エロゲー世界に神様転生したのに負け組じゃないの?   作:のぶほし

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いよいよレーティア以外のアイドル候補者たちも登場。
本作における日本帝国は、現実の日本と一切関係ありません。
他の諸国もエロゲーの大帝国に登場する架空の宇宙国家です。


第08話 選挙区のアイドル候補者たち

 

――――外国特派員協会――――

 

総統選挙(アイドルアルティメット)のアイドル候補者を擁立する芸能事務所(政党団体)に外資が入ることは禁止されていない。

エイリス帝国、ガメリカ共和国の超大国を始め各国がドクツの利権を貪ろうと、

自らの利に繋がる芸能事務所(政党団体)を表から裏から様々な形で支援していた。

 

それどころか外国籍のアイドル候補者の活動も公的に認められている。

オジャルマル国会では野党の女性党首に戸籍謄本を提出しろとか、

勘違いが多発した二重国籍問題が発生騒ぎになったが、そんなの関係ない。

 

ぶっちゃけエロゲー世界だからって法律がガバガバじゃないかと思うかもしれないが、

世界大戦の敗戦国であるドクツは、屈辱的なベルサイユ条約を受け入れて

オジャルマル共和国として再起したとは言え戦勝国から属国(植民地)同然の扱いを受けていた。

 

有権者であるドクツ国民もそのこと事態は理解しており国中に無気力が蔓延していた。

選ぶのはドクツ国民なのだから有能な人物であれば外国籍でも問題ないと発言する識者もいる。

 

長く続く政治不信により「政治なんて誰がやっても一緒」という意識が蔓延していたイタリンで、

美少女ムッチリーニが「誰がやっても一緒なら見た目が可愛い方がいいんじゃね?」

という国民の票を集め、最大政党のトップに登りつめたのがファンシズム運動の始まりだ。

 

先の見えないオジャルマル共和国にファンシズムの機運が高まっているのは当然と言えるだろう。

 

「アイドル候補者になってこいとか言われなくって良かった……」

 

愛国朝毎新聞の記者「栗田アスパラ」が、

小選挙区に立候補する芸能事務所所属のアイドル候補者達の会見を終えてため息を漏らす。

 

芸能(政治)記者という肩書は偽りで、彼女は日本帝国海軍所属の諜報員つまり軍人だ。

今や各国の諜報機関が特派員という形で軍人を派遣し、総統選挙の成り行きを調査している。

 

イタリン人ハーフで語学に長けた栗田アスパラは海軍士官学校を卒業後は軍令部に勤務し、

将来は情報参謀として期待され諜報畑を歩むエリートだ。

同僚の「山口ギャモン」とペアを組んで諜報活動を行ているが、

彼は日本帝国の駐在武官(芸能顧問)として大使館に詰めており頼りにならない。

 

満州事変以降、日本帝国と交戦状態になる中帝国は欧州星海域(ヨーロッパ)でのイメージアップの為に

“悦び組”というアイドルユニットを送り込んで反日運動や歴史戦(ネガティブキャンペーン)を行っている。

 

調査したところ「金海海」(キム)「項天天」(ジョンイル)の二人の候補者(アイドル)中帝国(チュン)の軍属だった。

日本帝国でも南雲圭子をアイドル候補者として送り込む案が海軍長官から出たらしい。

しかし新たな帝と陸軍長官に勅任された山下利古里が、

軍上層部の無理強い(セクハラとパワハラ)に嫌悪感を示し御前会議で流れたと聞いた。

 

「予算の無い国防省も、軍人をアイドルとして立候補させるって話らしいし……

 予備役の失業者だけじゃなくって現役ドクツ軍人も大変よね。ご愁傷様」

 

現役ドクツ軍人はドラフト会議(オークション)で各芸能事務所に振り分けられた。

お陰で国防省は仲介手数料を手に入れてホクホクだ。

軍属アイドル候補者がメジャーリーグと呼ばれる大選挙区まで行けば、

国防軍には多額の移籍金が手に入るのだ。

お陰でオジャルマルの国防相は人身売買に関与してると陰口を叩かれてる。

軍人たちも中選挙区でプロのアイドル候補者として活躍すれば出世も可能だ。

 

予備役軍人はリトルリーグの小選挙区を突破すれば国防軍の目に留まる可能性がある。

だから泣く泣く借金をして供託金を用意し地下アイドルとなった予備役軍人も多くいる。

 

「ハロー、ミス・アスパラ。今日も良い天気だね?」

 

如何にもといった感じの陽気なガメリカ人記者が声をかけてくる。

 

「はーい、ミスター・スプルアンス。相変わらず楽しそうね?」

 

「もちろんさ! 朝から素敵な君に出会えたからね。

 極東のローカル新聞社なんか辞めて、いつでもガメリカに来てくれれば良いのに」

 

栗田アスパラは誘いをかけてくるガメリカ人記者「スプルアンス」の正体が、

ガメリカの統合軍本部-ペンタゴン-の諜報員であること知っている。

相手もこちらが只の民間人記者だとは思っていないだろう。

 

「おいおい。彼女の手腕は新聞メディア大国エイリスにこそ相応しい」

 

「あら? コンパス卿、今日はどうしてこちらに?」

 

「いや、“赤い女帝”(ナポレオン)と呼ばれるロシアン系三人娘の公開収録(ライブイベント)が気になってな」

 

外国特派員協会は会員制の記者クラブ施設だが、

館内には主要会見で使用する記者室の他にも各種イベント施設が併設されている。

 

「流石は、コンパス卿。見た目と同じで、まだまだ若いですね! ハハハッ」

 

20代前半のスプルアンスがオヤジくさい笑い声をあげる。

エイリス貴族の「コンパス」卿は前大戦では北アフリカを守り続けていた提督だ。

四騎士の一人である騎士提督モントゴメリーとも旧知の仲で年齢もそろそろ40になると聞いた。

 

「金髪の正統派美少女のピロシキちゃん、銀髪のミステリアス美少女のボルシチちゃん、

 一押しは淫乱ピンクのキャビアちゃん、それぞれに個性があって、とてもイイ!!」

 

エイリス帝国の貴族提督(変態紳士)は総統選挙の視察の名目で外遊中のはずだが、

本来の目的など忘れたかのように選挙(グッズ)に多額のお金をつぎこんでいる。

 

日本帝国の議員・政治家が海外視察という名で行ている

税金を使った外遊そのものを見ている様な気分で栗田は少し憂鬱になる。

 

補足しておくが「ピロシキ」「ボルシチ」の外見的な印象はともかく

「キャビア」が淫乱ピンクなのは、あくまでコンパス卿の妄想の産物に過ぎない。

 

「しかしコンパス卿、“赤い女帝”はその名の通り、裏は真っ赤(ソビエト)だと聞きましたわ?」

 

「ヘイ! ミス・アスパラ、それは本当かい?

 女帝ナポレオンの名前を使っているからオフランスの資本かと思っていたよ!」

 

ソビエトの掲げる共有主義を警戒するガメリカ軍人が話に食いついてくる。

 

「ええ。1126(良い風呂)プロには真っ赤なお金が流れ込んでるとか?」

 

「ふむ。1126プロのカザフスタンPもやり手だと聞く、エイリス本国にも伝えておこう」

 

猫平首相が国会で「欧州情勢は複雑怪奇」と言ったことがあるが、

華やかな総統選挙の裏側では、各国の思惑が絡んだ熾烈な諜報戦が行われていた。

 

光り輝く舞台の裏側、芸能界の闇は深い――。

 

 

――――とある独立交易輸送艦の通信――――

 

あからさまに怪しげな輸送艦が星域間を航行する。

 

「毎度おおきに、誠実と友愛がモットーのブルーペット商会どす」

 

商売人(あきんど)から“いつもニコニコ這い寄る混沌商人”と恐れられる

商会長「ブルーペット」は国籍および正体不明の宇宙商人だ。

 

「――どこの国でも、お金さえ出してくれたら大歓迎。

 なんでも売りますさかい、よろしくどす。

 ええ、そうどす。うちは平和を愛する中立どすえ」

 

勿論、中立という平和を保障するのは完全武装の商船団だ。

 

新鋭輸送艦のスペースデプリは輸送艦とは名ばかりで、

防護巡洋艦として十分に通用する武装とバリア機能を備えいる。

 

国際政治と同じく宇宙空間における非武装中立など夢物語に過ぎない。

 

通信先は総統選挙で賑わうオジャルマル共和国。

けして日本帝国ではないことを念のため明記しておく。

 

「――え? 人身売買? いやでんなー。人聞きの悪い。

 あくまで労働者派遣法に基づいた人材サービスどすえ。

 移民反対とか外国籍とか入国がどうとか言うてもうても

 今なら外国人技能実習生という形で受け入れれば大丈夫ですやん」

 

ブルーペット商会は独自の交易路(秘匿ワープコード)を持っており、

闇のイージス艦から傭兵提督まで、物でも人でも何でも扱っている。

 

商売人(あきんど)のスローガンは「ゆりかごから墓場まで」だ。

 

商売人だけではなくハゲタカたちと呼ばれる金融投資家たちが、

巨利を得ようと旬のアイドル選挙ビジネスに群がるのは当然だろう。

 

ブルーペットもアイドルをプロダクションに斡旋しようと交渉を続ける。

売れ残った在庫を、弱小芸能事務所にバーゲンセールだ。

 

「1116(良い色)プロダクションはんは候補者が不足してるんでっしゃろ?

 今なら二人はすぐに手配できまっせ」

 

「――ひっひっひっ、えらいおおきに。

 ほんなら明日まで二人送りますわ。

 名前はヴィスベルとアルプスって言いますねん」

 

ブルーペット商会は送り出し機関と呼ばれる団体の一つだ。

先進国で働いて技能を身に着けながら稼げると言って途上国から若者たちを集める。

大きな期待を胸に抱きやってきた実習生はすぐに過酷な労働環境に直面する。

最低賃金以下の報酬に、技能など身に着くはずがない長時間の単純労働。

一部では宇宙の奴隷市場と呼ばれ、実習生を借金漬けにして、闇市に売り払うという噂さえある。

 

「ほな、さいならー」

 

売れなかったアイドル候補者は、総統選挙が終われば見向きもされないだろう。

資金不足の芸能事務所が技能実習生制度を利用して外国人アイドルを受け入れていた。

先進国のアイドル業界で身に着けた半端な知識や技能など、後進国で役に立つはずもない。

 

「何言ってはるんや?

 うちはただ必要とする国に、必要な人を売ってるだけやで」

 

そう。芸能界の闇は深い――。

 

 

――――とある芸能事務所――――

 

とある帝国の資金によって設立された芸能プロダクションの事務所にある地下室。

そこにはドクツ人のハンナ・ケッテンクラートが閉じ込められていた。

 

「はぅぅ……」(まさか、こんなことになるなんて)

 

彼女「ケッテンクラート」は飛行学校を首席で卒業するほど優秀な学生だった。

しかし士官学校入学時に奨学金詐欺にあい、

緑色の肌をした商人と白い淫獣を介した契約を結んだ。

 

「ハンナ、身体の調子はどうだ?」

 

「ぷ、プロデューサーさん……もう許して下さい」

 

そこに普段の生真面目でお堅い様子は見る影もない。

 

学生随一のエースパイロット(ルナシュータ―)として名を馳せる彼女は、

もはや一介のアイドル候補者に過ぎない。

そして絶対遵守の契約により、赤羽仁プロデューサーの指示に逆らうことができない。

 

「くくく、そんな甘えた気持ちで、

 アイドルとして通用するか心配だ。おいお前たち」

 

赤羽仁Pが部屋の外に呼びかけると、のっそりと男たちが入ってくる。

その誰の目にも、ハンナに対するまとわりつくような欲情が浮かび上がっていた。

 

「だ、誰!?」

 

「こいつらは、選りすぐりのドジっ子好きの支持者(ファン)達だ。

 騙されて候補者(アイドル)になるなんて笑えねえな。

 じゃあな! せいぜい支持者(ファン)には媚を売れよ!」

 

赤羽仁Pが笑い声をあげると続々と入室した男たちが、

ぞろぞろとハンナを囲むように歩みを進めていく。

 

「い、いやぁ……来ないで……いや、いやぁ―――ー!!」

 

「あいやー!」 「はにほー!」

 

アステカ帝国からやってきた緑色の埴輪(ハニー)達が一斉に騒ぎ始めた。

 

「なぁに少しだけ素直になってもらおうと思っているだけさ」

 

ズイっと圧迫感のある埴輪(ハニー)達が近寄ってくるが、

ハンナはフリフリのアイドル衣装の姿で柱に縛り付けられている。

匠の荒縄により巧みに縛り上げられた女体は身動き一つできずにいた。

 

「や、やだぁ……やめて……プロデューサーさぁぁん」

 

「ふんっ。これから視姦地獄(ポーズレッスン)を始める。

 さぁ、お前たち。まずはポーズを見てチェックするんだ。

 ねっとりと! ジロジロと! ネチッこくな!」

 

一人だけ赤色で目立つ埴輪(ハニー)赤羽仁(アカハニ)Pが指導(レッスン)を始める。

 

「じろじろー。じろじろじろじろー」

 

「素敵ー。ハンナちゃんって実は着やせするタイプ?」

 

「縛り上げられて……張り詰められた……おもち」

 

「い、いや……変なとこ見ないでぇ……」

 

(み、見られてる……こんなに……くやしい……!

 でも、心臓がドキドキしてきた……感じちゃう!)

 

ハンナがビクンビクンしていると視姦(見守)っていた赤羽仁(アカハニ)Pが声を上げる。

 

「よーし、眼鏡もってこい! かわいがり稽古(ビジュアルレッスン)だ」

 

「え、え、なに? なんなの? なんで眼鏡?」

 

「やったー。眼鏡だ眼鏡だー」

 

「ドジっ子眼鏡の誕生だー」

 

「髪型も眼鏡っ子に似合うのに変えようぜー」

 

「眼鏡っ子に叱られたり、罵られたりしたいねー」

 

芸能界のやみ、828(はにわ)プロは今日も平和だった――。

 

 




作中で名前が「」で囲まれたキャラは、
原作ゲームにグラフィック付きで登場するキャラです。

「栗田アスパラ」と「山口ギャモン」は日本帝国の汎用提督
「金海海」と「項天天」は中帝国の汎用提督
「スプルアンス」はガメリカの汎用提督
「コンパス」はエイリスの汎用提督
「ピロシキ」「ボルシチ」「キャビア」はソビエトの汎用提督

「ブルーペット」および「ヴィスベル」「アルプス」の傭兵提督は、
二次創作元の『えろかみ大帝国(R-18)』では登場しないのでこちらで。

できるだけR-18の方で活躍しないキャラを、
活躍させたいと思って設定と一緒に情報共有もしています。

ケッテンクラートは、ハンナの部分がオリジナルです。
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