月面戦争なんてしてたんだね、くだらない事だよ。
妖怪総出で戦って、この程度の連中にも勝てないのか。
道理で八雲紫が僕の事を警戒してたわけだ。
そりゃ、僕が暴走したら、幻想郷勢力じゃ勝てないだろうね。
……だけどなる程、頭が良いのは間違いないらしい。
最高の手段だ、僕を手中に収めることが出来れば
幻想郷は月への有効打を手に入れることが出来る。
その手段も悪くない、実際あそこは居心地が良いからね。
「しかし」
ここの妖精は随分と荒ぶってるね、無駄に動きまくって面倒だ。
と言っても、排除すること自体は問題無く対処出来る。
無駄に動いても、所詮は妖精だろう。
「キャハハ! 面白い事が起こってるわ!」
「……」
「妖精達よ! もっとスピードあげていこうよ!
イッツルナティックターイム! 狂気の世界へようこそ!」
あの何か見た目がイラつく星条旗の小娘が出て来たと思ったら
妖精達の動きが更に激しくなった…が、逆効果だね。
動きが単調になった、目の前しか見てないし単純思考しか出来ちゃ居ない。
最初から妖精なんてこんな物だけどね。
「おい、出て来なよ、イラつく星条旗の道化師、雑魚を引き連れた程度じゃ
僕の足止めにもならない」
「へぇ、あの妖精達を雑魚って呼ぶとは凄いね、お姉さん」
「で、見た感じお前も妖精だね」
「そうだよ! あたいは地獄の妖精クラウンピース!
この大地を友人様が戴いてあなたが初めての来客よ!」
「友人様ね、その言葉から感じて、ここの奥にいるのは
黒幕の一角という感じかな、本命はそいつともう1人と」
「よく分かったね、でも大丈夫よ、この先には友人様しか居ない。
流石にご主人様が居たら勝負にならないしね!」
「ほぅほぅ、それはまた興味深いね」
「でも、あなたはこの先にも私のご主人様にも会えやしない。
だってあたいがあなたを容赦なく迎撃するからね!
友人様の命令で、都から出てくる奴は例外なく排除だからさ」
「ふーん、じゃあ、失敗した場合はどうなるのかな?」
「失敗するわけ無いじゃん、あたいが勝つのは決定事項だよ!
さぁ、泣いて悔しがっていってね」
「さて、泣くのはどっちかな? あぁ、そうだそうだ君に聞いておかないと」
「ん?」
「君はどんな風にやられたい? 瞬殺か時間を掛けてじっくりか。
僕のお勧めは瞬殺だよ、後者だと惨めになる時間が長くなるからさ」
「キャハハ! ばっかねー! どっちも不可能だよ!」
「OK、じゃあ、後者だ、さ、僕は何もしないから掛かってきなよ。
そうだな、手加減してあげるから本気で掛かっておいで、とでも言っておこうかな」
「惨めな思いをするのはあなたよ!」 獄符「地獄の蝕」
月のような障害物が出て来て、周囲を抑えるように弾幕が展開したか。
で、あの障害物は弾幕の妨害をして道を作ると。
その後、障害物を貫通する弾幕を展開と。
邪魔になってる弾幕の弾原は動き、弾幕が妙な感じに展開すると。
あの月の下へ移動していないと逃げ道を封鎖されるという感じかな。
でも残念、僕に高密度弾幕なんて意味が無い。
「うぇ!?」
「どうしたんだい? ほら、もっと攻撃して来なよ」
僕は障害物の下へ行くのでは無く、普通に弾幕を避ける事にした。
面倒な避け方は嫌いだからね、細い弾幕の道を通っていけば問題無い。
その道が例え蜘蛛の糸よりも細く複雑な弾幕だったとしても
僕にはただの道でしか無いのだから。
「く、こんな筈じゃ…なら!」獄符「スターアンドストライプ」
あぁ、今度はレーザーでの弾幕か。
ま、僕に粒弾幕なんて意味ないから妥当な判断ではあるね。
レーザーで動きを阻害して、星形の弾幕で僕を抑える。
まるで星条旗を思わせるような弾幕でイラつくよ。
レーザーがストライプで星が右上の星って感じで。
「でもまぁ、この程度じゃ僕には当てられないよ、もっと密度を上げないと」
「くぅ! おかしい、なんで全く当る気配が無いの!?
まるで未来を見て避けてると感じる程に先読みが…」
「それはね、君の弾幕が単調で単純で予想しやすいからだよ
それともう少し弾速を早くしないと僕には当てられないよ?
こんなのろまな弾幕じゃ、僕は擦ることも無い。
マッハ超えないとほらほら」
「うぅ! まだだ!」獄炎「かすりの獄意」
ほぅ、これまた避ける隙間が無い程に高密度な弾幕だね。
だけど…ギリギリ行けそうかな、とりあえずチャレンジだね。
「んっと」
あぁ何だ、近付いたら一時的に弾幕が浮いて隙間が出来るのか。
で、そこを擦りながら避ける、だからかすりの獄意ね。
でもまぁ、こんなのろまな弾じゃ、障害物にもならないよ。
と言っても、それがしばらく停滞して動き難くするみたいだけど
そこは僕にはあまり意味が無い、僅かな隙間があれば僕は容易に避けられる。
「あ、当らない!」
「わざわざ浮かせることは無いのにさ」
「あ、あたいを舐めるな!」地獄「ストライプドアビス」
左右から何重ものレーザーが飛んで来る。
そのレーザーは上下に動き、こっちを潰そうと激しく動く。
でもまぁ、一瞬抜ける瞬間があるから、そこで上下を切り替えれば問題無い。
でもこう見ると、何だかやたら滅多に撃ってるだけにしか見えないけど
一応、パターンもあるし、ちゃんと狙ってるんだな。
「くぅ!」
「当らないよ、当らない当らない、ちゃんと狙いなよー」
「くぅ! ば、馬鹿にして…なら、これでトドメだ!」「アポロ捏造説」
大きめの月を3つ展開、その3つは弾幕を展開し回転を始める。
で、弾幕に別の月が当るとその場所が消えると。
月が回転する中心がゆっくりと動き、月の回転場所が動く。
ほぅほぅ、面白いね…でも、こんなにスカスカだと当る気がしないよ。
「うりゃぁああ!」
「…ふーん」
月が回転する速度が時間経過と共に早くなっていく。
そうなると当然、弾幕の密度もゆっくりと濃くなる。
月と月の中心がゆっくりと動き、こっちの行動を制限。
こうなると、こっちは月に当らない様に移動する必要がある。
移動すると、その先にある弾幕を避けながらの移動か。
でもまぁ、やっぱりこの程度の密度じゃ、僕には当たりはしないけど。
「うぅ…はぁはぁはぁ」
「もう終り?」
「な、なんで? 生命の象徴である我々妖精族がここを支配している限り
月の民は手も足も出せないって聞いたのに」
「ふーん、やっぱり貧弱だね、月の民ってのは
嫌いな物に極力触れなかった結果がこれか。
まるで無菌状態で過ごしてた人間が
ある日菌だらけの外に出たら早死にするとかそう言う感じかな。
やっぱり苦手な物や嫌いな物も受入れないとやってられないね」
「あんた…いや、あなた様は一体…」
「態度が変ったね、強者には従順なのかい?
それとも、敗北したからか、まぁ良いよ、教えてあげよう。
僕はフィルだ、幻想郷の狼さんだよ」
「フィル…うん、覚えた…それで、その狼さんが月になんの用?」
「月の民にお願いされてね、侵略者を排除しようとしてるのさ」
「じゃあ、やっぱり月の民の仲間なのね!」
「仲間とは違う気がするけど、ま、そう言うことで良いよ」
「って事は友人様の敵だ。友人様の敵はご主人様の敵。ご主人様の敵はあたいの敵だ!」
「何だよ、敵だとハッキリと把握してないのに仕掛けてきたのかい?
やれやれ、頭が悪いね、これだから妖精は…」
「でもどうしよう…もう、あたいには戦う力なんて残ってない…」
「とりあえず、その友人ってが居る場所に連れて行ってくれないかな?」
「そ、そんな事出来るわけないだろ!? そんな事をしたら
あたいは友人様を裏切ることになる!
友人様を裏切ると言う事はご主人様を裏切ることになるんだから!」
「……じゃあ、こう言っておこう、その友人様ってと事に案内しろ。
そうすれば、その友人様とやらは生かしてやっても良い。
その代わり、お前が拒絶するなら、月の全てを探り出し
その友人様とやらも殺す、流石に面倒な事を散々やらされたんだ
更に月を方々探すってなったら、流石に怒りも限界だからね」
「うぅ、お、お前に友人様をどうこうできるとは思えないけど…
それなら、あたいは裏切ったわけでは無いってなるのかな?」
「あぁ、その通りだよ、友人様とやらを助けるために友人様の場所へ案内した
そうなるからね」
「わ、分かったよ…」
さて、妖精は騙しやすくて楽で良いよ。
いや、騙すとは違うかな、そこそこマジだったからね。
でも、僕も大人だなぁ、あんなイラつくファッションの奴に
ダメージを与えないで我慢したんだから大した物だよ、うん。