エロゲー世界に神様転生したのに負け組じゃないの?   作:のぶほし

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アイドル総統選挙はあくまでもアイドル活動です。
実際の選挙運動・政治活動とは一切関係ありません。

人間社会の風刺をパロディとして扱っているので、
現実社会でも聞いたことがあるような出来事があるかもしれません。


第04話 芸能事務所ドクツ第三プロダクション

 

――――芸能事務所ドクツ第三プロダクション、応接室――――

 

芸能事務所(政党団体)はオジャルマル共和国の公職選挙法と風営法によって認められた公的私企業だ。

考古学趣味人の集まったサークルに過ぎない遺産協会-アーネンエルベ-とは全く違う。

 

芸能事務所に所属するプロデューサー(職業選挙参謀)ともなると半分くらいは公的な存在。

例えるならば民間企業だと言いながらも(放送利権や電波利権を独占して)公的な権力を背景に(公権力にしがみつき)お金を徴収する

なんか変な感じ(NHK)官報複合体特殊法人(KSRACK)の職員に近い存在だろう。

 

下着泥棒の疑いをかけられたシュペーアがゲッベルスに名刺を差し出したように、

ちゃんとした社会的な地位(ステータス)のある立場なのだ。

 

芸能事務所ドクツ第三プロダクションの[事業内容]は以下の通りである。

 

[1]アイドル候補者のプロデュース、マネージメント及び育成業務

[2]アイドル候補者が総統選挙で出演する公開討論(オーディション)演説会(ライブ)党大会(コンサート)など

   各種メディアにおける企画、制作及びキャスティング業務

[3]アイドル候補者の肖像、署名、愛称、音声を

   物品・サービスに付加使用する権利の管理及び運用

[4]総統選挙に付帯する一切の業務

 

アイドル候補者は芸能事務所(政党団体)に所属せずとも総統選挙に立候補することも可能だ。

しかし無所属のアイドル候補者は地下アイドル、泡沫アイドルと呼ばれ、

やる気のない売名(ちんけな)行為だと有権者からは思われている。

 

ドクツ第三プロダクション、通称「6923プロ」は

代表ヘルマン・ヘスの豊富な資金力をバックに

世界を変える魔法少女(アイドル候補者)を大々的に売り出そうとしていた。

 

応接室では総統選挙に立候補させるアイドル候補者の面接が行われていた。

 

「おはよう、君がゲッベルス君だね。話はシュペーア君から聞いている。

 何でも世界を変える魔法少女(魔女の卵)を我が社に推薦してくれるそうじゃないか」

 

「ヘス代表、お時間を設けて下さってありがとうございます。

 この子が私の推薦するアイドル候補者です」

 

 (さあ、レーティア、ちゃんと教えた通りに挨拶するのよ)

 

「はじめまして、私がレーティア・アドルフだ」

 

言葉遣いはともかく、しっかりした気持ちのこもった声でアドルフはヘスに挨拶をする。

アドルフは自らの才能に絶対の自信を持っていた。

自分は政党に採用されるのではなく、自分が政党を選ぶ立場なのだと思っている。

今までも何度か芸能事務所(政党団体)の面接を受けたこともあったが全てお祈りされた。

履歴書(プロフィール)と、少年週刊誌ほどの厚さに圧縮した政策課題(アジェンダ)を送っても相手にされなかった。

 

「ふむ。アドルフ君だね。魔法少女(アイドル)になる素質を秘めた良い瞳をしている」

 

「私はアイドルなんかに興味はない! ドクツの総統になって世界を変えたいだけだ」

 

「アドルフ君は、権力(ちから)そのものに憧れているのかい?」

 

「違う。私はドクツの運命(さだめ)を変えたいだけだ」

 

「このオジャルマル共和国の?」

 

「ベルサイユ条約で戦勝国に名付けられたオジャルマルなんて恥ずかしい国名はうんざりだ!

 私が総統になったらドクツに帝政時代の栄光を再び取り戻してみせる」

 

「なるほど。差し詰め、来るべき理想の国家(第三帝国)と言ったところかな?」

 

「名前までは考えてなかった。

 けど、このままだとドクツは世界恐慌の不景気(ワルプルギスの夜)に飲み込まれてしまう」

 

「君は世界恐慌の不景気(ワルプルギスの夜)を何とかするつもりかい?

 それがどれだけ大変なことか分かっているのかい?」

 

「分かっている。凡人には困難かもしれないが、大天才の私には可能なことだ」

 

「たしかに君に秘められた才能(ちから)を表現するのに大天才など控えめな部類だ。

 君には途方もない魔法少女(アイドル)才能(ちから)がある」

 

「アイドルとしての才能なんてどうだっていい。

 戦勝国として驕り高ぶってドクツから富を搾取する奴らを、

 エイリスの腐敗貴族たちを、ガメリカの死の商人(軍産複合体)たちを

 欧州星海域(ヨーロッパ)から消し去りたい。いや全ての宇宙から、この手で」

 

「おやおや世界恐慌の不景気(ワルプルギスの夜)だけではなく、

 アドルフ君は“もっと巨大な敵”(ワイルドハントの獣たち)を相手にするつもりなんだね」

 

「前大戦を戦ってきたドクツ民を、大戦の先に希望を信じたドクツ民を、

 私は泣かせたくない。みんなに笑顔でいてほしい。

 それを邪魔する奴らなんて、壊してみせる、世界を変えてみせる」

 

「それが君の祈り、君の願いかい?」

 

「そうだ。これが私の祈り、私の願いだ」

 

「たしかに、君なら運命(原作)を変えられる。

 避けようのない滅びも、嘆き(NTR)も、全て君が覆せばいい」

 

「……私に力を貸してくれるのか?」

 

「ああ、もちろさ。君が世界の変革を望むのなら、

 6923プロは総力を挙げて君を必ずドクツ総統(アイドル総統)にしよう。

 ただし魔法少女(アイドル候補者)としての契約を結んでもらうけどね」

 

「もちろんだ。ドクツを、みんなを救うことができるなら、

 アイドル候補者にだって、何にだってなる。何でもしてみせる」

 

「「ん? 今なんでもするって言ったよね?」」

 

なぜかヘス代表とゲッベルスの返しがハモる。

 

「ごほんっ、レーティア、分かってるの?

 魔法少女(世界を変えるアイドル)になったら、もう普通の女の子の生活には戻れないわよ?」

 

「ゲッベルス、ありがとう。私、魔法少女(アイドル候補者)になるよ」

 

「私の立場で急かすわけにはいかない。助言するのも(強引な勧誘も)ルール(風営法)違反だ。

 総統選挙はもう始まっている。私としては、早ければ早い程いいんだが……

 今日、我が6923プロと契約しても構わないんだね?」

 

「ああ、私に力を貸して欲しい」

 

「ヘス代表、お約束通りアイドル候補者(レーティア)と一緒に私も御社で雇って頂けますか?」

 

「勿論だ。君たちは二人は今日から我が6923プロの一員となる。

 アドルフ君はアイドル候補者(魔女の卵)として、

 ゲッベルス君には彼女の専属マネージャーを任せようと考えているのだが、どうかね?」

 

「レーティアのプロデュース(選挙活動)は誰が担当するんですか?」

 

「我が6923プロのプロデューサー(職業選挙参謀)は君も知っているシュペーア君だが?」

 

「ヘス代表、そのことですが――」

 

ゲッベルスは彼女がレーティアと出会った経緯を説明する。

埋もれた原石の輝きに気付くことができなかったお馬鹿な節穴(シューペア)に、

最高級の希少宝石(レッド・ダイヤモンド)の研磨を任せる訳にはいかないと思ったからだ。

 

レーティア・アドルフは只の宝石(ダイヤモンド)ではない。

ダイヤモンドは様々な色彩を帯びるという特徴がある。

 

希少性の順にクリア、ブルー、グリーン、ブラック、ピンク、オレンジ、パープル、レッド……。

つまり通常の宝石店に飾れている透明なダイヤは、ダイヤとしてはそれほど希少なものではない。

 

ダイヤモンドは原石の研磨、加工の仕方によって価値がいくらでも変わる。

宝飾店で働いているゲッベルスはそのことをよく分かっていた。

 

ヘス代表が節穴で未熟な童貞プロデューサー(職業選挙参謀)最高級の希少宝石(レッド・ダイヤモンド)を任せるなら、

ゲッベルスはレーティアを説得して他の芸能事務所(政党団体)を探すつもりでいた。

 

「ふむ、ゲッベルス君の言いたいことは分かった。シューペア君を呼ぼう」

 

 

――――芸能事務所ドクツ第三プロダクション、事務室――――

 

6923プロは本当にホワイト企業だ。

情報端末(パソコン)事務処理用(デスクトップ)持ち運び用(ノート)携帯端末(スマフォ)と一人三台支給される。

与えられた情報端末(デスクトップ)も安物ビジネス・モデルではなく

ゲーミングPCとしても使えるクリエーターPCだ。

軍用版のVR弾幕系シューティング(東洋Project)も楽々起動するもんだからついついと熱中してしまった。

 

月間ランキングの一位がいつの間にか

ハプスブルクレディとか言う新参に抜かれていたから、抜きかえてしておいた。

聞いたこともない名前のエースパイロット(ルナシューター)だが何者なのだろうか。

いつも上位に食い込んでいたゲーリングの名は、

国防軍で出世して忙しいのだろう。トップ10からは消えていた。

 

従業員の少ない6923プロは受信業務を受付代行会社に委託(アウトソーシング)しており、

嫌がらせの悪戯電話や意味不明なクレーム電話と言ったものを相手にする必要もない。

ヘス代表は見た目だけではなく噂通りのホワイトな人物だ。

しかも軍で働いていたとき(臨時公務員と言う名の使い捨て)より給与も高いし福利厚生も充実している。

お金に困っているわけではなかったが、拾って貰えたことに感謝する日々だ。

 

今は頭の悪そうな女(ゲッベルス)が連れて来たアイドル候補生の面接中だ。

頭の悪そうな女は、見た目や身体つきは好みだが、何せ第一印象(出会い)が悪い。

俺のことを下着泥棒や痴漢などと冤罪を擦り付け、おまけに童貞扱い。

確かに彼女いない歴=年齢の男だけどな!!

最後の戦い(ハルマゲドン)に備えて純潔(秘められた力)を守っていて悪いのかよッッ!!

我が家の家系は代々の聖女教(カトリック)清純派(ピューリタン)だ。

昨夜は腹いせに彼女のパンティ(アダルティ)を思い出して自家発電してやった。

 

(ヤってやった、ヤってやった)

 

「それにしても……アイドル候補者は何処で見つけて来たんだ?」

 

ゲッベルスが連れて来たアイドル候補者は、

応接室に案内する際にチラッと見ただけだが中々に可愛かった。

 

着て来た服はそれほど派手ではない自然な装いだったが、

それが逆に素材の魅力を引き立てていた。

 

アイドル候補者としてメイクアップさせて、

フリフリの衣装を着せれば、より一層映えるだろう。

 

俺も日々のスカウトの傍らで様々なアイドル候補者を見て来たが有象無象とは訳が違う。

大手の芸能事務所(政党団体)が総統選挙に向けて密かに用意していた隠し玉だと言われても驚かない。

 

ゲッベルスは宝飾店売り場に勤めているはずだが……贔屓客の一人かもしれない。

大手デパートの宝飾店ともなれば利用客は美人でお金持ちのお嬢様が多いような気もする(妄想)

 

それともゲッベルスも以前からプロデューサー(職業選挙参謀)を目指していたのだろうか?

たしかにプロデューサーは男女問わず誰もが一度は憧れるであろう子供に人気の職業(おおきいおともだちに大人気)だ。

 

そういえば出会ったときも、みすぼらしい地下アイドル(無所属アイドル候補者)の演説を飽きもせず聞いていた。

あの時は物好きな有権者がいるものだと思ったもんだが、

見向きもされない(マイナージャンルの)地下アイドル(ネット小説)泡沫アイドル(二次創作)たちを発掘(スコップ)していたのかもしれない。

 

ヘス代表が魔法少女(アイドル候補者)に求める要求(クオリティ)は大手と比較してもかなり高い。

出来たばかりの芸能事務所にも係わらず、ヘス代表は本気で総統選挙を勝ちに行っている。

 

今までヘス代表のお眼鏡に適う魔法少女(アイドル候補者)を見つけてくることはできなかった。

頭の悪そうな女が連れて来たアイドル候補者が採用されるとしたら複雑な気分だ。

 

「ま、ゲッベルスに出会ったのは俺だから、実質的には俺が見つけた(わしが育てた)ようなもんか」

 

心の友マルクスも著書で「俺のモノ(手柄)は俺のモノ、お前(他人)モノ(手柄)も俺のモノ」だと言っていた。

いつまでも心に残る良い台詞だと思う。原典-蘭子語の詩集-は難解で読めないが、

翻訳本『ジャイアニズム宣言』が大ベストセラーとなり世界中に思想が広まるのも当然だろう。

ジャイアニズム(個人所有)を否定する共有主義など持っての他だ。

 

それにアイドル候補者に罪はない。担当するアイドルになる可能性が高いのだ。

変な先入観を持つのは失礼だろう。キラキラとした輝き放つ天才肌(キュート)タイプのようだった。

個人的には一歩下がってPを立てるような清純淫乱派の大和撫子(ランスシリーズのリズナちゃんとか)がマイベストだが

……問題はない。大丈夫だ。

 

前世の知識(アカシックレコード)の中にあるアイドル育成に関する幾多のノウハウ(アイドル育成SLGの知識)があれば、

ボーカル、ダンス、ビジュアル、パッション、クール、キュート……

どんなアイドルでも対応が可能だ。

 

トゥットゥルー♪ トゥットゥルー♪

 

内線のコール音が鳴る。代表室からだ。急いで通信を開く。

 

「はい、ヘス代表。シューペアです。お呼びでしょうか?」

 




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