東方半獣録   作:幻想郷のオリオン座

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親友達との再会

よし、全部綺麗に片付けることが出来たよ。

うん、やっぱり綺麗になった部屋を見ると気分が良いね。

掃除をしていると、ドンドンテンションが上がって

部屋の隅々まで埃1つ無いくらいに掃除したけど

やり過ぎちゃったかなぁ。

 

(ねぇ、フィル。綺麗にしすぎじゃ無いかな?)

「わ、私もそう思う…」

(こりゃすげぇな、引っ越したばかりって感じだ!

 いやぁ、流石は俺の妹、完璧な掃除だぜ!)

(君が掃除したら、むしろ散らかりそうだけどね)

(んだと!? 試してみるか!?)

(駄目駄目、全部真っ平らにしそうだからね)

(な! バレた!)

(……やっぱり馬鹿だろ、テュポーン)

(な! ば、馬鹿だと!? それに俺は姉だぞ!?

 よくもまぁ、お姉ちゃんに向って呼び捨てを!)

(じゃあ、こう言わせて貰うよ。馬鹿お姉ちゃん)

(名前呼べよ! テュポーンお姉ちゃんて言えよ!)

(はいはい、分かったよテュポーンお姉ちゃん)

(こ、心がこもってねぇ…)

(込めてないからね)

 

あはは、やっぱりこの2人は仲が良いのか悪いのか分からないね。

仲が良い様に思えるけど、悪いと言う封にも感じるしね。

 

「いやぁ、ごめんごめん、わざわざ来て貰ってさ-」

「ったく、普通友達に部屋の掃除を手伝わせようとする!?」

「だってほら、私達って掃除苦手だし」

「そうそう」

「全く、フィルに甘えてたから…って、あら?」

「ん? どったの? って、およ?」

 

あ、帰ってきた。どんな反応するかな! 楽しみだなぁ!

 

「ご、ゴミが出てるけど…ま、まさか」

「もしかして! フィル!?」

「お久しぶり!」

 

3人が嬉しそうに部屋の扉を開けて

私は3人を出迎えるように部屋の前に立つ。

お辞儀をしてー、お嫁さんみたいに! あはは!

 

「フィル…もぅ! 帰ってくるなら帰ってくるって言ってよー!

 言ってくれれば、歓迎の準備とかしたのに!」

「ごめんね、伝える手段とか無くて」

「でも、帰ってきてくれて私は嬉しいわ!」

 

菫子ちゃんが私を嬉しそうに抱きしめてくれた。

私も同じ様に菫子ちゃんを抱きしめる。強すぎな位でね。

私は凄く力が強いから、強くしすぎると怪我をさせちゃうからね。

 

「いやぁ、驚いたよ、でも嬉しいもんね」

「えぇ、蓮子。あなたは抱きしめないで良いの?」

「勿論抱きしめたいけど、今は姉さんが先だからね。

 私はその後で良いよ。メリーはどうするの?」

「私は抱きしめなくても良いかしら。

 そう言うキャラじゃ無いしね」

「そんなんじゃ、暗いって言われちゃうわよ?」

 

この温かく、とても優しい匂い。この臭い外の世界だけど

この優しい香りは私の心を安らかにしてくれる。

私の居場所はここにあって、受入れてくれる人が居る。

それだけで、きっと地獄さえ楽園に思えるんだと思う。

 

(楽しそうだね、フィル)

(だな、ったく、外の人間のくせに随分と変わってらぁ)

(こう言う奴らが居なけりゃ、外の世界は簡単に滅ぼしたんだけどね)

(あぁ、あの時か。だな、こいつらに会ってなけりゃ

 多分外の世界から滅ぼしてたな、俺達)

 

じ、実はこの3人って、外の世界の英雄なんじゃ無いかな?

 

「よし、じゃあ早速遊びに行きましょうか! メリーも居るしね!」

「そうね、折角の再会だし、遊びに行かない手はないわね」

「うん! 何処に行く? スポッチャかな?」

「良いわね!」

「ちょっと待ちなさいよ! 騒ぎになったの忘れてる!?」

「大丈夫よ、姉さんが居れば、万事問題無い!」

「いやまぁ、確かに私の超能力を使えば問題は無いかも知れないけど

 ちょっと姉頼り過ぎると思うけど?」

「でもほら、やっぱりスポッチャが1番でしょ。

 私も体動かしたいからね」

「でも、フィルの相手にならないわよ? 私達じゃ」

「あ、じゃあちょっと待っててね」

 

その場の流れとか、その場のノリで私は2人を召喚した。

 

「な、何か出て来た!?」

「フィルー、そこまでして遊びたいのかい?」

「うん、2人とも遊びたいから」

「あのスポーツって奴か。ありゃ退屈だろ」

「いやいや、案外僕らでやれば楽しいかもよ?」

「やる来なのかぁ? らしくねぇな」

「ははん、僕もああいうのは好きなのさ。

 フィルと楽しく出来るなら、何だって良いけどね」

「ちょぉ! まずは説明して!? どう言う事なの!?」

「ん? あれでしょ? 影分身的な奴でしょ?

 フィルは規格外だし、そう言うの出来ても問題無いでしょ」

「蓮子! あんたは何でそう、簡単に受入れてるわけ!?」

「だってほら、姉さんもヤバいし」

「まぁ、流石にこの子ほどじゃないけどね。

 私の超能力でも影分身は……

 あ、1人は出来たわ、オカルトだけど」

「ね?」

「ね? じゃないわよ! 全くあなた達って…」

「まぁまぁ、メリーも相当あれでしょ? むしろほら

 私がこの中じゃ1番能力地味よ? GPSよ?」

「はぁ……まぁ良いけどね、今更よ」

 

メリーちゃんは少し抵抗したけど、結局多数決には敵わず

私達はスポッチャに向うことにした。

私達の事は記憶を奪って貰ってるから誰も覚えてない。

 

「うし、やるか」

「最初はやっぱりバッセン?」

「あの玉が飛んで来る奴回かい? ありゃ簡単すぎるよ」

「だな、テニスって奴やろうぜ」

「か、簡単…なのね」

「じゃあ、テニスだね。やろうか」

 

私達が最初に遊ぶ事にしたのはテニスだった。

 

「よーし、やるよ!」

「……蓮子、私は1つ凄く聞きたいことがあるの」

「何?」

「メンバー分けどう考えても間違えてるから!」

 

3人だから、本来のルールを無視して三対三でやることになった。

で、私達3姉妹と菫子ちゃん達の3人で別れて対決。

 

「おいおい、あんな雑魚相手じゃ話しにならねぇぞ。

 おら、狼、あっちいけあっち」

「やだよ、僕はフィルと一緒にやりたいし、君が行けば?」

「俺だってフィルとやりたいんだよ、お前があっちいけ」

「わ、私が行こうか? 向こう」

「いや、フィルが行ったら意味ないから…」

「まぁ、あんな感じだから」

「無理-! 絶対に勝負にならない!」

「超能力フルで使っても無理かもねー、あはは」

「ちぇ、まぁ良い。ちょっとだけ肩慣らしでやるか。

 ひとまず、玉を投げて打てば良いんだろ? このラケット? 

 とか、ちんけな道具使って…普通に殴った方が楽だと思うが」

「普通に殴ったらボールがボンってなるんじゃないの?

 まぁ、ラケットで振ってもラケットがバキってなりそうだけど」

「手加減すりゃ良いんだろ? 壊れない程度に。

 文句言われても嫌だしな、どれ位の加減かは分からねぇが

 とりあえず一割程度のパワーで良いか。ほれ」

 

お姉ちゃんが軽くボールを打つけど…うん、ラケットは壊れて無い。

 

「……ねぇ、今…私達の隣何か通ったかな?」

「……さ、さぁ、不意に結構な突風が吹いた気がするけど…」

「目の端に何か一瞬見えたけど……え? あー、OK、理解したわ」

「これ位の加減か、ラケットってのも大丈夫そうだな」

「君の一割程度のパワーなら、僕の5割くらい?」

「いや、一割以下だぞ。お前も一割以下だろ、多分」

「ふーん、可能な限り人間レベルかな。本気でやったら折れそうだし」

「ごめーん、メリー、やっぱり私、メンバー分け間違えたかもー♪」

「見りゃ分かるわよ!」

「じゃ、次は反応しろよ-」

「待って! 待って待って! 分かったから! 私達じゃ無理!」

「何だよ、府抜けてるな」

「そう言うレベルじゃ無いの-!」

「ちぇぇ、じゃあほら、狼。あっち行けよ」

「……はぁ、仕方ないなぁ。フィルはどうする?」

「うーん…フェンリルお姉ちゃんと」

「なぁ!」

「まぁ、実力的にはそれが無難だろうしね」

「くぅ、もうちょっと俺、弱けりゃ良かったぜ」

 

よーし、今度はテュポーンお姉ちゃんが相手だね。

 

「私達、ここで見ることしか出来ないわね…」

「うん、次元が違うと言う事を改めて理解したわ。まぁ」

「そら!」

「っと、あ、フィル!」

「うん!」

「やるじゃん!」

「プロのテニスプレイヤーのプレイを間近で見られるって

 結構名誉な事だと思うし、ありでしょ」

「いや、あれはプロ越えてるからね…ねぇ、姉さん。用意できてる?」

「まぁ……今回も数が多いなぁ…ま、良いか」

「そりゃ!」

「ちょ、ちょっと力入れすぎてるって! 壊れるよ!?」

「ちぇ、加減するってしんどいな」

「っと」

「……でもほら、見られるって言ったけど…あれ、見える?」

「うん、声は聞えるわ」

 

そのまましばらくの間、決着は付かなかったけど

何とか私とフェンリルお姉ちゃんのチームが勝てた。

 

「ふぅ、ちょっと汗かいたな。動くのも良いか」

「そうだね、ちょっとした肩慣らしにはなったかな」

「2人とも、やっぱり凄いねー」

「ふふ、あれだけ動いた後、顔色1つ変えない3人を見ても

 私は一切動じてないわ、成長を感じるわね」

「成長というか、慣れただけでしょ…」

「ふぅ、記憶を奪う超能力も慣れてきたわ、

 もっと楽に出来るようにしないと」

 

やっぱりこんな風に遊ぶのも楽しい。そう思えるよ。


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