精神集中、私はお姉ちゃん達に会いたいしね。
まだ心の中でしか会話が出来てないからね。
私が頑張って、あの2人を呼び出すことが出来れば
一緒にご飯食べたり、一緒に遊んだり…一緒に頑張ったり。
(可愛いな…やっぱり)
(そりゃそうでしょ? 僕らの妹だよ?)
せ、精神集中…お姉ちゃん達の姿をイメージする。
テュポーンお姉ちゃんのイメージは力強い感じ…
筋肉がありそうだけど、女の子だからきっと華奢。
でも、目力はかなり鋭そうだよね。
攻撃的だけど、何処か優しい雰囲気。
フェンリルお姉ちゃんの雰囲気はそうだなぁ
凄くボーイッシュな感じかな…こう、格好いい雰囲気。
でも、何だか今まで聞いた感じ、フェンリルお姉ちゃんは
少し相手の心理を読んだり、そんな雰囲気があるみたいだし。
テュポーンお姉ちゃんとは違って、そこまで攻撃的では無くて
目はあまり高圧的じゃ無くて、ちょっと笑ってる雰囲気だよ。
こう、こう……ショートヘアーで…髪の毛は…
うーん、うーん…茶色? わ、私と似た感じかな?
姉妹だもんね、でも、テュポーンお姉ちゃんは
何だか黒っぽい雰囲気が強いよ、で、目は紅い感じ。
髪の毛は長めで、本気を出すときは髪の毛を留める感じ。
身長はテュポーンお姉ちゃんは私よりも凄く高い感じで
フェンリルお姉ちゃんは、私よりもちょっと高いくらい。
獣の耳が生えてて、尻尾も生えてる。きっと同じ風だよね。
でも、テュポーンお姉ちゃんは獣耳は生えて無いのかな?
でも、私のお姉ちゃんだし、きっと獣の耳は生えてるはず。
真っ黒い感じの獣の耳が生えてるのかな? 白かな?
やっぱり黒だね、黒。その方が格好いいし強そうだもん。
尻尾も同じ様に黒色だけど、先端だけ白色って感じ。
服装はどんな感じかな…攻撃的な感じが凄いし
きっと凄く動きやすそうな服だよね。
普段、私が着てる服と同じ様な雰囲気が良いかな? 私服の方。
外の世界で買って貰った、茶色っぽいハーフパンツかな。
でも、そのズボンはもう無いんだよね…
お気に入りだったんだけどなぁ、あの格好いい服装。
チェックの横縞の白と黒のゼブラ柄で、黒いジャケット。
あれ、格好良かったんだよね、可愛い服では無いけどさ。
うん! テュポーンお姉ちゃんはそんな服装の方が良いかも!
何だか黒色の部分もテュポーンお姉ちゃんに合ってる!
それに、何だか凄く強そうな雰囲気あるしね!
後はイヤリングとか着けてたりね、人の耳の方に。
私も人の耳に獣の耳が生えてるしね。
うん、そのイヤリングは赤くてちょっと大きめって感じ!
じゃあ、次はフェンリルお姉ちゃんだね。
そうだなぁ、セーラー服? 黒っぽい。
むむ、でも、フェンリルお姉ちゃんはズボンかな?
やっぱりハーフパンツとかの方が似合うのかな?
活発な雰囲気…でも、何だか余裕のある雰囲気の方が良いし。
うん! ボーイッシュだし、ハーフパンツくらいで
服はどんな感じが良いかな? やっぱり無難にTシャツとか?
あまりフリフリした格好って、お姉ちゃんには似合いそうに無いし。
こう、白いシンプルなTシャツとかが良いかもね。
で、赤いブレスレットとか良いかも知れないね。
でも、ブレスレットがあるのにTシャツだけだと
何だか違和感がある気がするし…そうだ!
テュポーンお姉ちゃんが黒いジャケットなんだし
フェンリルお姉ちゃんも茶色いジャケットを羽織ってるかも!
その方がやっぱり統一性もあるし、凄く様になってる気がする!
「よーし……む、むむぅう!」
イメージをするんだ、精神の具現化…私なら出来る!
お姉ちゃん達の姿を鮮明にイメージして…
よし、よし、細かい所まで……出来た!
「およ!」
「おぉ!」
声が聞えた、私がイメージを完成させると同時に声が聞えた!
それも心の中から聞える声じゃ無い、耳で聞えた気がした。
「あら、凄くあっさりと出来たわね、流石フィルちゃん」
「あ、あぁ! お姉ちゃん達! 私のイメージ通りの格好!」
「ん? ふふん、やっぱり僕らのことはクール系でイメージしたのか」
「まぁ、フィル自体結構クール系だしな。
しかし、俺の方は随分と攻撃的な格好だな。俺好みだ」
「僕もだよ、やっぱりこう言うシンプルなのが1番だ。
そして、僕の方には赤いブレスレット」
「俺の方は赤いイヤリングか、やっぱりこの色がねぇとな!」
「う、うん、私、ずっと赤いマフラーを巻いてるから。
やっぱり、お姉ちゃん達も赤い何かが欲しいなって」
私はずっとこの赤いマフラーを首に巻いてるからね。
とてもとても優しいマフラー、色々な人達が助けてくれた証。
私がここに居るのは、皆が私を助けてくれようとしてくれたから。
あぁ、私は何て幸せ者なんだろう…マフラーに触れる度、そう思う。
「で、この状態だとフィルはどうなるんだ?」
「え? どう言うこと?」
「それはね、僕達の存在をフィルの中から出したわけだし
僕らの力をそのまま持ってるかっていう疑問だよ」
「わ、分からないよ…」
「じゃあ、ちょっと僕と腕相撲してみる? それで分かると思うし」
「ど、どうして? 勝てる気がしないんだけど…」
「僕は残念ながら力じゃあの脳筋には勝てないからね」
「おいコラてめぇ、サラッと俺をディスんじゃねぇ」
「おぉ、恐い恐い、まぁ僕じゃ君みたいな怪力馬鹿には敵わないよ。
だから、フィルに君の力が残ってるなら
僕はフィルに力じゃ勝てないと思うしね」
「そ、そんなこと…」
「まぁほら、やってみようよ」
「う、うん」
フェンリルお姉ちゃんに言われたとおり、腕相撲をした。
その結果、分かったことは…
「ん、どうやら僕達が分離してる状態だとしても
君は僕らの能力が使えるみたいだね。
残念だったね、女神様? ふふん」
「何処が残念なのかしらん? 私的には好都合よん」
「……僕らを分離させて、フィルを叩くつもりだと思ったが、違うのかい?」
「そんな物騒なことしないわよ」
「……神の天敵たる僕らを、神である君達が見過ご」
「マジか! こいつらそんなこと考えてたのか! ぶっ殺す!」
「ちょ、ちょっとま!」
「会話の最中だろう? 早合点も程々にしなよ、だから馬鹿なんだって」
「マジで当たり前の様に貶してくるなテメェ」
「そ、そんな喧嘩しないでよぉ!」
「……まぁ、フィルがそう言うなら大人しく退くが」
「正直、僕達は君達がフィルを強くする理由がよく分からないんだ。
可能性は考えてるけどね、1つは最初に話したとおり
フィルから僕らを分離させた後、フィルを始末しようとしてたか。
そしてもうひとつは、フィルを弱体化させたい理由があったのか。
あるいは、ただの善意か…最後では無いと僕は思ってるけどね。
神というのは結構狡猾だし、ずる賢いからね。
強大な相手を前に、卑劣な手を取ろうとするのが神だ。
まぁ、卑劣な存在である、人間の理想図と考えれば
神がそんな風な卑劣な存在であるのは合点がいくけどね」
フェンリルお姉ちゃんが2人を小馬鹿にするように質問を投げてる。
だけど、神綺さんとヘカーティアさんは何も答えない。
「神が人間の理想図であるのだとすれば
人がこうありたいと思う行動を取るのも不自然じゃ無いでしょう?
人は優しくありたい、人らしい行動は優しさと思い描くわ」
「それは所詮は虚構だ、人の本質なんてのは卑劣な物だ。
自分第一、全ては自分さえよければ良いと言うのが人の本質。
自分達が卑下されたくないから、自分達の上の存在を嫌う。
神という存在さえ、人からしてみれば
自身が困ったときにすがるだけの藁でしか無い。
神が実在すれば、人は神を毛嫌いするだろうね。
神々が幻想の中に生きてるのがその証拠でしょ?」
「えぇ、そうね。だからこそ、最後の可能性があり得ると言う事よ?
人には無償の愛だとか、そう言う幻想に憧れる節がある。
憧れを受け取っている私達神がその無償の愛を真に持っていても
違和感は無いでしょう? 狼ちゃん?」
「……僕は神を信じるのは嫌いでね、まぁ良いだろう。
もし君らがフィルに危害を加えようとすれば……殺すから」
「あぁ、塵さえ残さねぇぞ? 虫けら共」
「ちょ、ちょっと! ど、どうして喧嘩してるの!?
もう! 心配しすぎだよ! 喧嘩しないでって!」
「……やれやれ、君は本当に闇が足りないなぁ」
「闇は十分あるだろう。だが、それ以上に輝いてるだけだって」
「ふふ、それもそうか。そうだね、流石は僕らの妹だ。
あんな暗闇を目の当たりにして、まだ輝きを失わないなんてね」
「私は信じる事にしてるから。私の事を助けてくれた人達が居るもん」
「……はぁ、流石は幻想の世界だ。現実なんて存在しないんだろうね。
よし、良いよ。フィルに免じて今回は最後の可能性を信じよう。
と言う訳で、ここは1つ…ありがとうね、お礼は言っておくよ」
最後フェンリルお姉ちゃんは不敵に笑ってお礼を言う。
「どういたしまして」
そのお礼を同じく不敵に笑い、受け取る2人。
お互いをまだ信じてないような雰囲気だけど
ひ、ひとまずは仲直りしてくれた…って、事…なのかな?