東方開心劇    作:チャリタク

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本作品は三部作構成となっております。
設定がハチャメチャです。
私には文章力なんぞ存在しません。
ご高覧の際にはご注意下さい。



第21話「第二次幻想郷革命」

(結構集まったなぁ〜、これだけあれば大丈夫だろ)

 

 

茶封筒をビニール袋に入れて、俳句販売所から引き上げる自転車バカ。袋の重みを感じると思わず笑みがこぼれる。

 

 

(俳句モデルの知名度上がったよなぁ〜、俳句に使う写真を応募制にした途端この量だもんな。っと危ね、通り過ぎるトコだった)

 

 

2・3歩下がり、袋を左手に持ち替えてアパートのドアを開ける。

 

 

「ただいま戻りましたー、今回も豊作でっせー」

 

「おかえりなさい、自転車バカさん。早速選考に入りましょうか?」

 

「ですね、じゃあ写真を…よっこらしょ!」

 

 

適当に靴を脱ぎ、袋から茶封筒を出し送り主の名前が見えるようにある程度裏表を揃えて机に置く。この15通ほどの中から選ぼうというわけだ。

 

が、

 

 

「うーむ、難しい…みんな本気出し過ぎっしょ。すっげえいい写真ばっかなんすけど」

 

「なんか…ここ最近レベル上がってますね。撮るうちに構図とか身についていってるんでしょうか」

 

「ネットで調べりゃ写真の撮り方なんていくらでも出て来ますからね…こんな感じで」

 

「なるほど、機材まで紹介してるんですね。これは分かりやすい」

 

「それにしてもっすよ、ここまで傑作が揃うと……」

 

「あ、そういえば一眼レフ専門店が出来たらしいですよ?中々好評でした」

 

「マジっすか、その店長商売上手いなぁ…ん?」

 

 

神経衰弱のように並べた茶封筒。その中に、ひとつだけ気になる物があった。思わず手に取る。

 

 

「さぬ…?」

 

「その方がどうかしましたか?」

 

「いや、なんか聞き覚えある名前なんすよ。どこで聞いたんだっけ……?」

 

「ふむ……採用者リストには載っていません、初応募者ですね」

 

「あ、思い出した。町人Eさんがさぬ師って呼んでた人だ。

すんません、ちょっくらこの人のマイページ行って来ます」

 

「どうぞどうぞ」

 

 

腕の装置を操作し、瞬間移動する。

 

 

「よっと……へぇ、此処に住んでる人だったんだ」

 

 

自転車バカが降り立った地は、遠目からでも見える巨大な木と、それに続くバカみたいに長い階段。の、先に建ってるであろう純和風の屋敷が象徴的な場所。

 

冥界の白玉楼だ。

 

 

(やっぱり"ボケての幻想郷"に住んでる人だったか。まぁ見た感じボケの投稿数もそこそこあるし、当然といえば当然なのかな……おし、ついでにどんな人か見てみよう)

 

 

膝をガクガク言わせながらも階段を上り、屋敷へ近づく。体力が回復した所で塀の上からそうっと覗いた。幽々子にはすぐ気づかれたものの、一度俳句モデルに選んだ事で素性が知れている為に見逃して貰えた。まるで気づいていない妖夢とさぬを観察していた自転車バカだったが問題無しと判断し、幽々子に合図して戻った。

 

その後、文に報告して俳句を作り製品化した物を販売所へ持っていく。

その日1日を文と交代しながら店番をして、顧客が来ない間は応募された写真を金庫へしまっておく。応募の中から選びきれなかった時の保険だ。

 

翌日、自転車バカは売り上げ額の一部を渡す為にさぬの元へ飛んだ。

 

 

「はぁ……はぁ……、生まれたての小鹿になった気分だわ。いや、あんな綺麗なモンじゃ無いけどさ」

 

 

しかし、階段を登り切った所で疲弊して寝転がっていた。

今すっごい空飛びたい、誰か翼を下さい。もう歩きたくない。つーか帰りたい。

などと考えるも、渡す物があるので引き返す訳にもいかず。

それから10分後。

どうにか門の前に辿り着き、チャイムを鳴らした。

 

 

「はい、何でしょうか?」

 

「お忙しいところ恐縮ですが、俳句モデル選考委員の者です。此方にさぬさんはいらっしゃいますか?」

 

「そうでしたか、えーと……あ、本人居ました。今向かわせます」

 

「お願いします」

 

 

門が開き、さぬが不思議そうな表情を浮かべて聞いた。

 

 

「俳句モデルの方がどうしてここに…?」

 

「貴方がさぬさんですね、おめでとうございます。

この度、お宅の妖夢さんが今週の俳句モデルに選ばれました」

 

「マジか!応募したの初めてなのに?流石俺の妖夢だな…ん?待てよ?アレって確か」

 

「そうです、売り上げ部数が基準を超えたので"第二回弾幕舞踏会"の本戦出場が決定致しました」

 

「……お前そこで掃除してる場合じゃねーぞ妖夢ぅ!聞いた今の!?」

 

「ばっちり聞いてました!冗談じゃないですよね!?」

 

「冗談ではありません、これが証拠です」

 

 

駆け寄ってきた妖夢にも見えるように、ショルダーバッグからチケットを取り出す。

すると、二人して驚いてくれた。

 

 

『こ、これは・・・!』

 

「予選シード権です、特別製ですので紛失なさらぬよう厳重に保管を」

 

「分かってますって!こんなの無くすバカなんている訳無いじゃないですかー♪」

 

「だよなー♪」

 

「改めて、おめでとうございます。では失礼します」

 

 

深々と頭を下げ、門を閉じてアパートに戻る。

 

 

「おかえりなさい、反応はどうでしたか?」

 

「すっげえ喜んでましたよ。秋姉妹みたいに喜びの舞みたいなの踊ってました」

 

「何というバカップル……。

まぁそれはさて置き、地霊殿から依頼メールが届いてますよ?」

 

「地霊殿から?」

 

「えぇ……ざっくり要約すると、

"地底ピーアールprojectの第二弾をして頂きたい"

と書いてあります。鬼の皆さんに絡まれるのが私はアレなので自転車バカさん単独で行って貰えませんか?」

 

「流石文さん、話も早い。じゃあ行って来ます」

 

 

 

 

「……ってな訳で、今回は1人で来ました」

 

「うん、仕事をそんな理由で放棄するっておかしいわよね?一応文面にはあの天狗も一緒に来るよう書いておいたのだけど」

 

「仕方ないっすね、ああいう人なんで」

 

「仕方ないって……」

 

「いいじゃん別に。

"もし来なくてもそれはそれで…"

って言ってたのお姉ちゃんでしょ?」

 

 

地霊殿の応接間で話をする三人。

飛んだは良いがどこがどうなっているのか勝手が分からずうろちょろしていた自転車バカをこいしが発見し、ここまで連れてきたのだ。移動中、空さんを見かけたので挨拶した自転車バカだが、本人は

「……上がれよ」

とだけ言ってどこかへ行ってしまった。そういうアレコレを話し、話題も尽きた所で本題に入る。

 

 

「地底ピーアールprojectってどういう事なんすか?確か前にもやったような気がするんですけど」

 

「貴方の言う通り、以前やって頂いたわ。あれはあれで好評だったの。地底へ来る人数もそこそこ増えたし」

 

「だったらなんで第二弾を?」

 

「増えるには増えたんだよ?でもね、また元に戻りそうなの……」

 

「……?」

 

 

こいしがそういうと、二人とも目を伏せてしまった。

さとりが伏せたまま話す。

 

 

「あのドラマの放映は効果があった、それは事実よ?けど一時的なものに過ぎなかったの。何が足りないのかしら……」

 

「お二人はどう考えてるんですか?」

 

「多分だけど、地底に来るまでの手間が一番の理由だと思う。

昔に比べてお空の管理がかなり上達してるから、夏は涼しくて冬は暖かいように地底全土の気温調整を出来てるんだ、だから来た人は喜んでくれてるの」

 

「避暑地にも避寒地にも使えると。なら何で」

 

「それは……」

 

「いいよ、私が言う。お姉ちゃん普段お仕事で忙しいから外に出てないじゃない。こーゆーのは任せてよ」

 

「……悪いわね」

 

「いえいえ♪

それで、お客さんが増えないのはもう一つ理由があるの」

 

「もう一つ?」

 

「うん、てゆーかこれが最大の理由だと思うんだけど。

此処って地上に比べて観光資源が少ないの、スペインで言うアンダルシア地方みたいな雰囲気になってるし。のんびりして貰えるのは良いんだけど、興味がわくようなイベントやら場所が地上に比べて少ないっていうのがあるかなぁ……。

数日も居れば飽きちゃうんだよ、同じような景色ばかりだし。だから皆"二回目も来よう"と思わないんだろうねー」

 

『……』

 

「どうしたの2人とも?そんな驚いた顔して。私なにかおかしな事言った?」

 

「い、いや、おかしくはないすけど……」

 

「じゃあ何?」

 

「ここまで理路整然と話すとは思ってなかったから、びっくりしたわ。そんな情報量どこで集めたの?」

 

「えっへん!普段から色んな所に出入りしてたのは遊んでるだけじゃ無かったって事だよ!仮にも命蓮寺に入信してるのもあるから地上に行ってこころちゃんと遊ぶ機会も多いしね!」

 

「あんたの妹さん凄いっすね」

 

「そうね、問題点さえ分かってしまえばどうにでもなるわ。偉いわ、こいし」

 

 

横に座っているこいしの頭を撫でると、この上ない笑顔を見せる。

 

 

「さて、こいしの言う"イベントやら場所"はどうにかするとして……それらをどう宣伝したらいいかしら」

 

「TVだとインパクトはあっても記憶に残りづらいもんね〜。なんかの番組で紹介して貰えば別だけど」

 

「それでも記憶に残りづらいのは変わらないわ、うーん……」

 

「あ、いい事思いついた」

 

「何かあるの?」

 

「Xanaduみたいに雑誌で紹介して貰ったらどうかな?活字と写真なら嫌でも目につくよ♪」

 

「……Xanaduって何?」

 

「俺が扱ってる雑誌みたいな物です。どっかで催し物があれば紹介するし、どっかの店に新商品が出れば許可を取った上で宣伝します。そーゆー感じで幻想郷……いや、地上全土のアレコレを紹介&宣伝してます」

 

 

それを聞くや否や、さとりが目を光らせて食いつく。

 

 

「それよ!是非ともそれの地底版を作って頂けないかしら⁉︎」

 

「私からもお願い!」

 

「勿論良いですよ、要望にはなるべく答えるのが我が社の務めですから」

 

『やったー!ありがとう自転車バカさん!』

 

(あ、ハモった。やっぱ姉妹なんだなぁ)

 

 

その後、さとりの計らいでこいしに地底を案内して貰いながらメモと写真を取り、地霊殿に戻ってきた。

 

 

「うーん、やっぱ興味を引くようなイベントが無いと難しそうっすねー」

 

「だよねぇ、どうしたものか……」

 

 

廊下を歩きながら、ふと別な事を思い出した。

 

 

「話変わるけど、同じ洋館でも紅魔館と地霊殿って随分違うんすね」

 

「どんなふうに?」

 

「向こうは広すぎて移動は基本セグウェイだし。毎日どこかしらで弾幕ごっこやってて騒がしいんすよ」

 

「仕方ないよ、向こうはアレで見物料取ってるんだもん」

 

「ですよねー、やっぱ商売……」

 

 

そこまで言って、あるアイデアが浮かんだ。思わず立ち止まり考え込む。

……これひょっとしたらイケるんちゃう?

 

 

「こいしさん、さとりさんって今どこに居ます?」

 

「え?多分仕事部屋だと思うけど」

 

「案内して頂けませんか?話したい事があるんです」

 

「いいよー」

 

 

部屋に入り、頭の中で纏めたアイデアを話し始めた。

 

 

『異変解決ごっこ?』

 

「はい、詳しく話したいのですがお時間宜しいですか?」

 

「別に構わないわよ、続けて」

 

「ありがとうございます。そもそも今まで起きた異変って

① 何かしらの騒ぎが起きる。

② 霊夢さんや魔理沙さんといった方々が調査に出る。

③ 元凶を突き止め弾幕ごっこで決着。

という流れですよね」

 

「大体そうね」

 

「それを一般人がすぐ近くで観戦出来たのが心綺楼な訳ですが、大抵は自分たちの知らない内に終わってますよね。

なので、異変の事を聞かれてもご存じない方も居ます。誰が起こしたのか、というのも含めて」

 

「……そうだね」

 

「そこで提案なのですが、その異変解決を観光ツアーにしては如何でしょうか?」

 

『どういう意味?』

 

「当たり前の事ですが、どれだけ東方に精通している人でもゲームをクリアするだけで実際に体感する事は不可能なんです」

 

「知ってる、だからMMDで弾幕ごっこの場面作ってるんだよね……

あ、そういう事!?」

 

「そうです。一面から六面、果てはEXまで。ツアーガイドの案内の元に現地へ赴き、実際に勝負して頂くのです。

といっても身体を動かしたり勝負事が苦手な方も居るでしょうから、会って話をするだけでも良いでしょう。

細かい所は臨機応変な対応が求められますが、これならご要望にお応え出来るかと思われます。

如何でしょうか?」

 

『貴方が神か』

 

「御冗談を、私はただの人間ですよ」

 

 

効果は絶大だった。

自転車バカが現地を見て回り、文が文章を纏めて出来上がった雑誌”UGR”を荷台に乗せて歩きながら売った所、あれよあれよという間にツアー希望者が集った。お燐がツアーガイドになり、勇儀主動のもと鬼達が一晩で地底と地上を繋ぐ穴に階段を作り上げた。

 

だが、事態はこれだけで終わらなかった。

無事に第一回を終えた参加者が口コミで広め、

「ひとつウチでも」

という事になり各地で異変解決ツアーが名乗りを上げたのだ。中には紅霧異変から順番に回る猛者も現れ、人里に住む一般人にも妖怪や異変が親しみやすい存在となった。妖怪側でも威厳を保つ良い機会となったのは言うまでもないだろう。

 

因みに、これを大々的に取り上げた文々。新聞と花果子念報も購読者が増えたそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く。

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