東方半獣録   作:幻想郷のオリオン座

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楽しい準備

咲夜さんと協力してパーティーの準備を始めて

そこそこの時間が経ってきた。

本来ならパーティー前に大量の料理を用意する。

そんな事をすれば腐ってしまうのは当然だけど

私達には咲夜さんが居るからね。

咲夜さんの能力で料理の時間を止めて

更に次の料理を用意するという形で

早めに大量の料理を用意してる。

 

パーティーの度にきっと咲夜さんは

こうやって料理をして準備をしてたんだ。

普段は1人でやって、たまにメイド妖精ちゃんが

料理を手伝ったりしてくれてるみたい。

 

妖精さん達は楽しい事が大好きだから

掃除は好きでも無いけど料理はする

そう言う妖精がいくらかは居るみたいだ。

とは言え、私が妖精メイドちゃん達を集めて

掃除をさせてからは掃除もしてくれてたりしてる。

 

「順調ね、やっぱりフィルが居ると楽よ

 ありがとうね」

「いえ、普段は料理であまり役に立てないので

 今日は私もとても嬉しいです!」

「フィルー! 席は全部出したぞ!」

「あ、テュポーンお姉ちゃん、速いね」

「当たり前だろう、あの程度なら楽だ」

「よく言うよ、かなり間違えて並べてたくせに」

「うっせ! 運んだんだから文句言うな!」

「ま、うちが1番大活躍っすけどね! 速いし」

「1番制御に苦労したのは君の方だけどね。

 変に対抗意識出すなって言ったのに

 馬鹿みたいに走り回りやがって……

 何度君のせいで席が壊れかけたか…」

 

席の準備とかは今回、3人にお願いしたけど

雰囲気からしてみて、フェンリルお姉ちゃんは

かなり苦労したって言うのが分かった。

だって、普段よりも疲れてる表情だし……

 

「本当、あなた達のお陰でパーティーの準備が楽よ。

 今までは大体私が準備してたからね。

 美鈴も動いてたりはするけどあの子は門番だし

 パーティーってなると結構多いから

 パーティーのことを公にすると客人が多いし

 どうしても門番の仕事が多くなるのよね」

「準備中に来るんですか?」

「えぇ、滅茶苦茶来るわ、早とちりで。

 1週間後って伝えても即座に来る奴ら居るし」

 

やっぱり幻想郷の人達って、

そう言う催しが大好きなんだね。

パーティーや宴会ってなると凄く来るんだなぁ

 

「まぁ、それっぽいとしか言えないね。

 あ、そう言えばパーティーってどうやって伝えてるの?」

「大体は烏天狗にパーティーの事をばらまいて貰ってるわ。

 で、絶対に来て欲しい相手には直接招待状を送るわね。

 レミリアお嬢様のお手製招待状をね。

 運ぶのは大体私の仕事だけど」

「そこまで君がするのか……そりゃ大変だね」

「慣れてるから大した事では無いけどね」

「とは言え、今回は咲夜の手を煩わせないわ」

 

私達の会話を聞いてタイミングを合わせてか

レミリアお嬢様とフランお嬢様が部屋に入ってきた。

 

「と言うと? 今度から招待状はフィルが運ぶのかい?」

「それも良いのだけど、フィルは戦力だからね。

 特に料理に関してはかなり凄いわ。

 そう、大量の料理を作るという状況であれば

 フィルの料理の腕はかなりの物だしね」

「あ、ありがとうございます!」

「ま、普段の料理を作るという点では駄目だけど」

「はぅ……そ、そうですよね……」

 

私の弱点は間違いなくそこだからね…

咲夜さんにもよく言われてるから自覚はある。

私は料理を作る時は料理を多く作りすぎてしまうから…

私自身が大食いだからなのもあるけど

どうしても多くなっちゃうんだよねぇ…

 

「だから、フィルが抜けてしまうと

 どうしても咲夜の負担が増えるわ。

 折角咲夜の負担が分散してくれて

 私としてもとても安心してるのにね」

「じゃあ、フィルは料理に専念させるって事か。

 ならどうするんだい? 門番に行かせる?

 門番の仕事は僕らがやっても良いし」

「そうね、それも確かにありと言える。

 でも、あなた達が門番だと全て門前払いよ。

 フェンリルは真面目だから大丈夫だろうけど

 テュポーンは脳筋で全て殴り飛ばすでしょ?」

「ひ、否定はしねぇな、多分ぶっ飛ばすし」

「ガルーダはよく分からないけど

 正直、あなたはおどけてるから不安なの

 なんか、相手で遊びそうだし」

「なんで総じてうちの評価低いんっすか!?

 超絶優秀なあなたの後輩ガルーダちゃんっすよ!?」

「いや、あんたは馬鹿っぽいわ、

 テュポーンとは別方向で」

「そりゃね、こいつは馬鹿だし、知性ある馬鹿ってのが

 滅茶苦茶面倒だから、僕もこいつは嫌いだなぁ」

「酷い!」

 

この会話を聞いてると、

もうガルーダお姉ちゃんの立ち位置

完全に弄られキャラだなーって思う。

 

「ならフェンリルに門番をってなるかもだけど

 正直言うと、あなた達2人を放置は不安よ。

 せめてフェンリルが居ないと制御がね」

「僕の手の届かない範囲に放置は不安だしね。

 てか、暴れて大惨事は間違いないだろうしね。

 せめて僕かフィルが居ないとって思う」

「でしょ? 更にここでもうひとつオマケ要素。

 フランも一緒に行きたいと言い出したし」

「勿論! 私も一緒に行くわ!」

 

フランお嬢様が一緒にってなると

確かにフランお嬢様を制御出来そうで

フランお嬢様を日に晒さないで護衛出来る人物。

美鈴さんでも出来るだろうけど

フランお嬢様が暴走したらちょっと危ういかもね。

 

「そして、今回は私も一緒に同行するのも良いかもって

 そう思ってね、と言う訳で私達2人の護衛が出来て

 ある程度の交流を築いて欲しい人物は

 あなた達3人というわけ」

「つまり、僕ら3人を君達2人の護衛にして

 招待状を渡しながら僕ら3人は同時に

 幻想郷の住民達の交流を築いて欲しいと」

「そうよ、フィルは既に受入れられてるだろうけど

 あなた達は実体を見ている住民は少ないし

 一個人としての認識は殆どないでしょう?

 だから、招待状を送るついでにあなた達3人を

 一個人として把握して貰い、交流して貰いたいの」

「あー? 面倒だな、俺達はフィルと一緒が良いんだ」

「僕としては良い案だと思うよ?

 僕らのことを改めて知って貰うにはね。

 

 僕らはフィルのお陰で実体を得る事が出来てる。

 僕らを認識して貰えば手伝いが必要な時も

 僕らが別行動で活動することに障害が無くなる。

 

 だから、フィルが手を離せない仕事をしてる時に

 フィルの手伝いをすることだって可能だしね」

「ま、うちも面白そうだし賛成っすよ!

 そして、うちのパーフェクトさを見せるっす!」

「じゃあ、お前ら2人だけだな」

「いや、君も来て貰うよ」

「何でだよ!」

「折角のチャンスだしね、君の存在を周知して貰うのは

 今後の事を考えても重要な事だ」

「……はぁ、分かったよ、お前がそう言うって事は

 必要な事なんだろうしな」

「およ、意外とあっさり受入れたっすね」

 

確かに、結構駄々をこねるかと思ったけど

凄くあっさりとフェンリルお姉ちゃんの言葉を聞いた。

普段喧嘩ばかりしてるようだけど

やっぱり信頼してるって事なのかな。

 

「そりゃな、俺は馬鹿だからな

 難しい事は良く分かんねぇから

 フェンリルが正しいって思った事を信じる」

「馬鹿って自覚あったんっすね」

「馬鹿って言うな!」

「なんで!? 自分で言ってたのに!?」

「お前に言われるのは気に入らねぇ!」

「どうしてっすかー!」

「はぁ、あまり騒がないでよ、馬鹿2人」

 

2人のやり取りを見ながら、呆れながら呟いた。

でも、テュポーンお姉ちゃんは反応してない。

やっぱりフェンリルお姉ちゃんに言われることには

そこまで大きな抵抗があるわけじゃ無いみたい。

たまに反応することがあるけどね。

 

「……つまり、了承で良いのよね、これ」

「あぁ、でもその前に、フィルはそれで良い?」

「うん、大丈夫だよ、2人の事お願いね!

 あ、でも、攻撃したら駄目だからね!」

「し、しないって、反省したから」

「じゃ、行きましょうか」

「あぁ、ほら行くよ」

「っと、分かった」

「く、首が……首がぁー!」

「ほれ、行くぞ」

「せ、せめて離してー!」

 

最終的にガルーダお姉ちゃんの襟を引っ張り

テュポーンお姉ちゃんとフェンリルお姉ちゃんは

フランお嬢様とレミリアお嬢様と一緒に

台所から出て行った……首、大丈夫かな。

 

「……あなたの姉は、相変わらず騒がしいわね」

「そ、そうですね、まぁ、頭の中で喧嘩されるよりは

 遙かにマシなんですけどね」

「そこそこ苦労してるわね、まぁ、あなたは楽しそうだし

 良いのかしら、じゃ、料理の続きを始めましょう」

「はい! 頑張りますよ! 大量の料理ならお任せください!」

「頼りにしてるわ、フィル」

 

よーし、このまま頑張って料理を作るぞー!

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