エロゲー世界に神様転生したのに負け組じゃないの? 作:のぶほし
実際の選挙運動・政治活動とは一切関係ありません。
人間社会の風刺をパロディとして扱っているので、
現実社会でも聞いたことがあるような出来事があるかもしれません。
――――芸能事務所ドクツ第三プロダクション、応接室――――
考古学趣味人の集まったサークルに過ぎない遺産協会-アーネンエルベ-とは全く違う。
芸能事務所に所属する
例えるならば
下着泥棒の疑いをかけられたシュペーアがゲッベルスに名刺を差し出したように、
ちゃんとした
芸能事務所ドクツ第三プロダクションの[事業内容]は以下の通りである。
[1]アイドル候補者のプロデュース、マネージメント及び育成業務
[2]アイドル候補者が総統選挙で出演する
各種メディアにおける企画、制作及びキャスティング業務
[3]アイドル候補者の肖像、署名、愛称、音声を
物品・サービスに付加使用する権利の管理及び運用
[4]総統選挙に付帯する一切の業務
アイドル候補者は
しかし無所属のアイドル候補者は地下アイドル、泡沫アイドルと呼ばれ、
やる気のない
ドクツ第三プロダクション、通称「6923プロ」は
代表ヘルマン・ヘスの豊富な資金力をバックに
応接室では総統選挙に立候補させるアイドル候補者の面接が行われていた。
「おはよう、君がゲッベルス君だね。話はシュペーア君から聞いている。
何でも
「ヘス代表、お時間を設けて下さってありがとうございます。
この子が私の推薦するアイドル候補者です」
(さあ、レーティア、ちゃんと教えた通りに挨拶するのよ)
「はじめまして、私がレーティア・アドルフだ」
言葉遣いはともかく、しっかりした気持ちのこもった声でアドルフはヘスに挨拶をする。
アドルフは自らの才能に絶対の自信を持っていた。
自分は政党に採用されるのではなく、自分が政党を選ぶ立場なのだと思っている。
今までも何度か
「ふむ。アドルフ君だね。
「私はアイドルなんかに興味はない! ドクツの総統になって世界を変えたいだけだ」
「アドルフ君は、
「違う。私はドクツの
「このオジャルマル共和国の?」
「ベルサイユ条約で戦勝国に名付けられたオジャルマルなんて恥ずかしい国名はうんざりだ!
私が総統になったらドクツに帝政時代の栄光を再び取り戻してみせる」
「なるほど。差し詰め、
「名前までは考えてなかった。
けど、このままだとドクツは
「君は
それがどれだけ大変なことか分かっているのかい?」
「分かっている。凡人には困難かもしれないが、大天才の私には可能なことだ」
「たしかに君に秘められた
君には途方もない
「アイドルとしての才能なんてどうだっていい。
戦勝国として驕り高ぶってドクツから富を搾取する奴らを、
エイリスの腐敗貴族たちを、ガメリカの
「おやおや
アドルフ君は
「前大戦を戦ってきたドクツ民を、大戦の先に希望を信じたドクツ民を、
私は泣かせたくない。みんなに笑顔でいてほしい。
それを邪魔する奴らなんて、壊してみせる、世界を変えてみせる」
「それが君の祈り、君の願いかい?」
「そうだ。これが私の祈り、私の願いだ」
「たしかに、君なら
避けようのない滅びも、
「……私に力を貸してくれるのか?」
「ああ、もちろさ。君が世界の変革を望むのなら、
6923プロは総力を挙げて君を必ず
ただし
「もちろんだ。ドクツを、みんなを救うことができるなら、
アイドル候補者にだって、何にだってなる。何でもしてみせる」
「「ん? 今なんでもするって言ったよね?」」
なぜかヘス代表とゲッベルスの返しがハモる。
「ごほんっ、レーティア、分かってるの?
「ゲッベルス、ありがとう。私、
「私の立場で急かすわけにはいかない。
総統選挙はもう始まっている。私としては、早ければ早い程いいんだが……
今日、我が6923プロと契約しても構わないんだね?」
「ああ、私に力を貸して欲しい」
「ヘス代表、お約束通り
「勿論だ。君たちは二人は今日から我が6923プロの一員となる。
アドルフ君は
ゲッベルス君には彼女の専属マネージャーを任せようと考えているのだが、どうかね?」
「レーティアの
「我が6923プロの
「ヘス代表、そのことですが――」
ゲッベルスは彼女がレーティアと出会った経緯を説明する。
埋もれた原石の輝きに気付くことができなかった
レーティア・アドルフは
ダイヤモンドは様々な色彩を帯びるという特徴がある。
希少性の順にクリア、ブルー、グリーン、ブラック、ピンク、オレンジ、パープル、レッド……。
つまり通常の宝石店に飾れている透明なダイヤは、ダイヤとしてはそれほど希少なものではない。
ダイヤモンドは原石の研磨、加工の仕方によって価値がいくらでも変わる。
宝飾店で働いているゲッベルスはそのことをよく分かっていた。
ヘス代表が節穴で未熟な童貞
ゲッベルスはレーティアを説得して他の
「ふむ、ゲッベルス君の言いたいことは分かった。シューペア君を呼ぼう」
――――芸能事務所ドクツ第三プロダクション、事務室――――
6923プロは本当にホワイト企業だ。
与えられた
ゲーミングPCとしても使えるクリエーターPCだ。
軍用版の
月間ランキングの一位がいつの間にか
ハプスブルクレディとか言う新参に抜かれていたから、抜きかえてしておいた。
聞いたこともない名前の
いつも上位に食い込んでいたゲーリングの名は、
国防軍で出世して忙しいのだろう。トップ10からは消えていた。
従業員の少ない6923プロは受信業務を受付代行会社に
嫌がらせの悪戯電話や意味不明なクレーム電話と言ったものを相手にする必要もない。
ヘス代表は見た目だけではなく噂通りのホワイトな人物だ。
しかも
お金に困っているわけではなかったが、拾って貰えたことに感謝する日々だ。
今は
頭の悪そうな女は、見た目や身体つきは好みだが、何せ
俺のことを下着泥棒や痴漢などと冤罪を擦り付け、おまけに童貞扱い。
確かに彼女いない歴=年齢の男だけどな!!
我が家の家系は代々の
昨夜は腹いせに彼女の
(ヤってやった、ヤってやった)
「それにしても……アイドル候補者は何処で見つけて来たんだ?」
ゲッベルスが連れて来たアイドル候補者は、
応接室に案内する際にチラッと見ただけだが中々に可愛かった。
着て来た服はそれほど派手ではない自然な装いだったが、
それが逆に素材の魅力を引き立てていた。
アイドル候補者としてメイクアップさせて、
フリフリの衣装を着せれば、より一層映えるだろう。
俺も日々のスカウトの傍らで様々なアイドル候補者を見て来たが有象無象とは訳が違う。
大手の
ゲッベルスは宝飾店売り場に勤めているはずだが……贔屓客の一人かもしれない。
大手デパートの宝飾店ともなれば利用客は美人でお金持ちのお嬢様が多いような気もする(妄想)
それともゲッベルスも以前から
たしかにプロデューサーは男女問わず誰もが一度は憧れるであろう
そういえば出会ったときも、みすぼらしい
あの時は物好きな有権者がいるものだと思ったもんだが、
ヘス代表が
出来たばかりの芸能事務所にも係わらず、ヘス代表は本気で総統選挙を勝ちに行っている。
今までヘス代表のお眼鏡に適う
頭の悪そうな女が連れて来たアイドル候補者が採用されるとしたら複雑な気分だ。
「ま、ゲッベルスに出会ったのは俺だから、実質的には
心の友マルクスも著書で「俺の
いつまでも心に残る良い台詞だと思う。原典-蘭子語の詩集-は難解で読めないが、
翻訳本『ジャイアニズム宣言』が大ベストセラーとなり世界中に思想が広まるのも当然だろう。
ジャイアニズム(個人所有)を否定する共有主義など持っての他だ。
それにアイドル候補者に罪はない。担当するアイドルになる可能性が高いのだ。
変な先入観を持つのは失礼だろう。キラキラとした輝き放つ
個人的には一歩下がってPを立てるような
……問題はない。大丈夫だ。
ボーカル、ダンス、ビジュアル、パッション、クール、キュート……
どんなアイドルでも対応が可能だ。
トゥットゥルー♪ トゥットゥルー♪
内線のコール音が鳴る。代表室からだ。急いで通信を開く。
「はい、ヘス代表。シューペアです。お呼びでしょうか?」
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