黒い水の異変はフェンリルお姉ちゃんが
問題無く解決することが出来た。
あの後、紫さんや隠岐奈さんが来て
石油を封印してくれたしね。
でも、問題が全て片づいた訳じゃ無い。
せ、正確には幻想郷の問題は
一段落だけど、わ、私の問題が……ね。
「フェンリル! 見つけたぞ!」
「あ、あの、と、饕餮さん」
「ほぅ、今日はフィルの状態か。
まぁいい、私の物になれ!」
「なりませんよ!?」
あの異変で本当に饕餮さんは
私というか、フェンリルお姉ちゃんを気に入り
結構な頻度で姿を見せるようになった。
「見つけたぞテュポーン! 勝負だ!
そして、私の配下になれ!」
「なんで!?」
「む、饕餮か、何故ここに居る?」
「それはこっちのセリフだ黒駒」
そして、結構な頻度で黒駒さんも来る。
あの黒い水の異変の後からよく来るようになった。
修行が終わったのかもしれない。
(その、ごめんねフィル、迷惑かけて)
(あいつも懲りねぇな)
(まぁ、あのギザ歯ちゃんは
宣言してたっすしねー)
結構な頻度で畜生界から来てるけど
意外と、出入りの仕方が分かれば楽なの?
確かに冥界も行きやすいけど……
「フェンリルは私の物だ! お前にはやらん!」
「テュポーンは私が手に入れる!」
そして、2人が戦いを始めてしまった。
「やめてくださいよ!
ここ、紅魔館の前なんですけどー!?」
「なんか騒がしいわね、まぁいいわ
フィル、今日は久々に来てやったわ!
さぁ、私ともう一度勝負しなさい!」
「て、天子さんまで……」
「なんだこの青髪女!」
「強そうだな、戦え!」
「あー? 動物霊如きがいい度胸ね。
まずは準備運動で戦ってやるわ!」
「よし、上等だ!」
「フェンリルは渡さん!」
「だからやめてー!」
今度は天子さんも混ざって戦いが!
もう滅茶苦茶だよー!
「……フィルさん、大変ですね」
「うぅ、美鈴さんごめんなさい…」
「そこまで嘆くほどではないわ。
レミリアお嬢様も楽しそうだしね」
咲夜さんがそのことを伝えてくれた。
私は紅魔館の方に目を向け
紅茶を飲みながら3人の戦いを鑑賞してる
レミリアお嬢様の姿を視認できた。
その隣には食い入るように見てる
フランお嬢様もいた。
たまに飛び出そうとしてるフランお嬢様を
レミリアお嬢様が押さえてたりもしてる。
「でも、弾幕飛んできてますよ」
「当たらないわよ」
私たちは巻き込まれという感じで
飛んできた弾幕を避けてみたりしてる。
「なんだなんだ? 今日は随分と騒がしいな」
「魔理沙さんまで来るなんて」
「おう、今日はフィルに用があるんだ」
「私にですか?」
「あぁ、実は最近外の世界の本を見つけたんだ。
そんな本かってのに興味があって来たんだぜ。
全くなんて書いてあるかも読めなくてな。
フィルなら読めるかもって思ってな」
「読むだけなら、小鈴さんも確か」
「確かに小鈴も読めるには読めるが
あくまで読めるだけらしいからな。
何について書いてあるかは分からないだろ?
フィルなら色々知ってるから聞いてみようと思ってな」
魔理沙さんも飛んでくる弾幕を避けながら
私に色々と話してくれている。
「えっと、この本ですか?」
「あぁ、なんの本か分かるか?
私としちゃ、魔術書とかなら
最高だって思うんだがな!」
「うーん、残念ながら魔術書じゃ無いですね。
これはファウストって言う作品です」
「ファウスト? なんだそれ」
「ゲーテって言う外の世界の偉人が描いた
戯曲だったと思います。
分かりやすく言うと、歴史的な小説ですね」
「ふーん」
でも、この本はドイツ語になってるね。
ゲーテの出身国もドイツだったっけ。
どうして日本にある幻想郷に
ドイツ語で描かれたゲーテのファウストが?
「ただ、かなり欠損してますね」
「だよな、割とビリビリだぜ。
読めるのは最初の部分程度だ」
「はい、神にメフィストフェレスが
賭けを進言してきた部分だけですね。
ファウストも出て来ないや」
「つまり最初の最初って事か? っと」
「そうですね、物語の序章だけです」
何故こんな物が流れ着いてきたのか。
私にはよく分からないけど…
何かあったりするのかな?
「ま、外の世界の本って事は分かったぜ。
小鈴に持っていったら喜ぶかも知れないが
ここまでビリビリじゃ、流石に喜ばないか」
「殆ど欠損してますからね」
「ちぇ、よく分からない文字が書いてあるから
魔導書かと思ったのに残念だぜ。
ま、仕方ないか、でも気になるよな。
もうちょっと探したらバラバラな部分も
見付かるかも知れないな。
ナズーリンに頼んでみるか」
「確かにナズーリンさんは捜し物が得意ですしね」
「あぁ、それがあいつの取り柄だからな。
さ、思い立ったが吉日だぜ!
ありがとな、色々教えてくれて。
また今度、外の世界の土産話を話してくれ」
そう言って、魔理沙さんはミニ八卦炉を
箒の後ろに付けた。
「ひゃっほー!」彗星「ブレイジングスター」
「うぇ!?」
「はぁ!?」
そのまま背後に向けてマスタースパークを放ち
目の前で戦ってる
饕餮さん、黒駒さん、天子さんに向かって突撃。
三人を吹き飛ばしながら私の視界から消えた。
紅魔館に当たりそうになったマスタースパークは
私が結界で防いで事なきを得たけど
本当……よ、容赦ないというか突拍子もない…
「な、なんだあいつ……! 許さん!」
「あの魔法使い! 待ちなさい!」
「勝負の邪魔をしたのは許さないぞ!
絶対に落とし前をつけさせてやる!」
そして、魔理沙さんを追いかけて
天子さん達が紅魔館の前から離れた。
ま、まぁ、怒るよね……あはは。
(あの魔法使い、滅茶苦茶だね)
(だな)
(ま、面白いから良いじゃ無いっすか!)
(面白いかどうかは別として
まぁ、あいつのお陰で騒がしいのも消えたし
素直にありがたいって感じだけどね)
「おぉ! 多分魔理沙だな! あれ」
「いやぁ、少し遅れて来て助かった……」
「巻き込まれてたら大変だったのだ」
「まぁいいや、さぁ来たぞフィル!
今度こそあたい達と決着を着けろー!」
(……また騒がしいのが来ちゃったね)
(今日は千客万来っすねー)
(ま、大した面倒事じゃ無いなら良いけど)
(あいつらも結構良い根性してるよな。
弱いくせに挑んでくるとは……ま、嫌いじゃねぇ)
(あいつらというよりは、妖精だろ?
あの青色の妖精)
(ち、チルノちゃんは行動派だし)
(いや、あれはただの馬鹿だよ)
相変わらず、容赦ない一言だよ。
お嬢様も言ってたけど……
「今日は戦いに来たわけじゃ無いのだ!」
「お? なんかあったっけ?」
「大戦争するんでしょ? サニー達と」
「おぉ! そうだったな!
あたいが最強って教えてやるぜ!」
「だ、大戦争って……」
「まぁ、大戦争って言うか、
ただの遊びというか…」
「フィル! あたい達と一緒に戦おうぜ!」
「さ、流石にそれでお仕事を後にするのは…」
私がそう呟いた直後くらいに
背後から不意に気配を感じた。
「咲夜さん? それにお嬢様も!?」
「ふふ、中々面白そうな催しになりそうよね」
「え?」
「馬鹿共、私が良い提案をしてあげるわ」
「馬鹿だとー!」
「1週間後、紅魔館でパーティーをするわ。
その時に前座で軽い催しをするわ。
その催しで決着を着けるのはどうかしら」
「え? どう言う事だ?」
「ずばり! チーム対抗弾幕バトル。
トーナメント戦にして、チーム対抗で
弾幕バトルをすると言う催しよ。
優勝者にはフィルを1週間貸すわ」
「え!? 優勝賞品私!?」
「えぇ、千客万来のあなたを
1週間も独占できるなんて最高でしょ?
あなたの才能もかなりの物だしね。
色々な組織もあなたの手を借りたいと
そう思っても不思議は無い筈よ。
つまり、色々なチームが名乗り上げるわ。
全力で戦うだろうし、結構面白そうでしょ?」
「そ、その……絶対に誰も興味無いと…」
「おぉ! 面白そうだなそれ!」
チルノちゃんは結構食い付きそうだしね。
でも、私が賞品ってちょっとあり得ないような…
「それに、久々のパーティーだもの。
最高の催しにしたいと思うのが自然よ。
ルールはちょっと考えるわ」
「は、はぁ……れ、レミリアお嬢様が
そんな催しをしたいと言うのであれば…
い、1週間だけですし。
でも、本当に対して必死にならないと
だって、私なんてそんな」
「謙遜は良いのよ、
結果は行動した後に付いてくるわ。
あなたが謙遜しても、結果が伴えば関係無い。
さ、パーティーの準備をしましょう。
咲夜、招待状は私が書くから
あなたは他の準備をお願いね。
勿論、フィルと協力してね」
「はい、お任せください」
レミリアお嬢様は本当にやる気みたいだね。
ど、どれだけ人が集まるのか……
うぅ、レミリアお嬢様が興醒めするような
そ、そんな結果になりませんように……