うん、久しぶりの紅魔館だね。
やっぱり、今日も凄く綺麗に掃除されてる。
だけど、妖精メイドちゃん達は遊んでるね。
咲夜さんも凄く大変そうだよ。
「じゃあ、私はこれから掃除をしてくるわね。
今日の掃除もまだだったし。
でも、これから楽になると考えると気も楽だわ」
「まぁ、フィルが帰ってきたからね」
「えぇ、フィルが居てくれると、掃除が捗るわ。
ありがとうね」
「え? あ、は、はい!」
不意にお礼を言われて、私は少し困惑しながらも
そのお礼に答えた……私、咲夜さんの役に立ててた。
何だか、その事実を改めて理解できて、嬉しかった。
咲夜さんは私にお礼の言葉を告げてすぐに姿を消す。
「じゃあ、挨拶行こうか」
「そうだね、ガルーダお姉ちゃんの話をしないと」
「どういう風に接した方が良いっすか?
いつも通り?」
「レミリアお嬢様なら受入れそうだけど
でも、小馬鹿にするような態度は駄目だからね!」
「わ、分かったっす、き、肝に銘じるっすよ……」
「ま、そう言う事だ。ここのお嬢様はフィルにとって
とても大事なご主人様だ。
家族と行った方が正しいかもだけどね。
だから、そのお嬢様を馬鹿にすることは許されないよ?」
「うへぇ、圧半端ないっすよね」
よし、それじゃあゆっくりと扉を開けて……
そう言えば、今日は起きてるのかな?
前は眠ってた様な気がするけど……
「あら?」
「あ!」
扉を開けて、目に入ったのは紅茶を啜るお嬢様の姿。
そして、フランお嬢様もその隣でお茶を啜ってた。
だけど、この2人だけでは無かった。
レミリアお嬢様とフランお嬢様の対面には
同じ様に美味しそうに紅茶を啜る2人の影。
その影の正体はさとりさんとこいしさんだった。
「おや、凄く良いタイミングで帰ってきてくれましたね」
「そうね、丁度あなた達が来てるタイミングで良かったわ」
「フィルー! 帰ってきたんだね!」
「久しぶり-!」
「あ、お久しぶりです! そして、ただいまです!」
笑顔で告げられた言葉に対し、私も笑顔で返した。
こいしさんとさとりさんが仲良くしてる姿を見て
やっぱり、嬉しいという感情が最初に出て来た。
最初はあまり一緒に居なかった姉妹達が
今では、仲良くしてるって言うのは嬉しい。
レミリアお嬢様とフランお嬢様の2人
こいしさんとさとりさんの2人。
私に取って、仲の良い皆さんの姿を見るのは
とても、とても嬉しいと感じる物だった。
やっぱり家族は仲良くしてる時が1番輝いて見える。
「いやぁ、姉妹ばかりっすねー」
「……で、いつも通り聞いた方が良いんでしょうし聞くけど
その生意気そうな奴は何?」
「い、いきなり凄い言われようっすね…」
「実際、君は生意気だし凄い観察眼だと僕は思うよ?」
「まだ生意気な態度は取って無いんっすけど?」
「取って無くても分かるくらい分かりやすいんじゃねーの?」
「しれっと酷いっすね!」
「……あぁ、弄られキャラなのかしら」
「え!? い、弄られキャラというか
弄りキャラっすけど!?」
「……何と言うか、結構相手をからかうのが好きみたいですね」
「え!? あ、そうか、心読まれたっす! 酷いっすよー!
良いっすよ! 読まれないようにするっすよ!
えいやー! 干渉遮断フィールドー」
ガルーダお姉ちゃんが翼を広げて叫んだ。
「……何言ってんだこいつ」
「こいつ、結構力の制御出来てるしね……」
「ほ、本当に読めない……」
「ふっふっふー、これがうちの強さっすよ!」
「え? 読めないの? お姉ちゃんでも?」
「え、えぇ……と言うか、雑念ばかりで心が読めないわ」
「ふっふっふ、心を読む能力破れたりー!」
「あなたの新しい姉は、随分と面白いわね」
「うん! 凄く馬鹿っぽくて面白いね!」
「え!? 馬鹿!?」
「あ、心が読めました、動揺してますね」
「ぐ! 不覚!」
「……君、騒がしすぎない?」
「まぁ、ある意味じゃ良いスパイスにはなるが……
なぁ、狼。こいつマジで俺達と同じなの?
マジでフィルの守護者なの?」
「……マジだよ、うん」
あ、あはは、2人が凄い呆れてる。
珍しいような気がするよ、こんな表情を見るの。
「本当、随分と騒がしいのが増えたわね。
まぁ良いわ、どんな子だろうと
あなたがフィルの姉だというなら受入れる。
それが家族という物よ。歓迎するわね、名前は?」
「あ、ガルーダッス、超速い鳥さんっすよ」
「翼が出て来たから鳥なのは分かるけど。
でも、鳥なのに狼の耳が生えてるのは何故かしら」
「そりゃもう、うちはフィルちゃんのお姉ちゃんっす。
耳だって当然生えてるッスよ。
可愛い耳でしょ? 垂れ耳って魅力的っす」
「……赤い狼なんて相当レアだと思うけどね」
「赤い耳……お隣かな?」
「お隣は確かに内側は赤いけど、外側は黒色よ」
「おっと、あの猫ちゃんっすね。
実際、うちと髪の毛の色合い似てるッスし
耳もあるッスし、同じく人の耳もあるっすね」
うん、ガルーダお姉ちゃんは人の耳も生えてるからね。
私達の中で人の耳が生えてないのは
フェンリルお姉ちゃんだけだからね。
私も獣の耳と人の耳が生えてるからね。
「しかし、そう考えてみると何でお前だけ人の耳ねぇんだ?」
「それはだね、僕が純正の狼だからだよ、フェンリルだし。
で、君は元々は蛇だし、ガルーダは鳥だからね。
フィルは人と僕らのハーフだから人の耳が生えてるんだ。
だけど、僕はフェンリルの部分が具現化してるわけだから
当然、人の耳は生えてないよ?
まぁ、この姿はフィルのイメージが投影されてる訳だし
僕がフェンリルの具現化だから
フィルが人の耳をイメージしなかったのかも知れないね。
ガルーダは自力での具現化だから知らないが
自分のイメージがああだったんじゃ無いかな?」
「そう言う事っす、まぁ1度具現化した以上
姿を変化させるのは難しいっすけどね。
そのイメージで固定されるわけッスし
当然、フィルちゃんがそのイメージで
うちらを固定する訳っすから
これ以上の変化は無理という訳っすよー
胸は小さく出来たっすけど、
きっともう大きくは出来ないっす。
と言うか、出来たら吹き飛ぶっす」
「へぇ、自力で具現化したくせにもう変化出来無いんだ」
「流石にフィルちゃんのイメージに負けるっすよ」
えっと、私のイメージで姿が固定されるって事かな?
私は自分とお姉ちゃん達の関係がよく分かってないから
なんとも言えないけど、私のイメージがメインになるって事?
「ふーん、面白い関係ね。
でも実際、何度も姿を変えられたら
私達としても困惑するからそれで良いわ」
「じゃあ、自己紹介はもう良いかな?
だったら、一緒に紅茶を飲もう!」
「え? でも、お仕事が」
「私達とお話しするのが、今のあなた達のお仕事よ。
さ、来なさい、ゆっくりとお茶を啜りましょう」
「あ、は、はい!」
そうだよね、久しぶりなんだしお話ししよう。
私はレミリアお嬢様達の誘いに乗って紅茶を飲んだ。
でも、私達が頂いたのはさとりさん達が飲んでた紅茶。
レミリアお嬢様達の紅茶には人の血が入ってるしね。
そのまましばらくの間、私は皆とお話しをしながら
ゆっくりと紅茶を啜った。