ハイスクールD×D 半熟探偵   作:ポッタ―メン

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旧校舎のディアボロス
Rな恋/甘い罠にはご用心


バキッ!グシャッ!ドコッ!

 

 

駒王学園近くの路地裏。

 

今そこには爽やかな朝に似つかわしくない随分と暴力的な音が鳴り響いていた。

 

「おら、一昨日うちの生徒から巻き上げたペンダント出せ」

 

「な、何のことだ?」

 

「お前がパクったのを見たっていう証言を他の仲間から少々【お話】で聞き出したからな」

 

「お、俺は知らねぇって」

 

「まあ、しらを切るのもいいし黙秘してもいい。代わりといっちゃなんだがな、お前の下半身を不能にしてやろう」

 

地面に倒れ込んでいる名も知らない不良A君の魂を踏み潰そうとおもいっきり降り上げた足を降り下ろす。

 

「わ、わかったわかった。出す、出すよっ!!」

 

「たくっ。最初からそうしとけばフルボッコにされてないんだっつの」

 

不良Aの改造制服のポケットから取り出したペンダントをひったくるついでとばかりに、玉が潰れる一歩手前の絶妙な力加減で踏みつけておく。

 

「お、おまっ……、何で……踏んでんだよ……」

 

「はぁ、お前馬鹿か?誰も踏まないなんて言ってないだろうが。まっ、なんにしても依頼の品は奪還出来たし上々ってとこか」

 

さて、何故俺が登校前に不良狩りなんて大層なことをしているのかというと、それは前日の昼休みまで遡ることになる。

 

 

 

 

 

 

 

おっと、その前に俺の通う高校の話だけでもしておくか。

 

俺の通っている学校『私立駒王学園』は元々女子高だったんだが、近年の少子化ってやつで共学にならざる終えない状況だったってわけ【そのぶん、男子の率が極端に少なくハーレムを夢見て入学する奴らも多いが、一応最高学年の俺が見た限りでは誰も成功した奴はいないみたいだけどな……】。

 

元々がお嬢様学校だったってことも手伝って、海外からの美人留学生も多いし生徒のレベルも高い。

 

何が言いたいかって言うと、まあとにかく絡まれる奴が多い。

 

しかも、柄の悪い奴らはカツアゲをするかわりに女生徒のアクセサリーなんかを盗る輩がいるわけで……。

 

だから、こんな依頼が舞い込んで来るのもそう珍しい事じゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この依頼を引き受けたのは、俺の授業態度が気に入らないせいか数学の時間になると目の敵のように質問をしてくる担任から逃れて、さて昼寝でもしようと屋上で寝転んでいる時だった。

 

「あ、あの先輩っ!!」

 

「んあ……」

 

声がした方に視線を向ければ、【見覚えのない生徒だから恐らくは下級生だろう】二人組の女子生徒がこちらを見下ろしていた。

 

「何、なんか用?」

 

「あの、えっと……」

 

「もしかして依頼?」

 

「は、はい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「まず名前は?」

 

ロングヘアを左右に縛った女子に問いかける。

 

「む、村山です」

 

「そっちのカチューシャの子は?」

 

「片瀬です」

 

「で、どっちが依頼人なの?」

 

「私です」

 

「村山ちゃんね。それで依頼の内容は?」

 

「その……、ペンダントを取り返して欲しいんです」

 

「ペンダント?」

 

「二人で一緒に買った思い出のペンダントなんです。でも、昨日の放課後に……」

 

「カツアゲされた……と」

 

「……はい」

 

「まあ、どうせ暇だし別にいいか。じゃ、依頼料は3千円ね」

 

受け取った依頼料をブレザーの胸ポケットにねじ込む。

 

「ペンダントは明日の放課後に渡しに行くけどいいよね」

 

「はい。あの、よろしくお願いします」

 

屋上から出ていく二人の下級生の後ろ姿を眺めながら、居なくなったのを確認しつつブレザーの隠しポケットから、ライターとマルボロを取り出し、口にくわえ、ライターで火を付け紫煙に目を細めながら、先程から聞き耳をたてている

 

「出てこいよ。いるんだろ蒼那、椿姫」

 

「居るのが分かって居るのなら堂々と生徒会長の前で吸わないでください、逸識くん」

 

「悪い悪い。で、なんか用かい?生徒会のNo.1とNo.2がお二人揃ってこんな不良に蒼那会長はなんの御用で?」

 

紫煙を吐き出しながら問いかける。

 

「いえ、一緒に昼食でもと思いまして……」

 

「椿姫も?」

 

「はい」

 

「お前らも物好きだな、こんな不良を昼食に誘うなんてさ……」

 

「ど、どうですか?」

 

「まあ、御相伴にあずからせてもらうよ」

 

結論だけ言うと、蒼那と椿の弁当は物凄い旨かった。

 

ただ、蒼那のデザートのフルーツパイを食べた時から記憶がなくなっているのだが、どうも思いだそうとすると身体中に悪寒が走るのは何故なのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、不良から【お話】して取り返したペンダントをもてあそびながら校門を潜ると、見覚えのある黒髪ポニーテールが歩いているのを見つけて声を掛ける。

 

「うぃっす、朱乃。今日は遅いのな、いつもならこんなギリギリになんか来ないだろ?」

 

「あらあら、逸識くん、おはようございます。今日はちょっと境内の掃除に手間取って遅れたんです」

 

「ふ~ん。あっ、悪いんだけど俺今日の授業サボるから先生に上手く言っといてくんない?」

 

「仕方ないですね。でも、ただというわけにはいきません」

 

「分かってるよ、次の休日に神社の境内の掃除手伝えってんだろ」

 

「ええ、そのとおりです」

 

「次の休日は空けとくよ。リアスにもよろしくな」

 

昇降口で別れた朱乃に後ろ手に手を振りながら、屋上で仮眠をとるべく階段を登った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふあ~あ、もういい時間だろ」

 

屋上の手摺からグラウンドを見渡すと、三人組の男子が女子に追いかけられて……って、

 

「ま~たイッセーたちか……っていうか、あれ村山ちゃんと片瀬ちゃんじゃん」

 

「まっ、ちょうどいいかね。依頼の品返せるし、イッセーたちのフォローもしてやるか」

 

ブレザーから一本のギジメモリを取りだし、腕時計に装填する。

 

『Spider』

 

スパイダーショックをライブモードに変形させ、エイトレッグスバンドから射出して、屋上の手摺に掴ませる。

 

そしてそのまま、

 

「よっこいしょっとぉ!!」

 

飛び降りる!!

 

「きゃあああああああああっ!!」

 

「あっ、ごめん、気にしないで。自殺とかじゃないから」

 

真下にいた生徒に謝って、グラウンドを目指す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待てぇぇぇ、この変態三人組ぃぃぃ!!」

 

「エロ兵藤ぉぉぉぉ!!」

 

「ちくしょぉぉぉぉっ!!俺まだ覗いてないのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

「まだってことは覗こうとしてたってことじゃないっ!!」

 

「は~い、ストップ。そこまでだ」

 

「「「零織先輩っ!?」」」

 

「まずは村山ちゃん。はいこれ、依頼のペンダント」

 

「あ、ありがとございます!!」

 

「良かったね、村山ちゃんに片瀬ちゃん。でもね……」

 

そう言うと、俺は少し恐い顔を作って二人を睨む。

 

「もう二人でああいう路地裏とか入っちゃ駄目だからな。これ、先輩との約束な」

 

二人の頭をポンポンと撫でる。

 

「「は、はい//」」

 

「そして……、逃げようとしてる後輩三人組っ!!」

 

「「「っっ!?」」」

 

逃げようとしていたのか急に声をかけられて飛び上がる三人組の前に回り込む。

 

「お前ら何度めだ?俺がお前らの事庇ったの?松田」

 

「10回目……です」

 

「で、前回お前ら俺になんて言ったっけ?元浜」

 

「二度としません……です」

 

「お前ら……、小学生じゃねぇんだから。蒼那に誓約書まで書かされたんだろうが、イッセー」

 

「はい……」

 

「まあ、俺も思春期男子だからわからんでもないが……。もう少し自制を覚えろ、な。そんなにがっつくから彼女も出来ねぇんだ、顔はイケメンなんだから。特にイッセー」

 

「……すいません」

 

項垂れる三人におやっさん直伝のデコピンを喰らわせてから、後ろの女子剣道部の面々に向き直る。

 

「こいつらも反省してるみたいだし、今回は俺の顔を建てるってことで許してくんない?」

 

「ま、まあ、零織先輩が言うなら…………」

 

「悪いね。イッセー、少しは反省しろよ」

 

手のかかる後輩三人組に一言言って、俺は校門を目指した。

 

Sideout 逸識

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side イッセー

 

「悪いね。イッセー、少しは反省しろよ」

 

去っていく零織先輩の背中を眺めていると、

 

「今回は零織先輩がああ言ってたから見逃すけど、次は許さないからねっ!!」

 

村山と片瀬を筆頭に頷く女子たちに首を縦に勢いよく振る。

 

 

 

 

 

「俺たち……、助かった……のか?」

 

坊主頭の松田の問いに力なく頷く俺に【スカウター】の異名を持つ元浜が零織先輩の去っていった方向を見つめながら、解説を始めた。

 

「3年A組、零織逸識先輩。一年生から三年生の成績は常にトップ、体育祭の全競技に出るほどの運動神経を持つ。二年生の生徒会選挙では圧倒的カリスマ性を発揮したが、現生徒会会長蒼那会長にその職を譲り辞退した。現在でも会長と副会長から生徒会に誘われているが、入会する気配はない。そして二大お姉さまのリアス・グレモリー先輩に姫島朱乃先輩とも個人的な付き合いがあると聞く。それに美人姉妹と名高い黒歌先輩と白音ちゃんと、一つ屋根の下で生活しているらしい」

 

「やっぱ零織先輩ってさ…………」

 

「「「……超すげ~」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ……、俺も零織先輩みたいな出会いが欲しい……」

 

「あ、あの……」

 

「えっと、君は?」

 

「あの……、私と付き合ってください」

 

 

 

 

 

我が余の春が来たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「も、もちろんっ!!」

 

Sideout イッセー

 

 

 

 




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