DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH ーMY REQUIEMー   作:ユキユキさん

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久々に投稿。


第3話 ~邂逅とデジモン

ー雪広ー

 

ユーレイに似た人物が俺達の前に立った、そして警戒する俺達に…、

 

「どうした? まるで幽霊でも見たような顔だ。」

 

と、怪訝な顔で声を掛けてきた。…ユーレイではない? 俺は目の前の人物を見るが、…かなりユーレイに似ていると断言出来る。しかし…違ったら? そうであれば、かなり失礼な態度をしているだろう。とりあえず…ユーレイのことを彼に教えよう、謝るのはこの後だ。

 

ユーレイのことを話しても彼は動じない、それどころかそのユーレイは自分かもしれないと言う。『EDENに棲みついた幽鬼』とか呼ばれている、この世のものではない…とかってね。真相は神出鬼没ってことらしいけど、…噂ってーのはそんなもんだよね。そんな彼は俺達に色々と教えてくれるらしい、親切だねぇ。…彼曰く『デジモン・キャプチャー』を入手してばかりの俺達は言わば、『ハッカーの雛鳥』らしいけど、…その通りだわな。

 

…EDENには、様々な目的を持ったハッカーがいる。義賊的な者、強奪する者、力を試したい者、…色々といるらしい。わけも分からないままハッカーの雛鳥となった俺達、…俺達はどんな存在になるのか? …考えねばならないな。アミちゃんも色々と考えているっぽいけど、何だかニヤついているみたいだが…。そんな俺達の様子を見た彼は、

 

「…雛鳥どころか、…まだ卵から孵ってもいないようだ。…まぁ色々と考えてごらん、それは君達の自由なのだから。だが…経緯はどうあれ、君達はデジモン・キャプチャーを入手した。故に試してみるといい、『デジモン』と呼ばれるプログラムの力を…。」

 

と言ってきた。彼の言うように俺達はハッカーとなった、経緯はどうあれ…な。

 

何はともあれ、なるようになるだろう。…俺はどんなハッカーになるのだろうな、勿論アミちゃんも。ハッカーになったとしても、俺は俺らしくいけばいい。それでいいじゃないか、しかもチョイとワクワクするな。そんな俺を見て、アミちゃんを見て彼は…、

 

「…彼女の方は別のことを考えているようだが、…君の方は何かいいね。故に僕から未来の仲間の誕生を祝して、記念すべき一体目のデジモンを進呈しよう。ほら…君達の後ろにいる、…あれがデジモン・プログラムだよ。」

 

彼が指す背後へ振り向けばそこには、初めて見る三体のデジモン? が…。

 

 

 

 

 

 

見た感じタイプの異なるデジモンが三体。白くてめっちゃ可愛い獣系、大きな花が頭上にある植物系、メカメカしい歯車っぽい機械系の三体。入手出来るのは一体だけと彼は言うが、…俺はどのデジモンを選べばいいかと考える。しかしデジモンに気付いたアミちゃんが、俺よりも先に選んでしまう。

 

「このメカメカしい機械タイプがいい! 物凄く可愛い!!」

 

……まさか機械系を選ぶとは、女の子だから獣系か植物系を選ぶかと思った。機械系に突撃して抱き付くアミちゃん、機械系のデジモンが困惑しとるぞ? …とりあえず、俺はどのデジモンを選ぶべきか。残っているのは後二体、獣系か植物系…さて。

 

…真剣に選ぼうかと思ったのだが、残りの二体が俺に引っ付いて離れなくなった。…あれ? 一体だけじゃないの? 当然のことながら、俺は困惑する。俺の他にユーレイと間違えた彼も困惑、アミちゃんは機械系デジモンに頬擦りしている。

 

「彼女はハグルモン、そして君がテリアモンとパルモン。本来であれば一体なのだが、…その二体は君から離れたくないようだ。こんなことは初めてだよ、…君は相当に稀有な人物のようだ。」

 

ふむ…あの機械系がハグルモン、俺に引っ付いている獣系と植物系がテリアモンとパルモンか。名前を聞いて思い出したが、パルモンは確か…妖精っぽい奴に進化するんだよな? ハグルモンとテリアモンは分からんけど。何はともあれ俺にめっちゃなついてくれているみたいだし、テリアモンとパルモンは大事に育ててあげないとな。…アミちゃんも見た感じ大事にしそうだ、ハグルモン的に鬱陶しそうだが。

 

 

 

 

 

 

彼曰く、デジモンを入手するにはいくつかの手順を踏む必要がある。デジモンを発見、遭遇したのならまずは『スキャン』を行い、解析データを取得すること。これはデジモン・キャプチャーに備わっている機能であり、制限なく使用可能なものである。しかし、解析データを取得しただけではデジモンを入手したことにはならない。『コンバート』というプログラムを起ち上げ電脳空間に実体化させることにより、初めてデジモンを入手…使役が可能になる。

 

しかしスキャンとは異なり、コンバートを実行する機能がデジモン・キャプチャーには備わっていない。彼を含めたハッカー達は、それを使用出来るみたいだが一定のルールを設けて規制している。力の行使を抑制する為に、…彼はそう締め括った。要するにデジモンの入手には規制があるから、そう簡単に入手出来るモノではないってことだな? 今回の件は運が良かった、そういうことなのだろう。

 

俺達の選んだデジモンはかなり弱いようだが、育てれば成長して進化する。俺達自身もハッカーとして経験を積めば、プログラムも強力なものに変化していくとのこと。いつの日か強大な力を入手するかもしれない、そうなったのならデジモンの使役について責任が生じる。ハッカーは自由な存在だけど、無秩序であってはいけない。そう彼が言った、…ハッカーになってもヤンチャはし過ぎるなということだろうか?

 

彼の話を聞いてチョイと考えさせられたが、アミちゃんは…よく聞いていないっぽい。そんな話よりもハグルモン、未だ離そうとしない。…彼、少し呆れていますぞ? とりあえずは心の片隅にでも留めておいてやれよ、アミちゃん。…とにかく、デジモン・キャプチャーはハッカーの証とのこと。ハッカーの実力・価値・存在理由はデジモンの使役によって証明される。彼曰く、それがEDENの秩序を守護するハッカーの真の姿。俺達がそんなハッカーを目指してくれたなら、彼的にはかなり嬉しいらしい。

 

……エンジンが掛かったのか、彼は更に色々語ろうとしたのだが…、

 

「ハ~グルモン、ハグルモン♪ 可愛い、可愛いすぎるよぅ♪ きゃあああああっ♪」

 

アミちゃんがめっちゃウルサイ、そのせいで饒舌に語ろうとした彼も渋い顔。…グッジョブだ、アミちゃん! めげない彼はアミちゃんを見て、都合よく解釈した模様。逆に俺が呆れてしまうんだけど、…この二人に。

 

 

 

 

 

 

アミちゃんの暴走? も治まったところで、彼はデジモン入手のやり方を説明してくれた。最初に説明してくれたままであるが、何事も確認は大事だからな。え~と…、手順通りにまずはスキャンから。デジモン・キャプチャーが起動している状態で、ターゲットを……、

 

『…グォォォォォッ!!!』

 

「「「ッ!!?」」」

 

何処からともなく聞こえてきた獣のような雄叫び、俺達は一瞬固まった。

 

雄叫びのせいで、テリアモンとパルモンが俺に引っ付いて震える。ハグルモンはキョドっている、当然…俺とアミちゃんも。ユーレイ似の彼はとりあえず冷静、…見た感じ少しだけビビっているっぽいが。そんな俺達の前に現れたのは謎のデジモン? ……ハグルモンは逃げ出しそれを追い掛けていった。その光景にアミちゃんは、

 

「あぁっ!? …ハグルモォォォォォォォォォンッ!!?」

 

と叫んで、悲しんだのは言うまでもないだろう。…テリアモンとパルモンは俺の所にいるが、ハグルモンは逃げてしまったな。

 

…暫くして調子を取り戻したユーレイ似の彼、ハグルモンの代わりを見付けてやるとアミちゃんを慰めている。…見た目によらず優しいじゃないか、ユーレイ似の彼よ。しかしながらこのエリアに、あんな強力なデジモンが出現するのは異例らしい。馬鹿なハッカーが悪ふざけで放したか、或いは彼に敵対する者の仕業かもと言う。何という迷惑、巻き込まれたのかね? 俺達は。

 

俺と彼とでそんな話をしていると、へたれて落ち込んでいたアミちゃんが急に立ち上がり…、

 

「…ハグルモンを追い掛けていったデジモン、…私はヤツを追い掛ける!」

 

……は? 追い掛ける? あの強力なデジモンが欲しいの? あれは絶対にヤバイって、俺もそうだけどアミちゃんには無理だって。まだなりたてホヤホヤのハッカーよ? 使役出来る筈がない。…そう言うと、

 

「あんなデジモンなんかいるかぃ! 私はハグルモンを助けるのだぁぁぁぁぁっ!!」

 

…何? 逃げたハグルモンを気にしているのか? アミちゃんの言葉にユーレイ似の彼は絶句、俺もちょいと驚いたりした。驚いたけど、あの可愛がりを見てた俺としてはそうなるわな…と納得してみたり。

 

ユーレイ似の彼はアミちゃんの言葉を否定、所詮はプログラム…怪我でもしたらバカを見ると。…彼の言うことも正しくはある、しかしながらアミちゃんは…、

 

「何を言われようが私は助けに行く! …誰も私を止めることは出来ない!!」

 

と言い切った。…男らしいね、アミちゃんはさ。彼女の決意は本物、それを感じた彼は最早…何も言わない。アミちゃんは奥へと走り出し、当然俺はその後を追う。…何とも世話の掛かる娘だ、…嫌いじゃないけど。

 

 

 

 

 

 

アミちゃんを追った先で俺は目にする、ハグルモンを守るように立ち塞がる彼女の姿を。恐れることなく強力なデジモンの前に立つ、そう簡単に出来ることではない。何だかんだで共に来たユーレイ似の彼も感心している、彼女は物好きでお人好しであると。そして奇遇ではあるが自分も同じ、故に力を貸すと言う。

 

ユーレイ似の彼がそう言った瞬間、その隣に現れたのはメカメカしい恐竜型のデジモン。…威圧感が凄い、…メチャクチャ強力なデジモンではなかろうか? アミちゃんも苦笑いしとる、…この俺も。…そんな状況の中、俺に引っ付いていたテリアモンとパルモンが俺の前に立つ。………俺を守る為に、アミちゃんを救う為に戦うというのか? ………何とも泣かせる、…自分達よりも強い奴に立ち向かおうとするこの二匹に。…それに習ってか、ハグルモンもアミちゃんの前に。…デジモン達の行動に俺は密かに感動、それはアミちゃんも同じっぽい。…俺も覚悟を決めて共に戦おう、役に立つかは分からんけどな!

 

初の実戦になるわけだが、テリアモンとパルモンはやる気満々だ。アミちゃんとハグルモンも同じ、ユーレイ似の彼は冷静である。俺達が戦闘体勢を整えると、相手デジモンが牙を剥いた。…さて、どうなることやら。とりあえず、負けないように戦うしかないな。こちらは最大戦力の彼がいるわけで、この戦いでデジモンがどういうモノなのかを学ばせてもらおう。

 

「僕がフォローする。…君達はこの戦いで、デジモンがどういう存在なのかを学んでくれ。…君達がハッカーとして存在する限り、このような場面が多々…あると思うからね。」

 

うんうん、彼も俺と同じ考えのようだね。このチュートリアル的現状、大いに利用させてもらうよ。

 

 

 

 

 

 

……………という感じで戦闘になったわけだが、アミちゃんと協力してデジモンを倒すことが出来た。命令というか指示というか、デジモン達にお願いをして無事に撃破したってこと。強敵で最初はおっかなビックリだったけど、段々と慣れてきてスムーズに指示を出すことが出来た。そのお陰でテリアモンとパルモンは無傷、アミちゃんとハグルモンも無傷で戦闘が終了。

 

初めてのデジモンバトルを勝利で終わらせることが出来た、ユーレイ似の彼も…、

 

「初めてのバトルでここまで出来るとは…、君達はハッカーとしての才能がある。特に君は凄い、二匹のデジモンを最初から…。勿論彼女も凄い、…君達には期待出来るな。」

 

そう俺達を絶賛してきた。…そこまで絶賛されると照れるな、うん。アミちゃんも照れて……いないな、ハグルモンを抱き締めている。そこまでハグルモンのことが好きか、…まぁ助けるぐらいだもんな。




のんびりいきますよ。
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