異変の結果をレミリアお嬢様に伝え
しばらく時間が経つ。
あまり何度も大来ナ異変があったら大変だ。
「フィルー」
「あ、はい」
フランお嬢様に呼ばれて私は移動した。
フランお嬢様はレミリアお嬢様と一緒に
絵本を読んでる様子だった。
「お呼びでしょうか、フランお嬢様」
「呼んだよー」
「それはフィルも知ってるでしょうに」
レミリアお嬢様の膝に乗り絵本を読んでる。
フランお嬢様と座高もかなり近いからなのか
レミリアお嬢様あまり良い様な表情では無い表情で
僅かに視線をずらして辛うじて本を読んでた。
「全くフラン、なんで私の膝に座るのよ。
一緒に本を読みたいとか言ってたたけど
これじゃ、私は本を読めないわ」
「良いじゃんお姉様」
「後、翼が痛いのよ」
「良いじゃん、怪我しないし」
お二人の背中には翼が生えてるからね。
あんな風な体勢だと、確実に当るしね。
結構刺々しいし、少し痛そうだ。
「はぁ」
軽く諦めたようにため息を吐いて
レミリアお嬢様はそれ以上何かを言わなかった。
(フィ、フィル! 俺達もあれやろうぜ!
俺が本を読んでやる!)
(え? いや、私は自分で読むよ?)
(な!? 頼むよ!)
(あまりテンション上げない。君は本読めないだろ?
仮に読もうとしても、フィルはすぐに読むからね。
君があんな体勢でやってもフィルの迷惑だ)
(なぁ!)
(フィルちゃんは本を読むの速いッスしね。
うちじゃとても追いつけねぇや)
(僕もだね、あの速度は真似できないよ)
私は本を読むの速いからね。
色々な知識を得たいからさ。
でも、個人的にはちゃんと把握して次のページだから
あまり速くやってるという自覚は無いんだけどね。
でも、お姉ちゃん達が早いと言うことは速いんだろう。
「で、どうしてフィルを呼んだの?」
「最近さー、黒いお水が出てるんでしょ?」
「そう言う話、聞きますね、人里でも結構」
黒いお水って言うのがなんなのか分からないけど
何だか、幻想郷もかなりのペースで異変が起きてる。
アビリティカードから、そんなに時間経ってないし。
1ヶ月も経ってないからね。
「私も見に行きたいなーって」
「どうでも良いじゃ無いの、汚い水なんて」
「何処まで黒いか興味とか無いの?
この絵本で出てる、呪われたお水かもだよ?」
「幻想郷で呪いだなんてくだらないわ」
実際、幻想郷は呪いって大した効果無いだろうね。
何かあっても霊夢さんにお願いしたら何とかなりそう。
霊夢さんは凄いからね、色々出来るし。
「そりゃ、呪いなんて霊夢が何かしそうだけどさ」
「そもそも、これが異変とかそう言う話なら
霊夢とか魔理沙が解決するでしょうしね」
「むー、意外と乗り気じゃ無いね、お姉様。
普段は異変だと嬉々として解決しに行けーって
フィルとか咲夜に命令してるのに」
「そこまで興味が湧く異変じゃないのよね、これ。
いつかあった温泉の異変に似てる気もするし」
確かそんな異変があったって話を聞いたよ。
原因は燐さんだったかな。
「どうせ、また守矢でしょう」
「え? そ、そんなに異変起してるんですか?」
「えぇ、あいつらが大体元凶だし」
そ、そんなに元凶になってるの?
「神社で引っ越して来たと思ったら
地獄の烏に力与えて面倒な事したあげく
その異変を止める為に動いた猫の影響で
今度は宝船が飛び立つようになって
無駄に寺の整備に手を貸した結果
今度は聖徳太子が出て来た訳だしね。
で、今回なんか地面から噴き出してきたって
またあいつらなんじゃ無いかなって」
「……」
そう言えば、たまに紫さんがそんな事言ってたね。
「特に霊夢はあいつらが引っ越して来たとき
割とガチめにぶち切れてたからね。
霊夢がご機嫌斜めになる位って事は
八雲紫も相当キレてたんじゃ無いかしら。
地獄の異変は確かあいつも動いたレベルだし
あいつらが絡むと大体面倒な事になるわ」
「そ、そうなんですね……」
「だから、前回のカードで妖怪の山って聞いたとき
またあいつらかって思ったものよ」
レミリアお嬢様が若干呆れるって相当じゃ?
「でも、最近は大人しいのよね。
フィルが来てからは特に」
「あ、そうなんですか?」
「そうそう、前はもっと勧誘だとか
そう言うのをしてきたけど
あなたがここに来てからは
あいつら全然来なくなったし」
(そりゃそうだろね、神なんだし)
(でも、そんな話を聞いちまったらうざくね?
潰しに行かねぇ? あのクソ神共)
(なんでそんな好戦的なんっすか?
適当に理由付けて戦いたいだけでしょ)
(まぁ、僕も潰したいと、そう思うけどね?)
「えぇ!? フェンリルお姉ちゃんが!?」
「な、何よ、いきなり。フェンリルが何か言ったの?」
「あ、は、はい」
ふぇ、フェンリルお姉ちゃんが攻撃的になるって
中々珍しいって感じが凄い。
(まぁね、今までの異変どうこうの話を聞いたら
ちょっと僕としてはあまり放置したくないんだ。
幻想郷にとって、割とマイナスになりかねない。
もし今回の黒い水とやらにあいつらが絡んでたら
……僕はあのクソ神共を食い殺したくなる)
(な、なんでそんなに…)
(ロープウェイも正直、潰したいと思うんだ。
もし、アビリティカードにあいつらが絡んでたら
僕はもっとあいつらを潰したいと思うだろうね)
「フェンリルはなんて言ってるの?」
「え? い、いや、こ、攻撃的なとしか」
「守矢に対して?」
「は、はい」
「神だからかしらね」
私もどうしてそこまで攻撃的なのかは分からない。
守矢の神様達が嫌いだからなのかも知れないけど
うーん、さ、流石に何も言えないしなぁ。
「そんな話しどうでも良いじゃん
とにかく私は黒い水を見て見たいの!」
「そう言えばその話が元だったわね。
でも駄目よ」
(まぁ、僕は探った方が良いと思うけどね)
(フェンリルがそんな積極的なんて珍しいな)
(僕としては、あまり放置したくない事変だ。
所詮は予想だが……潰したい)
「あ、あの、レミリアお嬢様」
「何?」
「その、フェンリルお姉ちゃんが潰したいって…」
「……そう」
レミリアお嬢様の表情が変わった。
「分かったわ」
「本当!?」
「えぇ、じゃあ折角だしフランも連れて行きなさい」
「ありがとう! でも、どうしていきなりあっさり?」
「フェンリルが潰したいって言う事は
それ相応に厄介な事みたいだしね。
テュポーンとかガルーダなら急ぎでも無いでしょうけど
フェンリルが嫌がるって事は面倒な事だろうし」
実際、フェンリルお姉ちゃんは私たちの中で1番聡明。
そのフェンリルお姉ちゃんが嫌がるような異変なら
結構困った異変である可能性もあるわけだからね。
(じゃあ、ついでに守矢滅ぼすかな)
(あの、恐いから止めて?)
(まぁ、冗談だよ、滅ぼしたりはしないって。
でも、会いには行こう)
(う、うん)
フェンリルお姉ちゃんが今までに無いくらい攻撃的だ。
でも、攻撃はしないでおいてくれるみたいだし
今回はフェンリルお姉ちゃんに従おうかな。
(それとフィル、今回は僕に動かさせて欲しい)
(どう言う事?)
(僕が前面に出て異変を解決するよ。
だから、ちょっと休んでて?)
(う、うん……こ、殺さないでね?)
(あぁ、そんなことはしないよ)
じゃあ、今回はフェンリルお姉ちゃんに任せよう。
どうしてもやりたいことがあるみたいだしね。
「ふふ、都合が良いことになったな。
私が自ら出向いて興味を持たせる手間が省けた」
「……今回の異変、あなたが元凶というの?」
「まさか、一役と言うだけだ。
少しだけ手間が掛る相手だからな」
「……あまり、フィルを利用しないで頂戴。
とは言え、今回はフェンリルが興味を持った。
そんな雰囲気でしか無いけどね」
「そうだな、さてあの狼が何処まで聡明か。
我々が手を貸す必要があるかどうか
今はまだ見届けるとしよう」