東方半獣録   作:幻想郷のオリオン座

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鬼と吸血鬼

さて、しばらく動き回った。

永遠亭へ行ったり、命蓮寺へ行ったりと

中々に広範囲を動き回る事になった。

そして、最終的に向ったのは地霊殿。

1番招待したい相手は1番最後に向うという

レミリアお嬢様の考えらしい。

 

「1番来て欲しい相手は古明地姉妹なんだ」

「えぇ、何度も話をしてるからね。

 こいしの方もフランと仲良くしてるし

 私としても、さとりと仲良くしてるわ。

 当然、お互いフィルのお陰で

 姉妹仲が改善された訳だしね」

「うん、こいしちゃんとは結構話が合うんだよねー」

 

まぁそうだよね、結構あの姉妹は紅魔館に来てたしね。

紅魔館の外でレミリアお嬢様達が1番仲良くしてるのは

当然、あの姉妹だって言うのは分かるよね。

 

「おっと、今日も来たのかい」

 

地底に降りて勇義が僕達の前に姿を見せる。

手にはいつものデカい盃があるね。

 

「あら、あなたはいつもここに居るのね」

「あぁ、私はここに住んでるしねぇ」

「おやおや、これまた珍しい客人だねぇ」

 

今度は萃香が姿を見せたね。

まぁ、あの鬼2人はつるんでるみたいだしね

 

「萃香だったか、両方鬼だったか?」

「そうだよ、私らは鬼だよ」

「鬼ってのは確かだ、幻想郷じゃ最強なんだろ?

 幻想郷の中でも最強の種族。

 この地底にゃゴロゴロ居る見てぇだから

 片っ端から戦いてぇ気持ちはあるが

 その中でも、お前らはマジで強いとか」

「前もフェンリルに伝えたとは思うが

 そりゃ、私らは強いんだけど

 流石にあんたらと比べりゃ見劣りするよ」

「どれだけ密度を操ったところで

 あんたらにゃ、全く効果は無いだろうしね」

「まどろっこしい話は抜きでだ

 拳1つでやり合おうぜ!」

「駄目駄目、勝負にならないから」

「そうよ! それよりも私と勝負しなさい!」

 

フランが滅茶苦茶な笑顔で勇義を指差し宣言した。

そう言えば、前に来たときに言ってたね。

 

「今日は黒い水とか関係無いし

 そこまで急いでるわけでも無いわ!

 後は最後の招待状を渡しに行くだけだし!」

「あっはっは! 面白いねぇ、お嬢ちゃん!

 でも残念ながら、吸血鬼と鬼とじゃ

 格ってのが違うんだよ?」

「む! 聞き捨てならない台詞ね。

 本来なら落ち着けと伝えるけど

 そんな風に挑発されたら退けないわね」

「お? やる気かい? お嬢さん達」

「勝負よ!」

「はは! 面白いじゃ無いか!

 どんなルールで戦う?」

「2対2で勝負よ! 体力勝負!」

「弾幕ごっこじゃ無きゃ勝てないと思うけど?」

「あら、私達と戦う時に

 弾幕勝負じゃ無きゃ、あなた達に勝ち目が無いと

 そう白状するとは素直な物ね」

「はは、良いじゃ無いか、気に入った!

 じゃ、堂々と戦おうか!」

 

そう言って、勇義が盃に酒を入れる。

萃香もその行動を見て、同じ様に盃に酒を入れた。

 

「じゃ、勝負しようか」

「待ちなさい、何故盃に酒を入れたの」

「ハンデだよ、盃の酒が溢れたらあんたらの勝ちだ」

「ハンデ? ふふ、今から負けたときの言い訳かしら」

「ハンデなんて出来ない位に楽しませてあげるわ!

 あ、私はハンデで能力使わないであげる!」

「惨めに負けさせてやるわ!」

 

そんなノリで、あの4人の戦いが始まる事になったが。

 

「……何でだよ-! 俺も戦わせろー!」

「戦いというのは意外と互角な方が面白いから」

「そうっすよ、そんなに好戦的にならないで欲しいッス」

「じゃぁ! テメェが俺と戦え!」

「何度も行ってるッスけど! うちとテュポーン先輩は

 相性最悪っすからね!? 最悪っすからね!?

 勝負にならないッスからぁ!」

「うるせぇー!」

「のわー!」

 

テュポーンの拳から爆音が響く。

その攻撃はガルーダを捉えてた様に見えたが

一切当ることは無くすり抜けた。

 

「テュポーン先輩! ステイ! 待って下さいッス!」

「もうなんか戦いてーんだよぉ!

 ずっとフィルが戦ってる所を見てて

 俺は滅茶苦茶うずうずしてるんだ!

 派手に動きてぇ! 手伝えガルーダ!」

「待って下さいっすよー!

 てか! 何でうちばかり!?

 ふぇ、フェンリル先輩は!?」

「フェンリルが怪我したら困るだろ?」

「うちは!?」

「お前は怪我しても大丈夫だろ」

「何でー!」

「あ! 待ちやがれ! 手伝えー!」

「ヘルプ! フェンリル先輩ヘルプ!」

「テュポーン、とりあえず攻撃当てるだけだ。

 ガルーダは避ける事を考えな。

 あの4人の決闘が終わるまでに

 テュポーンの攻撃が当ればテュポーンの勝ち。

 ガルーダが逃げ切ればガルーダの勝ちで良いだろ」

「それなら何とか!」

「ち、仕方ねぇ、それで我慢する! 勝負だー!」

「よ、避けきってやるっすよ!」

 

何故か喧嘩が始まるわけだが…

これ、どっちを見た方が良いかなぁ。

面白そうなのはガルーダとテュポーンの方だが

僕が興味あるのはあの4人の戦いだ。

 

特にフランとレミリアの動きに興味がある。

テュポーンとガルーダは大体結果は分かるし

その結果に対し、大した興味も無いが

あの2人が戦う方は結果にも過程にも興味がある。

 

「はは! 向こうも面白そうだねぇ」

「あの2人の戦いに多少の興味はあるわ。

 でも、フェンリルは私達に興味ありそうね」

「あぁ、僕は君達4人の戦いに興味があるんだ」

「何故だい? どう考えても見応えは

 あの2人の方があるだろ?」

「は、早く戦ってー!」

「逃げ足はえーな!」

「そりゃ逃げないと死ぬッスし!?」

 

あの2人がとんでもなく素早い戦いをしてる。

 

「おらおらおら!」

「ひぃ! は、早く戦って下さいッス!

 知ってるッスか!? テュポーン先輩は

 スロースターターなんっすよ!?

 少しずつ攻撃が速くなるんっすよ!?

 長期戦はうちが不利っすよ!?」

 

正直、もうすでに殆ど見えないけどね

あの2人の戦いの方は。

ガルーダとか全身動いてるから

分身してる様に見えるしね。

多分だ、僕以外の視線じゃ見えないだろうね。

フィルは全部見えそうだけど。

 

「……あの戦いと比べれば私達は前座にもならないわね」

「まぁ、次元が違うからね」

「良いから戦ってーっぶな! ぶなぶなぶなぁ!」

「楽しい! 楽しいぜガルーダ! そらそらおらおら!」

「死ぬー! 死ぬ死ぬ死ぬー! 速く戦ってー!」

「……まぁ、やろうか」

「そ、そうね」

「意識が逸れそうだから隠すね」

 

僕は能力を用いてあの2人の姿を隠した。

そして、あの2人が発する音も完全に消した。

 

「これで集中出来るだろ? さ、楽しんでよ」

「便利ね、あなたの能力」

「全てを喰らい尽くす能力は応用が利くのさ。

 音も喰えるし光りを喰らうことも出来る。

 あの2人がやり合ってる光景の遮断も朝飯前だ。

 だからほら、速くやって欲しいね。

 ガルーダが死ぬから、いや、別に

 あいつは死なないだろうけどさ」

「大変そうだしね、じゃ、やりましょうか」

「そうだねぇ、楽しませてくれよ? 吸血鬼ちゃん」

「それはこっちの台詞よ! 簡単に壊れないでよね!」

「威勢が良いねぇ、そう来なくっちゃ!」

 

さて、レミリアとフランがどうなってるか。

それを観察する良い機会だ、楽しみだよ。

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