東方半獣録   作:幻想郷のオリオン座

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騒がしい準備期間

変なのに好かれて少々面倒だ。

しかしながら、こいつを連れては

ちょっと良くないと判断した僕達は

こいつを紅魔館に一旦運んだ。

 

「ったく、面倒な」

「まぁ良いじゃ無いの、散歩よ、散歩。

 私達としても大手を振って

 日の下を歩けるというのも悪くないわ」

「もう軽く日が掛けてるような気もするがな」

「ばーう」

「人の背中に乗ろうとするな」

 

あの面倒なのに絡まれながら

僕達は紅魔館へ到着する。

 

「おや、もう招待状は届け終わったのですか?」

「いや、そう言うわけじゃ無くてね」

「この狼を預けようと思ってさ

 流石にうっとうしいから」

 

ひとまず、背中に乗ってる狼を掴み

無理矢理引き剥がして美鈴に渡す。

 

「な、何故狼を?」

「例の半獣の店に行ったら渡されたのよ。

 ペットが居ても良いかとは思ったんだけどね。

 とは言え、この子を連れて動き回るのは

 正直、邪魔だから連れ帰ったの」

「なる程」

 

美鈴は笑顔でその狼を撫でる。

あの狼も少しだけ満足そうに見えた。

 

「では、私達で少し面倒見ますね」

「えぇ、それじゃ、また行ってくるわ」

「はい、お気を付けて」

 

そんな会話をしてると丁度頭上を

魔理沙が笑顔のまま突進していった。

 

「げ! 魔理沙さん!」

「はは! 一番乗りだぜ!」

「あ、あんな感じで突撃してくるんっすね」

「っと」

「な!」

 

そんな会話と同時に魔理沙の目の前にフィルが現われた。

一瞬で姿を見せたけど、流石に早いね。

 

「魔理沙さん、まだ準備中ですよ」

「ふぃ、フィル、な、何故私が来てることに!」

「いや、気配を感じたので咲夜さんに話をしたら

 魔理沙さんをぶちのめして来いと言われたので」

「ぶ、ぶちのめすのか!? 私を!?」

「い、いえ、命令されたとは言え

 流石にぶちのめすことはしないのですが

 まずは交渉をしようかと思って」

「どんな交渉だ?」

「はい、大人しく帰って下さい。

 このまま戦うってなると

 私としても時間が掛ると困りますしね。

 時間が掛ると咲夜さんの負担が増えます」

「ははは! 私にはあまり関係無いぜ!」

「……分かりました、では、任務を遂行します!」

「え!?」

「咲夜さんの命令にもうひとつあります。

 あっさりと帰らない場合はぶちのめした後

 お望み通り、厨房に連れてこいと言われました!

 時間が掛るので、手を増やしてこいと!」

「げ! は、はは! いや、急用を思い出し」

「覚悟ー!」

「く! 仕方ないぜ! 容赦なく迎撃だ!

 喰らえ! マスタースパーク!」

 

フィルの宣言の直後に魔理沙がマスタースパークを放つ

フィルはその攻撃を全て結界で受け止めた。

 

「げげ!」

「正直、結界を使うまでも無いのですが

 やはり弾幕ごっこの関係上

 被弾したら駄目ですからね!

 行きます! 見よう見まねのマスタースパーク!」

「え!? 待てフィル! それはぁ!」

「ちぇりゃー!」

 

フィルが特に道具を使うことも無く

掌からマスタースパークに似た攻撃を放つ。

だがまぁ、あれはマスタースパークレベルじゃ無いね。

魔理沙の攻撃の10倍以上の範囲あるけど。

 

「ちょ! 無理だろ! 避けられ、うわー!」

 

規模が規模である為、魔理沙は避けられずに

フィルが放ったマスタースパーク擬きを受けた。

少しして、魔理沙はボロボロの状態で姿を見せる。

 

「うぅ……し、死ぬかと思ったぜ…」

「大丈夫です、手加減したので! では!」

「え!? ちょ、ちょっと待てフィルー!

 ゆ、許してくれー!」

「いえ! 命令なので!」

「うわー! 変な事するんじゃ無かったぜー!」

 

そのままフィルはボロボロの魔理沙を引っ張り

館の中へ帰っていった。

 

「流石はフィルとしか言えねぇな

 あれで手加減したんだよな」

「まぁ、本気だったら魔理沙は吹き飛ぶだろうしね」

「本気でする訳無いだろうけどね、フィルだし」

 

とは言え、手が増えたようで僕も安心したよ。

 

「あんな風に手を増やすのであれば

 客が来れば例外なく引き込めば良いわね」

「咲夜さんが苦労すると思うのですが…」

「確かに制御が大変そうよね」

「でも、フィルちゃんが居るッスし

 意外とどうにでもなるんじゃ無いッスかね?」

 

まぁ、フィルは結構制御するのが得意だしね。

妖精達を指示することが出来るわけだしね。

でも、フィルの負担が増えるのは僕達としても

あまり好ましい状況じゃ無いからね。

 

「駄目だよ、フィルが苦労する」

「それもそうだなぁ」

「ふむ、確かに言えてるわね。

 とは言え、そこはフィルと咲夜に任せましょう。

 とりあえず私達は招待状を配りましょうか」

「分かったよ、お嬢様」

「あなたがそう言うと、まるで執事みたいね」

「確かにフェンリル先輩はどっちかというと

 結構中性的な声色っすからねぇ

 うちはこーんなに可愛らしい声だというのに」

「僕よりテュポーンの方が男っぽいと思うけどね」

「テュポーン先輩はどっちかというと姉御声っすよ。

 こう、自分の事をあたいとか良いそうな」

「そんな風に言うわけねぇだろ」

「実際、声が1番可愛らしいのはフィルとしても

 その次に声が高いのは、まぁ君だしね。

 で、次は僕で、1番声が低いのはテュポーンかな」

「声色なんて興味を持ったことはあまり無いわ。

 でもそうね、実際フィルの声は可愛らしいわね。

 まさに女の子って声よ、フラン程声は高くないけど」

「私、そんなに声が高いかしら」

「えぇ、高いわ」

 

声の高さがあるのだとすれば、紅魔館の中じゃ

1番高いのはフランでその次はフィル。

次はレミリア、で、小悪魔、パチュリーかな。

そして、美鈴、ガルーダ、咲夜、僕、テュポーンかな。

正直、そこまで正確に別けてはないけどね。

 

「ふーん、でも私はそこまで興味無いかも。

 それよりもほら、早く招待状届けに行こうよ」

「そうね、あまり必要な情報では無いからね。

 じゃあ、美鈴、門番の仕事はしっかりなさい。

 最終的に手伝ってる奴が多ければ多いほど

 あなたが仕事をしてなかったという証拠だからね?」

「だ、大丈夫です、はい、しっかりこなしますので」

「眠らないようにしなさいよ?」

「は、はい」

 

美鈴が少しだけ冷や汗を流しながらも

笑顔を見せて、レミリアの言葉に答えた。

ま、証拠があるってなると頑張らないとって思うよね。

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