この素晴らしい世界へ少年を   作:フランシス・アルバート

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お久しぶりです読者の皆さま方

最近やっと忙しい一時的に抜け出せた為に新しい話が書けました。
暇潰しにお読みください。


感想と評価お待ちしております。






追記:部屋の中央に…の所のアイテムを黒い布→意匠を凝らした籠手に変換しました。


あの鐘の音は……

肌を湿らす汗

 

薄暗い空間

 

人々の笑い声

 

 

肌を舐める熱気に酒と料理が混ざった香りが充満し薄暗い空間に人々の笑い声が木霊する。

 

昼間から酒精を帯び、顔を赤らめる男達を尻目にその間を抜けるがその際に何故か男性、及び女性に凝視された。

 

 

「あんな娘、居たっけ?」

 

「新しい職員さん?」

 

「あー、いいっすねぇ」

 

女性のヒソヒソとした会話と視線を気にせず、何故か尻を触ろうとする男の手を叩き落とし目的のテーブルまで向かう

 

そして目的のテーブルまでたどり着き、料理を提供する。

 

 

「おはよう、ユーリ君」

 

 

料理を置いたテーブルの先にいたのはクリスであった。

最近あまり見なかったが久しぶりである。

 

 

「うん、久しぶりだね、って言うかユーリ君こんな所で何してるの?」

 

 

見ての通りバイトである。

ここ最近、色々な物を買ったりアクアに色々と奢った結果、少々所持金が心許ないのでバイトしていた。

 

クエストに関してはあのベルディアのせいで依頼が激減、稼ぐ手立てが高難易度のクエストかバイトしかない

 

高難易度なんて受けた日には自分の実力じゃただのフレッシュミートである。折角転生したと言うからには無謀な真似はあまりしたくはない。

 

それ故にギルドにてバイト、主に接客業であるウェイターを始めた。

 

何故ウェイターであるかと言うと皿洗いやレジより小柄で素早い為にウェイターへと回されたと言うことである。

 

 

「へ、へぇ……バイトだって言うのはわかったけどさ……」

 

 

クリスは自分を頭の先から爪先までじっくりと見回し、少し引きつった笑みを浮かべながら

 

 

「何で女の子の格好してるの?」

 

 

じとりと重みを帯びた視線を向けてくるクリス

 

しかしその視線に答えるようにクルリと目の前でターンしてあげた。

 

 

どう?似合ってるでしょ?

 

 

「そうじゃなくて!」

 

 

膝より少し上のスカートをつまみ上げ、もう一度クルリと回転する。

確かに肩から鎖骨、胸当たりまで大胆にカットされた服であるため多少恥ずかしいと思う。しかし男故にサービスは無いしスカートの中には短パンを履いているのでラッキーも起きない

 

初めは多少抵抗があったものの意外と動きやすいために気にしなくなっていた

 

まぁ一番の理由としては自分のサイズの服装がなかったのと周りの職員にべた褒めされた事が原因ではある。

 

 

「なるほどね……理由はわかったよ……」

 

 

少し疲れたような、それでいて濁った眼でクリスはこちらを見る

 

 

「だけどさ、その格好はなんと言うか、毒?」

 

 

毒とは、確かに露出が多い分、目に毒だろう

 

だか似合っているだろう?

 

 

「だからそうじゃなくて!?」

 

 

似合ってない?……

 

 

「あぁもう!似合ってるよ、物凄く似合ってますから!久しぶりに少し話そうと思って来たのに何でこんな事に……」

 

 

自分も同じく自画自賛であるが似合ってると思う

 

しかし投げやりなクリスの態度

 

やはり似合ってないのだろうか……

 

 

「……」

 

 

似合ってないのか……

 

 

「トテモオニアイデス……って言うか普通に着こなしてるのが微妙に悔しい」

 

 

ぐぬぬ、と悔しがりながらクリスは自分を評価する。

 

それよりも今はバイト中なので終わった後でいいだろうか

 

 

「普通ここで話を戻しますか!?流石に貴方のテンションに…って、あれっ?前にも似たようなやり取りが…」

 

 

少しからかい過ぎた様だ、何やらクリスが頭を抱えてショートしている。

だが流石にバイト中な為、これ以上話し込むのは不味いだろうと思いバイトの終わる時刻を教え、元の業務へと戻る

 

今日も一日、良い日になりそうだ

 

 

 

 

 

 

 

 

喧騒も絶え、穏やかな日差しが柔らかく店内を照す昼下がり

 

最後に店の奥で一人ポツンと座っていた紅魔族の女の子に料理を持ち運びバイトは終了

 

軽く食事でも取ろうとサンドイッチとお茶を手にクリスの席へと向かう

 

だがそこにはいつもの活発なクリスではなく、ツンとした態度を取るクリスがいた

 

からかい過ぎた事を根に持っている様で少々不機嫌な様子だ

 

いや、良く見れば口元が少し弛んでいるため不機嫌なふりをして困らせようとしている。

 

ならばとフードを目深に被り、反省した様子で、それでいて後悔した様子で雰囲気を暗くする。

 

人間、目を隠せば意外と下手な演技もカバーできる。それを実践して見せよう

 

おもむろにそっとクリスの手を握る

 

 

「ユ、ユーリ君……」

 

 

自分の様子(演技であるが)に気がついたのか逆に不安な様子を見せるクリス

 

本来ならここでドッキリ大成功とするのも良いがそれではつまらない

やられたらやり返す、倍返しだ!

 

ちなみにやられてなくても自分はやり返す

 

 

「ユーリ君!?」

 

 

遂にはクリスはオロオロとし始めたが笑いをこらえて演技に徹する。

 

ごめんなさい、そうポツリと一言溢した。

 

 

「い、いや、その、もう大丈夫、大丈夫だから!」

 

 

クリスは必死に慰めようとしているのか更に動揺し、焦り始める。

しかしここでドッキリ大成功すれば怒られる事は確実、ならば最後に止めをさして流した方が良いだろう

 

そして最後に止めとして禁断にして悪魔の一言を放った。

 

 

ありがとう、クリス姉さん

 

 

完璧なタイミング、完璧な上目遣いの角度、完璧な笑顔と声

自画自賛ではあるがハリウッドもビックリな演技だと思える。

 

決まった、そう思いながらクリスを見ると様子がおかしい

 

ピクリとも動かないクリスの顔を覗き込むと放心した様子で固まっていた。

 

コ、コイツ!死んでる!

 

と言うのは冗談でクリスを起こすことにしたがあまりにも衝撃的過ぎたのかクリスが目覚めるまで少し時間を要した。

 

 

 

 

 

 

 

仕事を終え、いつもの服へと着替えて先程クリスがいた席へと向かう

するとクリスはぐったりと机に突っ伏し、伸びるもとい溶けていた。

 

「はぁ、何か凄く疲れた……」

 

机に伏したクリスは何やら疲れた様にため息を吐き出し、いつもの元気が鳴りを潜めているために労う様にお茶を渡す、疲れているようなので蜂蜜を入れたためいくらか回復するだろう

 

 

「ん、ありがとう」

 

 

ほっとしながら茶を啜るクリス

その姿から何処か疲労した様子が見え、少し弱々しい

 

先程からかったのが原因かと思ったが精神的と言うよりは肉体的に疲労しているようだった

 

何かあったのだろうか

 

 

「いや、最近忙しくってね、神器の回収案件が結構起きちゃってね、てんてこ舞いなんだ」

 

 

神器……転生者の特典、わかりやすく言うならチート

それの回収案件とは中々に大変そうであった。

 

 

「しかも最近になって回収するのが増えてね…ってごめん、なんか愚痴を言っちゃって」

 

 

別に構わないと返す

人間誰でも忙しければ愚痴くらいは溢しても構わないだろう、ましてや女神様の頼み事など責任感過重満載案件など愚痴でも溢さなくてはやってられない物と思える。

 

それが愚痴くらいでも適度なガス抜きが出来るなら聞く身としては本望だ、クリスには世話になっているが故に全然構わない

 

 

「ん、ありがとうねユーリ君」

 

席を立つクリス、もう行くのだろうか?

 

 

「うん、まだ残ってるし回収しないと危ない物もあるから、今度愚痴を聞いて貰ったお礼に何かしてほしい事があったら言ってよ」

 

 

お礼に何かしてほしい事……それを聞いて一つ頭に電気が走る。

 

それならばとクリスに向かい、してほしい事を一つ口にした。

 

 

 

 

 

 

 

青々しく広がる空

 

同じく青々しく茂る草原

 

カタカタと揺れる馬車は心地よく、優しく眠気を誘う。

 

柔らかな日差しの元、一つあくびをした。

 

 

「予想外だったよ」

 

 

クリスは嬉しそうに、それでいて何処か罪悪を感じた苦笑いをしながら呟く

 

そこまで予想外だっただろうか?

 

 

「予想外も予想外、確かにしてほしい事とは行ったけどまさか手伝わさしてほしいとは思わなかったよ。ユーリ君くらいの年ならもっと欲を出して良いんだよ?」

 

 

クリスは少し微笑みながら諭すように話す、その視線はとても慈愛が込められている気がした。

 

しかし別に欲が無いわけではない。

確かに今回はクリスを手伝ってあげたいとは思い、提案したが他にも理由はある。

 

理由は簡単、別の町にも行ってみたかった

たったそれだけの事だと思うなかれ、自由に生きることを決め、この世界に転生してからやりたい事、思い付いた事をやり、とても充実した日々は過ごした。

 

しかし充実しているとは言えアクセルの外、近場の森や平原を抜いて行った事はなかった。

 

だからこそチャンスだと思い、クリスの仕事に同行したのだ。

 

 

「成る程、まぁユーリ君がそれで良いならアタシからは何も言わないよ、だけどこれだけは言わせて」

 

 

「ありがとうユーリ君」

 

 

どういたしまして

 

少々照れ臭い気もするが嬉しい

 

それを気取られないようフードを深く被るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

賑やかな大通り

 

人々や冒険者、馬車が往来し商魂逞しい声があちらこちらから聞こえる。

 

祭りの様な騒がしさはとても活気ついており、何処か心地よい

 

 

「ついたよユーリ君、ここが王都だ」

 

 

冒険者の花形、王都

RPGでも定番なそこはやはりと言うか人が圧倒的に多く、それこそ圧倒される。

 

しかし王都とは…

 

クリスの行く場所は勝手に近場の町かも知れないと思っていたが故にとても驚いている。

むしろ初めは近くの町にて下車した為にてっきりその辺りだと思っていた。テレポートで飛ぶまではだが

 

 

「あぁ、そう言えば行ってなかったっけ?」

 

 

てへっ、とクリスは言っているがこの反応は確信犯だろう、短い付き合いとは言え彼女が何かしらするときには急にあざとい態度を取るのですぐにわかる

 

多分ではあるが自分が行くと言った辺りからサプライズとして黙っていたのだろう、お茶目な事だ。

 

しかし手伝いと言うこともあるからには先に用事を済ませて後日楽しんだ方が良いだろう

 

 

「終わってからの方が目一杯楽しめるし、今から行く場所は昼でも大丈夫だから行こうか」

 

 

こっちだよ、と手招きするクリスについていく

昼でも大丈夫と聞いた感じ夜にやらなくてはならない回収もあるのだろう

 

ふと、頭にある考察が浮かぶ

 

王都で夜に動く、夜に活動するとはまるで人目に触れないように移動しているようではないか

 

もしや他人の家に侵入しているのではないか、と考えた所で止めた

確かに泥棒の様な行為だろう、しかし盗むのではなく回収

ならば問題はないだろう

 

町の外へと歩いて行くクリスに追い付くように小走りにしてついていった

 

 

それから数十分と言ったところか

 

クリスと昼下がりの天気の中、歩んで行くと古びた、苔と草だらけの廃教会が見えてきた。

 

 

「この中のどっかに持ち主を失った特典があるんだけど、ね!」

 

 

教会にたどり着くや否やクリスはよいしょ、と少し大きめな両開きの扉を肩に力を入れて押している。

 

 

「思ったより固いね、この扉」

 

 

固そうに押すクリスを手伝うために自分も扉に手を掛けた。

 

 

「それじゃ321で押そう、行くよ!3!2!1!」

 

 

扉にぐいっと力を入れると扉が開いた。自分の方だけ……

 

 

「あはは…立て付けが悪かったのかな?」

 

 

誤魔化す様にクリスは少し笑い、そして半分開いた扉から中へと入った。

 

中は外見と同じ様に古びていた。しかしステンドグラスから射し込む光に静寂さが相まってとても幻想的である。

 

しかし開けたままの扉から風が入り、埃が舞ってしまった。

 

 

「凄いね」

 

 

確かに凄い

 

しかし見た感じただの教会であるが本当にあるのだろうか

祭壇、椅子、見た所二階もあるようだ

 

 

「絶対ここにある筈、ほらアタシって女神……の従者だからわかるんだ、まぁこれから探すことになるんだけどね」

 

 

探そうか、その言葉に頷き主を失った特典を探すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

探すこと30分、未だに手がかりが掴めないでいた。

 

日は高く、相も変わらず室内を照らしてくれるのは救いだが椅子の下から祭壇、教壇を探るが何も見つからなかった。

 

と言うよりそもそも主を失った特典が長いことここに放置されているのにも関わらず誰にも見つかっていないと言うことは元持ち主がこの教会の何処かへ隠したのは確実だろう

 

しかしその隠し場所も見つからない為に回収するのは骨が折れそうだ

 

 

「見つからないね……」

 

 

クリスも色々とひっくり返しながら探しているためか少々汗をかいている。

 

 

「もしかしたら外にあるかも、ちょっと見てくるね」

 

 

クリスが扉を開けて外へと行った。

 

扉が開き、風が入る事によりまた埃が舞う。

キラキラと舞い漂う埃を眺めながらふと、あることに気がついた。

 

埃が一定の方向に流れたのだ

 

風の通り道となる場所、と言うより風は扉から入っているが何処かへ微かに流れている。

 

その流れた場所を見て進むと教壇の下に風は流れていた。良く見れば微妙に何か違う床だ、絶妙に隠されていた為に気が付かないのは仕方ないだろう。

 

床の一部を捲ると何か模様が出てきた。これはドクロマークだろうか

 

そしてその上部の僅かな隙間がある。多分だがここに風が流れていたのだろう

 

しかしマークがあり、僅かな隙間があると言うことはこれは確実に仕掛けだろう、これを解かねば先には進めない

 

恐る恐るドクロのマークに罠が無いことを確認するが大丈夫そうだ、少しペタペタと触れたり押したり引っ張ったりしてみる。

 

すると引いた時に少しだけ浮き上がった。しかし何か引っ掛かりがあり、引ききれない

 

その為、一旦指がかけやすそうな目の窪みに指を引っ掛け引くとカチリと音がなった。

 

偶然ではあるが当たりだ。引ける所まで引き、手を離してみる。

 

するとドクロのマークは形を変え、Aの様やマークに変化し元の位置へと填まった。

 

何か変化が起きただろうか、と辺りを見回した時、二階の縁、扉の上辺りから棒が何本か生えてきた。

 

しかしその場所は意外と高く、上るのは難しい

ただ扉からよじ登る事ができそうだ。

そして扉に足をかけると扉が少しだけ傾いだ。もしや扉が固かったのは昔誰かが登ったのでは無いだろうか

 

そのまま生えた棒に飛び移り、更にその先へと飛び移るを繰り返すと二階へとたどり着いた。

 

今気がついたのだが二階へ上がる階段は見当たらない。ここは仕掛けで登る所だったのだろう

 

その二階をぐるりと回ると丁度教壇の真上に当たる場所へと出たが、何やらハンドルの様な物が三つあり、その真ん中にボタンがある。

 

とりあえず迂闊に触らず、ヒントは無いかと周りを見ると後ろに額縁に入った文章がひっそりと飾られてあった。

 

『三信条を忘れるなかれ』

 

『一つ、罪無き者、傷つけることなかれ』

 

『二つ、闇に紛れ、目立つことなかれ』

 

『三つ、友を危難に会わせることなかれ』

 

『さすれば道は開かれん』

 

謎解きのヒントだろう、そう思いクラフトブックに一応の記録として書き記してからハンドルを捻ってみる。

 

するとステンドグラスが動き、絵が変わる。

ハンドルにも微妙な変化が起きていた。埃が詰まってわかり難かったが拭き取ればすぐにわかった。

 

Allah

 

よく分からない記号のため更に一つ目のハンドルを捻る。

 

 

Al-Bari'

 

文字が変わったが何処かで見たことがある。

更に捻る

 

Al-Ba'ith

 

あぁ、成る程と気がついた、昔神話等が気になり、本で読んだ事がある。

これはイスラム教の神の名の一覧に乗ってた物だ

 

確かそれぞれに訳があったが何分昔に少し読んだだけの物を思い出せるほど頭は良くはない。

 

頭を悩ませているとクラフトブックから一枚、紙が滑り落ちた。

 

紙を千切った覚えも何か挟んだ覚えも無い、その事を不思議に思いながら紙を広いあげると先程の三信条の物であった。

だが裏に何か文字が出ている。

 

99の美名、イスラムの美名の訳それらが全て載っていた。

元の持ち主が書いたとは思えない、もしや自分が書いたこれに反応したのだろうか

その事を少し不気味に思うが今は必要な情報だ、ありがたく使わせて貰う

 

その記載された訳を見ると最初のAllah、これは神を意味し、その次のAl-Bariは正当なる者、その次のAl-Ba'ithは死をもたらす者と記されている。

 

先程の三信条との共通点として罪無き者、つまり正当なる者の意味を持つAl-Bariがこれにだろうと辺りをつけ、ステンドグラスの絵を変える。

 

そのステンドグラスの絵は何故か市民の形をしていた

 

続いて二つ目のハンドルを回すと似たような物が出てきた。しかしここまでくれば慣れたもの三信条の二番、闇に紛れ、目立つことなかれと言うとおり隠される者の訳を持つAl-Batinを選ぶ

 

ステンドグラスはフードを被った人間の絵となっている。何かで見たような気がするがまた後にし、三つ目に取り掛かる。

 

三信条の三、友を危難に会わせるなかれに用心深きものの訳を持つAr-Raqibを合わせる。ステンドグラスはフードを被った片腕がない人間の絵であった。

 

一体何を示しているのだろうか、今はまだ理解できない

 

そして三つ揃った所でボタンを押す

 

 

ゴーンととても低い、背筋が凍るような鐘が鳴り響いた。

言うなればエリス様に会う前、あの死ぬ直前の感覚

 

失敗したのだろうかと顔を青くしていると一階の教壇部分が動き、地下への通路が現れた。

あっていたことに安堵したが何があるのだろうかと6割好奇心、4割恐怖心の心持ちで地下へ下った。

 

通路はやはり地下と言うべきかとても薄暗い

罠があるかも知れないと思い、罠感知を使用してみるが一つも見当たらなかった

 

たが見つからないとは言え警戒する事に超したことはない、ゆっくりと慎重に通路を進む

 

暗い通路の奥へと進むと一つの部屋に出た。

少し薄暗い部屋には何故か灯りがついており、辺りを照らしている。

 

壁にはあのAに似たマークの布が中央にあり、その周りに色々な年代の鎧や剣、弓に斧、槍に短剣、果てにはアンティークな銃など様々な武具がまるで壁画の如く飾られていた。

 

その光景を表すなら武具の博物館と言ったところか

 

しかしそれらの物よりも異彩を放つ物があった。

 

部屋の中央に鎮座する肩当て、意匠を凝らした籠手、そして骸骨の形をした仮面

 

そのとてつもなく不吉な気配を発する仮面は特典物なのであろう、まず間違いはないと勘が告げている。

 

回収する係のクリスがまだ来ていない

先程鐘が鳴り響いた筈だが気がつかなかったのだろうか、ならば持って行くのもありだろうとその仮面に触れた

 

その瞬間またもやあの背筋が凍るような鐘が鳴り響いた。

 

祝福ではない、葬式の様な忌々しさ溢れるその音色

 

 

『あの鐘の音が聞こえるか』

 

 

次の瞬間、耳に残る厳格な、それでいて恐怖を感じさせる声と共に意識は暗闇へと引きずり込まれた。

 

 




最後の仮面と鐘、それと最後の声誰でしょうかね?(すっとぼけ)

ちなみに途中のステンドグラスの仕掛けはそれを入れたいが為に書きました、あまり深い意味はありません


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