命蓮寺、神社には何かと縁がある私だけど
お寺って言うのはあまり言ったことが無い。
だけど、行って良いのかな? と言う思いもある。
私と言う存在は、言わば神様の天敵。
でもなぁ、どうなのかって言うのがなぁ。
仏様と神様……まぁ、似たような物かな。
仏様と神様を正確に別けてる人はそういない。
神様も仏様も、殆どが人の思いの具現化に近い。
だから、両方例外なく、私が天敵なんだと思う。
「っとと」
「おや?」
命蓮寺の近くに着地すると同時に阿求さんが居た。
その後ろには、小鈴さんの姿もあった。
「あ、こんにちは」
「こんにちは、帰ってたんですね」
「はい!」
「あやや、意外な人と出会いましたね。
お二方が命蓮寺へご用とは意外です」
「射命丸さんも一緒とは、
たぶらかしてるのですか?」
「まさか、彼女をたぶらかすだなんてとんでもない。
方々から怨みを買ってしまいますからね」
「ま、それもそうですね」
文さんの返答に対して、阿求さんが小さく笑って返す。
「それで? あなた方は何故こちらに?
因みに私はフィルさんに付いてきただけですよ」
「本当かしら、少し疑問だけど
そう言う事にしておきましょう。
そして、私がここに来た理由ですね。
本来であれば言う義理は無いのですが
フィルさんが居ると言うならば話は別ですね」
「え? 私に関係することとかですか?」
「えぇ、その通りです」
そう言って、阿求さんが私に本を手渡してくれた。
幻想郷縁起…
そう言えば、色々な妖怪の事が書いてある
阿求さんが色々と書いてる本だったかな。
「この本は幻想郷縁起、
流石に分かるとは思いますけどね。
今回、命蓮寺に来た理由はこれを渡すためです。
この後、紅魔館の方にもよろうと思ったのですが
ここでフィルさんと会えたのは幸運でしたよ」
阿求さんが渡してくれた本を私は開いてみた。
そこには色々な妖怪達の事が書いてある。
イラスト付きなんだね、
書物は古めかしい風だけど
内容は凄い現代的な雰囲気だね。
「フィルさんを何処の枠に入れるか悩みました。
後はフィルさんの中に眠る
フェンリルとテュポーンを
どういう風に書き記すかも悩みましたが
フィルさんの項目に纏めて入れる事にしました。
もうこれ以上、色々と増えないで下さいよ?」
「ふ、増えませんよぉ」
「ですが、最初は1人から、今は3人ですよ?
一年ちょっとで。
後から更に増えるかも知れませんし」
「そ、それは流石に……」
もし私の人格が増えたら……ど、どうなるのかな?
ただでさえ、凄い賑やかなのにより一層賑やかに……
ま、まぁ、流石に無いかな……あはは。
「で、悩んだ末、獣人の枠に入れたんだっけ」
「そうそう、これで項目は3つ目ね。
獣人は結構レアだから」
獣人の枠……
あ、慧音さんと英子さんの事が書いてある。
そう言えば、英子さんはどう書かれてるのかな?
妖気食らいの半獣、西居 英子。
能力、祈りを繋げる程度の能力(人間時)
妖気を操る程度の能力 (動物化時)
人間友好度、 極高
危険度 、 低
主な活動場所、人里
人間の里でペットショップという
愛玩動物を売る仕事を行なっている。
知能においてはさほど高い様子はない。
彼女は満月の夜に容姿が大きく変わり
容姿のみならず、
性格までもが大きく変わる。
獣人は性格が複数ある事が多いのかも知れない。
普段の店は、
おだてにも繁盛してるとは言えず
閑古鳥が鳴いているケースが多い。
その為、店先で眠っていることが多々ある。
そんな彼女を見付けた際は、
優しく起してあげよう。
すぐに明るい笑顔で
お勧めを案内してくれるだろう。
そんな彼女の店だが、実はお客よりも
雑談相手が良く来る店と言える。
商品は売れないが、客足は多いと言える。
(もはや雑談屋で良いのでは無いか?)
彼女は変身後であったとしても
攻撃的になったり、
気が立ったりはしない様で
満月の夜、
人里の警備をして居るだけである。
そもそも人里に妖怪など殆ど来ないので
殆どただの散歩になると思われるが
その警備を行なってる彼女に出会った際は
恐らく早く眠れと忠告されるであろう。
攻撃はされないので、
暇なら話欠けてみると良い。
話し相手になってくれるかも知れない。
目撃報告例
・もふもっふ可愛い動物さん沢山居るんだけど
お母さんが買ってくれないの。
でも、たまにお姉ちゃんが
可愛い子をくれるから
私、いつも大事に育ててるんだー!
(花屋の娘)
無料で商品を渡していたら
商売にならないのでは?
・英子さんはいつもにこにこしてて良い子よ。
でも、たまーにフィルちゃんに
かなりちょっかい出してるけど
あの子のことが好きなのかしら。
(花屋)
彼女は耳と尾が生えてる娘が好きらしい。
それよりも、お世話になってるなら
1人娘にペットを買った方が良いのでは?
・沢山買っちゃったら、
お世話しなくなるでしょ?
もう3匹目だし……
これ以上は無理かなって。
至極納得である、
確かにそれ以上は面倒が見られない。
・夜、滅茶苦茶綺麗で威圧感ある人が
ゆっくりと歩いてるって思ったら
早く寝ろって注意されちまった。
あんなに綺麗なのに
なんで威圧感あるんだろうな……
何だかお婆ちゃん口調だったし
あれが本当にあの英子ちゃんなのかって思ったよ
てか、尻尾とかいきなり生えてくんのかな?
慧音さんも角いきなり生えるらしいけど
どういう風になってるのか疑問だよなぁ。
(匿名)
彼女は満月の夜になると尾が増えるのである。
人間時には服で隠れる程度の尻尾が
生えてるらしいので
服を脱いだら確かに尻尾がある。
仲良くなったら拝めるかも知れないが、
それはかなり難しいだろう。
耳の方は帽子で隠してるだけである為、
お願いしてみると良い。
対策、普段からかなり気さくで
話しやすい性格をしている。
だが、かなり頑丈であり、
力も能力も割とある為
人間状態だからと言って、
馬鹿な真似はしない方が良い。
満月の夜では全くの別人と言えるくらい変わるので
気が向いたら、
彼女を拝んでみるのも良いかも知れない。
もしかしたら良い事が起こるかも知れない。
月に1度だし。
凄い書いてるね……でも、結構お客さん来るんだ。
私が行くたびに、
あまり人が居ないけどタイミングが悪いのかな。
「あぁ、英子さんの項目ですね。
彼女も貴重な獣人ですからね。
フィルさんの項目は英子さんの隣です。
まぁ、3人しか居ないのですから当然ですかね」
「あはは、そうですね、私が1番最近ですし」
私は英子さんの隣の方を読んでみた、私の部分だ。
な、何だか……何だか凄く緊張する!
わ、私の事が書いてあるって思うと緊張する!
け、けど、興味あるし……ど、どうなってるのかな?
神の天敵、フィール・ティルーダ。
能力 、全てを飲み込む程度の能力。
人間友好度 、高
危険度 、不明
主な活動場所、何処でも(主に紅魔館)
極めて最近、幻想郷で活動を開始した半獣である。
人里の人間で、
彼女を知らない者は居ないかも知れないほど
人里に良く姿を見せ、
かなり身近な存在と言えるかもしれない。
主には紅魔館でメイドとして活動しているため
炊事洗濯と殆どの事はこなせるという話を聞く。
しかしながら、彼女は紅魔館に居ないことも多く
いつの間にか強くなって帰ってくるので末恐ろしい。
なんで飲み込む程度の能力はその名の通りであり
彼女の圧倒的な吸収能力を主に指していると言える。
能力と書いてあるが、大半のことは出来るので
それだけだと考えてはいけない。
非常に可愛らしい容姿と話しやすい性格ではあるが
彼女の実力は幻想郷随一である為
下手な事をしようとしたら大怪我をしてしまう為
彼女に変な事をしようとはしない方が良いだろう。
他にも彼女には姉がおり、その姉達が
彼女を守る、最大の盾と言える。
姉2人は妹ほど他人には優しくないため
妹に手を出してきた場合、容赦なく迎撃される為
決して彼女が嫌がる事をしては行け無い。
目撃証言
・フィルちゃんは良く人里に来てくれるからね。
暴れてたって時は驚いたが、偽物で安心したよ。
頑張り屋さんだし、見てると何だか元気が出てくる。
まるで娘を見てるみたいで、癒やされるんだよなぁ。
(八百屋)
彼女は紅魔館での仕事で良く人里に来る。
実際接しやすく、非常に明るい。
・フィルちゃんと遊ぼうって言っても、
お仕事でって言うの。
遊びたいんだけど、やっぱり大変なんだね。
でも、この前、転けて怪我しちゃったときは
凄く優しく手当てしてくれて
色々とお話しできて楽しかったよ!
(蕎麦屋の娘)
彼女はかなり子供に好かれやすい様子である。
・この前、フィルちゃんに畑仕事頼んじゃってね。
まさかギックリ腰になるとは思わなかったよ。
忙しいみたいだし、駄目かなって思ったけど
フィルちゃん、2つ返事で了承してくれてね。
いやぁ、助かった。すぐに畑も耕せたし
また手伝って欲しいが、わがままも言えねぇしな。
(農家)
彼女も妖怪であり、吸収能力が非常に高いので
そう言った新しい事も即座に順応する。
だが、彼女は忙しくても手伝おうとするため、
あまり甘えすぎてはいけないと思う。
・フィルちゃん、料理も出来るみたいでねぇ。
前に家の主人が大怪我しちまって
客が回らなくなったときに
色々と手伝って貰ったんだ。
丁度、おやつ食べてたのに申し訳無かったよ。
でも、お陰で助かったよ。
ちょっと作りすぎだけどね。
(団子屋の女将)
彼女は非常に食いしん坊である為
自分が作る料理は多くなってしまうのかも知れない。
・この前、人里で大事な指輪を落としちゃったときに
フィルちゃんも一緒に探してくれたんだよな。
結局、指輪は自分ちにあったんだけど
フィルちゃん、良かったですねって嬉しそうでな。
迷惑掛けちまったよ。
(匿名)
捜し物をする時はまず手元からである。
対策
非常に友好的であり、困ったことがあれば
必ず手を貸してくれるような性格であるため
彼女に出会った時には普段通りに話しても構わない。
とは言え、前述した姉達が彼女を守っているため
彼女に手出しなどはしない事である。
……何だか、色々と思い出すなぁ、手伝ったからね。
まぁ、遅くなっちゃって
お嬢様に怒られる事もあったけど…
あ、あはは、手伝いしすぎるのは良くないのかも?
でも、喜んで貰ってるようだし……あはは。
「あなたの取材を人里でする度に
手伝って貰ったって話が多いですよね。
そんなに手伝ってたんですね」
「あはは、そ、そうですね、
困ってる人が居たら……」
「しかし、落とし物を捜して、
落とし物が最終的に
その人の家にあった時、
どんな気分だったんです?」
「え? 見付かって良かったなぁって、
それだけですよ」
「……無駄な事しちゃったとか、
そんな風には思わないんです?」
「思いませんよ~、
見付かったならそれで良いですし」
「……本当、お姉さん達が居て良かったですね」
「はい!」
「……す、素直ね、やっぱり」
でも、やっぱり自分の事を本で読むと
す、凄くは、恥ずかしいね!