エロゲー世界に神様転生したのに負け組じゃないの?   作:のぶほし

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小難しい業界話が続いたので、ほのぼの展開です。

美人プロデューサーに殴られたい。
美人プロデューサーに蹴られたい。
美人プロデューサーにいじめられたい。
美人プロヂューサーに辱しめられたい。
その姿をアイドルに視姦されたい……。

そんな変態的な需要にお応えしました。


第14話 アドルフの専属写真家と元傭兵の警護員

 

――――6923プロ会議室 2nd曲リリース、第14週――――

 

「このバカチンがぁっ!」 (((((;`Д´)≡⊃)`Д)、;'.・

 

「……」

 

「何か言いなさいよっ!」 ヽ( ゚∀゚)ノ┌┛)`Д゚)・;'シューペアP

 

ある意味6923プロの恒例行事ともいえる光景だが、

いつもと明らかに威力が違う。手加減が一切ない。

マジパンチに、マジキックだ。シューペアは反撃も反論もしない。

 

「なあ、ヘス代表は止めないのか?」

 

「ふむ。今回はシューペア君に明らかな非があるからね」

 

二人のプロデューサーを周囲の仲間が見守る。

 

「ごめんな――」

 

ゲッペルスP○(#゚Д゚)=(  #)≡○)Д`)・∴'.ゴメンナサ…

 

「アイドル《レーティア》を傷物にして、ごめんですむかぁあ!!」

 

「お、おい。ゲッペルス。

 もう許してやったらどうだ?

 あのときは腹が立ったが、結局は何もなかったんだ。

 こ、このままではシューペアが死んでしまう」

 

ついに見かねた被害者《レーティア》が加害者を庇う。

 

「レーティア、貴方が優しいのは知ってるけど、

 こーいうダメ男を甘やかしたら危険よ」

 

イイワケアルノカシラヽ( ゚∀゚)ノ┌┛)`Д゚)・;'

 

_| ̄|○ il||li イエナニヒトツアリマセン

 

「ほら。本人もこう言ってるわ。

 童貞はすぐに調子に乗るから殴って躾ける必要があるの。

 もう何度も、何度もしょーもないミスを!!」

 

「いや、あのときはシューペアも側にいなかったんだ」

 

「カメラマンだけにグラビア撮影を任せて

 プロデューサーが現場を離れるなんてありえないわ!

 どうしてマネージャーの私に連絡しなかったのよッ」

 

(c=(c=(c=(c=(゚ロ゚;c=アチャチャチャチャチャ-!!

 

「シューペアも国営の事務所が紹介してくれた

 身元が確かなカメラマンが、

 まさかセクハラ写真家だなんて思いもしないさ」

 

「こいつのその考えが甘いのよ!

 地位や肩書とか資格とか保証とか……

 内面を視ずに外面にコロッと騙されるのが未熟なの!

 だから貴方はヒトを見る目がないって言ってるのよ!!」

 

 _ノフ○グッタリ ついにシューペアが動かなくなる。

 

「あのー。ゲッペルスさん?

 お陰で私が雇ってもらえたのだから

 ……結果オーライってことでダメかしら」

 

レーティアの隣に座る小柄な女性が取りなす。

背格好はレーティアより一回り以上小さい。

小動物のような見た目は明らかに幼女だろう。

 

短く切りそろえられたの水色の髪が儚い雰囲気を漂わせる。

体格に似合わない大きなライカ(写真機)が首からぶら下がっていた。

 

「もう二人とも優しいんだからッ!

 お姉さん一人が悪者みたいじゃない。

 仕方ないわね。今回はこれで許してあげるわ」

 

「おーい。生きてるか、シューペア?」

 

「あのー。シューペアさん、大丈夫ですか?」

 

( ;∀;) フタリハマジテンシダナー

 

「ふむ。どうやらシューペア君も大丈夫のようだ」

 

「当然よ。加減は心得てるわ」

 

((( 嘘だッ!!!)))

 

何人かの心の声が同調したが誰ひとり口には出さなかった。

 

「それでヘス代表、692プロからは返事があったんですか?」

 

芸能事務所の番号振り分けはアイドルアカデミー大賞(IA大賞)を主宰していた

欧州アイドル連盟(UEIA)が発展解消した欧州ファンシズム連盟(UEFA)が行っている。A

欧州ファンシズム連盟への届け出順で4桁の番号から任意の空き番号を選択できる。

設立時に各国に振り分けられており1~100は初期の番号、3桁の事務所は老舗の可能性が高い。

 

組織名は芸能事務所「○○××」や「○○××」芸能事務所が一般的だが特に規定はない。

業界内では番号プロが一般的に使われるが、あくまで業界用語である。

公の場では正式名称で呼ぶ。6923プロは、ドクツ第三プロダクションが正式名称だ。

 

あえて芸能事務所を名乗っていないところある。

政治色が強いところは「~党」「~団」「~本部」「~協会」がとなる。

逆に商売色が強いところは「~会社」「~放送局」といったところだろう。

 

692はドクツに振り分けられたドメイン(管理番号)だ。

6921~6929までのプロダクションは以前は全て国営事務所だった。

オジャルマル共和国になって国営プロダクションの一部民営化が実施され、

ヘスが官公オークションが行われ6923プロの権利を手に入れたのだ。

 

「オジャルマルク共和国ファンシズム連盟本部(692プロ)から回答があった。

 連盟本部が紹介した件のカメラマンは6921プロからの紹介で派遣されたそうだ」

 

「6921プロというと……今は?」

 

「旧名はドクツ第一プロダクションだったが、

 今はベルリンの外国特派員協会が使用中している管理番号だ」

 

「じゃあスケベカメラマンって外国特派員だったの!?」

 

「ああ、そういえばガメリカ人って言ってたな」

 

「ガメリカ人カメラマンのデビッド・キャヌホークですね。

 相当な女たらしで業界では有名ですよ」

 

「ああ、エーファ君の言う通りだ。

 デビッド・キャヌホーク氏はガメリカの統合本部(ペンタゴン)所属の

 従軍記者で総統選挙には駐在武官(芸能顧問)として関わっている」

 

「芸能顧問ってことはエロカメラマンが

 総統選挙でビジュアル審査員とかやってるわけ?

 いくら審査員が国内に足りないからって呆れたものね!」

 

「うほん。先方からは謝罪はあったがお咎めはなしだ。

 グラビア撮影中のSEXコミュニケーションは、

 ガメリカでは一般的だから文化の違いに気付かなかったと言っている」

 

「ふふふ、ふざけてるわね。ぶっ殺してやろうかしら」

 

ゲッペルP(#^ω^)ピキピキ

 

「落ち着いてくれゲッペルス。

 選挙ポスターの撮影にしては用意されてた衣装もおかしかったんだ」

 

「レーティアさん、どんな衣装があったんですかー?」

 

「オクトーバーフェストで着るようなドクツの民族衣装があったんだ。

 たしか『やっぱりドクツ娘なら民族衣装だよね』とか言ってた。

 他にもチュン帝国の……民族衣装……そうチャイナがあった。

 きわどい水着とかもあったけど、国ごとの衣装が多かった気がする」

 

「ふ~ん。コスプレ好きの変態カメラマンだったのかしら?」

 

「うーん。総統選挙は外国籍のアイドルもいるから、

 民族衣装なんかで個性を出すってのも一つのイメージ戦略ですよ?」

 

「うほん。話が脱線してるが、戻しても構わないかね。

 これがキャヌホーク氏から送られて来た謝罪文だ」

 

『ついカッとなってやった今は反省している。

 今までは悦んでくれるアイドルも沢山いたんだ。

 これもアイドルが魅力なのが悪いんだ。

 審査で減点とかするつもりはないから怒るなよ』

 

「絶対に殺す! ぶっ殺してやる!!」

 

「反省する気ゼロだな」

 

「うわー、これは酷いですね」

 

「つまり双方に遺恨はなしってことで有耶無耶ですか?」

 

「「うわ、シューペアが立った!!」」

 

「あ、シューペアさんが復活しましたね」

 

「残念ながらシューペア君のいう通りだ。

 正直なところ裁判に訴えても無駄だろう。

 アイドルの売名行為とも捉えられかねられん」

 

「いや私は訴えるつもりなんてないぞ」

 

「本気で裁判まで考えてたのは、

 ゲッペルスさんくらいですからねー」

 

「プロデューサーにとって

 担当アイドルは我が子より大事なのよ!!

 この童貞のせいで! 

 もう一発だけ本気で殴っていいかしら?」

 

「む、無理です。次は死んでしまいます」

 

ガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル

 

「震えて脅えてるシューペアさんって

 小動物みたいで可愛いですね(鬼畜)」

 

「まあまあ、落ち着き給えゲッペルス君」

 

「おーい、ゲッペルス。もう戻ってこい」

 

( ・_・)ノ☆(*_ _)アイドルチョップ!!

 

「私は今まで何を……」

 

(  ゚ ▽ ゚ ;)ハッ!! 

 

「どうやら……人格が悪魔に支配されてたみたいですねー」

 

「え、マジで? ゲッペルスの素じゃなかったの?」

 

「いや、だって発言もいつもより過激だったし――」

 

「エロゲーじゃないと表現できないような表情してましたよ?」

 

「ふむ。悪魔祓いができるとはアドルフ君の

 魔法少女としての才能は間違いなく本物だね」

 

「ところでヘス代表、レーティアの警護担当の件ですが?」

 

「おいっ! ゲッペルス、戻ったんなら謝れよ!」

 

「は?(威圧) 貴方、まだそんなこと言うわけ?」

 

「す、すいません。私が全て悪かったです……反省してます」

 

「ああ、良い人材が見つかってね。

 今晩、たるき亭で歓迎会をするよ予定だ。

 エーファ君も正式な専属契約は未だが一緒にどうかね?」

 

「はい! よろこんでー」

 

「そうね! 今日は一緒に飲みましょうエーファ。

 レーティアはグラビア撮影があるから

 お肌を考えてアルコールは厳禁よ」

 

「えっ? 水髪幼女にお酒飲ませて言い訳?

 未成年に対する飲酒強要は逮捕されるぞ」

 

「ぷー、失礼ですね! シューペアさん。

 私はこう見えてもゲッペルスさんより年上なんですよ!」

 

工工エエエエェェェ(゚Д゚)ェェェエエエエ工工

 

「あら? 私は20代だけど年下かと思ってたわ」

 

「俺は10代っていうか明らかに幼女かと」

 

「私は同い年くらいかと思ってた」

 

「ふむ。私は業界慣れしてる人間だとは思っていたがね」

 

「でも本当の年齢はひ・み・つです」

 

 

――――同日夕方、醸造所レストランたぬき亭――――

 

 

カンパーイ!! (*゚∀゚)ノ□☆□ヾ(∀`三´∀)ノ□☆□ヽ(゚∀゚*)っ カンパーイ!!

 

しばらく歓談が続き、6923プロ代表のヘルマン・ヘスが音頭をとる。

 

「さて、料理がどんどん運ばれてくる前に

 各自に簡単な自己紹介をやってもらうかな。

 それじゃあプロメンNo01のシューペア君からだ。

 紹介が終わったら後はてきとーにやってくれたまえ」

 

「政策担当プロデューサーのハンス・ウルリッヒ・シュペーアだ。

 予備役の空軍士官で元エースパイロット(ルナシュータ―)だ。

 趣味は――」

 

 挨拶は手短に( ‘д‘)つ))`Д´)グリグリ

 

「私がプロメンNo02のグレシア・ゲッベルスよ。

 レーティアの専属マネージャー兼メインプロデューサーね。

 前職は大手デパートの宝飾店に勤めていたわ」

 

「6923プロ代表アイドル候補者のレーティア・アドルフだ。

 プロメンNoは初めて聞いたが社員証に03とあるな。

 帝国美術アカデミーの芸術発明科の学生だ」

 

(;゚Д゚)(゚Д゚;(゚Д゚;)ナ、ナンダッテー!!

 

「い、いきなりどうしたんだ」

 

「え? レーティアってアカデミーの学生だったの?」

 

「失礼な私が無職のニートとでも思っていたのか」

 

「いや、それは思ってないけど……

 帝国美術アカデミーといえば欧州の芸術家が憧れる

 一級フラグ建築士の資格が取れる最高学府――」

 

一級フラグ建築士の資格があれば人脈を大きく広げることができる。

男なら一度は誰しもが憧れる最もモテる職業がフラグ建築家だ。

 

「あら? シューペアは知らなかったの?

 レーティアは一級フラグ建築士の資格も持ってるわよ。

 さすが人を惹きつける才能を持ってる人間は違うわよね」

 

「さすがレーティアさんですね!」

 

「……エリートなんだ」

 

_| ̄|○ 負けた。圧倒的な敗北感。

 

結社の陰謀さえなければ俺もフラグ建築士に……

いやエロカメラマンの件だって結社の仕業だ。

気付かなかったが間違えないだろう。

 

「ふむ。シューペア君は芸術コンプレックスがあるから

 そっとしておいてやりたまえ。

 新メンバーを紹介する前に私が先に名乗ろう。

 プロメンNo00代表のヘルマン・ヘスだ。

 No04のエーファ・ホフマン君、

 No05のヴィスペル君、我が6923プロにようこそ!!」

 

ヘスが告げると細身の人間が音もなく姿を現した。

 

「……プロメンNo05傭兵出身のヴィスペルです。

 契約通り働くので、よろしく」

 

「えー、私がプロメンNo04で良いんですか?

 ミュンヘン地区にアトリエを構える写真家で、

 エーファ・ホフマンと言います。

 華々しい実績はありませんが業界は長いです。

 今回は専属契約を結んで頂けるとのことで光栄です」(ぺこり)

 

「アドルフ君のグラビア撮影は、

 すべてホフマン君に任せるつもりだから

 よろしく頼むよ。そうそう。

 シューペア君もアーネンエルベのメンバーだ」

 

「シューペアさんも遺産協会員なんですか?

 ちょっと意外かもー」

 

「ヴィスペル君は、この通りの凛々しいお嬢さんだ。

 女性が二人も増えて。

 また職場が華やかになると思うが、

 みんなで仲良くしてやって欲しい」

 

頃合いを図っていたのか店主が料理を運んでくる。

たぬき亭はお酒も美味しいが、料理も美味しい。

アーネンエルベの会合にも使われるミュンヘン地区の穴場だ。

 

「それじゃあ改めまして」

 

"(●´・ω・`)/q旦☆旦p\(´・ω・`○)"カンパ~イ!!

 

じーー。水髪幼女が見つめてくる。

 

「どうかしたの?」

 

「いえ、アプフェルヴァイン(りんご酒)なんて珍しいなーと思って」

 

「シューペアってビールも普通に飲むけど、りんご酒好きよね」

 

「ベルリンの衛星フランクフルト出身なんだよ。

 だから名物のアプフェルヴァインは故郷の味なのさ」

 

「へー、シューペアはフランクフルト出身なのか。

 ゲッベルスはベルリンの衛星ケルン出身だからお隣みたいなものだな」

 

「キャーッ! レーティア、ありがとう。

 ちゃんと私の生まれを覚えてくれてたのね」

 

「そういえばヴィスペルは傭兵やってたらしいけど得意分野とかあるの?」

 

少し輪に入れていないヴィスペルにシューペアが声をかける。

 

「特技は艦砲戦(レーザー攻撃)に長けていることかな?」

 

「艦隊戦の花形の艦砲戦か。

 ま、航空戦の時代がすぐそこに来てるけどね」

 

「私はお金のために傭兵をやってただけだから戦い方には興味はないよ」

 

じーー。水髪幼女が素っ気ない元傭兵を見つめている。

 

「……なにか?」

 

「わたし傭兵や軍人とはご縁がないのですが、

 ヴィスペルさんって何処かで会ったことがある気がするんですよ」

 

「南回り航路《グランドライン》で戦っていたが?」

 

南回り航路《グランドライン》は、

星域ネットワーク図上(世界地図)が完成していなかった

大航海時代(ワンピース)のワープ航路の呼び方の名残だ。、

 

エイリス帝国と日本帝国を結ぶ航路で、

アラビア・アフリカ星海域を通るルートをグランドライン。

アジア星海域を通る北回り航路《レッドライン》と呼ぶ。

 

ちなみにガメリカ星海域をかつては《新世界》と呼ばれていた。

 

「いえ、もっと最近です。総統選挙のどこかで……あっ!」

 

「……くっ」

 

「そうだ。大航海《でらべっぴん》に確か――」

 

「え? ヴィスペルってアイドル候補者なの?」

 

「そうなのか、ヴィスペル?」

 

「うほん。本人から口止めされていたがこうなっては仕方ない。

 私が説明しよう。良いかねヴィスペル君?」

 

「……はい」

 

「ヴィスペル君は元1116プロ所属のアイドル候補者だ。

 残念ながら小選挙区で落選してるがね。

 とは言ってもヴィスペル君の力量不足というよりは事務所の支援不足だ」

 

「1116プロは弱小芸能事務所ですからね」

 

「もう一人の元傭兵アイドル候補者は小選挙区を通過したそうだ。

 1116プロには……言い方は悪いが穀潰しを養うような余裕はない」

 

「うっ……」

 

「そこで白羽の矢が立ったのが我が6923プロだ。

 アイドル候補者として総統選挙の経験がある元傭兵提督。

 警護担当要員として、これほど適任者は中々見つからないだろう。

 喜んで移籍金を支払ったよ」

 

「傭兵提督として護衛艦隊を指揮した経験が何度もある。

 アイドル候補者よりずっと楽な仕事だ。任せて欲しい」

 

「ヴィスペルはどうしてアイドルになったんだ?

 何か魔法少女としての願いがあったのか?」

 

「うっ……それは……」

 

「あ、それは私も気になるわね」

 

「1116プロはこれといった党の理念もない芸能事務所だし予想できないな」

 

「ヴィスペルさんの夢、私も聞きたいです!」

 

「あぅ、そ、それは……」

 

「自分の夢を語るのが恥ずかしいのか?」

 

「と、投資に失敗したんだ! その借金だ!!」

 

「「はあ?」」

 

「あー、そういえばワルプルギスの夜のせいで、

 株価や為替レートはボロボロの状態ですからね」

 

「そうだ! ワルプルギスの夜のせいで、

 都心のマンション(ファミリータイプ)一戸分の損失が出たんだ!!

 せっかく命がけで稼いだ報酬を計画的に投資してきたのに……」

 

「ご愁傷様、ワルプルギスの夜の影響を受けていないのは、

 アマゾンのハニーポイントとEroCoinくらいかな?」

 

「あんなのゼッタイに値上がりしないと思ってたのに……ちくしょう」

 

「ヴィスペルさん、すいません。失礼なこと聞いて」

 

「ごめんなさい。まさかマンション購入の夢が崩壊するなんて」

 

「ワルプルギスの夜は私が倒して敵を取ってみせる!」

 

「もういいよ。同情するならチップをくれ!

 あと、想像以上の働きをしたらボーナスをもらえると助かる」

 

「我が6923プロはアドルフ君が選挙区で当選するごとにボーナスが出る。

 アイドル候補者だけじゃないぞ。全社員にだ」

 

「ホントか!?」

 

「四大討論会-グランドスラム-ごとの臨時ボーナスもあったわよね」

 

「そういえば俺は1stシングル曲には殆ど関わってないのに

 オーバーマスターのミリオンヒットのときにボーナス貰ったわ」

 

「うわー、噂には聞いてましたけど超ホワイトなんですね」

 

「私も発明に費用がかさむからな。お金はいくらあっても足りない。

 アイドル総統になる前にもドンドンと稼ぐつもりだ!」

 

「ヘス代表! 私は卑しい鼠ですね。何でもしますからボーナス下さい!」

 

「「ん? 今なんでもするって言ったよね?」」

 

「うわー、三人がハモリましたよ。レーティアさん」

 

「ヴィスペル、忠告しとくが此処で何でもしますと言うと、

 本気で何でもさせられるから注意した方がいいぞ」

 

「……け、契約書通りに頼みます」

 

「あと我が6923プロでは、

 所属スタッフのクリエーション(創作活動)は禁じていないが、

 就業時間中の副業は禁止だから気をつけたまえ」

 

「は、はい気を付けます」

 

(創作活動限定だと個人消費者金融は難しそうだな……)

 

「そういえばレーティアさんってホント凄いんですね!」

 

「レーティアが、どうかしたの?」

 

「C級アイドル候補者なのに……ほら」

 

「え? ……非公式ファンサイト!?」

 

「レーティア・アドルフ私設親衛隊SS……ね。

 ネーミングは60点ってところかしら?」

 

「非公式ファンサイトなんて

 普通はトップアイドルの手前からですよね?」

 

「たしかに公式サイトだってディザーサイトのままなのに」

 

「それは貴方が連れて来たエロカメラマンのせいで、

 選挙ポスター《グラビア》撮影が遅れたからでしょ!」

 

「あ、はい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」

 

「あー、シューペアさんが壊れた」

 

「ふむ、今回の件はシューペア君も随分とトラウマになってるみたいだ」

 

「……そうだ株式投資は止めて、次はEroCoin投資を」

 

「な、なあ。これは私が叩いたほう《アイドルチョップ》がいいのか?」

 

こうしてミュンヘンでの一夜は騒がしく過ぎていく。

 

シューペアはふと気づく。

失敗もあったが自分は6923プロでは幹部候補と言えるだろう。

有能な上司の下で風通しの良い組織。

若い女性が頑張っているアットホームな環境。

笑顔が絶えない職場で、勢力拡大のためやりがいもある。

しかも自分の頑張りでアイドル総統を誕生させることができるのだ。

 

負け組かと思っていた自分にも運が向いて来たのかもしれない。

 

対価として己の存在の消滅(アカウントロック)を懸けた絶対遵守の契約を忘れて

ほろ酔い気分で浮かれるシューペアの背中を死神がジッと見つめるのだった。

 




ヒロインのアイドル仲間が増えていく作品は多いですが、
こちらではヒロインを支えるスタッフが増えていきます。

一人のに対してプロデューサー
担当アイドルが無数に増えて行く展開などは考えてません。

いわゆる異世界ハーレム系に対するささやかな反抗です(嘘です)
えろかみ大帝国(R-18)と違って、
エロも書けないのにヒロイン増やすつもりはないです。
健全なアイドルはドンドンと増えるよ!!
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