能力の解説はやはり必要なのかな。
僕らの能力に関しては
レミリアお嬢様やフランお嬢様が
結構興味ありげにしてる訳だし。
「まずはうちの能力を!」
「いや、その前に僕の能力だ。
君の能力はちょっと面倒だから
テュポーンと一緒に解説しな」
「えー、いや確かにっすよ?
テュポーン先輩の能力と
うちの能力は比べやすいっすけど
先にフェンリル先輩なんっすね」
「あぁ、僕だけ君らの能力とは系統が違う。
だから、まずは僕の能力から話そう」
僕の能力は、この2人の能力と比べれば
正直地味な能力と言えるからね。
まぁ、この2人が異常なだけなんだけど。
「じゃあ、話をしよう。僕の能力は
全てを喰らう能力と言える。
幻想郷風に言えば、
全てを喰らい尽くす程度の能力だ」
「あれ? 何か増えてない?」
「全てを喰う能力はちょっと被るだろ?
だから、幻想郷縁起ではそう書いて欲しい。
正直、あのキョンシーの能力と一緒じゃ
僕としても、ちょっと納得いかないから。
あの能力の比じゃ無いからね? 一応」
あのキョンシーの能力は何でも喰う程度の能力
全てだと、ちょっと被るから
その能力より上だと知って貰う為に
全てを喰らい尽くす程度の能力の方が良い。
「僕の能力は至ってシンプル
その能力名の通り、全てを喰らい尽くすんだ。
例えば魂も食らえるし、神だろうと食らえる。
空間も食らえるし、結界も喰らうことが出来る。
日光とか紫外線だとか、そう言う不可視な物も
容易に食べる事が出来るんだ。
流石に大口を開けて食べるわけでは無くて
指定した物を喰らう空間を召喚して喰う。
後は直接触れた物も喰らうことが出来る。
能力のオンオフは自主的に行えるし
これだけは食べて、これは食べないという
細かい設定だって出来るのが僕の能力だ。
その気になれば、僕は蓬莱人を殺す事も出来る。
要は蓬莱人の魂ごと喰らい尽くして
完全に消し去ることが出来るのが僕の能力だ。
まぁ、輪廻転生からその魂を消すわけだから
出来ればやらない方が良いんだけどね」
蓬莱人がどうなってるのかは一応知ってる。
だから、僕は殺せると宣言できると言える。
神を殺す能力は魂さえ食らい尽くせる。
人間の憧れの象徴を食らえるのだし当然だ。
「勿論、ティルーダ四姉妹で1番弱い僕でも
世界程度は食べられちゃうから油断しないでね」
「……ほ、蓬莱人を殺す…世界を食らえる…
全てを喰らい尽くす能力ですか……
シンプルに聞えて、何て強力な能力……」
「まぁ、僕の規模はこの程度、大した事は無い。
正直、ガルーダとテュポーンと比べれば
大分ちっぽけな能力だから、驚かないでね」
「この規模よりもヤバいんですか!?」
「まぁ、そうッスね、うちらの能力は結構ね」
「そうなのかぁ? 俺はよく分からねぇ」
「……テュポーンの能力も一応僕が解説するよ」
こいつは自分の事を本当に知らないからね。
そこら辺はどことなくフィルと似てる。
いや、フィルとは違うんだよ? うん。
フィルは自分なんて大したことがないと
そう考えてるから知らない。
こいつの場合はそもそも馬鹿だから知らない。
「じゃ、うちの能力解説っすよ!
一応、比較とかはフェンリル先輩が」
「あぁ、ガルーダとテュポーンの能力は
僕がいくらか解説しようと思うよ」
「ふっふっふ、さぁ、ではでは! 聞いて驚けー!
うちの能力は何と! 概念を飛び越える能力っす!」
「こっち風に言えば、全てを飛び越える程度の能力だね」
「概念を飛び越えるって、どう言う…」
「例えば、時間という概念を飛び越える。
空間という概念を飛び越える。
まぁ、そんな感じで色々な要素を
飛び越えることが出来るって事っす。
本気を出せばっすけどね。
普段は能力を無効化してるッスよ!
要は、能力による影響を飛び越えてるって感じ」
「もっと分かりやすく解説をするとすれば
世界のルールの影響を受けないという能力だね。
世界のルールに干渉する能力は多いよね。
例えば、八雲紫の境界を操る程度の能力。
これは、世界に存在してる境界というルールに干渉し
そのルールを自分の好きなように設定できる能力だ。
時間を操る能力も似たような能力と言えるね。
時間というルールに干渉して、自分がこうしたら
時間は止まらないと行けないと言うルールに変えてる。
ガルーダの能力は、そのルールの影響を受けない能力だ。
能力無効化に関しても、相手がこの行動をした場合
影響を受けてしまうと言うルールの影響を受けず
相手の能力に寄る影響を受けないと言う感じ」
実際、中々面倒くさい能力と言えるよね。
「そうっすよ! 例えば、空間というルール
まぁ、境界というルールとも言えるっすけど
うちの場合は、その境界というルールの影響を受けず
1歩も動かないで目的地に移動したり
この時間が経過したら、老けなければならないという様な
時間というルールに縛られることも無く
その気になれば、擬似的に不老不死になったり
過去には干渉できないというルールを乗り越えて
過去に干渉することだって出来るのがうちの能力っす!
他にも相手が触れたとき」
そう言って、ガルーダがニヤニヤしながら
僕に手を向けて来た。
何となく何をしたいのか察して、僕は彼女の顔に
全力で拳を振った。
「っぶな!? 何でそこ!?」
「いや、何かニヤニヤ顔がイラついた」
だがまぁ、僕の拳はガルーダには当らない。
僕の拳はガルーダをすり抜けた。
「ま、まぁ、全身でやってたんでセーフ!
こんな感じで、相手の拳が当った場合
その攻撃に当ってしまうと言うルールを越えて
相手の拳が当ってもすり抜けることが出来るっす」
「おぉ! やっぱり俺と戦え!」
「正し! テュポーン先輩は除く!」
「だから何でだよ!」
「はいはい、それも解説するから」
実際、ガルーダとテュポーンの能力は相性は最悪だ。
だから、ガルーダとテュポーンが戦った場合
ガルーダには一切の勝ち目が無いと言える。
「まぁこんな感じに、ガルーダの能力は
分かりやすく言うと、世界のルールを飛び越える能力だ
つまり、世界のルールに影響を受けない能力」
「な、なる程……もはや規模が異常ですね……」
「でも、あなた結構攻撃を喰らってるような…」
「いやだって、普段からやってたらしんどいッスし
それに、例えば常時発動なんてしてたら
咲夜先輩の能力とかの影響も飛び越えるんで
会話をしてたら周りが止まって暇な事になるっす。
なので、結構オンオフは切替えてるッスよ」
とは言え、最悪の場合は動けるようにしてるんだろうね。
こいつも一応はフィルの守護者だから
フィルに能力の影響で何かあるかもと言う場合に
対処出来るように、能力を調整してるだろう。
「で、次はテュポーンの能力だね」
「おう! 教えてくれ!」
「……まぁ、君の能力はガルーダに近いけど
ガルーダとは根本的に違ってて
その違いによって、ガルーダとは相性が悪く
早々行使してはいけない能力と言える。
テュポーンの能力は言わばルールの破壊だ」
かなり危険な能力である事は間違いない。
恐らく、僕らの中でトップレベルで危険だ。
だが、テュポーンは能力よく分かってない。
「幻想郷風に言えば全てを完全に破壊する程度の能力
少しフランと被るが、
フランのありとあらゆる物を破壊する程度の能力は
物理的に何かを破壊してるのに対して
テュポーンの場合は根本的に破壊する能力だ。
フランの様に目を移動させて物理的に壊す
そう言う、ただ破壊するだけの能力とは違う。
こいつは概念も壊せるし、境界も壊せるし
時間だって壊すことが出来る。
その気になれば、相手の能力を破壊できる」
「ど、どう言う事?」
「例えば咲夜の時間を操る程度の能力。
こいつがその気になれば、
その能力その物を破壊できる」
「はぁ? 何だそれ、さっぱり分からねぇ」
「うん、知ってる」
こんな器用な事がこいつに出来る筈が無いからね。
こいつはそんな器用な事は出来ないから
能力だけを破壊しようとしたら
一緒に能力者も消し飛んじゃうだろうね。
「ガルーダの能力はルールを飛び越える能力と説明した。
世界にあるルールを越えて傍観者になれる能力だね。
能力を使って、こいつが世界のルールの外へ行って
ルールの影響を受けない場所へ移動したとしても
テュポーンはルールその物を壊せるから
世界にあるルールの外側に逃げてるガルーダを
簡単に捉えてぶん殴ることが出来るんだ。
そんな感じの絶対的なルールに
影響を受けないで攻撃出来る。
だから、ガルーダは決してテュポーンに勝てない」
「はい、まさしくその通りっす」
まぁ、厄介なのは破壊することだけど。
「こいつの能力が危険な理由は破壊してると言う事だ。
ガルーダは外に逃げてるだけだから
この世界に影響を与えることはあまり無いんだけど
テュポーンの場合は世界のルールを壊してしまう。
例えばだ、この場所の空間をぶん殴って
博麗神社に繋がるように能力を使って
境界というルールを壊した場合、
この場所は博麗神社に繋がる。
ガルーダの場合は自分1人だけだが
こいつの場合は、後の誰でも行く事が出来る。
問題は破壊してるから、決して修復が出来ない。
例え八雲紫の境界を操る程度の能力でも
その破壊された空間を修復できないんだ。
壊れてしまってる以上、干渉は出来ないからね。
所詮はルールに干渉してるだけなんだからね。
時間でも同じ事が言えるだろう。
時間というルールをこいつが破壊した場合
世界から時間というルールが消えてしまい
世界から時間が消え、グチャグチャになるだろう。
だから、君は能力を決して使ってはならない」
「うわ、俺ってそんなヤバい能力だったのか」
「そうだよ、だから使わないでくれよ?」
「使わねぇって、使うまでもねぇし」
実際、テュポーンの能力は特急レベルで危ない。
フィルにあまり制御をさせてないのもこれが理由だ。
この能力も、フィルにある能力の一部でしか無い。
フィルはこの異常な能力を、更に上の水準で行使出来る。
もっと力の制御が出来るようにならないとね。
「……」
「どうしたんだい? 冷や汗が凄いね」
「そ、そりゃ驚きますよ……」
規模が規模だからね、まさしく世界を破壊できる能力だ。
まぁ、テュポーンは能力使ってないけど。
正確には使えないようにしてる方が正しいが。
暴発しないように制御もしてるとは言え
こいつが意図して使おうとしたらヤバいしね。
「ま、異常が僕らの能力の軽い解説だ。
詳しく説明ってなると、もっと時間掛るけどどうする?」
ひとまず、出されてる冷めたお茶を飲んだ。
うん、お茶というのも悪くないね。
和菓子も食べよう、ずっと喋りっぱなしだったしね。
うん、やっぱり美味いね、この3色団子。
「おっと、今更食べたんっすね」
「解説は僕が主だったしね。
君達は周りの能力を知らなさすぎだ」
「あ、あはは、ひ、否定は出来ないっすね」
「俺は自分の能力すら良く分かってねぇからな」
「はぁ、君の能力が1番危険なんだから
しっかりと理解してくれよ」
「大丈夫だ、使わねぇから」
「ん、それが1番だよ」
フィルが上手く能力を扱える様になれば
もっと色々と出来るんだろうけどね。
まぁ、今のままでも十分優秀だが。
「しかし、なる程……紙が足りませんね」
阿求の周りには何枚もの紙が転がってる。
あれだけ色々と記入してたら、そうもなるか。
「中々興味深い話だったわね」
「うん、何かよく分かんなかったけど
とりあえずテュポーンの能力は
私とそっくりと言う事は分かったわ」
「いえ、あなたとあいつの能力は格が違うわよ」
「知ってるよー、でも少し似てるって事でしょ?
それなら、私も頑張ればそうなるのかしら」
「いや、その域まで頑張る必要は無いわよ、うん。
今のままで十分というか、
今より能力強化しないで」
「えー、なんでさー」
「破壊の最終型がテュポーンだと考えれば
もうそれは、鍛えるべきじゃ無いのよ、うん」
「だな、破壊ってのは危ねぇみたいだしな」
「むー、ちょっと残念ね」
……正直、フランに向上心は止めて欲しいね。
今の状況だとかなり強化されかねないからね。
テュポーンに近い能力が増えるのは勘弁だ。
「じゃ、話はここまでね、宣言通りの時間よ」
「あ、そうですね、いつの間にか…」
「じゃぁ、これ」
そう言って、レミリアお嬢様が招待状を渡した。
「あ、私にもくれるんですね」
「えぇ、久しぶりに開催するからね。
忙しいかも知れないけど、気が向いたら来なさい。
それと、もう2枚も渡しておくわ。
これは、小鈴に渡しておいて
後1枚はあの寺子屋のハクタクね
どうせ、会う機会があるんでしょうしね」
「えぇ、分かりました」
「じゃぁ、私達は行きましょ。
さて、かなりの寄り道だけど
あの半獣に会いに行きましょうか」
「はーい!」
じゃ、次はもふもっふだね。