少しずつストックを溜めつつ、投稿させていただいております。
年始で皆さん忙しいようで、私の仕事もそれなりに詰まってきています。
書きたい原作の作品が積もっていきますが、書き上げるのが遅くて間に合いませんね。
長らく書けなかったのも原因でしょうけどね。
二年組のパート。
楽しんでくださいね。
オレは南ことりの幼馴染だ。
正確には、南ことり、高坂穂乃果、園田海未の三人と幼馴染だ。
男女の意識が無い頃からの付き合いだから、気心こそ知れてるが、だからこそ親密になる為の一歩が異様に遠い。
「優一はもう少し積極的になるべきです」
「そうだね。優ちゃんは、こう……ガバッとしてギュッとして……!」
「擬音ばかりなのにどういう行動なのか分かる自分が嫌だな」
学校からの帰り道、ことりがバイト、オレが休みで穂乃果と海未と一緒に下校中だ。
ことりが居ないと、話題が高確率で俺の恋愛関連の話になる。
応援してくれているのが分かるから無下にもできないのだが、これまた高確率で変な方向へ行く。
「だって、ことりちゃんへ想いを伝えるって言ってもう三年ぐらいかな?」
「忘れてるかもしれんが、今の関係になった原因の7割方はお前ら二人なんだぞ?」
「うっ……、しかし! 優一が臆病風に吹かれてしまったのも原因でしょう」
海未の奴が、ビシッとオレを指さす。
痛い所を突いてきやがる。確かに、オレが悪かった部分があるが、それでもあの流れは無い。
あと、指が近い、目潰しでもする気かお前。
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~中学時代~
「優ちゃんはいつことりちゃんへ告白するのかな~?」
「いきなり何言いやがるアホ娘が」
「私より成績良いからってヒドイ!?」
昼休み、オレの席の周りに穂乃果と海未が集まって雑談をしていた時だった。
突然、穂乃果の奴がニヤニヤしながら珍妙な事を言ってきた。
ちなみに、オレの成績は平均より少し上回る程度。
ことりと海未には敵わない。
むしろ、オレと穂乃果で教わるのがテスト前の習慣になっている。
「優一は小学校からことりの事好きでしたよね?」
「さりげなく言ってるが、オレのトップシークレットだぞ……?」
「幼馴染にこの程度の隠し事なんて意味ないでしょう」
「そうかな~? ことりちゃんは気づいてないみたいだけど?」
穂乃果ほどじゃないが、ことりも抜けてるところがあるからな。
海未は普段真面目だけど、変なところで変な方向へ走り出すからなぁ。
「これは優一がことりに告白するべきですね」
「お~、海未ちゃんそれいいね!」
「待てお前ら、当人をおいて話を進めるな」
いかん、穂乃果に火が付いた気がする。
基本的にオレら四人の中心は穂乃果だ。
良くも悪くも穂乃果が引っ張って、ことりがフォローして、海未がブレーキをかける。
悲しいかな、オレはこいつらの後始末が基本だ。
極稀に全員がアクセルと化す時があるが、その時はフォロー・ブレーキ・後始末のすべてが俺に降りかかる。
幼稚園の頃、こいつらが散らかした積み木を片付けてたし、小学校の頃、冒険だと言って山奥で遭難しかけた時にオレが連れ帰って四人分の親からガッツリ怒られた。
海未の親、滅茶苦茶怖かったなぁ……。
一番苦手なのが海未の親だったりする。
「やっぱり、二人っきりのシチュエーションは基本ですね」
「だよねだよね! 夕暮れ時の教室か公園か……」
「よしわかった。お前らオレと会話する気無いな?」
暴走したこいつらは止められない。
しかし、全力を持ってして止めにかからないと告白の方向へ持っていかれる。
「つーか、お前らもオレの心配してるが、自分の心配しろよ……」
「う!? 優ちゃんヒドイよ……」
「ちゅ、中学生で早すぎます!」
それを言ったら今の話題がほぼダメじゃないか。
というか、そんなんだから百合の噂が流れるんだよ。
知らぬは当人ばかりなりってか……?
それに、別方向へ話を持って行けたようだ。
後は、水の流れを変える様に話題を反らしていくだけだ。
放課後まで思い出さなきゃ、数日はぶり返さないかな?
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~翌日~
「優君、優君!」
「お、おう。なんだよ、ことり」
なぜか興奮気味のことりに話しかけられた。
嫌な予感がする。
「さっきね優君の好きな人の話してたんだ」
よし、穂乃果の口に餡子を詰め込む刑罰を思いついた。
息苦しさとカロリーに苦しむ事間違い無し。
本日さっそく実行しようか……。
「海未ちゃんが好きなんだよね?」
「……お前って時々、穂乃果よりアホだよな」
「優君ひどい!?」
刑罰の追加も視野に入れよう。
そうだな、きな粉なんかもいいかもしれないな。
口の中の水分を持っていかれて、苦しむがいい。
~数日後~
「あの、優君?」
「ん? なんだ、ことり」
丁度、クラス委員の仕事で書類作業をしていた。
相方の委員は帰ってしまうし、急ぎの仕事だったから今日中に片付けなくてはならない。
まぁ、プリントをまとめてホチキスで留めるだけなんだが。
そろそろ穂乃果達が、思い出したように告白の件を騒ぎ出す頃だろう。
どうやって話を逸らそうかと考えていた時だった。
ことりが奇妙な反応で話しかけてきた。
ちょい珍しい反応だ。
「えと……、あのね……?」
「どうしたんだ? 様子が変だぞ。体調悪いのか?」
いつもの感覚で、ことりの額に触れようと手を伸ばした。
「ひゃい?!」
っと奇妙な声と共に仰け反られた。
なんというか、触れられたくないみたいな反応に感じてしまい、少し傷ついた。
「あー……、すまん」
「えっと……、私の方もごめんなさい」
気まずい。
この場所から逃げ出したい気持ちもあるが、目の前の書類を片付けないといけない。
とりあえず、カシャカシャとプリントをホチキスで留めていく。
「あの、優君の好きな人……」
「またその話かよ。前にも的外れな事言ってただろうに」
カシャカシャ、カシャカシャとホチキスの音が俺とことりだけの教室に響く。
動揺を誤魔化す為に、ひたすらホチキスを動かし続ける。
我ながら弱いとも思うが、中学生の人生経験では喚き散らしたり、逃げ出さないだけマシだと自己完結をする。
「穂乃果ちゃんがね……」
「またあのアホ娘か。先日のきな粉アンコの刑では足りなかったと見える……」
オレの自腹だが、たっぷりとごちそうしてやった。
アイツの家のアンコは質は良いが、学生にはきつい値段設定だった。
しばらく、オレの昼食のパンの値段をワンランク下げる必要があるなぁ。
「私だって言うの……」
世界が凍る音が聞こえた気がした。
知られた?
穂乃果も海未もいたずらに人の恋愛感情を言いふらすやつらではない。
あれか? 二人が話しているのを聞いたのか?
可能性はそれが高いが……。
「あの、ことりは……」
震えている。
気づいてしまった。
ことりが胸の前で組んでいる手が、震えていた。
そして、目頭が潤んでいるのも気づいてしまった。
今の関係が、この距離感が壊れるのを恐れている。
「そうだな、穂乃果の奴も、ことりも、海未もみんな大好きだ。大切な幼馴染だからな」
言ってしまった。
たぶん、この言葉が今の関係を長く固定してしまいそうだが、ことりが泣きそうだったのだ。
受け入れてくれるのか? 拒絶されるのか?
わからないが、関係が壊れることにためらっている。
なら、オレはことりの笑顔を崩さないような選択をしよう。
こいつの涙が引っ込むなら、笑顔が続くなら、オレは何度でもこの選択をしよう。
これがオレのことりに対する好きという感情だ。
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~現在~
こんな事が中学時代にあったわけだ。
恥ずかしすぎる!!!?
何が「好きという感情だ。」だ!
自己犠牲の元に相手を救うとか、中二かよ!?
……当時中二だったよ!!!
脳内を沸騰させるような羞恥! いっそ殺してくれ!!
「えっと……忍ぶ恋も……素敵だと思うなー」
「よっしゃ、穂乃果テメェは今日これからきな粉アンコの刑に処す」
「藪蛇だった!?」
「傷口に塩を塗り込むような真似をするからです。大体、こうなった原因は私達ですよ?」
海未の奴は、当時土下座せんばかりの勢いで謝ってきていた。
こいつは真面目だからなぁ。
高校を卒業すれば、たぶんオレとことりは別の進路を進むだろう。
それまでにこの曖昧な状況にケリを付けなきゃな。
ことりは服飾関連の世界に飛び込むだろう。
だとしたら俺がやるべきことは、いくつか考えているが、それもこれもケリが付かないとダメだ。
カバンの中にある経営学の参考書。
もし、恋が叶ったなら……。
もっと専門的な参考書を買おう。
サポート、したいんだよ。
だから、高校生活を満喫しつつ、恋愛も頑張る。
それがいい。
さて、とりあえず今は穂乃果の口にきな粉を投入する為に小遣いを叩こうかね。
バイトしてる人間の財力をなめるなよ!
いかがでしたでしょうか。
佐藤優一は、幼い頃から穂乃果達と一緒に居た設定です。
そして、今日まで後片付けをやりつつ一緒に居ました。
彼が音ノ木坂に居るのは、共学化のテストケースを探す際に、穂乃果達に説得されて、理事長のことりママンが、この子なら大丈夫だと許可された経緯があったりします。
家族半ば公認です。
モゲルと良いよ。
それでは、感想とか評価とか頂けると、モチベーションアップに繋がります。
中には誤字脱字報告もしてくださる人も居て、嬉しいやら恥ずかしいやらの感情が渦巻いております。
いつも読んでくださってありがとうございます。
次回もよろしくお願いします!