東方半獣録   作:幻想郷のオリオン座

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興味深い要素

私達は典さんに連れられてゆっくりと歩く。

その時、私達の前に椛さんが姿を見せた。

 

「その、どちらへ?」

「今回の黒幕の元へよ」

「もしや、天狗の里へ?」

 

椛さんの後に文さんも姿を見せた。

天狗の里へ部外者を案内するのは

出来れば避けたい見たい。

 

「そうよ、何か問題でも?」

「いえ、紫さんと藍さんは構いません。

 しかし……フィルさんは」

「何か問題でもあるの?」

「いえ、勿論私達としては問題はありません。

 私達は彼女の事をよく知ってますからね。

 しかし、大天狗様達がどう仰るか」

「て、天魔様からの許可も必要ですし…」

「そう、でも今回は彼女にも来て欲しいの」

「と言うと?」

「今回、私が興味あるのは異変の黒幕と同時に

 フィルのアビリティーカードもあるわ」

「え?」

「今回の異変の大まかの概要は藍から聞いてる。

 それ故に気になった要素よ。

 恐らくパチュリーもそれに興味があったのでしょう。

 そして、私も興味がわいたと言う事よ」

 

紫さんまで私のアビリティーカードがあるのかどうか

そこに興味があったなんて思わなかった。

私のアビリティーカードがあるとすると

紫さんとしてもあまり好ましくないのかも知れない。

 

「フィルさんのアビリティーカード。

 無論、私だって興味がありました。

 幻想郷所か全てにおいても最強の存在である

 フィルさんの力を模倣できる手段があるのか。

 

 神々さえ喰らい、無敵と言っても過言では無い

 彼女の力に僅かにでも干渉できる手段。

 それがあるのかは、多少力のある妖怪であれば

 例外なく興味があるでしょう。

 当然、私もその例に漏れず、興味があり

 徹底的に探そうと考えましたよ。

 

 その為、情報収集は既に行なっております。

 答えだけ申しますと、そんなカードは無い。

 それが、私、射命丸 文の調査結果です。

 

 無論、私如きの情報を紫さんが知った程度で

 あなたが分かりましたと引くことは無いでしょう。

 私は可能な限り真実を記す新聞記者ですが

 あなたは私を信頼などしないでしょうしね」

「えぇ、新聞記者がこの世の全てを記す。

 そんな真似をしないことは百も承知よ。

 それは、幻想郷だろうと外のでかいだろうと同じ。

 

 必ず、その記事には制作者のエゴが絡むわ。

 あらゆる視点からその事象を把握して、

 あらゆる視点から意見を集め続け、

 あらゆる情報から答えを見出す。

 

 私はそれらの行動を徹底して

 ようやく、自分自身の答えを見出すわ」

 

自分に出来るあらゆる手段を持って

自分の中で1つの答えを導き出す。

それが紫さんのやり方なんだろう。

他人の意見や他者の意見は参考程度であり

最終的な結論は自分自身で行なう。

 

行動出来る存在はそこまでする。

行動出来ない存在は表面だけを見る。

どちらが真実に近付けるかは考えるまでも無い。

 

「えぇ、分かっておりますとも。

 ですが、天狗の里は困ります。

 勿論、天魔様や大天狗様達の許可があれば

 私も一切の躊躇無くご案内いたしますよ。

 ですが、許可無く案内となれば

 最悪の場合、我々の首が飛びかねません」

「私があなた達の首が跳ぶ事に対し

 罪悪感など感じるとお思いかしら?」

 

紫さんがにこやかな笑顔で

文さんにハッキリと告げた。

 

文さんもその言葉を聞いて

困ったような笑顔を見せながら笑う。

 

「ま、まぁ、あなたは興味無いでしょうけど。

 ほら、フィルさんは気になるんじゃ無いですかね?」

「た、確かに私のせいで2人がクビになるのは…」

「そう悲観することじゃないわ。

 私があなたを式にして面倒を見てあげても良いわよ?

 そして、狼の方は紅魔館か地霊殿で世話して貰えば?

 地霊殿の方は私が説得してあげても良いわよ?

 紅魔館の方はフィルが面倒見てくれるでしょうしね」

「前も言いましたが、私はあなたの式にはなりませんよ。

 椛の方は確かに代案があるとは言え

 この子にも後輩が居るんですよ?

 花楓(かえで)だっけ」

「あ、はい、花楓ですね、狼想 花楓(ろうそう かえで)。

 最近生まれたらしい白狼天狗です……

 鞍馬様に言われて面倒見てます。

 今は足の骨が折れてて大変ですけど」

「いや、妖怪で骨が折れるって何事よ」

「鞍馬様と戦った時に一瞬だけ速くなったと思ったら

 いつの間にか足の骨が折れてて……

 って、そうじゃ無くて

 それより今はフィルさんの事を」

 

新しい白狼天狗の人が居るんだね。

私が天狗さん達で交流があるのは

今の所、文さんと椛さんの2人だけだし。

 

「そうですね、とにかく紫さん。

 フィルさんを天狗の里に案内するのは

 天魔様に許可を頂くかしていただかないと」

「はぁ、仕方ないわね」

 

小さなため息の後、紫さんが隙間を潜り

何処かへ移動して言った。

きっと、天魔って人の所に行ったんだ。

天魔ってどんな人だったか私は覚えてないけど。

 

(天魔かぁ、あの雑魚だろ?)

(え? 知ってるの?)

(天狗達とやり合った時に居たよ。

 確か他の天狗達とそこまで差は無かったね。

 ただ大きな剣と大きめの扇を持ってたね。

 かなり風を操るのが得意だったみたいで

 大分気候を変えてきてたが

 まぁ、小手先の技でどうにか出来る程

 甘い相手じゃ無いからね、僕も)

(ま、地獄の女神にゃやられてたがな)

(あれは幻想郷のレベルじゃ無いでしょ。

 それに何度も言うが、実力は僕が最下位だ。

 だから、君らも力の制御をだね)

(いやほら、俺は面倒なの嫌いだし)

(うちは力を操るの得意っすよ。

 まぁ、フィルちゃんの力の制御は

 全く出来ないッスけどね!)

(……はぁ、役立たず共め)

 

か、かなり容赦ない悪口だね。

 

(な、何だかフェンリルお姉ちゃん

 荒れてない? 大丈夫? 無理しないでよ)

(いや、大丈夫だからね、うん。

 僕はこの馬鹿2人に呆れただけだから)

(ちょ! テュポーン先輩が馬鹿なのは良いっす!

 事実ッスしね! 脳筋で馬鹿ッスし!)

(あぁ!?)

(でも、うちは超絶真面目な才色兼備で

 色々出来る万能な頼れる後輩ちゃんッス!)

(おいコラ鶏! テメェマジで俺を馬鹿にするな!

 まだフェンリルに馬鹿にされるのは良い!

 慣れてるし、いやマジであいつには世話になってる。

 実際、俺が色々出来ないのは間違いねぇし!

 だが! お前にだけは言われたくねぇ!)

(テュポーン……き、君がそこまで言うとは。

 正直、僕はかなり驚いてる……)

(うちもそう思うッス!

 そこまでうちに馬鹿にされたの嫌っすか!?)

(誰だろうとも馬鹿にされるのは嫌だろ!)

 

私もかなり意外だと感じた。

あのテュポーンお姉ちゃんが

あんな風にフェンリルお姉ちゃんに馬鹿にされるのは

まだ良いって言えるなんて思わなかった。

 

「っと、お待たせ」

「あやや、速かったですね紫さん。

 それで、結果はどうなりました?」

「問題無いわ、彼女を案内することは。

 ただ条件として、暴れないで欲しいってね」

「あ、暴れませんよ……」

「知ってるわ、それともうひとつ。

 龍に追撃をしないで欲しいともね。

 既に紅魔館のメイドにやられたらしいしね」

「咲夜さん、もう行ってたんですね」

「あの子も異変解決に行動してたしね」

「天魔様の許可が下りたというのであれば

 ご案内します。

 龍様の所へご案内すればよろしいですか?」

「そうね、それと異変の黒幕。

 恐らくは神ね、そいつの所へ案内して」

「分かりました、ではこちらへ」

「では、私は警備に戻りますね」

「あなたも来なさい」

「え? ひ、必要ですか?」

「当然よ、折角の機会だしね」

「うーん……わ、分かりました」

「よろしい、構いませんよね?」

「えぇ、フィルもその方が嬉しいでしょうしね」

「はい!」

 

私達はそのまま天狗の里へ進んだ。

どんな場所なんだろう、とても興味があるよ。

里って言うくらいだから、人里みたいな感じかな?

とにかく、楽しみだよね!

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