東方半獣録   作:幻想郷のオリオン座

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思い立ったら即実行

「はぁ、はぁ、はぁ…あ、あの…フィルさん…そ、そろそろ…」

「だ、大丈夫ですか? 妖夢さん」

 

あれからしばらく稽古をしたけど、流石に時間が経ったかな。

 

「妖夢、へばるの早いな、まだ30分程度だぜ?」

「まぁ、フィルの猛攻を30分も受けてたらへばるわよね」

 

手加減をした状態で連続で攻撃をする為にひたすらに攻撃してたけど

やっぱり攻撃の速度を早くしすぎたのかも…

 

「はぁ、しかしフィルさんの成長性は侮れませんね。

 この短期間でここまで加減が出来るようになるとは。

 戦闘センスはピカイチとしか言えません。

 まさしく戦うために生まれてきたような存在ですね」

「そ、それは喜ぶべき何でしょうか…」

 

私はあまり戦うのは好きじゃ無いんだよね。

レミリアお嬢様とフランお嬢様を守る為なら戦うけど

そんなに好戦的って訳じゃ無いから、出来れば戦いたくない。

 

「フィルは戦うの好きって感じじゃ無さそうだからな。

 力ある妖怪って割に随分と温厚だしな」

「逆に強すぎると戦う気力が薄れるんじゃ無いかしら~

 紫も相当力あるけど、戦うってタイプじゃ無いしね~」

「あいつの場合は幻想郷第一だからでしょうね。

 戦うより幻想郷を守る方を選ぶでしょうし」

 

紫さんは幻想郷のことを本当に大事に思ってるみたいだからね。

そんなに一緒に居たわけじゃないから、確信は無いけど。

 

「あ、紫で思い出したわ。フィル、あなた空飛べないんでしょ?」

「あ、はい。私はまだ空を飛べませんね…跳ぶ事は出来ますけど」

「はぁ? 飛べないのに飛べる?」

「漢字の問題でしょ、フィルは飛べないけど、跳べるのよ」

 

霊夢さんがわざわざ紙に漢字を書いて魔理沙さんに解説した。

じゃ、若干紛らわしいよね…発音同じだし。

 

「あぁ、そう言えばそうだったな。でも、永琳に薬貰ったら飛べるんだろ?」

「はい、そう言う薬を貰いました」

「でも、毎日何かある事に貰うってのは面倒でしょう?

 永琳にも迷惑掛るでしょうし、空を飛ぶ練習でもしたら?」

「そうですね、空を飛ぶ練習をしようとしてたんですけど

 紫さんは今、冬眠中とのことだったので…その…」

「空を飛ぶことなら私達なら全員出来るぜ。教えるのは無理だがな」

「お、教えては貰えないんですね…」

「感覚的な要素が大きいですからね。口に出して説明というと中々」

 

やっぱり体で覚えるしか無いのかな。あの薬を飲んだときの感覚はある。

だけど…どうして空を飛べてるのかよく分かってないし…

 

「そう言う事なら、藍に教えて貰えば良いと思うわよ~?

 あの子も教えるのは中々上手いしね~、紫程じゃ無いでしょうけど」

「藍さんですか…で、でも、あの1件があって少し…」

 

暴走していたとは言え、私は藍さんにかなり怪我させてるし…

紫さんにも迷惑掛けてたし…うぅ、私、迷惑掛けすぎ…

やっぱり自分で頑張らないと!

 

「少し気まずいと感じているなら、なおのこと鍛えて貰った方が良いわよ?

 そう言う思いって言うのは、日に日に大きくなっていって

 そのまま溜めていたら、いつしか埋めようのない大きな溝が出来るのよ。

 正確にはあなたが埋めようのない大きな溝を作ってしまうんだけどね。

 

 あの子は気にしてないでしょうけど、あなたが気にしすぎる。

 そのままだとドンドンとあなたが大きな溝を作るわよ?

 ありもしない溝を幻視して歩み寄ることを拒み続ける事になるわ」

「そ……で、でも…」

「あの子はあなたを止める為に必死に努力してた。

 紫の命令があったのだとしても、それだけじゃ必死にはなれないわ。

 でも、あの子は暴走したあなたを全力で止めようとした。死力を尽してね。

 ふふ、それだけで十分でしょ? 後はあなたが歩み寄るだけよ?

 今は多分、マヨヒガに居ると思うわ。行ってきたら?」

 

悪い気持ちはあるけど…でも、このままも良くない。

幽々子さんの言うとおり、私が歩み寄らないと…

距離を離しても、それはむしろ藍さんに失礼…かも知れないし…

……うん、勇気を出そう。私はレミリアお嬢様のペット!

やりたいと思ったら即実行! くよくよ悩んでも始まらない!

 

「分かりました。じゃあ、行ってきます! 妖夢さん

 今日は本当にありがとうございました! お陰で強くなれた気がします!」

「あ、はい。私に手伝えることがあれば何でも」

「魔理沙さん、霊夢さんもありがとうございました! また会いに来ます!」

「おう、私はいつでも待ってるぜ。多分博麗神社に居ると思うが」

「ま、悩み事があれば相談しに来なさい。一応、話は聞いてあげるわ」

「そして幽々子さん。色々とアドバイスをくれて、ありがとうございます。

 お陰で少しだけ積極的に行動出来るようになりました。

 今日は本当にありがとうございました!」

「いえいえ~」

「私何かに何が出来るかは分かりませんけど

 私が出来る事なら、頑張って協力したいと思いますので

 何かあったら、皆さんも私を頼ってください!

 まだ頼れる程じゃ無いかも知れませんけど、成長して見せますから!

 では、また来ます! 今日はありがとうございました!」

 

よーし、藍さんに色々と謝罪とかお礼をして…厚かましいけど

空を飛ぶ方法を教えて貰おう…何か代わりに私が出来る事があれば良いけど。

ちゃんと成長して色々と出来るようにならなくちゃ!

 

 

 

「いやぁ、フィルは決めたら1直線だな。嵐みたいに去って行ったぜ」

「幻想郷でお礼を言える子って結構珍しいわよね~

 本当良い子を拾ってきたわね、紫も」

「あんな真っ直ぐさ、私も見習いたいです」

「妖夢は十分真っ直ぐだから大丈夫だと思うわよ。

 あなたもフィルも相当ド直球だからね」

「よく言えば真面目、悪く言えば馬鹿って奴ね~妖夢の場合は」

「幽々子様! 当たり前の様に私を貶さないでくださいよ!」

「しかし、フィルが空も飛べるようになったら幻想郷のバランスヤバそうだな」

「あら、幻想郷のバランスが崩壊するのであれば、もうとっくに崩壊してるわ。

 今もなお今まで通りの生活って事はあの子がどうなろうと

 この幻想郷のバランスは崩壊しないと言う事よ。

 少なくともあの子がレミリア・スカーレットの家族である以上はね」

「あいつの事、結構馬鹿にしてたが、しっかりカリスマ性があるって事だな」

「そうね、紅魔館と言う存在がその証拠でしょうね。

 優秀な部下に囲まれる主はただの無能では無いのだから」

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