正直、幻想郷のルール的に
2対1ってのはどうかとも思うが。
正直、僕達を止めようとしてたときって
どう考えても多対1だったし
案外、そこら辺は柔軟に動いてるんだろうね。
今回も完全にただの戯れだし大丈夫か。
……こいしが初手不意打ち噛ましてたけど。
いやまぁ、向こうも死なないだろうし大丈夫だろうが。
「キャハハ!」
「アハハ!」
「ふん! 無駄だ!」
フランのレーヴァテインを避けて
こいしのバラ弾幕を先割れスプーンで弾いた。
向こうも弾幕ゴッコでやるつもりは無いらしい。
相手の弾幕を破壊すること前提の戦いだろうね。
「ふふ、良いわね!」
楽しそうに笑いながら、
フランがレーヴァテインを振り下ろすと同時に
4人に分身した。フォーオブアカインドか。
「キャハハ! 楽しんでね! 饕餮!」
「リンチって楽しー!」
「やりすぎは駄目だと思うんだけど」
「構わない! 暴れろ暴れろ!」
あの3人は人格違うような気もするよね。
姿はそっくりだけど、まぁ少し特殊なのだろう。
「……これ、うちらも出来るのでは?」
「フィルがスペカ宣言して
同時に俺たちがバーンと出てきて
一斉にリンチするのか、良いな!」
「や、やめなさいよ、相手が可哀そうよ……」
「正直、フィルなら普通に分身出来るだろうね」
「フィル4人に抱き着かれるとか天国だろ」
「私もたまにフラン4人に絡まれるわ。
正直言うと、ちょっと混乱するわよ」
「絡まれるのか、どういう時に?」
「遊んでほしいときに絡まれるわ」
「後はプリンを食べて怒られる時ね」
「言わないで」
未だにたまにフランのプリンを食べてるんだ。
まぁ、それでも仲がいいなら良いんだけどね。
「おいおい! 数的にお前ら有利なのに
さらに増えるのか!?」
「あらあら、流石に5人は無理かしら?」
「んだよ、口だけかよ」
「残念だね、口が達者なだけなんて」
「そうだよね、雑魚相手にかわいそうだよね」
「馬鹿にするな小娘どもがぁ!
たとえ5人だろうと10人だろうと余裕だ!」
最後のちょっと控えめなフランが
滅茶苦茶自然に相手を貶してやがる。
あのフラン達はフランの感情の分身かもね。
「キャハハ! もっとよけなさい!」
「く! 舐めるなよ! 貴様の弾幕なんざ一口だ!」
飛んでくる弾幕を捕食しながら対処してるね。
弾幕の密度的にはフィルも受けてたし
正直、フィルに仕掛けてた方が過激だった。
どうやら、流石に手加減してるらしいね。
フィルの時は容赦なく合わせ技で
レーヴァテインもぶんぶんしてたのにね。
「あら、避けないのね」
「ふん! 避けさせる気がないくせによく言う」
「フィルは避けるわよ? やっぱりフィル以下ね」
「フィルと比べるのは可哀そうだと思うけど」
「当然だ、あいつは全員で斬りかかっても
平気な顔で避けるんだ!
こんな雑魚と比べるのは論外だ!」
「まぁフィル以下なのは当然だけど
フェンリル以下なのも当然だし」
「避けてやらぁ!」
饕餮、簡単に挑発に乗りすぎじゃ?
「フェンリルさんに対抗意識があるんですね」
「そりゃ分かるけどね」
フラン達の挑発に乗って避けるのをメインにしてるけど
流石にね、避けることが出来てないね。
あの弾幕を余裕で避けるのはやっぱり巫女とか魔法使いとか
そこら辺の避けるのが得意な連中じゃないと苦戦するか。
いや、今の密度的にはあの2人でも苦戦しそうだが。
「くぅ! この程度の事で饕餮様が敗れるか!」
「あら、頑張るわね」
「お? 攻撃を止めただと? 馬鹿にしてるのか!?」
「そうじゃないよ? だってほら、聞こえるでしょ?」
「もしもし、私メリーさん」
「ッ! この!」
饕餮が振り向いて先割れスプーンを振ったが
そこにはこいしは居ない。正直気付けばよかったと思う。
何でフランが攻撃を止めたのか。
「さっきまで、あなたの目の前にいたの」
「な、ぐは!」
当然、こいしが居たのは饕餮の目の前であり
こいしの声に過剰反応して背後を攻撃したことで
こいしが饕餮の背後に立つことになり
こいしは饕餮を弾幕で攻撃した。
周囲に展開するバラの弾幕だ。
「クソ!」
即座に振り向き、こいしの方を向いた饕餮。
こいしは笑顔を見せながら、
自身に触れた弾幕をバラの様に変化させながら
ゆっくりと後ろに下がり
饕餮から見えない様にバラに包まれながら消えた。
「消えやがった! クソ! なんだあの能力!」
「キャハハ! じゃ、次!」
禁弾「スターボウブレイク」
分身たちを消して、普段通りの弾幕を展開した。
饕餮に雨の様に降らすカラフルな弾幕。
密度はさっきと比べれば大分薄い。
「急に密度が減ったな!」
「だって、本気でやったら避けられないでしょ?」
「はん! この饕餮様を侮るな! 本気で来い!」
「なら、こうやって上げるわ!」
持ってる杖を弓の様に構えて、饕餮に向かって放つ。
周囲から降ってくる雨の様なカラフルな弾幕に
レミリアのスカーレットマイスタの様な
大粒弾幕を先頭とした弾幕が放たれた。
その弾幕を饕餮は避けるが
周囲から降りてくる弾幕にも苦労してる。
「くぅ!」
「まだまだ行くわよ?」
今度は2列の弾幕が放たれ、再び行動を阻害。
饕餮はギリギリでその弾幕を避けるも
「これならどうかしら?」
3列に増えた弾幕に対処することが出来ず
避けるのをやめ、弾幕を消すことを選ぶ。
「あら、避けきれなかったのね」
「クソ! 避けさせる気がないのか!?」
「フィルなら避けるわよ?」
「うぐ!」
実際、フィルなら余裕で避ける弾幕だろう。
何なら、フィルはあの弾幕攻撃を
フォーオブアカインドと合わせて放たれても
結構余裕で避けるだろうしね。
実際、あれよりもレーヴァテイン重ねられる方が
避けるのつらいだろうが、フィルは避けるし。
「この!」
「もしもし、私メリーさん」
「なんだよ! また背後か!」
「今、フランちゃんの隣にいるの」
「な!」
「行こうか! こいしちゃん!」
「うん! 合体技楽しそうだし!」
「合体技だと!?」
「行くよ」
「嫌われ者の解放者」
周囲に展開された弾幕がゆっくりと降りてくる。
姿を隠したこいしに触れた弾幕はバラの様になり
姿を隠したフランに触れた弾幕は破壊されてる。
フランは弾幕を破壊しながらも、不定期に
周囲に小さな弾幕を展開してるな。
フランの弾幕が通った場所の
他の弾幕は破壊されてる。
2人はゆっくりと動き回り、片方は弾幕を破壊し
片方は弾幕をバラの様に変質させる。
こいしスペルカードである
嫌われ者のフィロソフィに非常に似ているが
そっちはこいしの周りに近づけば弾幕が当たる。
だが、このスペルカードは
こいしの周りに近づける瞬間が2つあった。
それは、フランが放った弾幕が
姿を消したこいしの前を通った時と
透明のこいしにフランが触れた瞬間だ。
その瞬間は周囲に展開された弾幕が
フランによって消えるため
問題なく透明になったこいしの近くにたどり着ける。
だが、下手に近づくと
フランが周囲に展開する弾幕に当たって
被弾してしまうような弾幕だった。
その弾幕を即座に避けられる人物であれば
その瞬間に2人に接触できるだろうね。
その人物はさぞ避けるのが得意なのだろう。
少なくとも僕は何人かそういう人物を知ってる。
「ふん、緑の奴に近づかなければ余裕だな!」
しばらく動いた後、今度は2人が中央付近に移動。
そこで二人がお互いに何度か場所を交代しながら
カゴメカゴメの様に相手を隔離する弾幕を展開。
カゴの部分であろう、四角い空間は
カゴメカゴメよりも小さくも、少し隙間があった。
そして、2人から放たれた弾幕が通った場所に
最初と同じようにバラの弾幕へと変質する。
あの弾幕が通った場所に待機していれば
バラの弾幕により被弾してしまうだろう。
この弾幕の一番安全な場所は
フランとこいしが居る場所ではあるが
即座に放たれる弾幕を避けなければ
その安全な場所に待機は出来ないだろう。
そこに待機できないのであれば
弾幕が放たれて到達する前に
隙間を縫って弾幕を避けていくしかない。
「面倒な弾幕だな!」
饕餮は後者、距離を取って避ける選択をする。
正直、この場面で前者を選ぶのは
避ける自信があるフィルか霊夢達だけだろう。
推測だが、フィルは即決で前者を選ぶだろうね。
「よし!」
3段階目、今度はこいしとフランが距離を取り
最初と同じような動きを始める。
ただ違うのはフランが放つ弾幕が
恋の迷路の様に周囲を振り回すような
薙ぎ払う弾幕になった事だ。
先端は大玉の弾幕で、それ以外は小粒の弾幕。
右回転、左回転、右回転、左回転。
周囲に展開されてるこいしの弾幕を避けながら
フランが放つ振り回し弾幕を避ける。
当然、こいしに触れたこいしの弾幕は
バラの様に変化し、フランに触れたこいしの弾幕は
同じように破壊されてるが
フランが放った弾幕はこいしの弾幕を殆ど破壊しない。
唯一こいしの弾幕を破壊するのは最初の大玉弾幕。
大玉弾幕に触れたこいしの弾幕は破壊されるが
そこはフランの弾幕が通るのだから効果は無い。
正直言うと、容赦のない密度の弾幕であり
この弾幕を避けれるのはやはりフィルか霊夢レベルだ。
一番安全な解決策はフランの周りで避ける事。
フランの振り回す弾幕を追いかけるように回りながら
フランから離れない様に行動する必要がある。
この動作が出来れば対処は可能だが
距離を取るとこいしの弾幕に被弾する。
他の選択肢として、距離を取ってこいしの弾幕を避け
結構な密度があるフランの振り回し弾幕を避ける事。
しかしながら、密度も相当だし
透明になったこいしが動き回ってるため
この動きで逃げるのは難易度が高いだろうね。
「くぅ!」
饕餮は接近を避け、弾幕を喰らう事で無力化。
実質、この弾幕を避けることを放棄した。
フィルならば余裕で避けてくるだろうが
これが実力差だろう。
「おしまい!」
「うぐ!」
最後に2人が中央で合流して手をつなぎ姿を見せ
同時に周囲の弾幕を
一斉にバラの弾幕に変化させた。
この攻撃に対する回答はただ一つ。
最後の合流までに2人に接近することだ。
距離を取っていれば、それで確実に被弾する。
結果、距離を取ってた饕餮は弾幕に被弾した。
「馬鹿な!」
「私たちの勝ちね!」
「何言ってるんだ! まだ私は動ける!」
「あら、じゃあやっぱり破壊かしら」
「そうかもね、破壊がいいかもしれない」
「まぁそこまででいいんじゃない?」
「フェンリル!」
「饕餮、今回はこれでいいんじゃない?
楽しめたでしょ? 多分」
「ち! まぁいい、
今回はフェンリルに免じて撤退してやる。
だが、次は必ず私が勝つ!」
結構あっさりと饕餮は僕たちの前から姿を消す。
「あら、帰ったわね」
「破壊するよりは良いんじゃない?」
「そうね、ま、いくらか楽しめたわ。
あなたたち、合体スペルなんて考えてたのね」
「そうよ! フィルと遊ぶ時に使おうかと思って
でも多分、フィルなら避けるだろうけど」
「だろうね」
むしろ、フィルだからこそ避けられる弾幕に近い。
ま、2人はフィルを結構意識してたんだろう。
無意識に近いのかもしれないけどね。
「まぁ、仲の良い弾幕で、見てて楽しかったわ」
「ありがとう!」
「えぇ、頑張ったわね、こいし」
「ありがとうね、お姉ちゃん」
こいしとフランがハイタッチをした。
ま、僕も見てて少し楽しめたし良いかな。