東方半獣録   作:幻想郷のオリオン座

43 / 245
超火力弾幕

「行わよ、最初はこれ!」核熱「核反応制御不能」

 

いきなりスペルカード宣言!? それに、なんか超デカい弾が!

その超デカい弾を四方に飛ばしてきてるし!

しかも、何だか小粒の弾幕が!

 

「ひゃぁあ!」

 

あぁ! 足下に弾が当たったら、地面が消えたような…え!?

あ、あれ!? え!? あれぇ!? これ、当たったら死ぬんじゃ!?

 

「ホラホラ!」

「ひぎゃぁあ!」

 

足下が! 足下にドンドン大穴が! 当たったら死ぬ!

しかも、当たったらこれ溶ける!

当たった地面は抉れるというか溶けてるし!

死ぬ! 当たったらチリも残らず溶けて死んじゃいそう!

 

「うぅ、で、でりゃぁ!」

 

私はその大玉を回避しながら、隙間を縫って弾幕を当てた。

なんとか当たってる、そんなに強力ではないけど行けるはず。

 

「な、中々避けるわね、案外出来る感じ? 面白い」

「お空、あれ、弾幕の手加減してる様には思えないけど…

 所でおねぇさん、空は飛ばないのかい?」

「無理です! 私、空飛べな、おわぁ!」

「でも、空を飛ばないでよくこの弾幕を回避出来るね」

「いや! ちょ、ま、あばぁ!」

 

う、うぐぅ、だ、弾幕の一撃一撃が強力…当たれば即死しそう。

と言うか、擦ったとき超暑い! 服が焼けちゃったりはしないけど

こんなの、擦った場所が悪かったら服が燃えるんじゃ無いかな?

ぎ、ギリギリで避けるのは止めておこう…死にたくないし。

 

「くぅ…そ、そこ!」

「うぐ、ふふ、やるじゃない、じゃあ、次!」爆符「ペタフレア」

「お、おわぁあ!」

 

今度のスペルカードは馬鹿でかい弾幕を飛ばしてきて

こちらに向かってくるにつれて、弾幕が小さくなっていく。

ただ、巨大な弾幕に隠れて、小粒弾幕が飛んで来ている。

弾幕が小さくなったところでようやく隠れた弾幕が見えてくる。

でも、見えた瞬間に回避すれば問題無いし、あの巨大弾幕も

……私の背後でやっぱり馬鹿でかい爆音が聞こえた。

少し焦りながら背後を見てみると、さっき以上に地面が…

も、もしかしてあれ、小さくなった弾幕…エネルギーを凝縮した感じで…

威力、さっき以上にヤバかったりするの? 当たったらヤバい!

 

「あはは! どう? 楽しいでしょう?」

「いやいや! 火力が! 火力が凄まじいんですけど!?

 避けてる立場的にはかなり厳し、危なぁ!」

 

くぅ! あの巨大な弾幕をマシンガンみたいに連続で撃ってくるなんて。

巨大弾幕が重なり、弾幕を見るのが難しい。

うぅ、強い光に隠れて、小さな光りが見えないような感じかな。

でも、見えた一瞬で避ける事が出来る!

 

「そ、そこ!」

「ふふ、まだまだ!」

「危ない!」

 

私は自分の目の前に来た弾幕をバックステップで下がり、回避した。

でも、回避した後に小粒弾幕がこちらに向かって飛んで来た。

この状態でバックステップは出来ない、私はバク転をしてその弾幕を回避。

でも、間髪入れずこちらへの攻撃、その攻撃はサイドステップで回避。

その時、お空さんを狙える隙間が空いた。

私はそこを狙い、弾幕を放つ。 そんな風に攻撃を回避しながらの攻撃。

こんな風に動けば問題無く攻撃をすることが出来るはず。

この攻撃は、そこそこ安定して回避出来るようになった。

 

「中々やるわね、でも、まだまだ!」焔星「十凶星」

「え? 危ない!」

 

スペルカードが宣言された直後、巨大な弾幕がお空さんを中心に展開。

更に、私を横から殴ってくるように巨大弾幕が回転している。

この弾幕を…か、回避…するには……回避するには…あの巨大弾幕の間!

そこしかない! 外に居てもあの巨大な弾幕は回避出来ない!

かといって、前まで行くと振り回す巨大弾幕に当たる。

だから、巨大弾幕と巨大弾幕の隙間…あそこしかない!

 

「そ、そこだぁ!」

 

よ、よし、な、なんとか巨大弾幕を回避出来る。

 

「へぇ、そこを見付けた訳ね、でも、それだけじゃ無駄よ!」

 

くぅ、た、ただでさえ熱いのに、更に小粒弾幕がこちらに飛んで来た。

こ、この熱い中で我慢して、あの弾幕を回避しないと行けないなんて。

と、とにかく攻撃しないと駄目だ!

時間が経てば私が熱さでへばっちゃいそうだし…とにかく攻撃!

時間が経てば不利になるなら、速攻で勝負を決めないと!

…じゃあ、スペルカードを使ってみるのも良いかも知れない。

熱いのは苦手だし、速攻で勝負を決めるためにも!

…でも、何回くらい宣言できるのかな? でも、長期戦は不味いから

少なくとも1枚くらいは使えるはず…よ、よし!

 

「ここは短期決戦です!」束縛「小さな鎖」

「な!」

 

私がスペルカードを宣言すると、周囲の弾幕が一気に消え去り

四方八方からお空さんをめがけて鎖を模した弾幕が出てくる。

その弾幕はお空さんの両手両足を拘束、どうにも巻き付くように弾幕が絡みつく。

よく分からないけど、宣言したらこんな弾幕が出て来た。

やっぱり解決側と攻撃側だと同じスペルカードでも雰囲気は違うんだろう。

 

「はぁあ!」

「くぅ!」

 

その状態で私は爪に見立てた弾幕を3回お空さんに向けて攻撃する。

その後、拘束していた鎖は消え去り、お空さんは自由な状態へ戻る。

 

「はぁ、はぁ、これがあなたのスペルカード…面白いわね! でも、まだよ!」「ヘルズトカマク」

 

今度はお空さんが何だか小さいゆっくりとた中サイズの弾を上下に出した。

そして、その弾がお空さんの背後、私の背後へ飛んでいくと爆発。

あの中サイズの弾が一気に超特大の弾に変化する。

 

「うわぁ!」

 

変化した直後、ちょっとした爆風のような物を感じ、少しだけ体勢が崩れたけど

転けることはなく、なんとか体勢を整える。

そんな事をしている間に、あの弾は巨大化し、中でいくつもの弾が発生しているのが分かった。

だけど、しばらくはその弾は出て来なかったが、ある程度時間が経つと

弾が超巨大弾幕の外へ出て来くる。

こうなってくると、上下にある超巨大弾幕との間で回避しないと行けない。

上下への超巨大弾幕、その弾での行動制限からの攻撃…くぅ、キツい。

お空さんのスペルカードは何だか全て火力に物を言わせている感じだ。

 

「避けられる?」

「な、舐めないでくださいよ、こ、これ位なら、と、とと」

 

小粒弾幕の密度はそこそこ高い、でも、上下から円形状に直進することしか出来ていない弾。

その事から、弾道を計算して、回避が容易になる部分で回避をする。

その回避中にお空さんの位置を把握して、攻撃を仕掛ける。

やっぱりこう言うタイプの弾幕は短期決戦じゃないと、熱い。

 

「私の弾幕が全く当たらない…擦りもしないなんて…」

「擦ると服が焼けちゃいそうですし」

「くぅ、本当に逃げ足が速い…だったら! 引き寄せて殴る!」「サブタレイニアンサン」

 

スペルカード宣言と同時に、周囲を包むように小粒弾幕が張り巡らされた。

私の周りには弾幕は出て来ていないけど、完全に囲まれている状況だ。

ここから何をするつもり? 

 

「はぁあ!」

 

力を込める声が聞こえると、周りが振動を始める。

何をしようとしてるの? ここから、一体何を!

 

「な、お、おぉ!」

 

お空さんを中心にあの巨大な弾幕が出て来たと思うと、私はその弾幕に引き込まれそうになる。

それだけでもかなり不味いけど、周囲の弾幕も同じ様に引き寄せられるように動き出す。

この攻撃を回避するにはこの引き寄せる力に対抗しながら、背後の弾幕を回避しないと行けないのか。

正面にばかり注意が行きすぎても駄目、背後に注意が向くと距離感が狂う。

うぅ、で、でも、この場で踏ん張って、背後の弾幕をよければ問題無いはず!

 

「うぅ、熱!」

 

さ、流石にこの高密度の弾幕を擦らないで回避するのは難しい。

あ、そうだ、マフラー! 忘れてた! そう言えば、マフラーしてた!

うぅ、このマフラーが燃えたりしないだろうか…こ、怖いし、隠しておこう。

一旦取って、ポケットにしまっておこうかな?

でも、取るの難しいし、避けてる間に取れるわけがない。

うぅ、この暑い中だとマフラーがキツいよ。

とにかく、服に入れる様にして隠そう。

 

「本当に訳が分からないわ、ずっとだったけど、なんでこの中でマフラー?」

「大事なマフラーですし」

「ふーん、でも、攻撃は緩めないわ! 追撃!」

「へ? 嘘!」

 

あぁ! 後ろから来る弾幕を回避しながら、お空さんが撃ってくる

あの米粒弾幕を回避しないといけない!?

ちょっと待って! 背後を見ながら正面見るの難しい!

と言うか出来ない! だ、だったら、背後からお空さんに引き寄せられている弾幕。

その弾幕が次はどう動くかを予想して動き、正面の弾幕を集中して避ける!

これしかない…引き寄せられないように踏ん張るのもしんどいし計算、回避、更に攻撃!

この弾幕だけで4つほど意識を分けないと行けないなんて、しんどい!

けど、やらないと!

 

「ぐぬうぅうう! りゃぁあ!」

 

私はこの重力に抗いながら弾幕を回避し、お空さんめがけてこっちの弾幕を撃ち込む。

結構食らわせているのに、お空さんはまだまだ平気そう…体力凄いよ。

でも、ここまで来たら負けられない! 勝つ!

 

「うらぁああ!」

 

お、お空さんの中心から出ていた弾幕が更に大きくなった!

周りにばらまいてきている米粒弾幕が飛んでくる距離も短くなった。

地上での回避となると、ちょっと移動するだけでもバランスを崩して

転けそうになるのに、更に感覚が短くなると、焦ってバランスを崩す可能性も上がる。

空を飛ぶ感覚がどんな物か分からないけど、空を飛んで回避が出来るなら

バランスを崩しそうになることは無いだろうけど。

地上だと移動の時に片足だけになるから、バランスを崩しそうになってしまう。

ジャンプしよう物なら引き寄せられてしまいそうだから、地上を歩いて移動するしか出来ない。

最悪の場合の緊急回避が出来ないのはキツいけど、根性で粘る!

 

「ぐぬらぁああ!」

「う、うりゃああ!」

 

向こうもそろそろ私の弾幕でへばってきている筈なんだ!

こうなるともう根気比べ! 負けない! ここまで来たら負けない!

このまま全身全霊でひたすらに弾幕を撃ち込む!

ど、どっちが先にへばるか!

 

「ぐ、ぐぅ…」

 

ひ、引き寄せる力がさっきよりも強くなってる気がする。

満足に動くことも出来ない状態で正面と背後からの弾幕を避けきらないと行けない。

でも、向こうも限界…お願い! は、早く倒れて!

 

「う、うりゃあああ!」

「ぐ、ぐあぁう!!」

「わぁ!」

 

 

は、はぁ、こ、転けちゃった、いきなり引き寄せられる力が無くなったから

私は尻餅をついて転けてしまった…

でも、周りの弾幕は消えて、お空さんを中心にして出ていた大きな弾も消えた。

……は、はは、や、やった…か、勝てた…

 

「……はは、負けた」

「か、勝った!」

「流石だねおねぇさん、お空に勝っちゃうなんて」

「あ、ありがとうございます!」

「それにしても、凄い汗だね…後、服も結構焼けてるけど」

「え? あ! ほ、本当だ!」

「下は問題無いみたいだけど、上とか結構燃えてるね

 素足は…無傷? 結構擦ってた様に思えていたけど

 それに上の焼けてる所も傷1つ付いてないけど」

「あ、私、怪我の治りが早いんです、怪我してもすぐに治りますよ」

「あの短期間で? そんじょそこらの妖怪よりも凄い再生力だね」

「あはは…ありがとうございます」

「後、マフラーは…大丈夫そうだね、大事そうにしてたし、大切な物なんだろう?」

「はい!」

「ふーん、なる程ね、だから灼熱地獄でも取らなかったんだ」

「あ、いえ、それはマフラーをしていること、忘れてたからです

 このマフラー、凄く馴染むんですよね、気付いたら体の一部みたいな感覚になりますし」

「へぇ、で、お空の弾を避けてるときに気が付いたんだ」

「はい、だから、隠そうと」

「ま、大丈夫そうでよかったよ、でも、汗も凄いし、服もべちゃべちゃだろう?」

「は、はい…」

「ふふ、あたいが良いところに連れてってあげるよ、お空も来るでしょ?」

「勿論!」

 

あ、雰囲気が戻ってる…ど、どっちが本当のお空さんなんだろう…いや、それは良いか。

うん、それよりも…良い所ってなんだろう。楽しみだなぁ。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。