東方半獣録   作:幻想郷のオリオン座

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霊夢と魔理沙の一騎打ち

「霊夢! こうやって暴れるのは久々だな!」

 

勝負が始まると同時に魔理沙さんは一気に霊夢さんに接近して

座っている箒を使い、霊夢さんに殴りかかった。

 

「あなたはいつも暴れているでしょ?」

 

だけど、霊夢さんはその箒を細いお祓い棒で受け止める。

お、おかしい! あのお祓い棒、どんだけ硬いの!?

一切曲がらなかったけど!? あんなに細いのにどうなってんの!?

 

「は! そんなに暴れちゃいねぇぜ!」恋符「マスタースパーク」

「え!?」

 

箒を防がれると同時に魔理沙さんは小さな8角形の道具を取り出したと思うと

そこからあの時と同じ様に極太のレーザーが放たれた!

ちょ、直撃した!? 霊夢さんに直撃したんだけど!?

大丈夫だよね!? 霊夢さん、死んだりはしてないよね!?

 

「へ、どうだ!」

「確かに火力だけは十分あるわよ、その攻撃」

「な!」

「え!?」

 

う、嘘! 霊夢さん、いつの間に魔理沙さんの背後に立ったの!?

いや、浮いてるから正確には立ってるじゃなくて浮いてる?

いやいや、どっちでも良いけど、見えなかった! 動いてる姿が全然!

 

「でもほら、隙だらけよ」神技「八方龍殺陣」

「ぐぉ!」

 

今度は霊夢さんを中心に大きな柱の様な物が展開し

魔理沙さんを巻き込んだ。

 

「がふ!」

 

その大きな柱が弾けたと思うと、魔理沙さんは吹き飛ばされた。

 

「くぅ、き、効くぜ、相変わらず容赦ねぇよな

 その攻撃、ま、外したときはかなり滑稽だろが」

「本気を出せばあなたを永遠に閉じ込める事だって出来るのよ?」

「その代わり、お前も動けないだろ?」

「あくまで遊びだからね」

「本気なら動けるのかよ」

「ご想像にお任せするわ」

「ち、この規格外が」

「博麗の巫女が並の人間と同じ訳無いでしょ?

 と言うか、あなたも相当な規格外でしょうに」

「へ、天下の大魔法使い候補の魔理沙様だからな、当然だぜ!」

「大魔法使い…何か微妙よね」

「うっせ! お前が異常なだけなんだよ!」

 

喧嘩しているんだろうか、でも、お互いに楽しそうだし

喧嘩みたいな会話だけど喧嘩じゃ無いんだろうなぁ。

 

「うらぁ!」

 

魔理沙さんが一気に霊夢さんとの間合いを詰めようと加速した。

 

「ほっと」

 

霊夢さんの方はと言うと、自分の前に四角い若干大きめの壁を張った。

 

「うぉ!」

 

その壁にすぐに反応した魔理沙さんは突撃を止め、後方に飛び下がった。

何だろう、私にはただの壁にしか見えないけど、何かあるのかな?

まぁ、確かに壁にあれほどの勢いで突撃したら絶対いたいけど。

 

「惜しいわね」

「だが、この攻撃は不意打ちじゃ無けりゃ、問題なしだぜ!」

 

その壁の四方にある小さなお札を砕くと、壁が消える。

 

「そうよね」

「げ! 危な!」

 

壁が壊されると同時に霊夢さんが大きめのお札を魔理沙さんめがけて飛ばす。

魔理沙さんはそのお札をギリギリで躱したけど、結構焦ってる見たい。

 

「クソ! 手加減してくれるんじゃ無かったのかよ!?」

「手加減してるじゃ無いの」

「嘘付け!」

「何? あなたは手加減してあげてる私にすら勝てないの?」

「く、くぅ! むかつくぜ! 絶対に倒してやるからな!」

「来なさい」

「行くぞ!」彗星「ブレイジングスター」

 

魔理沙さんが背後に大きく飛び退き、異常な速度で霊夢さんに突撃した。

その間に流れる星々がまるで大きなレーザーの様に見える。

まるで流れ星だ、魔理沙さんが流れ星みたいになった!

日の光りよりも強い輝き!

 

「甘いわ」

「げ!」

 

霊夢さんが背を見せると、魔理沙さんを貫くように1本の筋が入った。

その筋は瞬く間に魔理沙さんの体を完全に包囲し、動けない状態にする。

筋はドンドン太くなっていき、魔理沙さんを押さえ込み、弾き飛ばした。

 

「がは…」

 

その攻撃を受けた魔理沙さんは力無く浮遊し、かなりふらついている。

 

「この程度? もう少し頑張りなさい」

「く、くぅ! 手加減しやがれ!」

「だから」

「お前の手加減は手加減じゃ無いだろ!」

「だから、あなたの攻撃は直線的すぎて簡単に読めるのよ。

 もう少し捻った動きをしないと」

「な、なめやがって! まだまだ!」

 

この戦いはしばらく続き、最終的に霊夢さんがわざと負けた。

 

「ぜぇ、ぜぇ、はぁ、はぁ」

「うーん、流石に疲れたわ」

「全然…余裕そうだな…ま、まぁ、これで1個ゲットだ…ぜ」

「大丈夫? 後5つ、で、次はフィルと戦うんでしょ?

 あなた、あの子に勝てるの? と言うか、攻撃当てられるの?」

「後者はちょっと自信ないが、勝つぜ!」

「え、えっと、本当にするんですか?」

「絶対に無駄だと思うよ? 私とお姉様の弾幕に巻き込まれても避けるし」

「十中八九1対1だと勝つのは困難だと思うわ、うちのペットは優秀だし」

「へ、も、問題無いぜ!」

「わ、私としてはこの気味の悪いボールが無くなればそれで良いので」

「…駄目! フィル、負けたら駄目だよ!」

「え!?」

「我が紅魔館のペットとして敗北は許可しないわ

 相手が誰であれ敗北することは許さないわ

 これは命令よ、もう一度言うわ、敗北は許可しないわ」

「いや、で、でも、私の本来の目的はこのボールを」

「口答えは駄目よ、お嬢様達の指示に従いなさい」

「う、うぅ…はい」

「へへ、悪いがフィル、お前がその命令に従う事は出来ないぜ!」

「魔理沙、油断してると食べられるかも知れないから警戒しなさい」

「狼程度に食われる私じゃ無いぜ! さぁ、今回は本番だぜ! フィル!

 一切の手加減無しだ!」

「、うぅ…お、お嬢様の命令ですし、従うしかありませんから…

 私も手加減はしませんよ! 魔理沙さん、お覚悟を!」

「面白いぜ! …所でフィル」

「はい、何でしょう」

「マフラーは取らないのか? そんな長いの邪魔だろう?

 それに最近暑くなってきてるし、服装は薄着でマフラーって」

「まぁ、問題ありませんよ、暑くないですし、邪魔にはなりません」

「厚くないマフラーって意味あるのかって感じるが、まぁ良いぜ

 お前がそれで良いなら私はもう何も言わない、さぁ、ボールを賭けて勝負だ!」

「はい! 負けませんよ!」

 

本当はボールを捨てるために正体を探ろうとしてたんだけど。

…流石にお嬢様の命令には従うしか無いし、仕方ないよね。


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