな?

 

(多分折れると思うよ)

「へぁ!?」

「どうしたの?」

「あ、いや、頭の中で声が…あれ?」

「フィルを守ってるって言う、人格の子達じゃ無いの?」

「そ、そうなんですか!? いきなり声が聞えて驚きました。

 でも、そっか…消えてないんだ、良かった」

 

私を今まで護ってくれていたお姉ちゃん達…無事で良かった。

 

「まぁ、その話は良いのよ、掃除よ掃除。

 とりあえず私はこのまま掃除をしてみるわね」

「あ、はい」

 

レミリアお嬢様が優しく掃除を始めた。

流石はレミリアお嬢様、ちゃんとお掃除できてる。

掃くときも優しく掃いてるし、手加減が上手だ。

フランお嬢様は少しやる気が強すぎて力が入っちゃうみたいだけど

何とか加減をして掃除が出来るようになって欲しいなぁ。

 

「ふんふふーん、案外掃除ってのも楽ね。

 この程度ならメイドとか居なくても良いんじゃ無いかしら」

「紅魔館は部屋数が多いので人手が多くないとお掃除だけで1日終わりますよ」

「人手が多くても役立たずだけなら意味ないんだけどね、妖精メイドとか」

 

た、確かに妖精さん達は仕事を殆どしていないよ…

と言うかむしろ部屋を散らかしているように思う…

だから、今まで実質咲夜さん1人だけで紅魔館を掃除してた感じ…

本当咲夜さんも大忙しだよ。

 

「私もやるよ! てりゃー!」

「ちょ! フラン止めなさい! 持ち方が違うわよ! と言うか振り回すな!」

「フランお嬢様! それは駄目です! 掃除というか破壊活動ですよそれ!」

「えぇ、こうじゃ無いの? うーん、掃除って細かすぎて面倒だね」

「あなたは大雑把すぎるわ…優しくよ優しく。振り回すんじゃ無くて

 そうね、振子時計みたいにゆっくりと優しくよ」

「うーん、振子時計ってどんな時計だっけ」

「チクタク動く時計よ、振子で秒数をカウントする時計」

「知らないよ」

「家にも沢山あると思うんだけどね…」

「時計なんて意識してみたこと無いよ」

「でしょうね、あなたは時間とか考えないで行動するタイプでしょうし」

 

何となく私もそんな気がするよ。

でも、長い間地下に居たって考えると自然な事かな。

地下って時間とかを身近に感じる場所じゃ無いし。

 

「ほら、私が手本を見せてあげるわ、こうよ」

「ふんふん」

 

もう何だか私が必要無くなってきた気がするよ。

フランお嬢様にお教えするのは私よりもレミリアお嬢様の方が適任だしね。

うぅ、何だか早速暇になってしまったよ。

 

「こうだね」

「そうよ、それね。じゃあ、このまま2人で掃除をしましょう」

「分かったよお姉様!」

 

お二人が手分けをしてお掃除を始めた。

あはは、やっぱり速いなぁ、私要らなくなっちゃった。

 

「ぐ…こ、この角の埃が取りにくいわ」

「ベットの下が掃除できないよー!」

「この、この! あ!」

「うぅー! あぁ!」

 

木が折れる音が同時に聞えてきたんだけど…

 

「ま、また折れたぁ!」

「く、くぅ、私まで…フィル! 教えなさい!」

「教えてよフィルー!」

「わ、分かりました! お教えしますから2人して引っ張らないでください!

 順番に! 順番に教えるので! 私が真っ二つになりますから!」

「フィルなら真っ二つになっても再生しそうね」

「想像したら恐いから止めてください!」

 

でも、頼られるって良い気分。頑張ってお教えしよう!

角を掃くときのコツと、ベットの下を掃除するときのコツ。

私はその2つのコツをお2人にお教えした。

 

2人はすぐに実戦するけど、ちょっと苦戦してる。

やっぱり少し難しいみたいだね、よし、根気よく教えよう!

それが私の今日のお仕事だからね!

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